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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第304号
 2014.3.9.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】3月8日の乙女高原〜上から目線の自然観察〜
NEW! 2.【意見公開】シカの動向を注意深く見守ってください その2
   3.【活動案内】2013年度総会ならびに座談会 3月16日
   4.【活動案内】ヤマアカガエルの産卵調査2014
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0.【ニュースニュース】
●1.【緊急お願い・その1】今度の日曜日(16日)午後2時から牧丘町の総合会館(『花かげの湯』温泉の坂道を下ったところ)大ホールで,乙女高原ファンクラブの2013年度年次総会を開催します。一人でも多くの方の参加をお願いします。総会後に楽しいお話が聞ける座談会(今回の話題提供者は内藤さんです!)もありますので,そちらもぜひ聞いていっていただきたいのですが,都合が悪い方は,総会だけでも結構です。おそらく1時間かかりません。総会には新しく山梨市の市長に就任された望月さんもいらっしゃいます。新市長さんに乙女高原の大切さをアピールする絶好の機会です!! 多くの方の参加をぜひぜひお願いしたいです。→3

●2.【緊急お願い・その2】総会の出欠はがき(委任状も兼ねています)の締め切りは3月6日ですが,まだ投函されてない方はお早めに投函してください。委任状と出席者を合わせて普通会員の過半数にならなければ,総会が成立しません。まだの方は,ぜひ,ハガキを出してください。→3

●3.『214バレンタイン豪雪』後,初めて現地(乙女高原)に入りました。道路の雪上には誰の足跡も(もちろん車のわだちも)なかったので,史上初のレポートとなります。→1

●4.乙女高原でヤマアカガエルの産卵調査ですが,豪雪の影響で,おそらくは柳平から往復8qは雪の中を歩かなければならないと思います。スノーシュー等の雪山装備をお持ちの方でないとたいへんだと思います。かといって,調査当日までに雪解けが相当進むことも考えられます。微妙な状況であることをご理解ください。→4

●5.(再掲)『乙女高原大百科』,好評発売中です。1冊2,000円(実費)。手渡しできない場合は送料が必要で,1冊なら350円。ですから,1冊なら送料込みで2,350円ということになります。郵便振込でご送金ください(別途手数料がかかります)。複数冊欲しい方,送料については要相談です(先日,2冊でも送料350円で送れることがわかりました)
http://fruits.jp/~otomefc/daihyakka.html
 郵便振替口座等は以下の通りです。
・口座番号 00220-8-71093
・加入者名 乙女高原ファンクラブ

●6.4月の世話人会の日程は総会の席上で決めます。しばらくお待ちください。

●7.乙女高原の活動とは直接関係ありませんが,植原が参画している「自然観察と絵本の読み聞かせノコラボレーション企画」である『おおぞらの下のおはなし会〜山梨岡神社を自然探索・春〜』が3月23日(日)午前10時から12時まで,笛吹市春日居町の山梨岡神社(国道140号沿いの「春日居小学校」の向かいの道を山に向かって入っていきます)で行われます。対象は小中学生ですが,それ以外の方の参加もオッケーなので,ご連絡ください。主催・問い合わせは『おはなしのへや・もも』馬場さん080−5046−9436まで。
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1.【観察報告】 ●3月8日の乙女高原● 〜上から目線の自然観察〜

 2・14バレンタイン豪雪から1カ月。その間,雪も降りましたが,そろそろ行けるかな,今日は天気も安定しているし・・・ということで乙女高原まで出かけてきました。

 柳平までの旧杣口林道は,生活道路ということもあって,ところどころ凍っていましたが,しっかり雪かきしてありました。
 途中,水を忘れたことに気づき,姥栃で車を停め,雪かきで道路わきに積まれた雪の山をよじ登って見に行ったら,雪で埋まることなく,ちゃんと湧き水が流れていました。雪山も表面が凍っているので適度に硬く,足で踏み抜くことがありません。ペットボトルに水をくんで,持っていきました。
 柳平に近くなると,雪かきしてあるのは一車線分だけで,両側の雪の壁も高くなってきました。これでは車を路上駐車できません。金峰山荘・水上さんにお願いし,ただでさえ駐車スペースが狭くなっている駐車場に車を停めさせてもらい,スノーシューをはいて,乙女高原を目指しました。

 雪がなければ,数分で到着する乙女高原に,2時間以上歩いて行くのですから,大変です。
 はじめのうちは雪の表面が凍っていて,歩くと,まるでせんべいを踏んだようなバリバリした音がしました。でも,そのうち,パウダースノーに近くなってきたのか,スノーシューが雪の中にもぐり,しかも,刃に雪がひっついてしまうのか,スノーシューがやたらと重く感じるようになりました。
 『ぼくの前に道はない,ぼくの後ろに道はできる』状態です。人が歩いた気配も,もちらろん,車が通ったわだちもありません。2・14豪雪後の乙女高原の姿を初めて観る人間はぼくだ!!

