撮影


照り良くボリュームもあって、水晶らしい。
透明度も良くてプロポーションも良いお気に入りの一つ。
ただ、透明で雲母の付着跡があって先細りであり、産地の特徴が全くないという不思議な石だ。

これは、かなり昔に、ハゲやガレ場を巡回していて拾った。
大きな石は拾う方が断然多いという手本であろうが、その理由がどうしてなのか今だにうまく説明がつかない。
絶対数は大きな石ほど極端に少ないはずだから、
晶洞が自然に崩落して、一旦は土に紛れてしまってからだと、
再び地表に出て来て人の目に触れるには、大きな石の方が有利なのかも知れない。
この石の採集地は「ミツバツツジ沢」などという、ありふれたネーミングの記録がある。
ミツバツツジの咲いていた季節に拾ったからで、そういう背景をも残したいと考えたのだろう。
石を見つけた時の周りの雰囲気とかは今だに覚えていて、私には石と風景が切っても切り離せない。
しかし、写真には別の花を使った。

この石の記憶として、一つ、失敗談がある。
木台を付ける前、立てて撮影をしている時に倒れてしまい、そばに置いてあったルーペに当たってしまった。
トップの小さい水晶だが、運悪く、その一部が欠けて飛んてしまった時には、本当にショックだった。
それに懲りているはずなのに、その後も撮影中に石を倒してしまう事の多いのは、性分なのだろう。
それでも、ルーペなどの硬い物は近くには置かない様にだけはしている。


★★★甲府市黒平産