引力【の、コメント】


 秋のお話を書きたかった記憶があります。
 あと、昔っから何故か万有引力って発想が好きだったらしく、いくつかそれをモチーフにした話を書いてたんですよね。 ノンジャンルの『双子月』とか。
 万有引力に関するフレーズがぽっと降って来て、そこに「季節モノ書きたい」っていうのが繋がってこれになったんだと思います。


>「……リンゴ?」
>ずいぶん小さい、けれど鮮やかに赤い、丸い果実。無造作に手のひらに置かれたそれを見つめ、彩はぱちくりと瞬きした。
>「ヒメリンゴ、っていうんだって。小さく見えるけど、これくらいの大きさがフツーなんだってさ」

 よく庭木になってる奴ですね。人が食べるものというよりは、小鳥がつついてるイメージ。


>「リンゴってさ、どーしてもエジソンの話を思い出しちゃうんだよな」
>「あたしはアレかな、ニュートンの話の方」
>「俺は林檎っていうと、島崎藤村」
>「僕は……ウィリアム・テルだなぁ、真っ先に思い出すのは」
>「アダムとイブ、じゃない?」
>「白雪姫でしょ」

 この辺、あれこれ考えて楽しかったです。
 島崎藤村のは『初恋』ですね、「まだあげ初めし前髪の、林檎のもとに見えしとき、」って奴。 中学校の時に暗唱したんですが、「わがこころなきためいきの、その髪の毛にかかるとき、」ってフレーズが随分色っぽくて(というか割と直截的で)どきどきした覚えが。


>(……地球が、リンゴを引っ張る)
>(リンゴも、地球を引っ張る)

 ここがネタの中心になってるフレーズでした。なにかに影響受けてんのかな、自覚は無いですし、あっても思い出せませんが。


>「そういや、きょーこサン見てねぇな。まだ来てねーの?」
>みきの手から林檎を受け取りながら、さりげない口調で加賀が訊ねる。けれど。彩の聴覚はぴんと張り詰めた。

 SAGAですかね、αニューロが初登場する辺り、別に用もなさそうなのに何となく今日子さん探してきょろきょろしちゃってるように見えて、加賀が可愛かったので。
 こういうイメージが定着しています。自分の中では。


>人で溢れるサーキットでも。混み合った作業中のピットでも。
>さして背が高い訳でも、目立つ位置にいる訳でもない彼が、すぐに視界に飛び込んで来るのは何故なんだろうか。

 髪型の所為じゃないかな!って、思いながら書いてました(笑)

 片想いにじりじりする女の子は好きです。たとえそれが彩ちゃんであっても。(ごめん彩ちゃん…)

[2015年4月]