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 乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン第530号  2024.1.16.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼▲ もくじ ▼▲▼
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1. 【観察報告】1月14日の乙女高原
    2.【活動案内】第21回乙女高原フォーラム  1月21日(日)
    3. 【活動報告】2月の自然観察交流会     2月3日(土)
    4.【活動案内】第5期乙女高原案内人養成講座2024
    ■乙女高原自然観察交流会
    ■街の駅やまなし「乙女高原展」 書籍 ユーチューブ動画
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0.【ニュースニュース】
●1.いよいよ今度の日曜日1/21の13:00~、夢わーく山梨にて乙女高原フォーラムが開催されます。天気予報は「曇ときどき雨が雪」で降水(降雪)確率80%です。足元が悪くなると思います。気を付けてご参加ください→2

●2. 1/14に、一人で乙女高原を歩いて来ました。雪が降り、動物たちの足跡がいっぱい観察できました→1

●3.2023年1年間の気温をまとめました。1時間ごとに24時間365日測った結果です。2023年の最高気温は7/16の27.0℃、最低気温は1/25の-18.0℃、平均気温は7.8℃でした。平均気温7.8℃は今までで最高です。やっぱり乙女高原も2023年は一番暑い1年だったんです。ちなみに前年・2022年の平均気温は7.0℃でした。乙女高原での1時間おきの気温計測は2010年から14年間継続していますが、大雪のためにデータ回収が十分できなかった2015年を除く2010~2022年までの12年間の平均気温は6.7℃でした。これより今年は1.1℃も高かったんです。

●4.「第5期乙女高原案内人養成講座2024」の受講者募集を始めたところ、すでにお二人がご応募くださいました。先着順ではありませんが、できるだけ早く申し込んでいただけると、事務局としてはればありがたいです(応募者がいるか心配で心配で・・・)。講座は5/26、6/9、7/28(いずれも日曜)の3日間です。講義と実習によって、乙女高原案内人の基礎知識・基本技能を学んでいただきます。定員30人。詳しくは次の特設ページをご覧ください。「紙」のちらしもあります。欲しい方はご連絡ください→4
https://fruits.jp/~otomefc/annainin2024.html

●5.(再掲) 2/3(土)は乙女高原自然観察交流会です。9:00に「道の駅はなかげの郷まきおか」集合。集まった皆さんで相談して観察場所等を決め、乙女高原に向かいます。「ケガと弁当は自分持ち」です。自然観察交流会について、詳しくはこのメールマガジンの一番下の方をお読みください→3

●6. (再掲) 3/10(日)14:00から山梨市役所牧丘支所の会議室で2023年度総会を開催します。今年度の活動を振り返り、来年度の活動計画や予算を決めます。会員の皆さんのご出席をよろしくお願いします。

●7. (再掲)山梨市駅の北口を出て、信号を渡ってすぐの「街の駅やまなし」で、乙女高原展をしています。シーズン40のテーマは「草花たちのライフ・ステージ」。一つの草花について3~5枚の写真で、異なるライフ・ステージの姿を紹介しています。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20231130


●8. (再掲) 2023年度第7回の乙女高原連絡会議・乙女高原ファンクラブ世話人会は1/18(木)午後7:00から山梨市役所牧丘支所(旧牧丘町役場)です。ご都合がつく方は、ぜひのぞいてみてください。

●9.乙女高原の活動ではありませんが、笛吹市春日居町鎮目の山梨岡神社の境内で行っている、小中学生対象の「自然観察と本の読み聞かせ」イベント案内です。2/18(日)9:30-12:00。そこにある自然探索~おおぞらの下のおはなし会「節分すぎたら、虫たちは?」。自然観察の講師は植原です。問い合わせ等は「おはなしのへや もも」馬場さん080-5046-9436まで。

