色々な形
図鑑には図鑑としての役割から、代表的な形や理想形が載せられる場合が多いが、
実際の鉱物は様々な形で成長をする。
その事は、鉱物採集をしたことのある人ならばすぐにそうと知るが
水晶も理想形で結晶する事の方が珍しく、どこかしらいびつなところがあり
そこがもどかしい所であるし、逆に魅力ともなる。
写真の石は、平板、これは人によって呼び方が異なり、
ヒライタと言う人もいるが私はヘイバンと読む、平べったい形をしている。
トップに大きな欠けはあるものの頭は6面あるが、裏面には柱面がなく、
そこそこの大きさなものの、結晶としてはかなり不完全と言えるこの石の扱いに困っていたが、
ある時に、この石を台座にして写真を撮ることを思いついた。
これが、なかなか良い。裏が平らになるので座りは完璧、色が無いからどんな石にも合うし
なによりも、全体の雰囲気を壊さない。
とってもありがたい石に格上げされたが、しかし、立派な石なのにいつも裏ばかり晒されて
かわいそうだと思ったので、ここでは、きちんと表面を見せて写真を撮ってあげた。
斜めに立っているのは、たまたまそこで自立したからであって、双晶を意識したわけではない。
似た角度ではあるが、単晶である。
(「幻の蝶」の石も認識が間違っていて、単晶であるようです)
透明度がありながらも、全体にもやもやとした泡のようなものが入っているのは、
この産地の晶癖の特徴の一つだろう。もちろん、全く入っていない石もある。
台座として使うには、この感じはとても良いとおもう。
★山梨県乙女幸山産