乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第303号(2014.3.3.)



□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第303号
 2014.3.3.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【意見公開】シカの動向を注意深く見守ってください
NEW! 2.【活動案内】2013年度総会ならびに座談会 3月16日
NEW! 3.【活動案内】ヤマアカガエルの産卵調査2014
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

0.【ニュースニュース】
●1.たった丸一日で114pの豪雪! 陸の孤島になった山梨では,雪かきも通勤通学買い物も,遅れたり溜まったりした仕事の処理もたいへんでした。
 会員の佃さんからは「新聞報道で葡萄のハウス倒壊など被害の大きさを知り驚いております。ファンクラブの会員のかた、牧丘の地元の方にも雪で大きな被害を受けた方が何人もいらっしゃるのではないでしょうか。心からお見舞い申し上げます」というお見舞いのメールを預かっています。
 じつは植原は降り始めの金曜日に上京し,そのまま5日間,東京に居すわることになってしまいました。東京の降雪は山梨までひどくなかったので,有意義なシティーライフを楽しむことができました。陸の孤島を反対側から経験することになったのです。
 この雪が,乙女高原にどんな影響を与えるか,注意深く見守らなければなりません→1

●2.3月16日(日)午後2時からはファンクラブの総会を行います。会場は牧丘総合会館です。乙女高原ファンクラブ普通会員の皆様には,会報と一緒に出欠ハガキをお送りしています。返信の締め切りは3月6日です。この出欠ハガキは,欠席の場合,委任状も兼ねています。委任状と出席者を合わせて普通会員の過半数にならなければ,総会が成立しません。まだ投函されてない方は,ぜひ,お早めにハガキを出してください。よろしくお願いします→2

●3.総会後の座談会では,内藤邦雄さんにお話をお願いしました。内藤さんは乙女高原ファンクラブはもちろん,ほかにも様々な環境活動をされています。そんな内藤さんに『わたしのセカンド・ライフ』というテーマで語っていただきます。乞うご期待!→2

●4.3月1日,往復8時間もかけて鎌倉まで行き,『里地里山モニタリング1000』講習会に参加してきました。主催は日本自然保護協会。参加者は三枝さん,鈴木さん,植原の3名。講習内容はアカガエル類の産卵調査。講師の前田さんによると,アカガエル類は1シーズンに1匹のメスが1つの卵塊しか産まないので,卵塊の数を数えれば,それがその地域の卵を産んだメスの数になり,継続調査すれば,カエルの数の増減が見えてくるのだそうです。30名ほどの参加者と一緒に,現地の自然保護活動をされている久保さんの案内で,谷戸の昔ながらの田んぼに産み落とされたカエルの卵をじっくり観察してきました。カエルの卵をカルガモやアオサギが食べると聞き,びっくりしました。
 なお,講習会場となった鎌倉中央公園は,もともと山崎の谷戸と呼ばれる里山でした。谷戸とは雑木林に囲まれた谷で,両側の林から水が滲みだし,たえずジュクジュクしている,細長い湿地状の場所です。ここでは,昔から田んぼがつくられていました(谷戸田とか谷津田と呼ばれます)。1990年,ここに都市公園をつくる計画が発表されました。その中には芝生の広場やコンクリート護岸の池や全面ガラス張りの建物が描かれ、その池には吊り橋まで架かっていたそうです。この発表を知って驚き、その内容に猛反発したのが、ここでで乳幼児の青空保育をしていた「なかよし会」というグループのお母さんたちだったそうです。最終的に,市民の粘り強い活動によって,この地の自然や景観を大きく変えることなく,谷戸を生かした公園として鎌倉中央公園は生まれ,鎌倉市と協働で公園の維持管理や公園を活用して環境教育などの活動をしていこうというのが,今回の講習会の協力者である『NPO法人山崎・谷戸の会』なのだそうです。
http://www1.ocn.ne.jp/~ya-yato/

●5.鎌倉での講習会を生かすべく,乙女高原でヤマアカガエルの産卵調査を行います。もっとも,今年は豪雪の影響で,乙女高原までたどりつくのも一苦労だと思います。それに,基本的に内輪の調査です。特に行事保険には加入しておりませんので,ご承知おきください(世話人と案内人は通年のボランティア保険に加入しています)→3

●6.(再掲)『乙女高原大百科』,好評発売中です。1冊2,000円(実費)。手渡しできない場合は送料が必要で,1冊なら350円。ですから,1冊なら送料込みで2,350円ということになります。郵便振込でご送金ください(別途手数料がかかります)。複数冊欲しい方,送料については要相談です(先日,2冊でも送料350円で送れることがわかりました)
http://fruits.jp/~otomefc/daihyakka.html
 郵便振替口座等は以下の通りです。
・口座番号 00220-8-71093
・加入者名 乙女高原ファンクラブ
--------------------------------------------------------------

1.【意見公開】 ●シカの動向を注意深く見守ってください●
           麻布大学 高槻成紀さんからのメール

【2月22日】
 このたびの記録的な大雪には驚きました。たいへんな体験をされた方もおありと察します。ようやく出口も見えてきたようで安堵しております。

 人の生活もたいへんでしたが、野生動物もさぞかしたいへんだと思います。私は1984年の東北の豪雪のときに、調査をしていた金華山島で200頭以上のシカが死んだのをみて今でも強い印象をもっています。そのときは島の半分以上に1mくらいの雪があったために、シカが低地に降りて食物不足で餓死したのでした。
 今年は、そうでなくても数が増えて植生に強い影響をおよぼしているシカが、雪のために山にいられなくて低地に降りざるをえなくなっているのではないかと思います。その年の岩手県ではシカが低地に降りて、太いモミの木まで樹皮を剥ぎました。八ヶ岳では通常年でも大木までが樹皮はぎされ、その下にはおびただしい数のシカの糞が残っています。ことしはさぞかしすごいことになるのではないかと思います。雪にとじこめられて餓死するシカもいるかもしれません。
 今後、そうしたことに目を配っていただければありがたいと思い、連絡させていただきました。

