以心伝心
「あーれぇー? なんでこんなトコいんの、今日子さん?」
「……、……」
「知ってるって、風邪なんだよな? 声出ねぇんだろ? だーかーらー、なんでウチで大人しく寝てねぇんだよってば」
「……、…………」
「はぁ……ソコまでして見たいもんかねぇ」
「…………、」
「まー確かにいいサーキットだよな、ここは。だからって、たかが合同テストだろ?」
「……、……!」
「大体、開幕もーすぐなのに、周りにうつしたらどーすんだよ」
「…………」
「いや、そーだけどマスクって予防のために使うもんだろ、本来」
「…………」
「気を遣ってるって言わねっつの、ソレは! 部屋に戻って寝とけって!」
「……! ……!」
「だから、心配いらねぇってば。俺がトップで新条が3番手、十分だろこの段階としちゃ」
「…………!」
「どっちにしろ見に来たいんじゃねーか……」
「……、…………」
「だからさっさと帰って寝とけって」
「…………」
「げっ、なんでそーなるんだよ! 人遣い荒すぎんぞアンタ!」
「…………」
「つーか俺にうつったらどーすんだ?」
「……、…………」
「迷信だ迷信! バカだからって風邪引かねーわきゃねーだろ、」
「……」
「っておい、誰がバカだ誰が」
「……、……」
「へいへい、悪かったですねー。どーせ俺ぁバカですよ」
「……、……、……?」
「あーもう、わかったわかった、送ってきゃいーんだろ! ったく、しょーがねぇなぁ!」
「うわー、ホントに成立しちゃってるよ、会話……」
「一見加賀サンの一人芝居みたいですが」
「でも、オーナーがああして頷いてるんですから」
「うん。ハナシはちゃんと噛み合ってんだろーな」
「加賀さんスゲー」
「今日も仲良しですねぇ」
「見てるこっちが熱出そう……」
[2011年3月/11月再録]