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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第331号
 2015.8.30.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
   1.【活動報告】乙女高原を歩こう (8/23)
   2.【活動案内】マルハナバチ調べ隊(9/06)
   3.【活動案内】9月の草刈り実験 (9/13)
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0.【ニュースニュース】

●1.草刈りボランティアのちらしに続いて,草刈りボランティアのキッズ用ちらしも完成しました。草刈りちらしは毎年作っていますが(恒例の黄色いちらしで,集合記念写真が載っていて、赤いドーナツがあるやつ)、子ども用は初めてです。「見たい!」「配るの、協力するよ」という方はお知らせください。連絡が入り次第、送料事務局負担でお送りします。

●2.谷地坊主を解体する観察会、楽しかったですよ。谷地坊主の断面がどんな形をしているのか、どんな生き物が住んでいるのかがわかりました。ちょうどススキが花粉飛ばしをする時期に遭遇してしまい、ぼくは一日中鼻がムズムズしました。→1
なお、この様子はブログでも紹介しています。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20150823

●3.谷地坊主の関連ページです。
 釧路湿原の谷地坊主
 http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/b779a8fd1ead6569a60958a8be78e051
 日光・戦場ヶ原の谷地坊主
 http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/adb63aab11e74e3e5b954209e50a7d35

●4.9月の乙女高原、2つのイベントがあります。一つは9月6日(日)10:00~14:30はマルハナバチ調べ隊(→2)、13日(日)10:00~12:30は草の刈り取り実験(→3)です。ぜひご参加ください。

●5.(再掲)次回世話人会は9月16日(水)午後7時半から牧丘総合会館です。ファンクラブの会員であれば,どなたでも参加できます。ぜひどうぞ。

●6.(再掲)乙女高原ファンクラブでも参加している環境省・日本自然保護協会の「さと山モニタリング調査」の調査体験研修が行われます。ファンクラブで参加しているのはカエル産卵調査ですが、調査項目は他にもいろいろあり、余力があったら参加したいなというのがぼくの意見です。ぜひご参加ください。

■□■里やまの市民モニタリング調査体験研修会in山梨■□■
 身近な自然である里やまの自然環境は、農業の衰退や都市開発により危機的状況にあります。里モニ(市民による里やまの自然環境モニタリング調査)は、市民が主役となり、調査を通じて地域の自然の価値を見つけ、その変化を記録して保全に役立てようという活動です。今回の研修会では、里モニの意義を学ぶとともに、野外で調査の体験実習を行います。また全国プログラム「モニタリングサイト1000里地調査」に参加する山梨県内の市民団体に事例発表をいただき、参加者と各団体との交流の機会を設けます。里やまでのボランティア活動を始めてみたいという初心者も大歓迎ですので、ご参加をお待ちしています。

● 日時:2015年9月5日(土) 10:30~16:30(受付 10:00~)
● 対象:一般の方、モニ1000里地調査員の方
● 参加費:無料(昼食はご持参ください)
● 会場:山梨県甲府市愛宕山少年自然の家 研修室 http://atagoyama.yya.or.jp/ ● 定員:25名
● 主催:日本自然保護協会、環境省生物多様性センター
● 協力:愛宕山少年自然の家、里山くらぶ
● 内容:
10:30~講義「里モニのススメ!」市民調査の意義と可能性(講師:NACS-J高川晋一)
13:00~実習「体験☆植物しらべ」 (講師:NACS-J高川晋一)
15:00~講座「市民のネットワークで見つめ、守る力」
    (講師: NPO法人おおいた生物多様性保全センター理事長 足立高行)
15:30~事例紹介「山梨県内でのモニタリングサイト1000里地調査の取り組み」
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1.【活動案内】●乙女高原を歩こう● 8月23日(日)

 8月23日、午前中は乙女高原の「晩夏」を楽しみながら歩く会、午後は谷地坊主の観察会・・・というたいへん贅沢な1日を過ごしました。乙女高原は晩夏というより秋の訪れを感じる季節でした。ススキの穂がきれいに色づいていました。

 びっくりしたのはススキの花粉。花粉症の季節にスギの木から黄色い煙のような花粉が飛び散る画像をテレビで見ることがありますが、そんな感じ。歩きながら袖がススキにふれると,すごい煙です。服に黄色い粉がたくさん付いてしまいました。心なしか鼻がムズムズするような感じでした。
 そんな中、森のコースを登り、展望台のベンチで一休みしてから草原のコースを下りてきました。

 昼食後、湿地へ。途中、シカ柵に寄りました。シカ柵の中は、お花畑です。黄色や赤や青紫や、いろいろな花が、それこそたくさん咲いていました。来年の今頃は、乙女高原全体がシカ柵の中です。4~5年後には乙女高原全体がこのようなお花畑になるでしょうか。

