葡萄酒の余韻


 [Situation:部屋呑み]
 [Card:加賀城太郎vs.葵今日子]
 [Gallery:風見ハヤト/菅生あすか/新条直輝/城之内みき]

「へーえ、ボジョレー・ヌーヴォーねぇ。さっすが女王様、豪勢なこって」
「やぁね、豪勢ってほどの話じゃないでしょ。頂き物なんだから。普通のワインだってあるんだし」
「おれ、ワインはあんまり得意じゃないんだけど……」
「え、ナオキが得意なお酒なんてあったっけ?」
「無理しなくていいわよ新条くん。ほら、食べる方も結構あるから、遠慮しないでね」
「ホントにアタシたちまでお邪魔しちゃって良かったんですかぁー?」
「とか言ってグラス差し出すのやめなよあすか……何杯目なんだよ……」
「なーによ、ハヤトだってさっきからオードブルいくつ食べる気なのよ」
「おーおー、豪勢じゃない会話」
「……風見のとこ、食糧難なのか?」
「食糧難ってナオキ、あんたじゃないんだから」
「みきちゃーん、もう一杯いくか〜?」
「もらうもらう。ハヤト、呑んでる?」
「あ、まあ、少しずつ。でも料理の方が美味しいな」
「悪かったわねアタシのはおいしくなくて」
「……ああ、そういう意味で食糧難……」
「余計なこと言わない」
「……はい」



「ね、加賀、もうそろそろお開きだと思う?」
「んー、かもな。けっこー呑んだよなぁ。あすかちゃんなんかすっかり出来上がっちまってるし」
「うふふふふふふふぅハーヤートー♪」
「あすか! あすかやめてちょっと、重い!」
「新条なんか半分眠りかけてるし」
「………………寝てない」
「今目ぇ閉じてたじゃん……」
「きょーこさんなんかカンペキ目が据わっちまってるし」
「……誰が酔っ払いですってぇ?」
「あいてててて、アンタだよアンタ!」
「今日子さんほんとちょっと呑みすぎだよ……少しお水飲んどいたら?」
「イヤ」
「てかもうここで止めとけって。お開きだお開き! ちょーどボジョレーも空きそうだし、」
「って言いながら残りは全部自分が呑む気なんだね加賀は」
「冷静なツッコミをどうもー♪」
「…………(寝ている)」
「こらー、逃げるなハヤトー! えーい☆」
「うわ、ちょっとちょっとあすか! やめて痛い!」
「あっちはあっちで、他所様のうちであんなだし……」
「ままままま、いーじゃんみきちゃん、固いコト言いっこナシ♪ だーいじょーぶ、うちの女王様は太っ腹だからよ、」
「誰が太いんですってぇ!」
「あいてててててててて! なんでそーゆーとこだけ聞いてんだアンタ!」
「生意気だわ加賀くんの癖に! なによ独りで瓶ごと抱え込んじゃって、」
「あ」
 こくこくこくこくこくんっ。
「あー!」
「……っはー」
「うわ、呑んじゃった……」
「ひっでぇきょーこさん! 俺のなのに! せっかく俺が確保したのに、こんな高い酒めったに呑めねぇのに!  ひでぇ! 返せ! 返せっ! かーえーせー!」
「……っさいわね、」
 ぐい、

「 ! 」

「う」
「あ」
「……え」
「えええ!」

「……っ、」
「これでどうかしら加賀くん、」
「…………」
「余韻くらいは、返したと思うけど?」
「………………」
「加賀くん?」

 ばたん。

「あ」
「あー、」
「加賀……」
「昏倒したね……」

「馬鹿ねぇ、酔い潰れるくらいなら独り占めなんてしなけりゃいいのに」
「いや今日子さん違うから。ソレ酔い潰れたんじゃないから」
「うわ、おれ、完璧に目が覚めた……」
「……ねぇハヤト、さっきの何? アタシの見間違い? 幻覚かしら?」
「いや、僕にも見えたよ……今日子さんが加賀さんに、キ」
「ストップ! そこでストップだ風見! やめてくれ認めたくない!」
「新条さん、顔色悪いですよ」
「……お前もだぞ」
「あすかも、」
「みきさんだって」

「……やぁね皆、呑み過ぎなの?」
「…………(一同、首を横に振る)」
「加賀くんが、目を覚まさないんだけど」
「無理もないね」
「仕方ないと思います」
「……顔も、随分赤いんだけど、……大丈夫なのかしら?」
「さぁ、」
「どーでしょうかねぇ……」

 [Result:葵今日子、勝利 (加賀城太郎、純情を打ち砕かれる)]
 [Lesson:酔っ払いを煽るなんて愚の骨頂。]


[09年11月]