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 乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第463号 2021.10.13.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【視察報告】甘利山の心のこもったシカ柵群 10月10日
NEW! 2.【活動案内】有志による草刈り  11月6日・23日
    ■乙女高原観察交流会
    ■「街の駅やまなし」乙女高原展
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0.【ニュースニュース】

●1.10月9日、午後から温度センサーのデータを回収しに乙女高原へ行きました。8月以降の乙女高原の気温は、最高気温27.5℃、最低気温6.5℃、平均気温15.1℃でした。草原も歩き回りましたが、リンドウ、ヤマラッキョウ、トリカブトなどが咲いていました。これからいよいよ秋のクライマックス、紅葉・黄葉の季節です。

●2.10月10日、「乙女高原の兄弟分の草原」である甘利山に行ってきました。ていねいに手作りされた30基ものシカ柵があり、ていねいに手入れされていました。多くのレンゲツツジの枝に穴が開いていて、害虫の仕業らしいので、甘利山倶楽部の皆さんが一株一株レンゲツツジの世話をしていました。いろいろと考えさせられる1日でした→1

●3.今年もコロナ禍のため「イベントとしての草刈りボランティア」は中止です。とはいえ、草刈りは続けなければなりません。乙女高原ファンクラブのホームページ、当メールマガジン、会報「乙女高原が好き」で有志を募って草刈りを行います。日程は11月6日(土)雨天決行、11月23日(火・祝)(雨天の場合、28日(日)に延期)--の2日間行います。有志での活動とはいえ、保険に加入します。そのため、参加人数の概略を事前に知りたいので、できるだけ事前にお申込みください。このメールマガジンに返信で結構です→2

●4.ただ今、次号会報編集作業の真っただ中です。今回も編集長の井上さんを中心に編集・校正をしています。コロナ禍にも関わらず、話題はいっぱいで、12ページにもなってしまいました。乙女高原ファンクラブ普通会員の皆さんにお届けします。もうしばらくお持ちください。
 会報は普通会員には年4回、サポーター会員には年1回お届けしています。乙女高原ファンクラブのホームページからもダウンロードできますが、ぜひ入会して会報をお読みください。どちらの会員種別も、入会金や年会費など経費負担はありません。お名前と住所(郵便番号も)、入会したい会員種別を教えていただければ入会手続きを行います。
 「多くの会員を抱えている」ということが乙女高原ファンクラブの発言力を高め、乙女高原の自然を守る力を強めることをご理解ください。

●5.「会の仕事をできるだけ分散させる」というのが、乙女高原ファンクラブのめざす運営方針です。その一環として、会報を山梨市社会福祉協議会の印刷機を借りて印刷したら会報や封筒、切手を「発送係」のお宅に宅配便で送り、「会報を折って、封筒に入れて、封をして、投函する」という仕事をやってもらっています。1回の発送は240通くらいです。発送係が一人では大変ですが、たとえば4人いれば、会報発行は年に4回なので、1年に一回、発送作業をすれば済みます。多くの方に「発送係」に立候補していただきたいと思います。いかがでしょうか?

●6. 乙女高原での活動ではありませんが、甘利山のレンゲツツジを次世代へつなげていくために「レスキューボランティア」急募しているそうです。以下、ちらしより
「2021年の秋、甘利山のレンゲツツジが大量に枯れているのが目に付きました。原因は枝の中に虫が入り穴をあけたことによります。笹に囲まれたレンゲツツジの根本をきれいにし、枯れ枝や木くずが出ている枝を剪定する作業をしていますが、とても手がたりません。お手伝いに来てくれる方を大至急募集をしています。日時=10/23(土)、10/24(日)、10/31(日) 時間=9時から15時までの随時 集合場所受付=甘利山駐車場横のつつじ苑 持ち物=鎌、のこぎりは貸し出しもあり 飲料、昼食は各自持参。連絡先=甘利山倶楽部事務局0551-22-6682 /090-3244-6583」
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1.【視察報告】●甘利山の心のこもったシカ柵群●  10月10日

 10月10日、韮崎市の甘利山に行ってきました。甘利山は南アルプスの北部に位置する高原で、スキー場として使われた歴史といい、レンゲツツジの群生が有名なところといい、乙女高原の兄弟分のような存在です。おまけに、ここの自然をこよなく愛し、保全活動をしている甘利山倶楽部は発足が乙女高原ファンクラブとほぼ同じ。NPO法人格を持っていらっしゃいます。毎年の乙女高原の活動に倶楽部の皆さんが駆けつけてくださり、盛り上げてくださいます。活動自体も兄弟分なのです。

