一番小さなサムネイルケースに入れても、こんな感じ。
結晶面がないので、これが何かは全く分からないが、雰囲気からすると石英ではなかろうかと思う。
そんな石をなぜわざわざケースに入れるのかと言うと、単純に、なくならない様にというだけの事。
石は私にとって、コレクションの対象というだけでなく、思い出の鍵で、言わば写真の様な物。
この砂つぶのような小石は、富士山の宝永山山頂に行くために、その火口の内側の登山道を登っている時に拾った。
そんな所に水晶は無いはずだが、本当に無いのだろうか?
普通であれば無いはずだが、自然は恐ろしいくらいに多様性に富んでいる。

黒っぽいのは母岩で、拾った時に真っ先に考えた、「ガラス片では?」という疑問を打ち消してくれる。
富士山に水晶は無いにしても、石英くらいあっても良いのでは? と私は考えている。
成分としては、ほとんどの岩に含まれているはず。

火口の底から山頂へは、270メートルの標高差。
乾燥している季節には、2歩進んで1歩ずり落ちるほどの、スコリアだけの一本調子の坂道を、延々と登る。
強い風に吹かれて前を向いている事が出来ず、うつ向きながら登っている時に、風が教えてくれた石が
まるで火星かと思う様な、広大で荒涼とした火口の風景を思い出させてくれる。

静 岡県 富士山・宝永山火口内