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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第310号
   2014.6.28.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】第1回刈り取り実験    6月15日
NEW! 2.【観察報告】アサギマダラの産卵を目撃 5月31日ほか
   3.【活動案内】マルハナバチ調べ隊 あしたです!
   4.【活動案内】草の刈り取り実験とモニタリング
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0.【ニュースニュース】
●1.あれよあれよという間にレンゲツツジが満開を迎えてしまいました。6月25日付けの山梨日々新聞では,カラー写真とともに「満開レンゲツツジ」という乙女高原の記事が載りました。レンゲツツジ以外にもキンポウゲやアヤメなど初夏のお花たちが私たちを迎えてくれます。ぜひ乙女高原においでください。

●2.昨年始めた草刈り実験の2年目をスタートさせました。麻布大学の高槻先生たち野生動物学研究室の全面的な協力のもと,6月と9月に草刈り作業,1カ月に一度のモニタリングを行います。6月の草刈りは15日にもう終わってしまいましたが,今後も活動は続きますので,興味のある方,ぜひご参加ください(→1,4)

●3.以前,乙女高原案内人研修会で「スゲ類の分類」についての講師をしてくださった林さんと一緒に,草刈り実験の翌日(6月16日),谷地坊主の調査をしました。今回は基本的なデータの収集ということで,谷地坊主が群生している場所の測量を中心に行いました。
 ぼくが谷地坊主の群生に沿ってポールを立てると,それを林さんが遠くから機械で覗き,その機械によって自動的に距離や方位が記録されます。1つ記録されたら,ぼくがポールを次の場所に動かして・・・というのを延々と繰り返しました。「木が生えている場所も記録しておきましょう」と,湿地内の木一本一本についても,同様に測量しておきました。すごいですね。あとは機械(パソコン)が地図にしてくれたり,面積を計算してくれたりするそうです。結果が楽しみです。

●4.次回世話人会は7月17日(木)午後7時半から牧丘総合会館です。ファンクラブの会員であれば,どなたでも参加できます。ぜひどうぞ。

●5.(再掲)乙女高原(の近くの焼山峠)まで乗合バスが運行されます。予約が必要で,11月23日までの土・日・祝日(振替休日を含む)に運行されます。
 行きは,塩山駅北口→柳平→焼山峠 塩山駅北口発 08:25, 9:15 の2本
 帰りは,焼山峠→柳平→塩山駅北口 焼山峠発   15:25,16:40 の2本
 運賃は,塩山駅北口→柳平は大人1,000円・小人 500円,塩山駅北口→焼山峠は大人1,100円・小人 550円。事前に運行会社である英和交通に電話をかけて,申し込んでください。
  (金峰山・夢の庭園など)大弛峠へ行くには柳平で下車し,そこで乗合タクシーに乗り換えるそうです(これも要予約)。
 焼山峠から乙女高原までは2q弱。歩いて30分弱です。
 英和交通の電話は0120-26-2344。時刻表等は,こちら
  http://eiwa-kotsu.com/img/timetable/odarumi-line.pdf

●6.(再掲)『乙女高原大百科』(A5判600ページ)好評発売中です。1冊2,000円。送料は360円。ですから,送料込みで,1冊なら2,360円,2冊なら4,360円となります。3冊以上の送料については要相談。郵便振込でご送金ください(別途,送金手数料がかかります)。
 http://fruits.jp/~otomefc/daihyakka.html
 郵便振替口座等は以下の通りです。
・口座番号 00220-8-71093
・加入者名 乙女高原ファンクラブ
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1.【活動報告】 ●第1回刈り取り実験●  6月15日

 昨年から始めた刈り取り実験2年目の第1回目草刈りでした。
 乙女高原では毎年11月という決まった時期に草刈りをしていますが,それ以外の時期に草刈りをしたら草原生態系にどのような違いが出てくるのか…を探るのが目的です。これには,麻布大学の高槻先生はじめ野生動物学研究室の全面的な協力を得ています。
 実験の具体的な方法はこうです。
 草原内に10m四方の方形区を6箇所設定しました。方形区は分かりやすいように四隅に杭を打ち,ポールを立てています。6箇所それぞれで以下のように草刈りの仕方を変えます。

@6月区:6月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
A9月区:9月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
B11月区:11月に区内の全植物を刈り取る(現行の刈り取りの効果の確認)。
C2度刈り:6月と9月に区内の全植物を刈り取って,2度刈りの効果をみる。
D選択刈り:6月に区内のススキのみを刈り取って効果をみる。
E刈り取りなし:全く刈り取りをしない区。