 さて、登る途中の林道脇で、さっそく1m四方くらいの小さなシカ柵を発見。後で聞いたら「見つけた希少植物を守るために設置した」とのことでした。

 午前8時半ころ駐車場に到着。すぐに六畳間程度の広さのシカ柵が目に入りました。ゴマナやハンゴンソウなど中の植物たちはすこぶる元気そうでした。もう一つの広いシカ柵は体育館くらいの大きさ。中はきれいに草刈りされていて、レンゲツツジの株もなんだかスッキリしています。後で聞いたら、レンゲツツジをある事情で、手入れしているとのこと。こんなにたくさんのツツジ全部を手入れするのは大変だなあと思いました。1m以上はありそうな杭に3mほどの木の棒がしばりつけてあり、それが3m間隔ぐらいで並んでいます。その並んでいる棒にメッシュの網がしばり付けてあり、それで体育館くらいの広さの草原が囲ってありました。ナイロン製でしょうか。ふにゃふにゃしています。手作りの柵なのですが、手入れが行き届いており、どこもしっかり張られていました。
 甘利山入口の遊歩道の両側にも同じようなシカ柵が張られていました。

 改めて、甘利山は笹山だなあと思いました。ミヤコザサは勢いがよく、腰以上の高さがあります。シカの食害を感じさせません。ところが、ヤマトリカブトの株は見事なほど食われていました。やっぱり、ここもシカ害です。少し行くと、シカ柵に囲まれたヤマトリカブトがありました。株数はちょうどさっきのヤマトリカブト群落と同じくらいです。「シカ柵があると(シカの食害がないと)ヤマトリカブトはこんなに元気で、シカ柵がないと(シカの食害があると)こんなに食われてしまう」ということを教えてくれる野外博物館だと思いました。そんな内容の展示解説があると、なおよいのですが。

 それにしても、さっきから、たくさんのシカ柵が点々と並んでいるのを見て、感心しました。だって、それらが全部、手入れが行き届いていたからです。後から聞いたら20基近くも作って、メンテナンスしているとのこと。しかも、乙女高原の「金属製の杭に金属製の網」という半永久的なものではなく、「木製の杭にナイロン製の網」です。手入れの大変さは段違いです。

 甘利山の山頂の広場では、ミヤコザサの中にたくさんのワラビがはえていました。ワラビはシカが好まない植物です。ワラビが多いのは、シカの多さの裏返しでしょう。では、シカが多そうなのに、ミヤコザサへの食害が認められないのは、なぜでしょう? 不思議です。

 さて、山頂直下の広場で、登ってきた甘利山倶楽部の4人と合流しました。これから4人の作業を見学させてもらうことにしました。
 4人は草原に散らばると、おのおの、レンゲツツジの株の根本の草を刈り始めました。次に、レンゲツツジの枝を一本一本ていねいに調べ、元気に葉を出している枝はそのままに、枯れていて、穴が開いている枝をのこぎりで切っていきました。この穴から害虫が入り、材の中を掘り進んだようです。森林総研の方から「おそらくコウモリガの幼虫」と言われているそうです。どの株にも必ず穴あきの枝はあり、相当広い範囲に害が広まっているようでした。
「甘利山に来た人がよく見る下の方からだんだん作業をしてきて、今日はここになった」のだそうです。作業の頻度を聞くと「毎日、やっているよ」という答えが返ってきました。頭が下がります。切ったところには殺菌剤を塗っていました。
 これらの作業は、園芸業者や樹木医からアドバイスをもらってやっているとのことです。
 穴の開いた枝を1本もらい、ナイフで削って、穴がどれくらい続いているかを確かめてみました。穴は10cm以上の長さがあり、ところどころに木くずがありました。

 お昼に甘利山入口のつつじ苑まで降りたのですが、そこで、「中身がまだ入っている枝」を見せてもらいました。ナイフを使って削ったり切ったりして、中の虫を追い出してみました。3cmほどの白いイモムシでした。頭だけ茶色で、カブトムシの幼虫と色使いが似ているなと思いました。もちろん、今日のイモムシのほうがずっとスリムです。思ったより活発で、よく動きます。しかも、動くのはほとんどバック。とても上手に、すばやく後ずさりします。胴体がぴったり入る大きさのトンネルの中での生活に適応しているのだと思いました。
 家に帰って、イモムシを調べてみました。「イモムシ・ハンドブック(通称イモハン)」のコウモリガの写真とはあまりよく似ていない印象です。ところが、ネットで「コウモリガ 幼虫」で検索すると、甘利山で見たイモムシそっくりな写真がたくさん出てきました。おそらくコウモリガで間違いないと思います。

