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 乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第445号  2021.1.1.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察提案】乙女高原に「あるもの」「ないもの」
NEW! 2.【観察報告】乙女高原でカヤネズミの巣?!
NEW! 3.【活動回顧】④ヒミツを探る連続週末観察会(1999年)
    4.【活動案内】乙女高原自然観察交流会 2021年01月09日(土)
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0.【ニュースニュース】

●1.あけましておめでとうございます。今年も乙女高原・乙女高原ファンクラブ・乙女高原メールマガジンをよろしくお願いします。
 このメールマガジンはずっと「テキスト形式」でお送りしています。ITC技術が発達した今どきですが、要するに文字情報だけです。それはどんなガラケーでも乙女高原の情報を欲している方には届けたいという思いからですが、乙女高原で起きていること、観察したことを何とか文字だけで伝えようというのは、自分にとって、とってもいい「コトバの鍛錬の場」になっています。
 コトバだけで伝える乙女高原メールマガジン、今年もよろしくお願いします。

●2.・・・ということで、どんなガラケーにも乙女高原メールマガジンをお届けすることができます。できるだけ多くの方に乙女高原のことを(できればリアルタイムで)知っていただきたいし、多くの方が読んでくださることによる効果もあります。たとえば、前号・前々号で話題にした生物多様性地域戦略の件で、環境省の方がわざわざ電話をくれたのも、このメールマガジンの存在が大きいと思います。
 ちゃんと数えたことはありませんが、今、読者は500人くらいだと思います。郵送と違ってメールだと500人だろうが1,000人だろうが手間暇や費用は変わりません。ぜひ、多くの方に乙女高原メールマガジンをお勧めいただきたいと思います。ウエハラのパソコンに登録するためにメールアドレスとお名前を教えてください。

●3.・・・とはいえ、写真も付けてお伝えしたいこともあるので、2つのブログを開設しています。「観察ブログ」と「活動ブログ」です。
 観察ブログ  https://blog.goo.ne.jp/otomefc
 活動ブログ  https://blog.goo.ne.jp/otomefcact
 「観察…」では、「乙女高原に行ったら、必ず3枚の写真を選んでブログにアップする」のをウエハラの自分ルールにしています。すでに1,500枚を超える写真が登録されています。乙女高原で見られるおもな動植物はほぼ網羅していると思います。
 一方、「活動…」は乙女高原の活動アーカイブです。「乙女高原ファンクラブ活動写真絵日記」といってもいいと思います。「今までのスミレ観察会で見たスミレってどんなのだったっけ?」といった調べものをしたいときに「ブログ内検索」すると便利です。
 メルマ今号の「3」の記事で、いくつかアドレスが載せてありますが、活動ブログでカヤネズミ探訪をレポートしたものです。

●4.・・・それに、乙女高原メールマガジンは「創刊準備号2000.10.25」「創刊号2000.11.23」から最新号まで、すべてバックナンバーが読めるようになっています。ホームペーシだとトップページをずーっと下に見て行って、一番下に「メールマガジン」というのが出てくるので、それをクリックしてください。めんどくさい人はここをクリックしてください。
 http://fruits.jp/~otomefc/maga.html
 また、メールマガジンの「創刊準備号」から「268号2012.3.17」までの記事をテーマごとに編集して写真も加えたのが『乙女高原大百科』という600ページを誇る書籍です。印刷・製本実費2,000円(+送料)でお分けできます。
 http://fruits.jp/~otomefc/daihyakka.html

●5.2021年が乙女高原ファンクラブ創設20周年となることから、「乙女高原の保全活動の歴史~植原の目から見た~」という連載をしています。第2弾の「ノスリの巣」に関して、松林さんからメールをいただきました。「やはり市民の目から見た自然活動がいかに大事かが分かりますね。何とかしたいと思います」
 今回はその第4弾。農文協の雑誌『食農教育』2005年3月号に書かせていただいたものをベースにしています→3