 今回行ったことは,このうち@CD区の草刈りをし,それぞれの区内で今後調べていく植物を決めて,マーキングと調査をすることです。草刈りはおもにファンクラブで,マーキングは麻布大学の皆さんで行いました。
 今回,お集まりいただいたのは9人。梅雨の中休み,抜けるような青空の元,作業がはかどりました。麻布大学の皆さんは草原到着後,さっそく作業に取りかかりました。先にマーキングや調査をすませてからでないと草刈りができないという事情があったからです。
 草刈りは刈り払い機を使って宮原さんと武井さんが6月区と2度刈り区を,選択刈り区については他の人が手刈りで行いました。刈った草は成城大学の山小屋があった場所に運びました。

 奇しくも草刈り実験の開始時刻は,サッカー・ワールドカップ予選の日本・ギリシャ戦と同時でした。麻布大学の学生さんの中には,なんとレプリカ・ユニフォーム姿の人が!! そして,宮原さんが持ってきてくださったラジオの中継を聞きながらの作業となりました。草原の中に散らばっての作業でしたが,ラジオを持って行った学生さんが「日本,一点入れました!」などと大声で中継してくれたのでみんなで一喜一憂しながら作業を進めました。乙女高原では「ラジオでの」サッカーの実況中継が必要です!

 真っ赤なレンゲツツジが真っ青な青空によく映えていました。作業は順調に進み,ロッジ前のベンチでお昼を食べました。
 今後,それぞれの方形区がどう変化していくのか楽しみです。皆さんも注目してくださいね。
 と同時に,2010年5月に設置したシカ柵の中と外がどんなふうに違ってくるかにも目を向けてください。よろしくお願いします。
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2.【観察報告】●アサギマダラの産卵を目撃●  5月31日ほか

車に乗って乙女高原を目指しながらいつも思うことは,時間さえあれば毎回,歩いて行きたいなということです。車だと見逃したりしていることがいっぱいあると確信しているので,車を運転しながら,いつもキョロキョロ。隣に妻を乗せていたものなら,もう,怒られどうしです。

でも,5月31日。この日はキョロキョロが功を奏しました。林道を走っている途中,アサギマダラが飛んでいるのを発見。地面すれすれを飛んでいて,どうもいつもと様子が違います。
そこで,道の広い場所に車を置いて,アサギマダラに近づいてみました。アサギマダラはバタバタとホバリング気味に草に止まり,「あっ,違った!」とゆわんばかりにパッと飛び立ち,次の草に止まり・・・というのを繰り返していました。止まった草は小さなイタドリ,ツルマメのまだつるがまきつかないくらい小さなのなど。ぴんときました! このアサギマダラは卵を産む場所(葉)を探しているのではないか?!

アサギマダラはアゲハくらいの大きなチョウです。鮮やかな青やチョコレート色がよく目立つので,飛んでいれば,すぐにそれとわかります。このチョウはツバメのように渡りをすることが知られています。チョウの羽根にペンで場所等を書き込んで放し,そのチョウが次にどこで見つかるか,大勢のアマチュアの参加によって調べられています。その結果,どんなルートで,どこまで飛んで行くのか,少しずつ解明されてきました。乙女高原でも,この「アサギマダラのマーキング調査」をしたことがあります。乙女でマーキングされたアサギマダラが愛知県田原市,兵庫県新温泉町,高知県室戸市で再捕獲されています。(どなたか乙女高原でのアサギマダラ・マーキング調査を再開しませんか? 捕虫網など道具は揃っています)
http://fruits.jp/~otomefc/asagi.html

さて,乙女高原では,アサギマダラの卵や幼虫も見つかり,それが蛹にっていく神秘的なシーンも確認しています。ですが,蛹がチョウへと羽化するシーン,チョウが卵を産んでいるシーンはまだ見たことがありません。
そこでのビッグチャンスです。ひいき目かもしれませんが,「小さなイタドリ」といい「ツルマメのまだつるがまきつかないくらい小さなの」といい,なんとなく,アサギマダラの幼虫が食べるイケマに似ています。

