日本の水晶
乙女の普通の単晶の標本が載ってないことに気が付いた。
日本を代表する水晶産地だと思っているので、それを加えなければと考えて、この石を選んだ。
水晶と言えば、無色透明が基本。
これは少し黄色っぽいが、拾った後に水で洗っただけなので酸化被膜が残っている。
この地の水晶の本来の姿は、厚い褐鉄鉱で覆われているが
これは自然崩落した晶洞から出て、自然の中で雨水に晒されて、徐々に被膜が落ちていった石なのだろう。
標本的には、処理をしない方が価値があるとされているが、私はただ愛でるだけ。
美しく輝く方が好きであるが、それでもこの程度であれば
酸処理しないのも味があって良いかなと、そのまま飾っている。
この石が産地の特徴を良く表しているかは、実のところは微妙である。
錐面の一つが極端に大きくてちょっとアンバランスだし、根元まですっきりと透明である。
この産地でも、ここまで透明な石はなかなかないから、やっぱりすこしズレているかも知れない。
普段よく目にするものは、照りはこの様に強いものの、途中から細かな泡が入っているかのようで根元は半透明、
柱面は割と平行で錐面にも偏りは少なく、やや細長い感じの、安定感を感じるプロポーションだと思っている。
★★山梨県乙女幸山産