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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第262号 2012.1.2.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】12月28日の乙女高原
NEW! 2.【観察報告】1月1日の乙女高原
NEW! 3.【活動報告】草刈りボランティアの感想
4.【活動案内】第11回乙女高原フォーラム 1月29日(日)
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0.【ニュースニュース】
●1.あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。昨年の震災の2日後がファンクラブの総会でした。原発がメルトガウンするかどうか手に汗を握りながらテレビに釘付けになり,総会を開催していいものかどうか悩んだのが昨日のことのようです。活動できることの幸せを噛みしめながら,自分たちにできることを積み重ねて,乙女高原の自然を次の世代にきちんとバトンタッチできるよう,今年も活動を続けていきたいと思います。

●2.毎年,乙女高原フォーラム開催に合わせて山梨市民会館ロビーで行ってきた「ようこそ乙女高原へ」展。今年で6回目となりますが,1月9日(月・祝)からフォーラム当日の29日までとなりました。昆虫パズルシートや来春出来上がる予定のスミレ・フィールドガイドも展示する予定です。
展示作業は1月9日(日)。
午前10時に牧丘総合会館に集合して展示ボードを運ぶグループ(牧丘方面)と,10時半に山梨市民会館に集合して前者に合流するグループ(その他)の2グループを作ります。作業に参加できる方はご連絡ください。お昼までかかりますので,昼食はファンクラブで用意させていただきます。

●3.第11回乙女高原フォーラムは1月29日です。開催時間は午後1時から3時半ですが,スタッフとして参加したいという方は午前11時に集合です。スタッフにはファンクラブでお弁当を用意します。弁当注文の都合がありますので, スタッフとして参加希望の方は事前に事務局までお知らせください。

●4.フォーラムの参加者に参加記念品として配る「絵合わせパズルシート いろいろ昆虫編」ができあがりました。案内人・杉田さんの力作です。紙を切って,折って,同じ色の面を揃える・・・という単純なパズルなのですが,やってみるとなかなか難しくて,ハマリます。2次元ルービックキューブといった感じです。1月18日の世話人会がお披露目になります。いち早くやってみたいという方はぜひ世話人会へ。

●5.総会は3月11日(日)午後2時からの予定です。今から都合を空けておいてください。総会後の座談会では,県のシカ対策をやってらっしゃる県みどり自然課自然保護担当のさんから,@山梨県内のシカの現状(生息状況、被害状況、捕獲教等),A特定鳥獣保護管理計画について(目標、対策等),Bシカ対策の課題と今後どう進めていくか・・・についてお話を聞きます。行政の方から直接お話が聞けるいいチャンスだと思います。ファンクラブに限らず,関心のある方は,ぜひご参加ください。

●6.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は1月18日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。

●7.タイミングが遅くなってしまいましたが・・・富士山ボランティアセンターでは富士山への環境保全の意識を向上するために富士山あての年賀状を募集しているそうです。しめきりは1月25日(水)なので,まだ十分間に合います。詳しくは以下のサイトで。
http://www.yamanashi-kankou.jp/volunteer/topics/kinga22.html
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1.【観察報告】12月28日の乙女高原

 12月24日にフォーラム・ゲストの槐さんがパソコン等機材のセッティングや下見のために会場の山梨市民会館に来られたのですが,「せっかくだから行っちゃう?」というノリで,乙女高原に行ってきました。12月9日に降った乙女の雪はだいぶ解けていましたが,このときには乙女湖はまだ結氷していませんでした。
 ところが,今日は湖の半分以上が凍っていました。この間に凍ったんですね。寒かったからなあ。
 木々も寒々としていて,遠くから見ると墨絵のようです。夏は気づかなかったヤドリギの「マリモ」のような玉が木の枝に付いているのがはっきり見えます。

 大窪山コースを歩いて,テンの糞を探しました。草原の雪がだいぶ解けていたので,大丈夫だろうと思ったのですが,歩いてみると,やはり日当たりの悪いところは一面雪。寒々とした空気に包まれています。シカの足跡がいっぱいでした。ふと,足を止めると,なんの音も聞こえません。「シーン」という音が聞こえてきそうです。木が葉を落としているので,森の向こうに真っ白な八ヶ岳連峰が見えました。
 静寂を破って,小鳥の群れがやってきました。コガラやヒガラ,コゲラなどの混群です。ゴジュウカラも一緒にいました。今年のぼくのテーマの鳥です(意味わかる?)。ヤエガワカンバのしわしわした樹皮の下を物色していました。

