欲しいんだもん!
「5月ですねー、きょーこサン」
「あら、ほんと。日付変わっちゃったのね」
「で、プレゼントはー?」
「……なんの?」
「これでもう丸一ヶ月待ってるワケなんですけど、俺の誕生日プレゼントはー?」
「…………ちゃんとお祝いしたじゃない」
「えー? 確かにメールはもらったけど、それだけー?」
「……忘れてるわけじゃないのよ。まだちょっと考えあぐねてるだけで……」
「そこ! そこで、なんで俺に訊いてくんないの! 『何が欲しい?』って!」
「…………」
「あ、またなんか警戒してますねきょーこサン? 俺ってそんなに信用ないの?」
「ないわ」
「うわ秒殺!」
「自分が毎年どんなことを言ってるか、忘れてるんじゃないでしょうね」
「そら覚えてるって!
去年が『全裸に白衣だけ着て誘ってみて♥』で、一昨年が『バニーガールの恰好で一晩ご奉仕して♥』、
でもって、その前が『Tバックとガーターベルト着けて出社して♥』……」
「言うなー!」
「えー、いまさら照れるとこー?」
「照れてるんじゃないわよ莫迦! このスケベ!」
「……男がスケベなのはむしろ褒めどころですよきょーこサン」
「って、どこ触ってるの!」
「いや、去年までのプレゼントを思い出したらちょっとその気に」
「叩き出すわよ!」
「った! い、今の一発はちょっと本気すぎるだろオイ!」
「100%本気に決まってるでしょ!」
「うう……ヒドイ……」
「……もう! 真面目に言ってるんだから、ふざけるのはよして。私だって、貴方の誕生日はちゃんと、お祝いしてあげたいのよ」
「……うん」
「本当は何が、欲しいの?」
「…………ん」
「え?」
「……だってやっぱり、今日子さんが欲しい」
「…………」
「エロい衣装なんか、どっちだっていいけどさ、ホントは。
今日子さんが『何が欲しい?』って訊いてくれて、バカなこと言えるのが嬉しいんだもん」
「……そんな、」
「だから今年も、ソレがやりたい」
「……もう、しょうがないわね、」
「訊いてくれる?」
「……分かったわよ。『プレゼントは、何が欲しい?』」
「ノーパンノーブラで超ミニチャイナ着てみせて〜♥」
「って、この紙袋は何?」
「予め買っておいてみました」
「やっぱり只のスケベじゃないの!」
「あ、ばれた?」
「あーもう! バカっ!」
[2010年5月]