●6.(再掲)コロナ禍の今後の状況によって開催不可になるかもしれませんが、今年2021年3 月には乙女高原ファンクラブ20周年を記念した、大掛かりな展示会を予定しています。パネル10枚を使う大規模なものです。山梨市駅前の「街の駅やまなし」が会場です。この展示会には受付係が常駐する必要があります。ご都合がつく方には、ぜひご協力いただきたいと思います。詳しいことが決まりましたら、お知らせします。

●7.(再掲)今年2021年4月22日、乙女高原ファンクラブは設立20周年を迎えます。「自然を守る活動」に終わりはありません。自然も社会も変わり続けているので、「これで分かった」とか「これでおしまい」ということがないのです。今回のコロナ禍のような状況でも、細々とでもいいから、とにかく「続ける」ことが一番大切だと思います。とはいえ人の生涯には限りがありますから、「続ける」ためには「世代交代」が必要です。
 そんなことから、乙女高原ファンクラブの世話人は2年ごとに改任しています(再任はもちろん可)。今年度末(2021年3月の総会)は世話人改任の時期です。乙女高原ファンクラブはボランティアの会なので、世話人改任は「立候補→総会で承認」という手順を踏みます。乙女高原の自然を次世代に引き継ぐため、ぜひ立候補をよろしくお願いします。このメールに返信で結構です。
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1.【観察提案】●乙女高原に「あるもの」「ないもの」●

 皆さん、ちょっと思い出したり、考えたりしてください。乙女高原にありそうでないもの、あるいは、なさそうであるもの、どんなものがあるでしょうか? あるいは、「一回だけ見たことがあるんだけど、その後、見ることができないでいる。あれは幻だったのか? それとも、その後、いなくなったのか」という案件でもいいです。
 そのようなことを皆で共有していれば、「もともと乙女高原にはなかったはずのものがあった」とか「もともとあったはずなのに、見られなくなった」ということを、多くの目で「見守る」ことができると思います。また「一回見たことがある」というものについては、注意深い視線が注がれることになると思います。あまり言いたくはありませんが、「もともといないはずなのに、誰かが連れてきて,放してしまった」というケースも考えられます。そんな案件の監視にもつながると思います。

 とりあえず、「言い出しっぺ」であるウエハラが挙げてみますね。皆さんも、ぜひこのメールマガジンに返信の形で、乙女高原にあるもの・ないものを教えてください。また、以下のウエハラ・リストに異論がありましたら、ぜひ、聞かせてください。

・カマキリ【いそうでいない】あれだけ餌になりそうな昆虫がいっぱいいるのに、見たことがありません。

・カブトムシ【いそうでいない】ミヤマクワガタなら見たことがありますが、カブトムシは見たことがありません。

・スズムシ【いそうでいない】カンタンの声は聴きますが、スズムシの声は聴いたことがありません。基本、夜しか鳴かないので、聞き逃している?!

・ナガマルハナバチ【最近見ない】たとえば2002年8月27日の記録には「午前7時10分から8時40分の1時間半の間にナーちゃん(ナガマルハナバチ)がツリフネソウ(キツリフネを含む)群落を訪れた のは,のべ39個体。(平均2.3分に一回)」とありますが、その後、ナガマルハナバチは見られなくなっています。ツリフネソウ・キツリフネの常連さんでした。
http://www.otomekougen.npo-jp.net/observ/0208/0208.htm

・スズラン【ありそうでない】笛吹市にある「芦川のスズラン」が有名ですが、乙女高原にはありません。一度、ロッジのベンチ下で見つけたことがあります。誰かが植えたのではないでしょうか。そのうち、無くなりました。

・ミズバショウ【ありそうでない】笛吹市「藤垈の滝」のミズバショウが有名ですが、これは新潟県の胎内市より譲り受けたものだそうです。乙女高原でもこの「二番煎じ」を狙った方がいたのでしょうか。湿地に植えられているのを発見したことがあります。

