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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第339号
 2016.1.28.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】1月24日の乙女高原
NEW! 2.【書  評】高槻成紀著『シカ問題を考える』
    3.【活動案内】乙女高原フォーラム(1/31)
    4.【活動案内】乙女高原観察交流会(2/06)
    5.【活動案内】ファンクラブ総会 (3/13)
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0.【ニュースニュース】

●1.いよいよ今度の日曜日・1月31日は「第15回乙女高原フォーラム」です。
フォーラムは13時からですが,スタッフは11時30分集合です。よろしくお願いします。

●2.次回世話人会は3月2日(水)午後7時半から牧丘総合会館です。ファンクラブの会員であれば,どなたでも参加できます。ぜひどうぞ。

●3.(再掲)山梨県森林総合研究所の長池さんから、「南アルプス高山帯のニホンジカをどう管理するか」というシンポジウムの案内をいただきました。2月11日(木・祝)の13時30分から16時30分まで、会場は甲府市の山梨県立大学飯田キャンパス講堂です。詳しくは以下のサイト(PDFファイル)をご覧下さい。
 http://www.pref.yamanashi.jp/shinsouken/index.html

●4.(再掲)環境省箱根自然環境事務所と神奈川県立生命の星・地球博物館の共催で「箱根、丹沢、富士山、伊豆半島におけるニホンジカ対策の現状」というシンポジウムを開催するそうです。2月13日(土)の13時~16時20分まで。会場は神奈川県小田原市の神奈川県立生命の星・地球博物館です。詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
 http://nh.kanagawa-museum.jp/event/info/ev346.html

●5.(再掲)日本自然保護協会(NACS-J)の自然観察指導員講習会というと,自然観察会をする人を養成しようという日本でもっとも老舗の講習会ですが、土日を利用して行われるのが普通です。ですが、このたび、土日に休めない人たちのために平日開催するそうです。宿泊関係や博物館関係など、土日のほうが忙しい方々にとって朗報だと思います。3/22(火)~23(水)の1泊2日。会場は東京都八王子市の八王子セミナーハウス、定員50名、参加費はNACS-J会員の方は24,500円、NACS-J会員ではない方は29,500円(ただし、受講時に22歳未満の方は27,500円)だそうです。募集期間は2/4(木)~2/25(木)必着。詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/shidoin_schedule/2015/03/no5123.html
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1.【観察報告】●1月24日の乙女高原●

 山梨では1月18日の未明から大雪になりました。山梨市の小中学校は2時間遅れとなりました。雪が降ったので、次の雪が降る前に、どうしても乙女高原に行きたくなりました。というのも、雪が降ると、動物たちの動きが足跡として雪の上に「記録」されます。シカ柵の中でテンの糞を発見したり、キツネの姿を目的したりしたことはメールマガジン前号で報告しましたが、シカ柵を通り抜けて(?)入る瞬間を観察することは不可能に近いです。ですが、雪が降ると、入る瞬間も雪の上に「記録」されるので,どのように動物たちがシカ柵内外を行ったり来たりしているかが分かると考えたのです。動物がシカ柵をくぐる「動かぬ証拠」を見つけたかったのです。「次の雪が降る前に」というのは、新しく雪が降ると、その記録がかき消されてしまうからです。
 幸い、次の雪が降ると予報された前日(土曜日)に雪は降らず、日曜日(24日)に、いそいそと乙女高原に出かけました。

 杣口を過ぎると路面は真っ白。ぼくのウチあたりでは雪は降らなかったのですが、山では雪だったようです。柳平から先は除雪してないので、ここから歩くことにしました。スノーシューを履いて、両手にストックを持って、歩きだしました。焼山峠まで車ではビューッとすぐに着いてしまいますが、30分かかりました。動物の足跡はほとんど見つけられませんでした。
 焼山峠付近で積雪は28センチ。峠から先に、車の轍はありませんでした。「ぼくの前に道はない、ぼくの後ろに道ができる」状態です。風が冷たいを通り越して,痛いです。
 雲の動きが早く、しかも低い。ときどき太陽との絶妙な位置関係になり、虹色に輝きます。彩雲です。こんなに風が強くて,雲がどんどん飛ばされる日は、彩雲がよく見えることでしょう。

