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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第266号 2012.2.21.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】2月12日の乙女高原
2.【活動案内】総会と座談会 3月11日(日)
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0.【ニュースニュース】
●1.登山の老舗月刊誌である『山と渓谷』の3月号に乙女高原の草刈りの記事が載っていました。本屋さんで見つけたので,さっそく購入。乙女高原の記事は176ページからの3ページです。ぜひご覧あれ。
●2.乙女高原ファンクラブ普通会員の皆様にはニュースレター『乙女高原が好き!』1104号(2011年度の4号目という意味)が届いたと思います。今回はなんと10ページにもなってしまいました。今号の封筒詰め作業は,竹居さんにやっていただきました。今回は総会の出欠ハガキも同封しなければならなかったのですが,その数を事務局で間違えてしまい,竹居さんには多大なご迷惑をおかけしてしまいました。竹居さん,ご苦労とご迷惑をおかけしました。
●3.乙女高原ファンクラブの会員数は毎年少しずつですが増えています。もちろんうれしいことですが,一つだけ心配が。それは,総会の成立です。総会は「普通会員の過半数(委任状を含む)の出席」がないと成立しません。
ぼくにも覚えがありますが,「今は予定がわからないから,出欠ハガキは後で出そう」と思っていて,結局,出し忘れてしまうことがあります。そうならないように,出欠ハガキはできるだけ今すぐにお出しください。
●4.「あれ? 乙女高原ファンクラブの会員になったはずなのに,ニュースレターが届いてないぞ」と思われた方へ。乙女高原ファンクラブの会員には普通会員とサポーター会員の2種類があり,普通会員には年4回ニュースレターが届けられ,総会出席の義務があります(委任状可)。一方,サポーター会員には総会出席の義務がなく,ニュースレターは年に1回,4月のみです。よろしければ,サポーター会員から普通会員に「乗り換え」てください。もちろん費用はかかりません。普通会員のほうが,よりきめ細かな情報をお届けすることができます。このメールに「普通会員になるよ」と返信をくださればオッケーです。
●5.(再掲)次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は2月29日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。
●6.ぼくは公益財団法人・日本自然保護協会の自然観察指導員講習会のお手伝いをしていますが,講師仲間に小野木三郎さんがいます。小野木さんが『描いて見よう身近な植物』(地人書館)という本を出しました。「描いて見よう」とは「描く」ことで「見てみてよう」ということで,自然がよく見えてくる観察手法の一つとしてスケッチがあることを示しています。この本は小野木さんがいろいろな植物を「描いて見えてきた」ことを書かれた本です。乙女高原でもお馴染みの植物がたくさん登場します。レンゲツツジ,ワレモコウ,ウメバチソウ,ノアザミ・・・・。植物たちのプロフィールを知ることもできます。ぜひ一度,手にとってみてください。
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1.【観察報告】2月12日の乙女高原
2週間ぶりの乙女高原でした。この間,ふもとでもちょっぴり雪は降りましたが,暖かい雨も降ったので,雪がどうなっているか心配でした。
(旧)杣口林道の「カエル池」は凍っていて,ヤマアカガエル産卵の気配はまったくありませんでした。金峰山は真っ白で,琴川ダムの乙女湖もほぼ全面結氷でした。路面はけっこう乾いていましたが,凍っているところはツルツルの氷。歩くのにも滑って怖かったです。雪だとそれなりにブレーキが効くのですが,氷だと滑るのにまかせるしかありませんから。
乙女の草原も一部,枯れ草が現れていました。「これなら大窪山まで歩いて行ける」と判断し,テンの糞をサンプリングしながら,大窪山に登りました。
さて,大窪山といえばシャクナゲ(アズマシャクナゲ)の花。シャクナゲは常緑樹で,乙女みたいに寒いところで,どうやって冬を越すんだろうと思ってしまいます。でも,実際に見てみると,やっぱり常緑樹とはいえ寒冷地仕様です。枝先から放射状に出ている葉がシナ〜っと垂れ下がっているのです。
しかも,夏に見る葉に比べ,ずっと細身になっています。痩せこけてしまった感じです。たぶん夏のまま,つまり,細胞液が薄いままでは細胞内の水分が凍ってしまうでしょう。なにせ乙女では最低気温はマイナス15℃にもなり,1月はほとんど真冬日です。水は凍ると体積が膨らむので,細胞を壊してしまいます。それでは困ります。
そこで,シャクナゲは細胞内の水分を減らして(だから,痩せこけたように見えるのでしょう)細胞液の濃度を高め,「不凍液」とし,凍るのを防いでいるんだと思いました。「世界の屋根」ヒマラヤにはシャクナゲの巨木があるそうですが,ヒマラヤのような寒冷地でもシャクナゲが生きていけるメカニズムも同じだと思います。
こんな状況でシャクナゲが光合成をしているかどうか,興味のあるところです(まわりはほとんど落葉樹なので,冬の間,日の光を独り占めです。しかも,雪に反射しているので,すごく明るい!)
