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 乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第451号   2021.4.17.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】乙女高原自然観察交流会  04月03日(土)
    2.【活動案内】第22回遊歩道づくり    05月16日(日)
    3.【活動案内】「スミレの観察会」シリーズ
NEW! 4.【オピニオン】地域生態系における「キーストーン事物」の保全
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0.【ニュースニュース】

●1.ニュースレター「乙女高原が好き!2101号」を発行・発送しました。今回は編集長を井上さん、印刷を芳賀さんと三枝さん、発送作業を加藤さんにお願いしました。これらの方々のご協力があって、皆さんの元に届けることができました。
 ニュースレターは年に4回発行しています。そのうち3回は「普通会員」のみに、1回(4月)は「普通会員」「サポーター会員」全員にお送りしています。
 今回は会員全員にお送りしています。ネット上でも公開しておりますので、ぜひご利用ください。
http://fruits.jp/~otomefc/newsletter2101.pdf

●2.乙女高原ファンクラブには入会金や年会費はありません。どなたでも・いつでも入会できます。できれば、乙女高原と乙女高原ファンクラブのことをより詳しく知っていただきたいので「普通会員」になってください。
 入会金や年会費はありませんが、活動資金は必要です。任意の寄付を受け付けています。このメールマガジンの最後に、郵便振替口座を載せておきますので、よろしければご寄付ください。あくまで任意です。

●3.乙女高原ファンクラブ2020年度総会で世話人も改任されましたが、その後、武井 實さんも立候補くださり、4月の世話人会で承認されましたので、ご報告します。
 今回の世話人の任期は2023年の3月まで。任期途中での立候補も受け付けますので、乙女高原のために骨を折っていただける方はぜひ、立候補をお願いします。

●4.4月16日に、今年度第1回の乙女高原連絡会議・乙女高原ファンクラブ世話人会が、牧丘総合会館(=山梨市役所牧丘支所)で午後7時から行われました。前半の「連絡会議」では県(峡東林務事務所県有林課)・市(山梨市観光課)の乙女高原担当者とともに乙女高原の保全活動について話し合っています。主な議題は「遊歩道づくり」「草刈りボランティア」「乙女高原フォーラム」です。後半の「世話人会」ではファンクラブの活動について話し合っています。
 話し合いに参加された皆さん、ご苦労さまでした。

●5. 今回の乙女高原連絡会議では、5月16日(日)に予定されている「第22回遊歩道づくり」について話し合いました。遊歩道づくりは予定通り行いますが、コロナ禍の中ですので、ちらしを大々的に配ったり、マスコミに告知依頼することはしません。その分、メールマガジンをお読みになった方にはできるだけご参加をお願いしたいです。
 特にスタッフとしてご参加いただけるという方は、このメールマガジンに返信をお願いします。9時集合です。

●6. 「第22回遊歩道づくり」の準備作業を5月10日(月)、10時から行うことになりました。実際に遊歩道を歩いて交換が必要な杭の数を数えたり、ロッジのホールを掃除したりします。参加していただける方は、このメールマガジンにご返信ください。荒天の場合は、翌11日(火)に延期です。

●7.だいぶ遅くなっちゃいましたが、4月の観察交流会のレポートを渡辺さんが書いてくださいましたので、掲載します。渡辺さんありがとうございました→1

●8.明日・18日(日)はヤマアカガエル産卵調査です。参加希望の方は9時に道の駅「はなかげの郷まきおか」集合です。
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1.【活動報告】●乙女高原自然観察交流会●  04月03日(土)