・イヨフウロ【ありそうでない】甲州市大和の「湯の沢峠」では普通に見られますが、乙女高原にはありません。

・ハクサンフウロ【ありそうでない】韮崎市「甘利山」では普通に見られますが、乙女高原にはありません。

・クサレダマ【ありそうでない】中部地方の湿地でよく見られます。韮崎市「甘利山」にもありますが、乙女高原にはありません。

・ドバト【一度見た】いつもは見ませんが、秋の乙女高原で目撃したことがあります。以下、「乙女高原メールマガジン第240号2010.12.5.」より。
 10月29日には、どうも上空を見慣れない白っぽい鳥が旋回してると思ったら、ドバト(公園や大きな神社の境内等にいるやつ)でした。5羽いました。一羽がロッジの庭に下りたので、双眼鏡でじっくり見たところ、頭の羽毛が抜け落ちていていました。なんか無防備な感じに飛んでいるので、猛禽の恰好の餌食になるんじゃないかと思っていたら、案の定、11月14日の草刈りボランティア下見の時、駐車場わきにドバトの羽根が散らばっているのを見ました。

・ハシブトガラス【いなそうでいる】都心にいっぱいいるカラスです。そんなシティー派カラスですが、乙女高原にも普通にいます。冬でもいます。冬だからさぞかしひもじい思いをしているのではないかと思うのですが、冬見るカラスはいつも艶やかなんですよね。もちろん、他にもいろいろと餌はあるでしょうが、冬に死んでしまったシカ肉が彼らにとって重要なのではないかというのが、ぼくの推論です。以前、シカの死体を見つけたのでセンサーカメラを仕掛けたことがありますが、昼間来ているのはハシブトガラスの群でした。

※番外編【乙女高原にないもの】として「夜の人工的な明かり」「自動販売機」。ぜひとも加えたいものは「ポイ捨てのごみ」。
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2.【観察報告】●乙女高原でカヤネズミの巣?!●

 「またまた人騒がせな…」と思っている方がいるかもしれませんが、はい、人騒がせです。
 前号で、井上さんが12月20日に乙女高原を訪れたレポートを載せました。その帰り、井上さんは我が家にお寄りになり、「これ、なんだかわかりますか?」とビニール袋を出されました。ビニール袋の中にはソフトボール大の球形の鳥の巣のようなもの。一目見て「カヤネズミ(かもしれない)!」と思いました。さっそく井上さんに、それがあった様子の写真を送ってもらいました。ススキの地上50cmくらいのところにあったそうです。ますますカヤネズミっぽいです。
 あわてて高槻先生にメールを送ったところ、「地上からの正確な高さと、大きさの記述が終わったら、慎重にバラして糞がないか、また毛が残っていないか、調べてもらえませんか」とのこと。
 12月27日に乙女高原に行って、球巣がないか探しましたが、残念ながら見つかりませんでした。だから、地上からの高さは、井上さんの「地上50cmくらい」をそのまま採用します。

 12月31日、ようやく大掃除も終わったので、球巣をじっくり観察し、「解体」してみました。
 まず、ぼくが笛吹川で見つけたカヤネズミの巣と比べてみました(偶然にも、これも2003年の12月31日に採集したものでした)。大きさといい、構造といい酷似しています。ただ、外側に太めの葉、その内側に細めの葉が巻いてあるというのは同じですが、乙女の巣のほうが手抜きをしているというか粗い感じで、笛吹川の巣の方が密でていねいな感じがします。ほぼ球形で、たて・よこ・高さはそれぞれ8,8,7cmです。
 巣の一番外に太い葉があります。ススキの葉で間違いないと思います。太く見えたのは内側の葉がすごく細いからで、太い葉の方が標準の葉です。それが何本か絡まっています。ていねいに外してみると、太い葉が途中から3,4本に分かれているものがありました。縦に裂いてあります。おそらく、さらに内側の細い葉は、このようにススキの葉を裂いて作られていると思われました。
 外からすこしずつ開いてみましたが、子どもの頃、野球の公式ボールを分解したときのことを思い出しました。野球のボールって真ん丸ですが、中は、糸がグルグル巻きになっているんですよね。ちょうどそんな感じでした。さっき、「手抜き」なんて失礼なことを書きましたが、ゴルフボールくらいまで開いてみると、とてもていねいに編まれていることが分かります。途中、毛虫が一匹出てきました。冬眠場所としてちょうどいいのかもしれません。球の中心部分では、ススキの綿毛も見つかりました。これをダウン代わりに敷いて防寒していたのかもしれません。これらの分解作業はトレイの上で行いました。最後にトレイの上をよく見ると、糞らしきものが見つかったので、採取しました。高槻先生のもとに送って、調べてもらおうと思います。

