戻る
  世間一般様ではクラシック音楽というと、何だか高尚な音楽の様に聞こえるらしいです。
  けれど私はそんな風に思った事は中学生までしかないのですよね。別に家で聞かされた事はないので、それ
  は友人達が吹奏楽部に入っていたのが関係あるかもしれません。しかし、多分一番の理由はああいう音
  楽の楽しみ方を教えてくれた人の感性のせいだと思います。
 
  クラシック音楽会なる催しが行われたのは中学校の頃でした。
  それは学校の企画で、ある学年の生徒を文化ホール貸切って延々と音楽を聞かせるというものです。
  演奏するのは天下のNHK交響楽団。今考えると何て贅沢な催しなのかと思います。
  さて、それでも歌詞がない曲を聴き慣れていない子供にとって、2時間くらい曲を聴くのは結構な苦行です。
  例え今まで座った事の無い前列の席に座ってもそれは例外ではありません。
  始まって1時間、生徒は皆うつらうつらと舟を漕いでおりました。
  実際、私の横の人は爆睡してました。私はというと、真ん中の席で前から5列目。初めて聴く生のオーケスト
  ラの大きな音に辟易してました(笑)。音は綺麗なのですが、大きすぎて寝ているどころではなかったのです。


         でもまさか天下のN響があんな暴挙をするとは思ってもいませんでした。


  それまでは此方に背を向けていた燕尾服北指揮者の方(今思い出すとパパイヤ鈴木に似ています)が、
  か
を片手に持ちました。当日、何を演奏するのかプログラムを渡されてなかったので、何かなぁ、と思いながら
  見てたんです。
  で、よく見ると、どうも黒いもので片手に収まる大きさで、指が引き金に掛かっています。


          ……ん?引き金?


   さて、皆さま想像してみて下さい。
   1.黒い
   2.片手に入る大きさ
   3.引き金がある
   物とは何か?
   私には一つしか想像がつきません。


      拳銃持ってるよ、この人。


   あれですか?
   人様が一生懸命に演奏しているにも関らず、爆睡するガキ共が気に入らない故の犯罪ですか?
   銃乱射?
   明日の朝刊とかの一面飾るんですか?
   色々とふざけた事が走馬灯のように頭を駆け巡りました。
   曲は聴いたことあるような曲に入り、指揮者の方は此方を向きました。
 

   その顔は笑顔v(^▽^)v全開

   
   中学生ながら、一瞬引いたのを覚えています。
   よく見ると楽団の方々も笑っています。 
   何する気さ?
   そう思った瞬間に、指揮者の人は引き金を引きました。


   連射される爆竹音。


   徐に鳴り響く音に生徒の大半が起きたことでしょう。
   というか、寝てられません。


   生徒の反応が余程嬉しいのか、連打しながらステージ上を往復する指揮者。
   
   演奏しながら笑っている楽団の人達。
   

   大人って一体…。


   そう思いました。
   「楽譜見ないで演奏している人達って凄いや」と思いましたし、「綺麗な音が出せて凄いなぁ」とも
   思ってたんですが。

   何だってそんなに遊び心満載なんですか。


   尊敬の念より先に親近感が湧きました。
   だって、本当に指揮者の方が楽しそうなんです(笑)。
   で、その曲名を思い出しまして、リロイ・アンダーソンの「ソリ滑り」です。
   クリスマスになるとそこかしこで演奏される曲なので、誰でも一度は耳にした事があると思います。
   それの鞭の音を拳銃で代用したんですね。
   これがクラシックとして良いのか悪いのかは知りませんし、どうでも良い事だと思っています。
   とにかく、度肝を抜かれた事は確かでした(笑)。
   こういう小洒落た事をされて、一気に目が覚めた所で次に聴かされたのはハチャトゥリアンの「剣の舞」。
   実はこれが初の「剣の舞」。
   余りのアップテンポとノリに吃驚しました。
   これがクラシックなのか?!と思ったんですね。
   「何処かで聴いた事があって、上品なのがクラシックだ」という根底から概念を覆してくれました。
   終了した後で指揮者の方が言ったのは。

   「楽しいと思ってくれれば嬉しいです」

   思いましたとも。少なくとも私は楽しかったです。

   
   それから、色々とクラシック音楽を聴く様になりました。
   で、聴いていて思ったんですが「ああ、これは娯楽なんだ」と。
   敷居が高いように思われているけれど、そうじゃないんじゃないかと思うのです。
   実際、アップテンポな曲が多いですよ。クラシックの曲って。
   考えてみれば歌劇に使われるんですから、ノリよくなくちゃ困ります。
   喜怒哀楽、人生の色々な場面を音で表すのがクラシックの根源なんじゃないかと思います。
   そしてこれはどんな音楽にも共通する事なんじゃないかなぁ、と。
   ポップスと呼ばれる音楽には言葉がある。それから色々考えたり、思ったりする曲だと思う。
   民族的な音楽は、祈りという目に見えない言葉が組み込まれている曲で。
   クラシックと映画のBGMは同じで、場面を盛り上げたり、色々考えて感じる為の曲。
   そう考えるとクラシックだけ敷居が高いと思うのは、変でしょう。
   
   歌詞がない分、自分の好きな様に考えられるのもクラシックの良い所です。
   だから、何かの構想に詰まるとクラシック音楽をかけるのが私の癖なんですね(笑)。
   そういう時間を過ごしていると、家族から「高尚な事をやってるね」と言われますが、今まで書いてきた
   事を一から語って聞かせています。
   
   何が書きたかったかって。


   秋の夜長にクラシックは良い。

   って書きたかったんですよ。色々考えられて、読書中でも邪魔にならないのですしね♪




  なぁんて、侍魂っぽく(笑)書いてみましたが、如何でしょうか。































































  
秋の夜長とクラシック