 渡辺和男さんがレポートを書いてくださいました。

 本日はヤマアカガエルの産卵調査です。集合場所の道の駅花かげの郷まきおかに集合したのは7人でした。出発前に調査地点を確認し杣口経由で乙女高原へ向かいました。
 産卵調査地点手前の標高1020m地点で自然観察をすることにしました。山の斜面ではすでにヒナスミレが咲いていました。今年は3月の気温が高かったので例年よりも開花が進んでいるようです。枯れた沢ではアブラチャンが満開でした。足元にはイワネコノメソウ、ハナネコノメ、コガネネコノメソウ、ユリワサビ、ヤマエンゴサク、タチツボスミレはすでに開花していましたが、ニリンソウはまだつぼみでした。シカの糞が見られる場所でも有毒なハシリドコロは食べられることなく葉の下に花をつけていました。

 最初の産卵調査地点である通称カエル池に着きました。しかし水が全くありません。これではヤマアカガエルは産卵できません。池のすぐ横でボーリング調査が行われたとのことなので、水がなくなったのはその影響かもしれません。池の上の穴からハチが飛び立っていきました。黒く大きな姿だったのでクロマルハナバチの女王かもしれません。山の斜面ではアブラチャン、マメザクラ、キブシが見ごろでした。足元ではアカネスミレ、タチツボスミレは開花し、マルバスミレ、ヒナスミレ、エイザンスミレ、キジムシロは咲き始めでした。

 乙女湖手前の標高1260mの谷で自然観察をすることにしました。渓流に下る急斜面ではエイザンスミレの葉がありましたが花はまだのようです。沢まで下りるとコガネネコノメソウ、葯が赤くフレッシュなハナネコノメが春の到来を感じさせてくれました。ニリンソウ、ユリワサビ、ヒメニラ、ヤマエンゴサク、ヒメニラ、レンプクソウ、フデリンドウもまもなく本格的な開花を迎えることでしょう。ここでハシリドコロの戦略について盛り上がりました。なぜ咲き始めは上向きなのか、なぜ花冠内側が黄色なのかなど話は尽きません。観察を終えて道路まで戻ってみると山にはバッコヤナギ、谷にはフサザクラが見ごろを迎えていました。道路わきではアケビのつぼみもありました。

 焼山峠を通過して産卵調査地点である木道の湿地帯まできました。ミソサザイのつがいでしょうか、道路沿いの斜面を忙しく動き回っていました。鳥たちも春の準備で忙しいようです。木道下の湿地は水量が少なく長靴を履かなくても沈み込むことなく濡れずに歩くことができました。湿地内の調査地点では5腹の産卵が確認でき、その内産卵間もない弾力のある卵は1腹でした。水たまりには油膜が浮いていましたが、これは人為的なものではなく鉄バクテリアが生成したもであるのとのことでした。続いて乙女高原の谷地坊主エリアでも産卵調査を行いましたが、今回は産卵を確認することはできませんでした。

 乙女高原のロッジ前で昼食後、草原を散策することにしました。展望台に向かって斜面を登って行くとキジムシロが咲き始めていました。乙女高原にも遅い春が来たようです。展望台からは残念ながら富士山の姿を見ることはできませんでした。芽出しが始まっている地表でゾロゾロと活発に動いているものはヒメツチハンミョウでしょうか。虫たちも春を待ちわびていたようです。

 乙女高原を後にして塩平経由で麓へ下ることにしました。林道ではダンコウバイやマンサクが咲いていました。途中フモトスミレの咲く斜面に立ち寄りました。ヒナスミレは咲いていましたがフモトスミレは葉ばかりでした。時期的に早いのかなとあきらめていたところ、最後に開花間もない株を見つけることができてうれしくなりました。
 自然観察を通じ乙女高原でも春の到来を感じることができ有意義な一日になりました。
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2.【活動案内】●第22回 遊歩道づくり● 05月16日(日)

 古くなった杭を交換し,ロープを張り巡らし,遊歩道をはっきりさせます。春の乙女高原で,いい汗をかきましょう。ただし,天気が悪いと寒いです。防寒具もお忘れなく。また、コロナ対策として、マスクを持参してください。体調が悪いようでしたら、ご遠慮ください。
 なお、午後はスミレ観察会をします。よろしければこちらも予定に入れておいてください。