ぼくの予想通り,そのうちアサギマダラはイケマの葉を「みつけ」(というより,似ている葉に片っ端から止まり,ようやく本物に出会ったって感じ),おしりを葉の裏にまわして,しばらくそのままでいました。
アサギマダラが立ち去ると,しばらくは追いかけました。同じように葉を調べるようなしぐさを続けていましたが,そのうち,そのしぐさをやめて,遠くに飛んでいってしまいました。
ぼくはさっきのイケマに戻り,そっと葉を裏返してみて見ました。すると,そこには真っ白い,まるでハッカ・キャンディーのような色をした,丸い卵が一つ産みつけてありました。

 これで楽しみが一つ増えたなあと喜んでいたのですが,1週間後の6月8日にも,2週間後の6月15日にも、とうとうアサギマダラの幼虫を見つけることはできませんでした。毒のあるイケマを食べる虫はそうそういないので,食べ跡から幼虫の存在がわかるのですが,葉に食べた形跡はないし,卵もそのままって感じでした。せっかく見つけたのに,ぬか喜びになってしまいました。

今年はアサギマダラの当たり年なのかもしれません。5月31日には結局,10頭ほどのアサギマダラを目撃することができました。
そのうちの一頭は富士山ポイントの丘で見つけました。林道で見たアサギマダラのように地面すれすれを飛んでいたので,「あ,また産卵シーンだ。今日はなんてラッキーなんだ」と思いました。地面すれすれのところでバタバタしています。しめしめ。飛び去ったら,あそこに行こう。そうすれば,卵が見られるぞ。卵を産んでいるのを脅かしたくなかったので,遠くから写真を撮りました。茂みの中にいるので,なかなかうまく撮れませんでしたが・・・。
さて,チョウが立ち去ったので,いたところに急行。

ところが,いくら探してもイケマがありません。あれ,おかしい,そんなはずはない・・・でも,ないんです。その代わり,チョウが確かに長居したと思われるところにあったのはヨツバヒヨドリという草でした。アサギマダラの特にオスはヒヨドリバナの仲間の花が大好き。なぜかというと,アサギマダラのオスはヒヨドリバナの仲間の花の蜜から,メスを誘因する物質を作るのだそうです。ということは・・・
あわてて撮った写真をカメラのモニターに映し出し,拡大してみました。思った通り,さっきのアサギマダラはメスではなく,オスでした。メスの後ろ羽根は全面「茶色と半透明白」ですが,オスのそれは,一部,ちょうどチョウのお尻がさわる部分に黒っぽいしみがあるので,それとわかります。だまされました。オスが産卵するわけありませんものね。
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3.【活動案内】●マルハナバチ調べ隊● 6月29日(日)

 今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。

■日 時 6月29日(日) 雨天中止 午前10時半から午後2時くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入します。

※年に3回調査をするマルハナバチ調べ隊は,今年で12年目。
 第1回 6月29日(日)
 第2回 8月 3日(日)
 第3回 9月 7日(日)
 時間やプログラムは今回と同じです。
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4.【活動案内】 ●草の刈り取り実験●

 草原内で違う時期に刈り取りをし、その影響をモニタリングし、刈り取りに対する草原植物の反応の違いを明らかにします。刈り取り実験区は,ひとつの処理について10m四方の方形区。今年は実験・調査の2年目です。このプロジェクトは麻布大学野生動物学研究室との協働事業です。

@6月区:6月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
A9月区:9月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
B11月区:11月に区内の全植物を刈り取る(現行の刈り取りの効果の確認)。
C2度刈り:6月と9月に区内の全植物を刈り取って,2度刈りの効果をみる。
D選択刈り:6月に区内のススキのみを刈り取って効果をみる。
E刈り取りなし:全く刈り取りをしない区。

・刈り取りは地上部10cm程度の部分を機械または手刈りで刈り取ります。
・刈り取り直後に主要種について30個体程度を選び、ビニールテープでマーキングします。
・その後10月まで、毎月草丈の測定をします。

 【実験・調査のスケジュール】
・ 6月15日(日)・・・済
・ 7月13日(日)
・ 8月10日(日)
・ 9月13日(土) 9月区の刈り取りとモニタリング等
・10月 5日(日) 
・11月23日(日・祝) 秋の刈り取り ※草刈りボランティア

●草の刈り取り実験 その2●

■日 時 9月13日(土) 小雨決行 午前10時から12時30分。
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 ある方は軍手 必要な方は弁当,水筒など
■参加費 無料。
 ※刈り払い機使用も大丈夫な保険に加入します(ファンクラブで負担します)。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
 ※保険に加入する都合上,事前に申し込みをお願いします。
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