 乙女に向こう途中の崖のあたりで,仔ギツネの姿を見ました。向こうもこちらに気がつき、逃げるのですが、気になるのか、ときどき立ち止まってはこちらを振り返って、しばらくジッと見ています。こちらも負けじとジッと見てやりました。
 キツネを見てから、急に路面にウサギの足跡が目立つようになりました。うれしくなりました。というのも、昨シーズンは雪の乙女高原に行っても、ウサギの足跡が見られない日もあったからです。足跡は動物たちの行動の記録です。崖から湿地に向かう遊歩道入り口までで10個のウサギの足跡(トラック)が観察できました。
 4番目のトラックは、道路上を歩いていって、道路脇の崖に近づいたと思ったらぼくの胸くらいの高さの崖の上まで一気に飛び跳ねていました。さすがウサギのシャンプ力です。
 5番目のトラックは、途中におしっこをした跡がありました。ウサギのメスは春が近づくと(繁殖期になると)独特の匂いがある赤いオシッコをするのですが、黄色い普通のおしっこでした。
 6番目の足跡(プリント)は小さめでした。きっと子どもウサギのものでしょう。

 母母峠から自然観察路に入りました。とたんにシカの足跡が多くなりました。雪がある範囲だけ低くなっていて、明らかに雪の中から笹を堀り出して食べた跡だとわかります。そんな跡が所狭しとありました。シカはあの大きな体を支えるだけの食事が必要なわけで、冬は苦労しているんだろうなあと思いました。

 歩き始めてから1時間半で乙女高原に着きました。シカ柵の中に入ろうとしたのですが,出入り口が雪に埋まり、入れません。そこで、別の入り口(駐車場近く)から入りました。
 入ったら、まずは双眼鏡も使って動物の足跡を探しました。とりあえず見える範囲にはありません。ツツジコースに沿って歩き始めました。

 そして、見つけてしまいました。 動物の足跡。左右に2つの足跡が並んでセットになっていて、そのセットが続いています。きっとテンの足跡です。足跡を追跡しました。たどっていったら、シカ柵に着いたのですが,拍子抜けしてしまいました。足跡はシカ柵があることなんかお構いなしに続いている感じなのです。シカ柵の前で立ち止まるとか歩幅が狭くなるとか、そんなことないのです。まるでシカ柵がないかのごとく続いていました。
 しばらく歩いたら、また足跡がありました。今度はキツネみたいです。キツネの足跡もシカ柵を見事につっきっていました。不自然さがまったく感じられません。
 結局,6箇所でシカ柵をつっきる動物の足跡を発見しました。動かぬ証拠です。

 「シカ柵を作っても中型哺乳類は出入りすることができる」ことがわかりました。

 ロッジの玄関屋根下でお昼を食べました。お湯を沸かしてカップ麺を食べようと、秋の終わりにロッジの柱の陰に隠しておいたペットボトルを取り出しました。水でした。ほっとしました。このところの寒さで凍っているに違いないと思っていたからです。
 ところが,ヤカンに水を入れようと思ったとたん、みるみるうちに凍っていきました。水をそっと冷やすと零度以下になっても凍らないことがあります。過冷却というのですが、その現象が目の前で起こっていたのです。さすがに冷え冷えの氷水です。なかなか沸騰しませんでした。
 ふと顔を上げると、枯れ木の向こう側に彩雲が見えます。まるで「モチモチの木」のワンシーンでした。もっともトチノキではなくシラカバでしたが・・・。

 あまりにも寒いので,食べたらすぐに出発です。
 また、おもしろいものを見つけました。凸型になった足跡です。普通、雪の上に付く足跡は、足が雪の中に入るのですから凹型になりますが、足跡の底・足で押した部分が固くなるので、強風が吹いてもその部分だけ残り,ほかの部分が吹き飛ばされるので,今度は凸型の足跡になります。これをそのまま持ち帰り、インクを付けると「足跡スタンプ」ができます(冗談です)。

 帰りは湿地経由で歩きました。途中、シカが皮を剥いだばかりの木がありました。1本は角を研いだのでしょう。鋭い溝が刻まれていました。カラマツでした。他は平らにはぎ取られていて、はぎ取られた表面にノミで削ったような跡がたくさん付いています。こちらは食べた跡です。ノミの跡は前歯(下の歯)の跡です。サクラ(カスミザクラ?)とミズナラの2本でした。

 帰りは下りですから早いですね。12時50分に出発し,2時には車に戻ることができました。
 体中冷えてしまったので,夕方,温泉で温まりました。もちろん,それからビールです!