 さて、谷地坊主の観察です。
 まず湿地を見下ろせるところから谷地坊主を見ていただきました。が、なんかボサボサすぎて、一つ一つの坊主の姿がわかりませんでした。もっと早い時期に、上から見下ろすといいかなと思いました。
 次に湿地に掛かる橋のところで,間近に谷地坊主を観察。谷地坊主の成り立ちについて解説しました。

 湿地に生えているカヤツリグサ科スゲ属の草の中には,水に沈まないよう地下茎がどんどん育つものがあります。春から秋にかけて地下茎がよく育ったところで,冬に根元の土が凍ると,霜柱が地面を持ち上げてしまうのと同じように,株ごと持ち上がってしまいます。そして,春先には根元が雪解け水などでえぐられて,株全体が少し高くなります。その繰り返しによって数十年で,全体的に丸みのある、ゲゲゲの髪の毛みたいな草株を作っていきます。
 もし,水の流れが速すぎればスゲの根元を削りすぎてしまうし,遅いと根元をえぐることはできません。また,水の量が多すぎると株が流されてしまうし,少ないと削る力が小さくて谷地坊主は作れません。ほどよい流速と流量でなければならないということです。
 また,冬に根元の土が凍るから谷地坊主ができるのですから,霜柱が大きく成長するような厳しい寒さの場所で谷地坊主ができるのです。でも、いくら寒さが厳しくても、雪の多い地域では、かえって地面が雪でカバーされてしまうので、土が凍って持ち上げられるということは起こりにくく、谷地坊主も発達しません。
 このように、①冬の寒さが厳しく、かといって雪が多くない地域の、②ほどよい流量と流速の水の流れのある山地の湿地に、③谷地坊主を形成しうるスゲ属の植物が優占して、始めて谷地坊主が生まれるのです。

 さらに、今日の谷地坊主観察場所に移動。
 地主さん(山梨県・・・県有林課)に断ってあるとはいえ,今日は谷地坊主を「解体」する予定があるので,目立たないところに移動しました。
 20人以上の参加者がありましたので,2つの班に分かれ、観察開始。まず谷地坊主の大きさを計ったり、目視で気づいたことを記録したり、見つけた生き物を記録したりしました。次に地面すれすれのところで横に切り、谷地坊主を地面から分離し、重さを計りました。さらに縦に(輪切りに)してみました。すると、アリが巣を作っていました。その後、土を完全に洗い落として、また、重さを計りました。土の含有率がこれでわかります。
 ◆一つ目の谷地坊主 4.18kg 土を洗った後の重さ 1.98kg 水分含有量 53%
 ◆二つ目の谷地坊主 4.60kg 土を洗った後の重さ 1.70kg 水分含有量 63%
 観察が終わったあと、谷地坊主はもとの地面を少し掘って、埋め戻しました。
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2.【活動案内】●マルハナバチ調べ隊● 9月6日(日)

 今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。

■日 時 9月6日(日) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)

※行事災害保険にはファンクラブで加入します。

※年に3回調査をするマルハナバチ調べ隊は,今年で13年目。
 第1回 6月28日(日)・・・楽しく終了。ラインセンサス0。
 第2回 8月 2日(日)・・・楽しく終了。ラインセンサス51。
 第3回 9月 6日(日)・・・今回
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3.【活動案内】 ●草の刈り取り実験● 9月13日(日)

 草原内で違う時期に刈り取りをし、その影響をモニタリングし、刈り取りに対する草原植物の反応の違いを明らかにします。刈り取り実験区は,ひとつの処理について10m四方の方形区。今年は実験・調査の3年目です。このプロジェクトは麻布大学野生動物学研究室との協働事業です。

①6月区:6月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
②9月区:9月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
③11月区:11月に区内の全植物を刈り取る(現行の刈り取りの効果の確認)。
④2度刈り:6月と9月に区内の全植物を刈り取って,2度刈りの効果をみる。
⑤選択刈り:6月に区内のススキのみを刈り取って効果をみる。
⑥刈り取りなし:全く刈り取りをしない区。

・刈り取りは地上部10cm程度の部分を機械または手刈りで刈り取ります。
・刈り取り直後に主要種について30個体程度を選び、ビニールテープでマーキングします。
・その後10月まで、毎月草丈の測定をします。


●草の刈り取り実験
その1=6月の刈り取り 6月14日(日)・・・無事,終了
その2=9月の刈り取り 9月13日(日)小雨決行 午前10時から12時30分

■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 ある方は軍手 必要な方は弁当,水筒など
■参加費 無料。
 ※刈り払い機使用も大丈夫な保険に加入します(ファンクラブで負担します)。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)-
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