螺鈿色


普通に石の全体を撮影していて、山の頭が白く光る事に気がついた。
何でだろうかとルーペで覗くと、何か層が出来ていて、そこが光を反射している様だったから
それに意識をしながら、角度を変えつつ撮影を続けていたら、虹色に光るところがあった。
とても驚いた。
それは今まで全く気がつかなかった、瞬間的な石の表情だった。
そこで、それをしっかり写真に収めようと、すごく久しぶりにルーペを通して写真撮影をした。
どうだろう、
細かく色合いが変わるところは、螺鈿細工のよう。
顔料に、螺鈿色というものがあるが、まさにその色合いである。

非常に美しいこの石の特徴は、照りの良い薄い煙色と、
こんなに多量に入っているのは見た事がない、下部の黒いインクル。それらは
形状から雲母ではないかと想像しているが、それと、山の頭の一部分が琥珀色を呈している部分で
そのあたりもそこそこに表現出来たと思う。


これは頂き物で、産地は無名の小さな崖という事で数年前に案内をして頂いたが、
確かに水晶はあるものの、こんな美晶には程遠い、普通の白っぽい水晶しか得られなかった。
それにしても採集者は、この螺鈿色を認識していただろうか?
きっと、自然の偶然の産物なのだろうが、この写真を撮ったら、また行きたくなってしまった。


☆☆☆☆☆山梨県水晶峠産