青い石



アマゾナイト。いや、天河石と言った方が、この石の魅力に合っている。
しかしどこに惹かれるのだろうか。
もちろん、色には違いないが、我ながら理由がどうもはっきりと分からない。
トルコ石とは違う、瑞々しい色。長石が持つ、独特の透明感なのだろうか。

左の小さい方は、堰堤に溜まった砂の中から拾い上げた。
一瞬、何かしら、プラスチックの破片? と思った。
色合いは最高に美しく、とっても嬉しかった。
そして、それからポイントにたどり着くまで、2年以上掛かった。
ちょっとした偶然と、自分の気持ちがその日に高まった結果だった。

とても小さなポイントで、産出はかなり以前に終わったらしく、
ズリにも色の乗った石や結晶面のある石は、もうほとんど無かった。
明るい陽の光の中で、青い色を求めて白い石を見ると、どれもが青く見えるから不思議だ。
休憩中に採集品を改めて眺めたら、ほとんどが、どことなく青っぽいけれども、やっぱり白い長石なので、
一人苦笑しながら、その大半を棄てた事も懐かしい。
今にして思えば、青空が映っていたからに違いない。
それは素晴らしく良い天気だった。

形の冴えない、2面しかないこんな石でさえ、私には宝物だ。

山梨県黒平産