 雪はほとんどのところでガードレールが見えないくらい高く積もっています。橋の上を歩く時,ちらっと恐怖を感じました。これだけの雪が積もっているのですから,橋にはすごい荷重がかかっているはずです・・・落ちないかなーと。

 乙女湖にかかる橋を渡る途中で,シカの甲高い声を聞きました。見ると,小さなシカが一頭だけで斜面を駆け上がっていました。遠くだったので,よく見えませんでしたが,毛の色が白っぽくて不健康そうで,しかも,去年生まれたばかりの子鹿みたいでした。
 しばらくシカを見ていたら,多くのカラスがいることにも気づきました。ハシブトガラスです。乙女高原に冬に行くと,いつもハシブトガラスに出会います。ただし,いつも2羽です。きっと,つがいなのでしょう。
 一度だけ,20羽ほど群れているのを見たことがありますが,冬のはじめのことです。「カラスが群れているなんて,めずらしいな」と観察を続けたら,鈴なりになっているマユミの実をついばみ始めました。あの大きな図体のカラスが小さくて赤いマユミを食べるなんて,かわいいなと思いましたが,カラスが群れている理由は合点がいきました(『乙女高原大百科』124ページ)。
 今回は数羽います。こんな時期に数羽いるなんて・・・と,ちょっと心にひっかかりました。そのときは気づかなかったのですが,帰りに同じ場所で今度は2頭のやせたシカを見た時,ハッと思いました。もしかしたら,このカラスたちはシカの死体に集まっていたのかもしれません。そういえば,麻布大学の高槻先生と乙女高原を歩いていたとき,カラスが集まっているのを見たとたん,高槻先生が猛ダッシュし,行った先にシカの死体があった・・・ということもありました。乙女高原の冬のカラスはけっこうシカの死体に依存していたりして。

 雪は湿地の木道を完全に被ってしまっています。母母峠の車両進入禁止のゲートも雪に埋もれて存在を消しています。
 それくらい高く積もっている雪の上を歩いているのですから,なんか変な気分です。いつもは見えないはずの崖下の様子が歩きながら妙によく見えたり,梢がやたらと近くに感じたり。考えてみると,地面から1mくらい上を歩いているのですから,ちょうど軽トラの荷台に乗ってながめる景色と同じ視点(目の高さ)で見ているのでしょうね。

 ノウサギの足跡,ヤマドリの足跡,まるでよっぱらいのお父さんのようにあっちにふらふら・こっちにふらふらしているキツネの足跡,雪面からかなり下まで足が食い込んでいるのがわかるシカの足跡。いろんな足跡を観ることができました。シカの足跡は少なかったです。
 「う,クサイ!」と思ったら,キツネのおしっこの跡がありました。
 また,道路の脇・崖の下には自然にできた雪ダルマがたくさんたまっていました。

 2時間以上かけて歩いて乙女高原に到着。ロッジについて2度びっくり。一つ目は,ベンチとテーブルが完全に雪の下になっていて,まっ平らに見えたこと。もう一つは,玄関前のコンクリートにあるテーブルといすを使って昼食をとろうと思ったのですが,玄関前が高さ1mの雪の『崖』になっていて,スノーシューをはいたままでは,この垂直の崖は降りられないと思ったことです。仕方がないので,踏み固めながら,雪の階段を作り,途中の踊り場でスノーシューをはずしました。
 ずっと雪の中を歩いてきたので,普通の椅子に座ってお昼が食べられたのは助かりました。

 一面雪また雪です。草原の脇には道路にそって頑丈な木の柵があるのですが,それが完全に雪の中。ですから,その上を普通に歩いて草原内に進むことができました。
 ツツジのコースでは,ツツジの株が雪の下ですから,平らな雪原をどこでも歩けました。ツツジの藪を気にする必要がありません。
 湿地も同じです。湿地の上に雪が積もっていますから,泥に足をとられる・・・なんて心配せずにほぼ自由に歩きまわれます。でも,ご用心。ところどころ,ぱっくりクレバスが口を開いていて,中を覗き込むと,雪の崖の下に水が流れています。雪がつくった深い峡谷です。ここに,はまったら,たいへんだろうなーと思いました。

