ポイントに入ってやっていた時には、ずっと色を追い求めていた様な気がする。
初めてここで出る石を見た時に、その色合いのはっきりとした美しさの印象が、とても強かったからだと思う。
だから、この様な石は、色は乗っていないけれども美しい石、であった。

しかし最近、並んでいる石たちを眺めようと思った時に、なぜだか色のない石を想ってしまう。
これは、我ながら本当に不思議な事だ。どうしてなのだろうと考えてしまう。
色とは何か? 
このようなことをテーマにするのは、暇な証拠である。

ただ、静かに石を眺めよう。
色がないといっても、何もないという意味とは違う。
何かしら想念の様なものが結晶中に形を成す、その美しさは
色があっては感じ得ない趣がある。

色がなくても、このポイントならではの、唯一無二の表情を味わう。

★★山 梨県水晶峠産