※ちらし(PDFファイル)はこちら
http://fruits.jp/~otomefc/2021yuuhodou.pdf

■主催 山梨市 山梨県 乙女高原ファンクラブ
■日時 5月16日(日) 午前9時半から12時半ごろまで 
※スタッフは9時集合
 (少雨決行。雨天の判断は各自でお願いします)
 (荒天の場合,23日(日)に延期予定)
■集合 乙女高原グリーンロッジ前
■持ち物 雨具,軍手。希望者はべんとう
 かけや(大きなトンカチ),なたなど道具がある方はご持参ください。
■服装 作業のできる服装(まだ寒いので,防寒の準備も)
■問い合わせ・申し込み先 山梨市役所観光課 電話0553-22-1111(代表)
※保険には主催者で加入します。

【new!】■準 備 会
 5月10日(月) 午前10時   荒天の場合、11日(火)
 遊歩道の杭の確認  ロッジやトイレの掃除など
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3.【活動案内】 ●「スミレの観察会」シリーズ●

 今年も「スミレの観察会」シリーズを開催します。スミレに特化した観察会を開催するのは11年目になります。乙女高原で見つかったスミレの種類は変種や交雑種を含めて、なんと31種類。とはいえ、一回の観察会で全部を観ることは不可能です。スミレの種類によって、開花の時期が違うし、好みの場所も違うからです。同じような姿かたちなのに、こんなにたくさん! まさに生物多様性そのものです。
 ぜひ、複数回参加して、多様なスミレの世界を楽しんでください。

①5月16日(日)集合13:00乙女高原グリーンロッジ ~16:00 参加無料。
 乙女高原自然観察交流会②を兼ねて。
 この日の午前中は「遊歩道作り」というボランティア作業。
 こちらにもぜひご参加ください。

②5月23日(日)集合9:30乙女高原グリーンロッジ ~15:30 参加無料。
 乙女高原とその周辺でスミレを観察します。

③6月5日(土)集合8:30牧丘の道の駅 ~15:30 参加無料。
 乙女高原自然観察交流会③を兼ねて。
 1日かけて標高2000mほどのところに広がるキバナノコマノツメ群落を
 観察しに行きます。キバナノコマノツメは黄色い花をつけるスミレです。
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4.【オピニオン】●地域生態系における「キーストーン事物」の保全●

 生態系において、個体数こそ少ないですが、生態系に大きな影響を与えている種をキーストーン種といいます。キーストーンとは要石(かなめいし)のことです。「生態系に大きな影響を与えている」ということは、キーストーン種がいなくなったり減少したりすると、従来の生態系の機能が著しく損なわれるということです。
 たとえば乙女高原の草原におけるマルハナバチ類が、乙女高原の自然(生態系)にとってのキーストーン種です。春早くから秋遅くまで連続的に、多くの植物の送粉者となっているので、マルハナバチ類の減少は乙女高原の植物全体に悪影響を及ぼします。乙女高原全体を囲うシカ柵設置のきっかけとなったのも、「マルハナバチ調べ隊」の調査によって、夏季のマルハナバチ類の極端な減少が認められたからです。

 キーストーン種と同様、数が少なかったり、面積的には狭かったりしても、地域生態系にとって非常に重要な個体や場所があります。

 たとえば、杣口から柳平に向かう県道の途中にあった大きなマメザクラの木です。この木は、県道が琴川を渡る地点(鳥之口橋)から2.5㎞地点(「が 琴川ダムまで6.6㎞ 標高1085m」看板の崖上)にあったマメザクラの巨木です。名前に「マメ」が付く通り、通常、マメザクラはあまり大きくなることはありませんが、この木は伐り株の直径が14cmという立派な木でした。早春、他の花がほとんど咲いていない時期にたくさんの花を付けるこの木には、たくさんのコマルハナバチの女王が訪れ、盛んに密を吸っていました。冬ごもりから覚め、まずこの木で腹ごしらえをしてから、巣を作り、産卵していたのでしょう。たった1本の木ではありますが、地域の生態系や生物多様性にとって、とても重要な木でした。