 雪の正確な深さを知りたいと思ったのですが,いつもやっている(スキーの)ストックを雪の中,下まで差すという方法が通用しません(ストックにペンで1pおきに線が書いてあるんです)。途中で止まってしまうのです。それでも,湿地のクレバスに恐る恐るストックがどこまで入るかを見る,シカ柵のポールの雪の上が何pあるかを測る・・・という方法で推測した結果,いずれも1m強という数字が出ました。

 さて,今回の最大の目的は,2月11日に仕掛けたフロート式水温自動測定機の様子を見ることでした。発泡スチロールの板の裏に温度測定素子(データロガー)をビニール袋に入れて固定し,それに紐を付けて流されないようにしておいただけのものです。今度の豪雪で,雪の下に沈んでしまったかと思いましたが,2つともちゃんと水面に(一つは氷面でしたが)浮いて,しかも,ちゃんとデータロガーの面が下になっていたので感激しました。水面下の温度をちゃんと計ってくれているのでしょうか?

 行きに2時間強,帰りに2時間弱かけて,柳平〜乙女高原を往復しました。翌日の今日は足が筋肉痛です。このときの写真をブログにアップしましたので,ぜひご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/d/20140308
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2.【意見公開】●シカの動向を注意深く見守ってください その2●

 こういうところが高槻さん(麻布大学)って,すごいなあと思うのですが・・・。
 前回のメールで「今回の雪によるシカへの影響が甚大であると予想されることから,シカの動向に注意してください」という高槻さんのメールをご紹介しましたが,「注意したのですが,どんな点に注意すればいいのか」といった意見が寄せられたことから,暫定版ですが,マニュアルをつくってくださいました。
 ぜひ,これを参考にシカの動向を注意深く見守ってください。なお,このメールマガジンの性格上,表と写真は割愛しましたので,ご承知おきください。


2014年冬の豪雪とシカへの影響の記録●

 2014年は2、3月に関東中部の太平洋側に豪雪があり、人の生活に支障をきたしましたが、シカにも大きな影響があったものと推察されます。このような特異な事例は生態学的にも重要であり、機会を失わず記録を残しておくことが大切だと思います。そのためできるだけ無理のない方法で、ぜひ記録しておくべきことをまとめ、解説をつけておきました。参考になさってください。

            麻布大学 高槻成紀

<記録すること>
 必要な情報は「いつ、どこで、何が」です。地図に位置を記入し、写真を撮影してください。写真はまずノートに発見者の名前と年月日、通し番号を書き、必要なメモを書いて、それ(ノートのページ)を撮影します。
例:高橋2014.3.24-1、メス、腐乱、沢の中

 発見者番号は別の日もまた1番から始めます。それは連番にするとこれまで何番までだったかを忘れることがあっても、その日のうちは1から始めれば覚えているものだからです。
そのあとに死体について次の3枚を撮影します。

1)死体を含み回りの景色を入れた全景、
2)死体全体、
3)頭(前歯を接写すればよりよい)

 こうしておけば、死体の番号があとでわかりやすくなります。何頭も撮影すると、あとでどれがどれかわかりにくくなるので、必ず最初に番号をつけてください。
 こうしておけば地形、森林状態がわかり、雌雄とおよその年齢、死後どのくらい経過したかがわかります。最近のカメラはGPS情報もあるようです。こうした情報がたくさん集まれば非常に重要です。
 情報は責任者が通し番号をつけ、発見者番号、撮影年月日、地形(尾根、斜面、沢)、植生(落葉樹林、人工林、草地、その他)、性、およその年齢段階、状態、その他の記録を一覧表(別添)にし、写真には通し番号をつけ、3枚をセットにして保管します。状態の判断に迷う場合は高槻に写真を送っていただければお知らせします。

<大雪のときに起きること>
 シカは足が細長く蹄をもつので、雪が深くなると沈んでしまい、雪の深さが1mにもなると動きがとれなくなります。それで雪の少ない場所に移動しようとします。ふつうは沢におります。雪の上には踏み固めたシカ道ができ、糞が厚くつもります。そこで動けなくなるとは、食べ物がなくなり、枯葉や樹皮、枝を食べ、栄養がとれなくなって餓死することがあります。