※日本語では「足跡」という単語しかありませんが,英語ではひとつひとつの足跡のことをプリント、プリントが続いている様をトラックと呼び、区別しています。動物を観察するときも、この2つを区別したほうがわかりやすいので、本文中でプリントとトラックを使い分けました。
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2.【書評】●高槻成紀著『シカ問題を考える』●
     ~バランスを崩した自然の行方~ ヤマケイ新書

 乙女高原でお世話になっている高槻さんがまた,本を出されました。すごいペースです。
 高槻さんの本は、このメールマガジンでも何回か紹介しました。
 メルマ319号で紹介した『唱歌「ふるさと」の生態学』
  http://fruits.jp/~otomefc/maga319.html
(ヤマケイ新書)もそうだったのですが、今回のこの本も、このテーマで書くとしたらた高槻さんが一番ふさわしく、しかも、書くことが一番求められているのは「今」だよなと心から思える本です。

 この本は,今,日本中で問題となっているシカの急増に伴う自然保護問題を解説した一般の人向けの本です。今,シカ問題を知らない人のほうが少ないと思いますが、シカが増えることによって、そこの自然にどんな影響があるのか、その影響をどのようにして「見とる」のか、そもそもシカとはどんな動物なのか・・・など、シカ問題に対峙するための基本的な知識と、向き合うさいの立ち位置や考え方の方向性を示唆してくれる本です。
 たとえば、シカが増えるということは、その土地の土も問題を抱えてしまうし、花だけでなく虫にまで影響が及ぶし、森林の更新にも影を落としてしまいます。また、シカの増加が害になる動植物ばかりかと思えば,シカがたくさんいた方が生存に有利に働く動植物もいます。具体的に、どんなことが起きているか想像がつきますか?

 この本には高槻さんと麻布大学野生動物学研究室の皆さんが乙女高原で行ってきた調査観察の成果も書かれています。見慣れた写真も出てきますよ。私たち乙女高原ファンにとっては、それもこの本の魅力のひとつです。

 シカが急増した「背景」には何があるのか?も考察しています。森林伐採による食糧の増加? 牧場の存在? 地球温暖化による暖冬? 狩猟圧の低下? オオカミの絶滅? それぞれについて疑わしい点、それだと断定すると出てくる矛盾点について分析し、最終的には農山村での暮らしのあり方の変化であると言っています。

 シカ問題は、乙女高原でも顕在化し,最近,シカ柵を作ってもらったばかりです。多くの人でシカ問題を考え,そのよりよい解決方法を探っていくためにも、ぜひご一読をお勧めします。

 ※日曜日の乙女高原フォーラムでも販売させていただきます。
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3.再掲【活動紹介】 ●乙女高原フォーラム● 1月31日(日)

日 時 1月31日(日) 午後1時~3時30分

※スタッフ集合は11時半です。
 スタッフにはお弁当を用意しますので,立候補される方は事前にご連絡ください。
※終了後、会場で講師を囲んでの茶話会をします。参加自由です。
 また、その後、山梨駅前で懇親会(=食事会=飲み会)を行います。

場 所 夢わーく山梨 3階 大集会室
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料

■フォーラムのテーマ
「生物多様性の妖精・スミレのふか~くてひろ~い話」

世界に400種とも600種ともいわれるスミレ属の植物。南極以外のすべての大陸に分布し、日本には60種を数えます。世界における日本の面積はわずか0.25%。その日本列島に世界の10%のスミレが分布しているというのは驚異的な数字です。それは日本列島の生物多様性の象徴といってもいいでしょう。日本列島にスミレが多いわけを紐解きながら、身近なスミレに自然史の奥深さを学びましょう。

■ゲスト いがり まさしさん

いがりさんのプロフィール
 1960年愛知県豊橋市生まれ。関西学院大学文学部美学科中退。自転車で、ストリートミュージシャンをしながら、全国を放浪。その後、冨成忠夫氏の植物写真に出会い、植物写真を志す。印刷会社のカメラマンを経て、1991年独立。植物の生命としての美しさを映像で表現する一方、超アップを駆使したわかりやすい図鑑写真にも積極的に取り組んで現在に至る。2009年よりミュージシャンとしても、ライブ活動やマルチメディア作品として音楽作品を発表している。豊橋市在住
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4.再掲【参加募集】●第3回 乙女高原観察交流会●

●2月6日(土)9時 道の駅「花かげの郷 まきおか」に集合→相乗りで乙女高原へ

●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。----------------------------------------------------------------

5.再掲【活動案内】 ●2015年度総会●

日 時 3月13日(日)午前10時~(準備は9時半から)
場 所 山梨市牧丘総合会館 3階 大ホール

次 第
1.開会のことば
2.代表世話人あいさつ
3.議 事
 ①2015年度活動報告
 ②2015年度収支決算報告
 ③会計監査報告
 ④2016年度活動計画案
 ⑤2016年度収支予算案
 ⑥その他
4.その他
5.閉会のことば
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