【2月23日】
 群馬県から『獣道脇の20年齢ほどのミズナラの樹皮ですら食べているのを確認。シカからしたら「嗜好性が高くなくても背に腹は代えられない」と言ったところなのでしょうか。またせっかく設置した防剥ネットも食い破って樹皮を食べていました・・・』という報告を受けて・・・

 やはり、そうですか。非常に心配です。残念ながら、悲観的な予測をせざるをえないような気がします。
 ナラは樹皮にコルク質が多く、食べても栄養はないので、一般にはシカが好みません(コルクというのは地中海のコルクガシからとるもので、日本でも戦争中にコルクをとるためにクヌギを植えました)。文字通り「背に腹は代えられなくて」食べているのだと思います。

 1984年のとき、ある方が日光のシカの胃内容物を送ってくれましたが、入っていたのは割り箸のような材ばかりで、緑色の葉はまったくなく、葉があっても枯葉という状態でした。いわゆる「満腹餓死」です。もっと重要なのは、胃の中になにもないから送らなかったというサンプルがかなりあったということです。

 (シカの状況の)写真をとっておくのはよいアイデアです。シカの写真を見ましたが,今回のものでもやや痩せていますが、これが進んであばら骨がみえるようになり、腰骨が飛び出したようになり、やがて動けなくなります。できるだけ多くのシカの写真をとっておくと評価できると思います。
 死体がみつかった場合、可能であれば後足長と体重を測定し、頭骨(あるいは第1切歯だけでも)をとり、胃内容物を少量(おむすびくらいの量)をとってもらえば、分析します。どれもきびしい作業ですが。

【2月23日の2通目】
 できるだけ多くの人の目にふれたほうがよい話題なので私の知人にもメール文を紹介することをご了解ください。

 シカは雪の中を沢におりるなどし、シカ道をつくって同じところを往復していると思います。私はシカが雪をラッセルしながら、先頭のシカがつかれると、次のシカが先頭をかわって進むのをみたことがあります。シカ道は踏みかためられて、そこ以外を歩くと消耗するので、さらにそこを使うようになります。

 シカは,秋までに脂肪を蓄えて1月くらいまではよく太っていますが、2月からやせはじめて,あとはササがあれば大丈夫なのですが、雪にうまると樹皮等しかたべられなくなり、やせていきます。通常年であれば低木の芽が育っていて、シカは芽先を食べますが、雪が深いとこれが食べられなくなります。これが1ヶ月以上つづくと死亡率が高くなると思います。
--------------------------------------------------------------

2.【活動案内】 ●2013年度総会ならびに座談会●

  【総 会】
日 時 3月16日(日)午後2時〜(準備は1時半から)
場 所 山梨市牧丘総合会館 3階 大ホール
次 第
 1.開会のことば
 2.代表世話人あいさつ
 3.議 事
  @2013年度活動報告
  A2013年度収支決算報告
  B会計監査報告
  C2014年度活動計画案
  D2014年度収支予算案
  Eその他
 4.その他
  ・4月の世話人会について…4月  日(  )
 5.閉会のことば

   【座 談 会】
■話題提供者 内藤邦雄さん
 乙女高原ファンクラブでの活動のほか,まちづくり時習塾のメンバーとして中央市の常永川流域での自然観察会,NPO法人みどりの学校のメンバーとして保育園,小学校,イベントでの自然エネルギー体験学習会,ヴァンフォーレ甲府のホームゲームでのゴミゼロ,環境啓蒙活動,自然エネルギー・ワークショップ(工作教室)等の活動。
■お話のテーマ「私のセカンド・ライフ」
■お話の概略 自然環境問題に取り組み始めた契機,その中での自然観察会,地球温暖化防止活動の位置づけと活動内容,活動を継続することの大切さとそれを支えるモチベーションの源。

※総会の出欠ハガキ(委任状を兼ねる)をお早めに投函してください。
--------------------------------------------------------------

3.【活動案内】 ●ヤマアカガエルの産卵調査●

日 時 3月21日(金祝)   4月 5日()  19日() (26日())
集 合 道の駅まきおか駐車場 9:30
  車に相乗りし,途中から歩いて,乙女高原の湿地でヤマアカガエルの産卵状況を調査します。

■モニタリングサイト1000とは・・・
 里地里やまの自然の変化を,市民による調査によって全国規模で調べていこうという環境省/(公財)日本自然保護協会によるプロジェクトです。調査項目は9つありますが,乙女高原では、『カエル調査』に取り組みます。乙女高原は2013年にサイト登録したので,今回が初めての調査になります。

■乙女高原でのヤマアカガエルの産卵
 乙女高原では3月下旬〜4月上旬、まだ雪が残っている時期にいったん冬眠から覚め,湿地に雄雌が多数集まって産卵し(かえる合戦)、産卵が済むとまた冬眠を続けるという、珍しい生態を持つカエルです。
【乙女高原での産卵確認日】
3月20日(2010)4月10日(2011),4月8日(2012),4月7日(2013)

※詳しくは事務局までお尋ねください。
※雪の状態によっては往復8キロ(柳平〜乙女高原)雪の中を歩きます。
※天候等によって急きょ中止したり延期したりすることがあります。電話等でご確認ください。
--------------------------------------------------------------



乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン >  第303号(2014.3.3)        →ページトップ