<蓄積脂肪>
 シカは秋までに蓄積していた脂肪を使いながら冬を越しますが、ササのあるところではあまり痩せません。ササが雪に埋まると樹皮はぎを始めます。脂肪は腹腔内のものを使い、とくに腎臓の脂肪はわかりやすいので、腎臓の重さに対して周囲の脂肪が何%であるかを指標にします。秋には100%を大きく上回りますが、晩冬期には子鹿やオスでは10%以下になり、最後はまったくなくなります。それから皮下脂肪を使うので、この段階で痩せたことが外見でわかるようになり、肋骨が浮いて見え、背骨(椎骨の突起)が飛び出し、腰骨(寛骨)が飛び出したようになります。そういう脂肪を使い果たすと、最後は骨髄内の脂肪も使うようになり、この段階に入ると死亡率も高くなります。本土の子鹿の場合、体重が20kgを切ると死亡率が高くなります。

<死体の変化>
 シカが死ぬと金華山ではカラスが目や肛門をつついて徐々についばみます。本土ではキツネが死体の一部を持ち去ります。クマやタヌキもそうするかもしれません。山梨の乙女高原ではテンのフンからシカの毛が出るようになったそうです。
 気温が低いと腐敗は進みにくいですが、徐々に腐乱状態になり、それから乾燥するとミイラ状態になり、肋骨等が見えるようになります。最後には白骨化し、体毛が散乱します。

<年次比較>
 非常に重要なことは、この冬が特異であることを示すために、来年の同期にほぼ同じ場所を歩いて「少ない」ことを出すことです。そうすることではじめて客観性をもって異常年であることが示せます。多くの場合、異常に目をとられてそのときだけ調べて終わりとなりますが、これでは説得力がありません。もしこれまでなんらかのパトロール記録があれば、それと比較すればよいですが、多くの場合、ないと思います。
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3.【活動案内】 ●2013年度総会ならびに座談会●

  【総 会】
日 時 3月16日(日)午後2時〜(準備は1時半から)
場 所 山梨市牧丘総合会館 3階 大ホール
次 第
 1.開会のことば
 2.代表世話人あいさつ
 3.議 事
  @2013年度活動報告
  A2013年度収支決算報告
  B会計監査報告
  C2014年度活動計画案
  D2014年度収支予算案
  Eその他
 4.その他
  ・4月の世話人会について…4月  日(  )
 5.閉会のことば

   【座 談 会】
■話題提供者 内藤邦雄さん
 乙女高原ファンクラブでの活動のほか,まちづくり時習塾のメンバーとして中央市の常永川流域での自然観察会,NPO法人みどりの学校のメンバーとして保育園,小学校,イベントでの自然エネルギー体験学習会,ヴァンフォーレ甲府のホームゲームでのゴミゼロ,環境啓蒙活動,自然エネルギー・ワークショップ(工作教室)等の活動。
■お話のテーマ「私のセカンド・ライフ」
■お話の概略 自然環境問題に取り組み始めた契機,その中での自然観察会,地球温暖化防止活動の位置づけと活動内容,活動を継続することの大切さとそれを支えるモチベーションの源。

※総会の出欠ハガキ(委任状を兼ねる)をお早めに投函してください。
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4.【活動案内】 ●ヤマアカガエルの産卵調査●

日 時 3月21日(金祝)   4月 5日()  19日() (26日())
集 合 道の駅まきおか駐車場 9:30
  車に相乗りし,途中から歩いて,乙女高原の湿地でヤマアカガエルの産卵状況を調査します。

■モニタリングサイト1000とは・・・
 里地里やまの自然の変化を,市民による調査によって全国規模で調べていこうという環境省/(公財)日本自然保護協会によるプロジェクトです。調査項目は9つありますが,乙女高原では、『カエル調査』に取り組みます。乙女高原は2013年にサイト登録したので,今回が初めての調査になります。

■乙女高原でのヤマアカガエルの産卵
 乙女高原では3月下旬〜4月上旬、まだ雪が残っている時期にいったん冬眠から覚め,湿地に雄雌が多数集まって産卵し(かえる合戦)、産卵が済むとまた冬眠を続けるという、珍しい生態を持つカエルです。
【乙女高原での産卵確認日】
3月20日(2010)4月10日(2011),4月8日(2012),4月7日(2013)

※詳しくは事務局までお尋ねください。
※雪の状態によっては往復8キロ(柳平〜乙女高原)雪の中を歩きます。
※天候等によって急きょ中止したり延期したりすることがあります。電話等でご確認ください。
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