昔の小説



アマゾンで本を買うと、関連商品と称して似たタイトルの本が表示されるが、これもそんな中で知った。
アルプスの麓の自然豊かな村で、人々の生活の中に起こったちょっとした事件や人々の生き様を、
美しい自然描写の中で書き綴った小説で、とても素晴らしく、久々に良い本を読んだ気がした。

アルプスを舞台にしていれば、どこかで水晶が登場するだろうと、水晶好きはごく自然に考えるものだが、
水晶は全く出て来ない。でも、石を当てにして買った訳ではないから、何の不満もない。
しかし、水晶がいかにも出そうな場所を掘っていて、水晶は出て来ないのは、これは辛い。
小説と同じで、水晶にこだわらなければ、一日豊かな自然の中で楽しい時間が過ごせるのではあるが・・。

「水晶」「みかげ石」「石灰石」「石乳」の他に、この本に収録されていない「電気石」「白雲母」があるらしい。
「水晶」が一番有名らしく、また清々しい気持ちにもなるが、個人的には「石灰石」に深い印象が残った。
「水晶」と「石灰石」には、劇的に移り変わる天候の描写があるが、それもちょっとした読みどころであろう。

★長野県小川山産