飴色の石
煙水晶の撮影にはいつも難しさがついてまわる。
まず、バックの色を選ばないと、その色合いがうまく出ない。
背景は白に限るが、それを探すのがなかなか難しく、磁器を使ったり紙を選んだりしてみたりしたが、
最近では石英や水晶を使う様になっている。
今回は良い雰囲気で撮れたと思う。
照りは少し分かり難く、光っている部分から想像するしかないが、
石の透明度、瑞々しさ、そして、この微妙な色合いは、
私がこの石を実際に眺めた時の印象にかなり近い。
飴色はトパーズの形容によく使われるが、
赤味こそないものの、この石にも使いたい。
柱面はわずかしかないが、クラックは皆無で、透明度照りともに日本でもマックスと思う。
ガマ出しなので、頭部に欠けは全くない。
写真では分からないが、一部分で底部から細かな泡のようなものが、湧き上がっているかの様に観察できる。
上部の貝殻状断面の様な模様は、底面が反射して写り込んでいるだけで、これは仕方がない。
標本箱を見ても、このレベルの石はほとんどが不完全だったり小さかったりする。
この石も10円玉にすっぽりと載ってしまう。
それでも、私には十分過ぎる安らぎをもたらしてくれる。
産地はなかなか石を得られぬ所だから、
だからこそ余計に美しく感じられるのかも知れない。
★★★★山
梨県甲府市黒平