 斜面が南向きになってくると,雪は少なくなりましたが,かわりに,所々,地面に穴が開いて,霜柱の群れが顔を出しています。時々,地面の下に霜柱があることに気づかずに,足を「踏み抜いて」しまいました。そこにその高さで地面があると思って歩いているのに,自分の予測以上に体が沈むので,足がガクッときます。一度はひざがおかしくなってしまいました。それくらい乙女の霜柱は広く高く(深く)成長しているのです。

 アスファルトの林道に出ました。歩いて乙女高原まで戻ります。途中,小さな沢から氷があふれているのを発見。氷がダムの役目をして水をせき止めてしまい,さらに氷のダムが高くなる・・・の繰り返しで,ついに水面(氷面?)が道路より高くなってしまったのです。去年も同じ場所で見られました。

 木道のある湿地では面白いものを見ましたよ。純粋に透明な氷です。厚さが10センチはあります。まったく透明なので,水底にある石や表面に泡のついた木の枝などがきれいに見えます。まるで,観光地のおみやげ屋さんに並んでいる「透明な樹脂に封印された昆虫の飾り物」です。
 不思議だったのは,水底の石や枝のまわり全体が白かったこと。「ああ,20日前に降った雪の上で凍ったので,底が白いのね」とすぐに納得してしまいましたが,家に帰ってからよくよく考えてみたら,降った雪の上に水が流れてきて凍ったんだから,雪はいったん水に解けた(したがって透明になった)はずですよね。おかしいなあ・・・。

 今日は前回と違ってソレルのブーツを履いていたので,いたって快適でした。長靴だと,いくら中敷きを入れても指先が冷たくなってしまい,ゆっくり観察する気になれないんですよね。その点,スノーシューを履くときに使おうと思って去年買ったソレル・ブーツはまったく冷たくならないし,底も適度に柔らかくて,氷の上ではさすがに滑るけど,雪の上では滑りません。雪中自然観察にはもってこいだと思いました。
 ついでに,ぼくは観察記録に4色ボールペンを使っていて,観察したことは青,歩いたコースの軌跡やポイント通過時刻は赤などと,項目を色によって書き分けているのですが,乙女高原くらい寒いところだと書けなくなります。インクが出てこないのです。そこで,ボールペンのインク芯を密封して中の空気圧を高め,インクを出やすくした「加圧式ボールペン」というのを使っています。愛用しているのは,三菱鉛筆のパワータンクという製品です。空気圧を加圧する分インク芯を太くしないとならないので単色しかないのが少し不満です(三菱さん,ぜひパワータンクの4色ボールペン・・・いや2色でもいいから作って!)。
 お昼にカップ麺を食べました。寒かったので,体が中から温まりました。これも冬の必需品かなー。

 午後からは草原の中を歩きました。やはり何カ所かで地面の下に隠された霜柱を踏み抜いてしまいました。木橋近くの斜面で,巨大な霜柱が地面から顔をのぞかしているのを発見。そのままだとよくわからないので,引っ張りあげてみてびっくり。高さが40センチはありそうな巨大霜柱です。そのままではうまい写真が撮れそうもないので,アスファルトの林道まで運び上げ,道の端に置きました。斜面下から見上げるような角度で写真を撮れば,青空をバックにきれいな写真になりそうだと思ったのですが,1枚写真を撮ったところで崩れてしまいました。正確な高さや段数が分からなくなりました。霜柱の氷は地層のようになっていて,おそらく一段が1日分だと思うのですが,少なくとも10日分の霜柱でした。興味のある方は,ぜひ写真ブログをごらんください。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/e/e8cea591658bac6a4c3817c9d17efed6
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2.【観察報告】1月1日の乙女高原

 山梨の元旦はおだやかでした。お節料理とお雑煮を食べたら,後はテレビ見たり年賀状を待つより乙女高原に行ったほうがいいので,乙女に向かいました。
 途中,金桜神社に初詣。今年も乙女の活動が無事であるようお祈りしました。
 林道の途中でウスタビガのまゆを見つけ,車を止めて写真を撮りました。このまゆの緑色もきれいなのですが,それ以上に感心するのは,このまゆを枝に固定している糸。枝が折れても大丈夫なように,3センチくらいの長さに渡って糸が張られ,念入りに何カ所も固定されていました。

 今日は焼山コースを歩いてテンの糞を拾いました。元旦から来た甲斐がありました。11個もの糞を見つけることができたんですよ。おもしろかったのは,前半と後半で色が違っている糞。食べ物が違ったから色も違っていると思うのですが,それにしても2色糞とは。
 山頂広場からは奥秩父の山々がよく見えました。なんか違和感があったので,双眼鏡で覗いてみたら,山々の頂上付近の木々が白っぽく見えました。樹氷ではないかと思いました。
 たくさんの糞が見つかったのでなかなか進めず,1時ころまでかかってしまいました。ロッジまで行ってお昼にしました。またカップ麺とパンやお菓子です。