●10.乙女高原の活動ではありませんが、「生物多様性シンポジウム~地域の植生を基本とした在来種の保護、特定外来種繁殖に伴う保全活動について」が2月4日(日)13~15時、須玉農村総合交流ターミナルホールで行われるそうです。主催は北杜市地球温暖化対策・クリーンエネルギー推進協議会。事前申し込みが必要だそうです。申し込みフォームはこちらから。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeFIi2vcGElcrKzsOwF7yghGT6rBNuDAt2H9M2A13rIvbfFkA/viewform

●11.これも乙女高原の活動ではありませんが、山梨CATVのテレビ番組「教えてうえちゃん いつでもどこでも自然観察」についてです。万力公園で12月にロケを行った最新作「ケヤキの観察」が山梨CATVで1/26(金)~2/1(木)まで放映されます。毎日7:30、13:30、19:30の3回です。なお、番組の「見逃し配信」がユーチューブで見られます。以下のユーチューブ・チャンネルから見たい番組をお選びください。乙女高原のスペシャル番組もあります。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLl4SoTwWyU5bYf0xy_SQYDvkeK8zu0yuC

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1.【観察報告】●1月14日の乙女高原●

前日の夕方、うちのまわりでも雪が舞ったので、乙女高原はどうなっているかなあと思いながら行きました。乙女湖は1/3くらいが凍っていました。金峰山は肩から上がうっすら白くなっていました。ロッジの前庭は雪が白く積もっていました。でも、草原を見ると、雪は日陰くらいにしかありません。ちょうど頭の真上を旅客機が通過しました。空が澄んでいて、よく見えます。飛行機雲がすぐになくなっていました。きっと空が乾いているのだと思います。

 まずは富士山の見える展望台へ行きました。富士山がよく見えました。雪で白くなっているのは五合目くらいから上だけでした。甲府盆地がうっすら白く見えていました。薄い雲が低くたれこめています。ここでどんな気象現象が起きているのかなと思いました。
 ブナじいさんのところに行きました。キツツキがさんざんつついた木は、すごいことになっていました。このまま木をつつき続け、木像でも造るつもりなんじゃないかと思われるほどです。先日の自然観察交流会で話題になった、草原のハバヤマボクチと林の中のオヤマボクチの実の違い、よく分かりましたよ。実についているトゲトゲがオヤマの方が長くてしっかりしていて、いかにも痛そうでした。

 ブナじいさんよりずっと先までミズナラ林の中を歩き、帯那山林道を歩いて帰ってきました。途中、葉を落としたカラマツの木々の向こうに、白い雪をかぶった高い山々が見えます。夏だと全部が青っぽく見えて分かりにくいし、そもそも葉が邪魔をして見えないのですが、この時期、高い山は白い山なので、とても分かりやすいです。前衛の山々の向こうに見える白い山は北岳、間ノ岳、農鳥岳の白根三山で間違いないでしょう。そこからずっと南に目を移すと、いくつか白い山が見えます。南アルプスの一角であることは間違いありませんが、山の名まえまではわかりません。白根三山の北には南アルプスの前衛の鳳凰三山。地蔵岳のとんがったオベリスクが目立つので、それと分かります。そこからさらに北に目を移すと、肩のあたりに摩利支天のある甲斐駒ケ岳。これも分かりやすい山です。鳳凰三山と駒ヶ岳の中間あたりに真っ白い山が見えます。方角的にも、カール地形と思われる曲面が見えるところからも、千丈ケ岳ではないかと思いました。駒ヶ岳からさらに北に目を移すと八ヶ岳の白と青の山肌が見えますが、その間にも、真っ白い山が見えます。乗鞍岳か御岳と思われるのですが、ちょっとわかりません。家に帰ってから地図で2山の方角を確認しましたので、今度行ったときに確かめようと思います。

