雨台風【の、コメント】


「真夜中扉を開けると、男がずぶ濡れで立っていた」みたいな、不穏で薄暗い話が書きたかった。
 んだと思います多分。(記憶が曖昧)
 あとこのとき独り暮らしの家を台風が直撃してた筈。出掛けられないしすることないからって言い訳しながらPCに向かってたような気がします。


> ――やけに静かなので目が覚めた。

 無自覚にアンビバレンツなこと書いてて吃驚した。
 自分としては気に入っている言い回しです。


> 待ってて、今タオルを、と背を向けた途端、強く腕を掴まれた。酷く冷たい手だった。その温度に身を震わせる暇もなく、抱き締められて声をなくした。

 例えば冬、外を歩いてきて冷たくなっている頬に触れるのが好き。
 例えば夏、走って来て汗だくになってる額を拭いてあげるのが好き。
 なので、玄関先でぎゅーってするのが好き。(まあこの場合色々迷惑ではありますが)


> あれほど振り回されていたのに、飛び込んでしまえばその中心は凪いでいた。
> 怖いくらいの、泣きたいくらいの静寂を抱えて。

> ――今だけ。
> 通り過ぎてしまえばまた、その風向きに翻弄される。それはもう分かっているけれど。

 加賀は本質的には寡黙なんじゃないかと思っています。
 世渡り上手の顔の下にある、もうひとつの方を見てみたい、と思う。
[2014年8月]