 午後から草原を歩いたのですが,ここでも5個も糞を拾うことができました。大量です。
 ツツジのコースは一面雪でした。そして,気づいたのですが,雪の上にパラパラと大量の木々の種が落ちていて,まるでふりかけみたいです。雪がない時には気づけないのですが,木々はこんなにたくさんの種をばらまいていたんですね。草原の中にシラカバの赤ちゃんが出てくるはずです。おもしろかったのは,動物の足跡の,雪がへこんだところに種が密集していたことです。雪がただの平面だったら,種たちは吹き飛ばされてしまったかもしれません。でも,足跡のへこんだ部分が吹き溜まりになっていて,種をとどめてくれているようでした。動物たちが活発に歩き回れば,木々の種はそこにとどまりやすくなる・・・これも自然の中の不思議なつながりの一つなんでしょうね。

 雪の上を元気に歩いている小さな虫がいました。カの仲間みたいです(見た感じはユスリカのようです)。いっちにい,いっちにいと思わず掛け声をかけたくなりました。
 そして,もう一つ。前回,雪の中を歩き回った時,雪の上に落ちている毛虫を2頭見ました。たぶん同じ種類です。「なんで雪なのに毛虫?」と不思議でしたが,今日,違う場所で,その毛虫にまた会いました。不思議な毛虫です。雪の上に横たわっているのですから,死んでいるように見えていましたが,今日,そっと拾い上げてみると,ぼくの手の中で丸まりました。まだ生きているのかもしれません。ますます不思議です。
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3.【活動報告】草刈りボランティアの感想

 皆さんから寄せられた草刈りの感想です。掲載するのが遅くなってしまい,申し訳ありません。

■とても楽しくキッズ隊も作業分担がスムーズに流れて子どもたちがお喜びで怪我もなくブナ爺さんの枯れ葉の布団で寝たり和気あいあいで楽しんでいました。本当にありがとうございました。人間って素晴らしい!自然を思う気持ち、乙女高原はみんなに愛されていますね。これからもこの素晴らしさを伝えてゆきたいです豚汁とても美味しかったです!(宮川さんより)

■天気に恵まれた一日でした。参加者に作業の手順を理解してもらう難しさとそれを伝える担当者の責務感。遊歩道に敷き詰めたはずの草が運び出しの時にはいつの間にか無くなっていました。あらゆる面での監督の目と余裕が必要と思いました。(松林さんより)

■私は植物や動物も好きですが、一生懸命働くおじさんの姿や、豚汁をつくるおばさんの表情、乙女高原で出会ったそういうものもとってもすてきだと感じました。そんな人と人、人と草原、草原と動物たちみんないるから、みんなつながってるから乙女高原なんだなと思うと自然と人が別のものではないように思えてきます。(加古さんより)
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4.【活動案内】
 ●第11回乙女高原フォーラム●

日 時 2012年1月29日(日)午後1時〜3時30分
場 所 山梨市民会館 3階「千鳥の間」
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
テーマ 希少昆虫の宝庫,,乙女高原は今
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
ゲスト 槐 真史(えんじゅ・まさし)さん(神奈川県厚木市郷土資料館学芸員)

ただの草原と思ったら大間違い。
乙女には,全国的に希少になった「草原」という自然に固有な昆虫が生息するホットスポット。
しかし,コョウモンモドキやアカセセリという蝶に象徴される高原の昆虫たちが,今,絶滅の危機にあるとしたら・・・。あなたはどうしますか?
  ☆
子どもたちも,あつまれ!
フォーラムの前半・1時間目は、乙女高原の虫を楽しみます。
虫のすがたを大きく写して見たり,虫のクイズを考えたり。
ほんものを見ることもできるよ!
後半・2時間目は「乙女高原の昆虫」の話。
たくさんの写真を見せてもらいながら,槐さんのお話を聞きましょう。

 【槐さんのプロフィール】
 神奈川県厚木市郷土資料館学芸員(動植物担当)。湘南工科大学特任講師。専門は博物館学・地域生物学・生物保全学・理科教育。全国的なセミ,チョウ等昆虫の分布調査(たとえば,環境庁(当時)の「身近な生き物調査」,日本自然保護協会の「自然しらべ」など)の部会委員や学術協力員も務める。神奈川県のPTA連合会役員、お子さんが通う学校のPTA会長も歴任

※1月9日から,会館ロビーにて「ようこそ乙女高原へ」展Yを開催する予定です。こちらもぜひ,見に来てください。
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