ナンジャコリャ石


この様な内包物の入った石は、他には写真であっても見たことがない。
一体何が入っているのだろうか?

金属光沢があり、しっかりとした太さのある線状になっていて、
ある方向から見ると、それが規則性を持って入っている事が分かる。
水晶には照りがあまりない為に、内包物をよく観察するには錐面から覗くのが一番であるが
それだと、内包物の断面方向から見る事になって、内包物の柱面を観察する事が出来ない。

仲間との集まりで、この手に一番詳しそうな友人に見て貰うと、「コサラ鉱か輝安鉱ではないか」とのお言葉。
私は適当に輝安鉱かと言っていたので、その言葉を聞いて、周りにいた皆んなで「おおっ」と湧き上がった。

私のコレクション中で間違いなく、最も珍しい標本であるが、採集した時の事はまるで分からない。
稀に金属鉱物が内包物として入る事は知っていたものの、それでも、ごくありふれた場所で
並の大きさなので、泥の付いたまま何も見ずに袋に入れた中の一本。
数日経って、家で歯ブラシでこすっていて、あれ、何か入っているなと思って見た瞬間に出た言葉が
ナンジャコリャ?
一人なのに、大声が出てしまった事を覚えている。
だからこの石は、私の中では「ナンジャコリャ石」である。

★★★★★★山 梨県産