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 乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第460号 2021.9.11.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【調査報告】「花と昆虫のリンク」調査のまとめ
NEW! 2.【調査報告】マルハナバチ調査     09月05日
   ■乙女高原観察交流会
   ■「街の駅やまなし」乙女高原展
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0.【ニュースニュース】

●1.いよいよ乙女高原は秋の花々が咲きそろいました。アキノキリンソウ、ヤマトリカブト、モリアザミ、シオガマギク、ウメバチソウ、ハバヤマボクチなどなど。コロナ対策に気を使いながら、おいでください。

●2.草原に花々が咲くと昆虫が訪れます。高槻さんはそれを「リンク」と呼んでいます。草原内の遊歩道を歩いて、いくつリンクが見つかるのか、そのリンクの中身はどんなだったか、リンクにはどんな傾向があるのか、以前と比べ、乙女高原のリンクは減ったのか増えたのか…。今年の夏、高槻さんを中心に「花と昆虫のリンク」を調べました。その結果と考察を高槻さんがまとめてくださいました→1

※調査の実際の様子については、本メルマ前号(第459号 2021.8.14.)の井上さんの記事をお読みください。

●3.9月の「マルハナバチ調査」は9月4日(土)でした。雨が降るという天気予報でしたが、角田さん夫妻、三枝さん、芳賀さん、植原が調査に参加。角田(敏)さんはロッジ周りや遊歩道の草刈りをしてくださいました。
 天気が悪かったので、ラインセンサス調査のみ行いました。
  天気:曇から雨。
  気温:17.5℃(10:07)。
  調査時間67分間(10:12-11:19)。
  結果は合計:16頭。内訳は、以下の通りです。
・ミヤママルハナバチ計15頭(タムラソウ6、ノハラアザミ6、ヤマハギ2、タチフウロ1)
・オオマルハナバチ計1頭(タムラソウ1)
 その翌日、井上さんがお一人でマルハナバチ調べをし、レポートを書いてくださいました→2
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1.【調査報告】●「花と昆虫のリンク」調査のまとめ●

 高槻さんが調査結果を分析し、考察してレポートを書いてくださいました。


 乙女高原に訪花昆虫が戻ってきた – 2013年との比較 –
        高槻成紀
  <はじめに>
 私は乙女高原に柵ができる少し前、つまりススキが多く、きれいな草原の花が少なかった頃に学生の加古杜甫子さんに訪花昆虫の調査をしてもらいました。私は植物も動物のつながり(リンク)が重要だと思っています。訪花昆虫とは花(昆虫が花粉を媒介するので虫媒花という)に来て蜜を吸い、その時に花粉を受け渡しする昆虫のことで、花は訪花昆虫なしに受粉はできないし、訪花昆虫も花なしには食物を得ることができませんから、長い進化の過程で花と昆虫双方に形や行動の特殊化が起きたことが知られています。加古さんが調べた結果、乙女高原の草原部分では1000 m歩いて大体100ほどの訪花昆虫が観察されていました。

  <方法>
 2015年に柵ができてから、確実に虫媒花が増えたのはご存知の通りです。訪花昆虫の調査をしたいと思い、植原さんに連絡をとって8月8日に調査をすることになりました。植原さんのほか、井上さん、鈴木さんが参加してくれました。
 乙女高原には歩道があるので、100mの巻尺を張り、右側幅2mの範囲内の花に昆虫が来ていたら、それを時刻と距離とともに記録しました。昆虫は以下の10群に分けました。
  ハエ、アブ、アリ、カメムシ、甲虫、ガ、チョウ、
  ハチ(マルハナバチ以外)、マルハナバチ、不明

  <全体の傾向>
 訪花昆虫が見られた花は26種、訪花昆虫の総数は859匹でしたから、2013年に比べて「激増」しました。訪花昆虫の数はヨツバヒヨドリが最も多く、260匹も来ていました。次はシシウドの102匹、ノハラアザミの72匹などが続きました。昆虫の数の合計を見ると、アブが209匹、ハエが192匹で、この2つ(双翅目)を合わせると401匹に達しましたから、これが半分近くでした。次が甲虫で151匹、マルハナバチが147匹でした。

  <人気の花>
 このうち訪花昆虫数が50匹以上と特に多かったトップ5を取り上げました。オミナエシとヨツバヒヨドリはハエ・アブが大半を占めていました。一方、ノハラアザミはほとんどがマルハナバチでした。この間にチダケサシとシシウドがあり、チダケサシでは半分くらいが甲虫で、シシウドはハチ、甲虫、ハエなどが3分の1くらいを占めていました。

  <2013年との比較>
 今回の結果を2013年の加古さんのデータと比較してみました。2013年に記録された花の種数は18種ですから、今年の26種は44%増しということになります。歩いた距離が違うので、距離を揃えると2020年は2013年の8.8倍も増えていました。
 ヤナギランとオオバギボウシは、私は去年まで花を見ていないので、今年花を見ただけでなく、訪花昆虫も確認したのでとても嬉しく思いました。このほかにも2013年に記録されず、今年記録されたものがありました。
 2013年と2021年の昆虫全体の内訳を見るとどちらもハエ・アブがほぼ半分、マルハナバチが20%ほどでした。

  <花ごとの比較>
 訪花昆虫が多かった2種に来た訪花昆虫を2013年と2021年で比較すると、ヨツバヒヨドリではハエ・アブが、ノハラアザミではマルハナバチが多く、その割合は両年でほとんど違いませんでした。当然と言えば当然ですが、確認できて納得できました。

