ピース1


二本では群晶とは言い難い気もするが、そう呼ぶのは習わしになっている。
群晶の水晶の結晶の角度にどんな法則や傾向があるのか、自分には全く分かってはいない。
群晶は思いの外に出土が少ないからだ。
この産地の典型的な産状である真砂化した崩落ガマでは、群晶は土砂の力で分離してしまう。
これは分離を免れた幸運の一つではあるが、力を込めると多分二つになると思う。
出土する単晶にも、くっついていた形跡を示す物は結構多い。
そして産地によっては、無秩序に絡まっている群晶もあるが
この産地では指でピースをした様に、頭の方向性が割と揃っているように感じられる。


手前の一本には、根元にくすんだ肌色、その上に白、更に緑色を示すインクルが入っている。
奥の結晶には白しか入っていない。
隣同士でも、インクルの中身が違うのは、他の標本からも見て取れる。
有名なところでは堀氏の著書の表紙を飾った、同じ産地と思われる見事な群晶に表れている。
何でそういう事になるのか、見当も付かない所が楽しいところ。

★山梨県水晶峠産