 今まで日本でカヤネズミが見つかった最高地点は1230m。乙女高原は、それよりずっと高いです。とはいえ、カヤネズミはシベリアや北欧といった寒いところにも生息しているので、乙女高原にもいる可能性は十分あります。また、日本では、カヤネズミといえば、ススキなどの茎の途中にゴルフボールのような茎上巣を作るものとされていますが、海外の文献をみると、ススキの株の真ん中にドーム状の地上巣を作ることもあると紹介されています。乙女高原でも地上巣が多く見つかっていますが、カヤネズミのものと確認されてはいません。一方、茎上巣が見つかったのは今回が初めてで、大きさといい、形状といい、カヤネズミの可能性が高いのではないかと思います。

 では、今までの乙女高原でのカヤネズミへの取り組みを振り返ってみます。

①2016年の草刈りボランティアのとき、地上巣が見つかりました。見つけて「これはカヤネズミの巣じゃない?」と尋ねてくださったのは半場さん。山中湖村の草原でカヤネズミも観察しておられます。そして、それにお墨付きをくださったのが高槻先生。俄然盛り上がりました。その年、草原で53個も地上巣が見つかりました。草刈り後ということもあり、茎上巣は見つかっていません。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/d378b74ef5fcbe6f4cdb42c035eb2fab

②2017年春、「カヤネズミ」に疑義が生じました。カヤネズミではなくアカネズミではないかということです。確かにカヤにしては大きすぎ、巣のバラバラ感もあります。高槻先生は乙女高原に来て、巣の調査をしました。見つかった糞は、DNA鑑定に回してくださったそうです。

③2017年秋、高槻先生を中心に調査隊を結成し、草原内ににシャーマントラップという「ネズミとり」を仕掛け、乙女高原内にどんなネズミがいるかを直接調べました。40個のトラップを2回(晩)仕掛け、計ヒメネズミ1頭とハタネズミ5頭を確認しました。残念ながらカヤネズミは捕れませんでした。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/6c50b254fbae8c256ac52a6f9a04e782
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/0912fe69e6d2d267aafafdae74ef0156


④2018年夏、奥津さんの提案により、草原にペットボトルで作ったトラップを仕掛けました。園芸用ポールの上部にペットボトルを付け、中にヒマワリの種を入れてカヤネズミを誘い入れ、残った食痕や糞でカヤネズミの存在を証明しようというものです。奥津さんによると、ペットボトルの口はとても小さく、そこから中に入れるのはカヤネズミのみだそうです。4か月にわたって、最終的には42個のトラップを仕掛け、途中途中、中の様子を調べ、糞を回収しました。ヒマワリが乙女高原の外来種になっては困るので、レンジでチンしてから仕掛けました。
 同時にセンサーカメラも仕掛け、トラップに入るネズミの様子を録画しました。ペットボトルから中に入るネズミの様子が映っていましたが、それが本当にカヤネズミであると自信が持てませんてした。イマイチ動きのキレが悪く、しっぽの使い方もカヤネズミらしくありません。
 小さなカヤネズミはヒマワリをもっと細かく裂くようにして食べるそうですが、残されたヒマワリの殻はそんな感じではありません。糞が残されていたので、それはDNA鑑定していただくことにしました。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/aa36c9020eab2aa4d7a9865b46eea176
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/172394fc2ef923f100584d3782c69744
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/7dcddd9d5c765d255f0213ea37c47c24