  <感 想>
 このように乙女高原がススキ原のようになっていた2013年に訪花昆虫の調査をし、その後2015年11月に柵が完成し、野草が回復してきました。植物が回復することは、同時に花と昆虫のつながり(リンク)が回復するということです。昆虫が増えればそれを利用する小動物も増えるなどさらなるリンクが生まれるはずです。豊かな乙女高原が戻ってきたことが確認できてとても嬉しく思いました。
 最も印象的だったのは、やはり虫媒花が増えたで、記録に忙しくてなかなか進めない場所もあったほどです。それにしても、花に囲まれてハチの羽音を聞いているのは至福の時間という気がします。参加したみなさんも花も昆虫もそれに「調べること」も好きなようで、楽しい時間でした。
 私が早く終わったとき植原さんが記録を続けていましたが、「あ、トラだ」などと独り言を言っているのがおかしかったです。
 持ち帰った34枚の記録用紙(1枚に30の記録がある)のデータをパソコンに打ち込みます。なかなか大変ではありますが、このデータからどういう結果が読み取れるかと思うと楽しみで、入力を始めるとなかなかやめられなくなります。すべての入力が終わると、データを合体させ、例えば「ノハラアザミには何がよく来ていたかな」などと考えてグラフを書かせると予想通りのこともありますし、「あれ、そうだったんだ」と意外なこともあります。数字だけではイメージしにくいので、グラフに描かせますが、クリックする瞬間はワクワクします。
 野外調査からデータのまとめまでを通じて、自然で展開されていることが少しでも把握できたと感じられた時、深い喜びがあります。マルハナバチはそんなことには関係なく今も花を訪れているのですが・・・。
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2.【調査報告】●マルハナバチ調査●  09月05日

 井上さんが調査日翌日に一人で調査し、レポートを書いてくださいました。

 9月5日(日)に乙女高原に行き、一人で勝手にマルハナバチ調査をしました。本当は前日にマルハナバチ調べがあったのですが、雨予報だったので私は行きませんでした。でも何人かは行かれて、マルハナバチ調べや草刈りなどをして下さったとのことです。
 曇り空で、ときどき晴れ間もみえるものの霧が流れ、気温は17℃と数日前の猛暑がうそのような低さ、前夜の雨で植物には水滴がたくさんついている状況で、はたしてマルハナバチはいるだろうかと思いながら、いつものラインセンサスのコースを歩いてみました。
 草原はススキの原になって、その中にタムラソウ、シラヤマギク、ゴマナ、ハンゴンソウ、マツムシソウなどがたくさん咲いています。モリアザミやセイタカトウヒレン、ハバヤマボクチなども咲き始めました。夏に咲いていたタチフウロやノハラアザミ、ツリガネニンジンもまだたくさんあります。

 8月のマルハナバチ調べでは、それこそたくさんのマルハナバチが飛びまわっていましたが、やはり今回はなかなかいません。1時間半くらいかけて一周する中で、ミヤママルハナバチ12頭、オオマルハナバチ10頭、トラマルハナバチ1頭の計23頭でした。タムラソウやノハラアザミに多く来ていました。アブやハエはノダケやゴマナに密状態なくらいにたくさんいたのですが、マルハナバチは少なめ。気温が低すぎたのでしょうか。
 昼食後に森のコースから草原のコースを歩きました。セイタカトウヒレンが増えてきているようです。マルハナバチを数えながら歩いてみたら、ミヤマ14頭、オオ10頭、トラ7頭の計31頭でした。草原では咲き始めたハバヤマボクチにトラが集団で吸蜜に来ていました。またりっぱなトリカブトにはいつもトラがきているのに、なぜかミヤマがきていてびっくりしました。
 午後になって少し気温が上がったようだったので、マルハナバチが出てきていないか、もう一度、ラインセンサスコースを歩きました。結果はミヤマ8頭、オオ11頭、トラ1頭、計20頭であまり違いはありませんでした。
 マルハナバチは少なめでしたが、意外にチョウがいました。アサギマダラ8頭、ジャノメチョウ7頭、ヒョウモンチョウの仲間20頭(羽がぼろぼろのものも)、スジグロシロチョウ5頭、キタキチョウ3頭、ミスジチョウの仲間3頭、イチモンジセセリは数えませんでしたが、たくさんいました。

 訪花昆虫調査をしてから、マルハナバチだけでなく他の虫にも目がいくようになり、花と虫のリンクが気になるようになってきました。訪れる人も少なく、一人でのんびりと昆虫や花を見ながら、秋の高原を楽しむことができました。
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  ■乙女高原観察交流会■

●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。

  ※今年度の予定
済①04月03日(土)集合:09:00・道の駅  兼:ヤマアカガエル産卵調査
済②05月16日(日)集合:13:00・乙女高原 兼:スミレ観察会(中止)
済③06月05日(土)集合:08:30・道の駅  兼:黄色いスミレ観察会
済④07月03日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:谷地坊主観察会 ※大雨のため中止
済⑤08月07日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
済⑥09月04日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
次⑦10月02日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑧11月06日(土)集合:09:00・道の駅  兼:草刈り準備
 ⑨12月04日(土)集合:09:00・道の駅
【2022年】
 ⑩01月08日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑪02月05日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑫03月05日(土)集合:09:00・道の駅
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  ■「街の駅やまなし」乙女高原展■

●中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html

●今はシーズン26「乙女高原の草花」の展示をしています。乙女高原で春から秋に見られる代表的な草花18種類のパネルを展示しています。
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