 たくさんのレンゲツツジが枯れ、その枯れ枝を調べてみると、どうも穴が開いている。聞いてみると、それはコウモリガの仕業らしい。このままでは甘利山のレンゲツツジが大規模な被害を被ってしまうかもしれない・・・となったら、どうします?
 甘利山倶楽部の皆さんは森林総研、樹木医などいろいろな方からの意見を聞き、「被害にあっているレンゲツツジの枝を一つずつ切り落とし、それを運び出して、被害を食い止める」という道を選びました。「自然に生えているレンゲツツジに大きく手を加えていいのか」「本当にこのやり方でレンゲツツジが救えるのか」など、様々な葛藤を抱えての決断だったと思います。
 何が正解か…なんて、そのときには分かりません。だからこそ、検証を続ける必要があると思います。たとえば、手入れをしたレンゲツツジ群落と手入れをしない群落の様子を1年ごとに比べてみるとか。
 結局、大事なのは自然観察です。自然を観察する中で、そこの自然に課題が見つかったら、その解決策をいろいろな視点からのアプローチで考え、評価・判断し、実行します。そして、その方法が妥当だったかどうかを検証するのですが、検証することの基本もまた自然観察です。

 午後からは、今度は別の場所で倶楽部の皆さんが「ミヤコザサを刈ったらどうなるか?」「シカ柵を作ったら、中の植物はどうなるのか?」を実験している場所を見せていただきました。
 本当に、いろいろなことを考えさせられた1日でした。
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2.【活動案内】●有志による草刈り● 11月6日・23日

 9月16日の乙女高原連絡会議で、以下のように、今年度の草刈りボランティアの方針を決めました。

1 ちらしを配布したり、新聞やテレビ等でお知らせしたりといった不特定多数の方をお誘いし、イベントとして草刈りボランティアを実施するのは中止とします。

2 連綿と続いてきた草刈りは行います。乙女高原ファンクラブのページ、当メールマガジン、会報「乙女高原が好き」という限られた媒体のみで有志を募って行います。

3 例年行ってきた「豚汁の提供」「送迎バスの運行」「ゴミ収集車をお借りしての刈り草の運搬」「キッズ・ボランティア」などは行わず、必要最小限の作業(草刈りと遊歩道への刈草の敷き入れ等)を行います。

4 以下の通り、2日間で行います。

 ①11月6日(土)。雨天決行。
  ロープ外し、ロッジのそうじ、草刈り、遊歩道への刈り草の敷き入れ等

 ②11月23日(火・祝)。9:00乙女高原グリーンロッジ集合。15:00まで。
  雨天の場合28日(日)に延期。ロープ整理、草刈り、遊歩道への刈草の敷き入れ等

 残念ながら「イベントとしての」草刈りボランティアは昨年に引き続いて中止です。ですが、乙女高原の保全のためには草刈りは行わなくてはなりませんので、市や県のご協力をいただきながら、「有志」での草刈りは行います。有志とはいえ、保険に加入します。そのため、参加人数の概略を事前に知りたいので、できるだけ事前にお申込みください。このメールマガジンに返信で結構です。

 ちなみに、去年も今年も「イベントとしての草刈りボランティア」は中止なので、草刈りボランティアは「第20回」でストップしています。次回が「21回」になります。
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  ■乙女高原観察交流会■

●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。

  ※今年度の予定
済①04月03日(土)集合:09:00・道の駅  兼:ヤマアカガエル産卵調査
済②05月16日(日)集合:13:00・乙女高原 兼:スミレ観察会(中止)
済③06月05日(土)集合:08:30・道の駅  兼:黄色いスミレ観察会
済④07月03日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:谷地坊主観察会 ※大雨のため中止
済⑤08月07日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
済⑥09月04日(土)集合:10:00・乙女高原 兼:マルハナバチ調べ隊
済⑦10月02日(土)集合:09:00・道の駅
次⑧11月06日(土)集合:09:00・道の駅  兼:草刈り
 ⑨12月04日(土)集合:09:00・道の駅
【2022年】
 ⑩01月08日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑪02月05日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑫03月05日(土)集合:09:00・道の駅
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  ■「街の駅やまなし」乙女高原展■

●中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html

●今はシーズン26「乙女高原の草花」の展示をしています。乙女高原で春から秋に見られる代表的な草花18種類のパネルを展示しています。
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