 ところが、2013年4月7日に、この木が伐られていたのを確認しました。林道のガードレールの外側に生えていたので、特に車両の通行に支障があったとは考えにくいのですが、この木だけが伐られていました。この木の周辺には、早春、多くのマルハナバチが訪れ、たくさんの蜜が吸えるような植物は認められませんから、影響はかなり大きかったと考えられます。前述した通り、マルハナバチは多くの植物の送粉者となっていますから、局所的とはいえ、この地の生態系で「マメザクラの伐採→コマルハナバチの減少→マルハナバチ媒花の減少→その植物に依存している生物の減少→…」という現象がドミノ倒し的に起きていた(いる)可能性があります。

 杣口から柳平に向かう県道の途中にある、道脇の池も地域生態系にとって大きな存在でした。私たちが「カエル池」と呼んでいたこの池は、県道が琴川を渡る地点(鳥之口橋)から1.6㎞地点の北側(登っていって、右側)にある、2m×8mほどの小さな池でした。流れ込む川はないのに、いつ行ってもきれいな水を満々とたたえており、とても不思議でした。おそらく、この池のすぐ地下には不透水層があり、それによって、ここに水が集まってきていると考えられました。この池はヤマアカガエルやヒキガエルにとって重要な産卵湿地で、毎春、多くの卵塊を観察することができました。確かにこの周辺に沢は多くありますが、この池のように、ヤマアカガエルやヒキガエルの産卵に適した止水は少なく、カエル池は地域生態系にとって非常に重要な湿地でした。なお、初夏にはここでシュレーゲルアオガエルの鳴き声も聞いております。

 2020年8 月29日、カエル池のすぐ脇にやぐらが組まれ、ボーリングが行われているのを見ました。同年9月6日にはボーリングは終わっていましたが、その後、カエル池の水が干上がってしまい、以降、水が回復する兆しはありません。今シーズンのカエルの産卵が心配でした。
 2021年3月6日には、かつての池の底の部分が泥になっているのを確認しました。岩の隙間からはヤマアカガエルの声が聞こえました。3月27日にはカエルの産卵を確認しました。とはいえ、十分な水分はないので、ゼラチン質がプルプルに膨らまず、ヘドロ状になっていました。卵塊のすぐ脇にはテンの糞が3つあり、テンがカエルの卵を食べたと推測しました。結局、カエル池に産卵場所を依存するヤマアカガエル個体群は今シーズンの繁殖を失敗しました。
 池の水が干上がったのは、ボーリングによって地下の不透水層が破られ、水が下層へと漏れてしまったためと考えられます。ボーリングによって、この地域における貴重な止水がなくなってしまい、陸地と湿地を行き来する両生類の生息などに大きな影響を与えてしまいました。

 地域生態系のキーストーンとなる事物の損失は、数や面積は少なくとも、地域生態系や生物多様性に与える影響はとても大きくなってしまいます。今後、事業等を行う場合、慎重に配慮していただきたいと思っています。(植原 彰)
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  ■乙女高原観察交流会■

●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。

※今年度の予定

済①04月03日(土)集合:09:00・道の駅  兼:ヤマアカガエル産卵調査
 ②05月16日(日)集合:13:00・乙女高原 兼:スミレ観察会
 ③06月05日(土)集合:08:30・道の駅  兼:黄色いスミレ観察会
 (スミレの開花状況によっては前倒し実施するかもしれません。メールに要注意)
 ④07月03日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:谷地坊主観察会
 ⑤08月07日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
 ⑥09月04日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
 ⑦10月02日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑧11月06日(土)集合:09:00・道の駅  兼:草刈り準備
 ⑨12月04日(土)集合:09:00・道の駅
【2022年】
 ⑩01月08日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑪02月05日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑫03月05日(土)集合:09:00・道の駅
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