⑤2019年2月、DNA鑑定してくださった麻布大学の村上先生から高槻先生のもとに、鑑定結果が届きました。結果はヒメネズミでした。残念ながら、ここでもカヤネズミの存在は否定されました。

⑥ということで、現段階で明らかになったことをまとめると、
 (1)乙女高原の草原で地上巣が見つかるが、何ネズミのものかは特定できていない。
  (カヤネズミかもしれないし、アカネズミかもしれない。もしかしたら、巣には2種類あって、両方ともいるかもしれない)
 (2)乙女高原の草原には少なくともヒメネズミ、ハタネズミがいる。
  (一般的に「森のネズミ」であるヒメネズミも草原にいた。アカネズミは確認されていない)
 (3)乙女高原の草原でカヤネズミの存在は確認できていない。
 (4)ペットボトルトラップを使えば糞が採取できる。
 (5)糞があればDNA鑑定でネズミが特定できる。
 (6) ペットボトルトラップには(カヤネズミだけでなく)ヒメネズミも入る。
ということになります。

 今回の井上さんの発見により、一時はあきらめていたカヤネズミ生息の可能性(3)が、再度浮上しました。だから、冒頭で「またまた人騒がせな…」と書きました。ものごとを探求していくことは「人騒がせ」の連続です(この場合の「人」は「他人」だけでなく「自分」も含まれます)。だからこそ、わくわくします。
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3.【活動回顧】④ ●ヒミツを探る連続週末観察会●(1999年)

■またしても乙女の危機?!
 1999年春,乙女高原が県の『森林文化の森』というのに指定されたことを新聞で知りました。すぐに頭をよぎったのが6年前の生活環境林保全事業。前回レポートした通り,乙女の自然にとって散々の事業でした(と,ぼくは評価しています)。
 なんとしてもその二の舞だけは避けたい。でも,ただ役所に行って、「やめてください」だけでは説得力もないよな・・・と,ない智恵を絞り,いえ,智恵がない分,時間を搾り出そうと,その年の夏休みの全部の週末に自然観察会をしようという,かなり無謀な企画書を持って塩山林務事務所に出かけました。表向きは観察会をする事前のあいさつですが,行政とのパイプを作るきっかけ作りというのが本当の目的でした。さいわい担当者はとても理解のある方で,ぼくの話にちゃんと耳を傾けてくれました(この話は次号で)。
 役場や教育委員会に後援をお願いに行ったり,ちらしを印刷して配り歩いたり、ポスターを作って掲示を頼んだり、マスコミにPRをお願いしたりと、準備もかなり忙しかったです。

