一番美しい瞬間



石が一番美しく見えるのは採集した瞬間だ・・・と誰かが書いているのを読んだ事がある。
それまでそんな風に考えた事は無かったが、読んだ瞬間、ああ確かにそうだと納得した。
そして、そうと気が付かずに今まで採集していた自分を、なんだか情けなく思った。
私には、採集した石をあまり良く見ずに、すぐにしまい込むという変な癖があり
採集した事に感動はするが、最大の美しさを見逃していた事は否めなかった。
それからは意識して、その瞬間を味わう様にした。

このポイントは、風化が激しく進んでいて、ガマの名残の気配はおろか、真砂の粒さえ泥にまみれて分からないという場所で
山に水分の多い季節には、表土の腐葉土は臭く匂い、虫も多いので、快適な採集が出来ないだけでなく、
石はまるでコロッケの様に泥で包まれて、見落としも多くなる。
それでも、照りの良い水晶は、泥離れが良く、こんな感じで出土する。
写真にしてしまうと分かり難いかも知れないが、
どこか、別の次元の空間が口を開けている様に感じるのではないだろうか。
本当の美しさとは、その様なものだろう。