途中,5頭ばかりのメスジカの群に遭遇。森の上から降ってくるようなヒガラやコガラの鳴き声の中にさえずりが混じっているなあと感じました。連中のことですから,日が長くなったことを感じ,「そろそろさえずらなきゃ」とそわそわしていると思います。
大窪山を降りてきたら,林道に出ました。さあ,ここからがたいへん。さっきも述べたように,わだちは凍ってツルッツルです。できるだけ白い雪の上を歩くようにして,草原に戻りました。途中,道路横の側溝のような川の氷があふれていました。例年こうなります。川の水が凍ってダムのようになり,そこにたまった水が凍ってダムを高くし・・・・を繰り返し,どんどん氷のダムが高くなり,やがて道路をも浸食するようになってしまいました。
湿地のシカ柵を見ましたが,夏は感じなかったシカ柵内外の差を感じました。柵の内側のほうが明らかにササ(アズマネザザ)の生育状況がいいのです。きっと冬になって,シカたちがササをたくさん食べるようになったのだと思います。冬でもこんなに青々としているササの葉はシカにとって貴重な冬の食料だと思います。
いつものようにロッジ前のベンチでお昼を食べ,午後からは草原(雪原)の中を歩きました。森の中を歩くと,雪にポツポツとえんぴつのお尻でつついたような穴が無数にあります。でも,そんな穴が一つもなくて,のっぺりとしている雪もあります。なぜ,こんな違いが?と思いながら歩いていると,穴がたくさん開いているところの上には必ず木の枝があることに気づきました。つまり,こういうことなのでしょう。先日,山梨では暖かな雨が降りましたが,乙女高原でも雨(もしくは雨まじりの雪)だったのでしょう。雨が枝先に溜まって滴となって落ちてきて,雪に穴を開けたのだと推測しました。上に枝がなければ,細かい雨粒しか落ちてこないので,のっぺりとした雪の表面になるのでしょう。
そういえば,雪の表面がシャーベット状になっていて,先日の様子とだいぶ違います。フカフカしていません。
湿地の方まで足を延ばしました。いくつかウサギやシカの新しい糞を見つけました。おもしろかったのは,湿地のスケートリンクのような氷の上にもシカの糞があったこと。シカの足底って,触ったことがありますか? まるでハイヒールの靴底みたいな感じです。きっとツルツル滑りながら,おっかなびっくりという感じで糞を排泄していたと思うのです。想像していたら,笑ってしまいました。
湿地まで足を延ばしたのは,この季節しか会えないアオシギに再会することを期待してのことでした。でも,願いかなわずでした。冬の雪深い山奥に単独で渡ってくる(変わり者の)シギ・・・ぜひじっくり見てみたいです。
※なお,シャクナゲの葉が垂れた画像など,この日の観察写真はこちら
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/d/20120212
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2.【活動案内】
●2011年度総会ならびに座談会●
日 時 2012年3月11日(日)午後2時〜
場 所 山梨市牧丘総合会館 3階 大ホール
※総会終了後,座談会を行います※
座談会の話題提供者 小俣 謙さん
(山梨県みどり自然課自然保護担当)
テーマ 県の野生動物(シカ)管理の展望
内 容
@山梨県内のシカの現状(生息状況、被害状況、捕獲教等)
A特定鳥獣保護管理計画について(目標、対策等)
Bシカ対策の課題と今後どう進めていくか
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