■乙女のヒミツその1
 第1回の観察会は7月31日。27人の参加者がありました。幸い、ノラやまなし(自然観察指導員山梨県連絡会)のメンバー数名が応援に駆けつけてくれました。自然観察指導員のネットワークはありがたいです。山梨の自然観察指導員は、指導員仲間が観察会を始めようとすると、そこにみんなで参加して、観察会の立ち上げを手伝ってくれるのが恒例です。
 さて、始めの会が終わり、いよいよ草原の中を歩き始めました。
「このアザミの花の下の部分にさわってみてください。…ベトベトするでしょう? これはノアザミというアザミです」
「この花の葉っぱをよく見て…ギザギザですよね。この葉っぱの形に似ているものといったら!? 大工さんが使う道具で…。そうそう。この花の名前はノコギリソウです」
 この時期に見られるおもな花の名前を、由来や特徴を織り混ぜながら説明しました。今までぼくが乙女高原でやってきた観察会はこんな感じでした。でも、今回の観察会に対するぼくの思い入れは全然別の所にありました。だから、お花の説明はさらりと流して,いよいよ暖めておいたプログラムを実行しました。
 斜面の中腹に来たところで、一枚のカラーコピーを取り出し、見てもらいました。
「この写真と今の草原を見比べてみて、何か気付くことがありませんか?」
「草が枯れてる!」
「この写真は12月に撮ったものですからね。ほかには?」
「今はこんなに草が生えているでしょう。草の背も結構高いでしょう。なのに、なんか写真は丸坊主みたいに見える」
「いい所に気付きましたね。他の方も分かりますか? ほら、まるで頭をバリカンで刈ったように見えますね。それもそのはず…(と、もう一枚の写真を取り出し)ここ乙女高原では、このように冬になると草を刈ってしまうんです」
 トラクターで草刈りしている写真を見せました。子どもたちから、
「それじゃあ、自然破壊だ!」
「だけどね、もし、草刈りをやめてしまうと、ここは草原でいられなくなってしまうんだよ」
「えっ?」と、皆さん怪訝そうな顔。
「ぼくの後ろを見てください。これはヤナギ。こっちはシラカバの若木です。もし、これらの木を放ってておくと、どうなります?」
「そう。毎年少しずつ大きくなっていきますよね。で、どうなります? そう。いつかは森になってしまうんです。草原の奥の方を見てください。あそこは10年前から草刈りが行われなくなりました。そしたら、ほら、あんなに木たちが大きくなって、若い森になってしまいました。
 草刈りとはいえ,刈られる草はもう枯れ草なので,刈られてもダメージはほとんどありません。一方,草原の中の木はどうかというと,これは伐られたら相当なダメージです。草刈り作業が木の成長を妨げているわけです。つまり,乙女高原がいつまでも草原でいられるのは,草刈りのおかげというわけです。
 この風景は自然そのものではなく、人が自然にかかわって始めてできた風景なんです。もともと森しかないところに、森と草原という二つの自然ができている。もともとの自然よりも、より多様で複雑な生態系になっているんです。これが『乙女のヒミツその1』です。では,その2を紹介しますので、もう少し歩いて行きましょう」・・・。

■乙女のヒミツその2
 ヒミツその2は,初めに種明かしをしてからプログラムを始めました。
 「『乙女のヒミツその2』は,不思議な散歩道です。今から遊歩道をぐるっと一回りして,この場所に帰ってきます。何が不思議なのかよく考えながら,歩いてくださいね」
 百メートルほど遊歩道を歩いて,元の広場に戻ってきました。
 「ね,不思議でしょ?」 と言っても,皆さんキョトンとしているので,ヒントを出しました。
 「ぐるっと一周してきましたよね? なのに,橋を何回渡りました? 一回しか渡りませんでしたよね? 不思議だと思いませんか?・・・遊歩道を周回して歩いて来たのに川を横切るのは一箇所だけ。ということは,一周したこの遊歩道の真ん中で川が生まれているということです。『湿地=川の赤ちゃん』が多いのも乙女高原の特徴なんです」
 このように,毎週末観察会では乙女高原の自然の特徴を知ってもらうための観察会を目指しました。今のところ,乙女のヒミツは「その4」まであります。
 さて,この観察会でもう一つ取り組んだことがあります。それはアンケート調査です。乙女に来て,実際に歩いた人が乙女をどう思ったのか,どうなって欲しいと望んでいるのかなどをデータとして持っておくことが,将来,絶対に役に立つと考えたからです。(まだまだつづく)
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4.【活動案内】●乙女高原自然観察交流会● 2021年01月09日(土)

・雨や雪の場合、決行するか中止するかは連絡しません。
 各自でご判断ください。
・集 合 午前9時 牧丘の道の駅集合
・持ち物 弁当,水筒等をご用意ください。
     帰りの時間は、集まったメンバーで協議して決めます。

 【乙女高原観察交流会 覚書】scince2015.12
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。

※今後の予定
⑪02月06日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
⑫03月06日(土)09:00~ 牧丘の道の駅集合
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