 林道には動物たちの足跡が見えます。今日はアニマル・トラッキングも楽しめそうです。点々と一直線に足跡が並んでいるのはキツネ、二つずつ足跡が並んでいたらテンなのですが、中には足跡が一つあったと思ったら、その続きに2つの足跡が左右に並んでいて、また次には足跡が一つ・続けて左右に二つ・・・といった足跡もありました。これはキツネ? テン? 頭の中で、どんな走り方をすれば、こんな足跡が付くのか、一生懸命想像します。「一つ」のところは、前足と後ろ足の足跡が重なっているような気がします。あれ、今度は点・点と二つ縦に並んだあとで2つの足跡が左右について、また点・点と並んでいますよ。子どものときによくやった「ケンケンパッ」をやっているようです。
 ひづめが2つの足跡もありました。シカだろうと思って歩いていたら、時々、2本のひづめのうしろに小さな跡がやはり2つついています。副蹄の跡です。道路の上の雪は解けてしまって、せいぜい3センチ。そこにこんなにくっくり副蹄の跡が付くなんて、これはシカではなくイノシシの跡かもしれません。イノシシの方が副蹄の位置が下なんですよね。そういえば、足跡全体が丸っこい感じがします。

 帯那山林道をロッジまで帰って来て、今度はクリスタルラインの方へ行ってみました。そして、沢をつっきって、ロッジに戻ることにしました。沢には「長髪がバクハツ」した谷地坊主が並んでいます。沢の岸辺で、つんのめってしまいました。地面の下に霜柱ができていて、そこに空間も生じていたようです。そこを踏み抜いてしまいました。天然の落とし穴です。対岸を見ると、霜柱の断面が見えることろがありました。少なくとも10段以上。昼間解けずに、さらに夜間、凍って高くなっていったようです。霜柱の高層建築です。
 さて、では沢を渡るか・・と一歩踏みだしたとき、足元から大きめの鳥が飛び立ちました。長いくちばし、丸っこい体、大きさはハトとカラスの中間くらい。尾は短く、翼が細く、「へ」の字をしています。印象としては「〇」の両側に「へ」が並んだ「へ○へ」といった感じです。アオシギだと思います。毎年、冬になると気になっている鳥です。今回は沢を上から観ているときに飛び立ったので、上から見下ろすことになり、とても見やすかったです。とはいえほんの一瞬です。その印象をもとに絵を描いてみました。アオシギは不思議な鳥で、冬鳥ですが、山の中の沢に単独で渡ってくるのだそうです。雪深くて、こんなに寒い乙女高原の沢なんかに、なんで好き好んで渡っているのかなあと思いますが、「蓼食う虫も好き好き」なのでしょう。きっと、生きものたちは、このように少しずつ「好み=生活の場所や食べ物、・・・」を変えることで、たくさんの生き物で地球をシェアできるように進化してきたのでしょうね。そして、それが生物多様性として表れているのだと思います。

 ロッジのベンチでお昼を食べましたが、寒いこと寒いこと。お日様に照らされているので、まだマシなのでしょうが、手袋を外した手がみるみる冷たくなりました。
 お昼を短時間で済ませ、午後は草原内をゆっくり歩きました。草原のコースでウサギの足跡を観ました。全国的なモニタリング調査でノウサギの減少傾向が報告されていて、乙女でも足跡を見る機会が少なくなってきていましたが、ここ2、3年、また増えてきたのでうれしく思っています。ツツジのコースに行ったら、ウサギの足跡だらけでした。小さな後脚の跡もあったので、昨年生まれの子ウサギかなと思いました。動かぬ証拠・糞もありました。ちょうど草刈りボランティアで手刈り班の皆さんが刈っていたあたりですよ。

 草原を出て、天然記念物の谷地坊主のあたりを歩きました。湿地のところどころが凍って、小さなスケートリンクのようになっています。氷の上に雪が積もって、そこを動物が歩くと、きれいに足跡が付きます。ほとんどシカでした。2つのひづめの跡がツーッと長く伸びているところもありました。ここでシカがスケートをしたに違いありません! 土に雪が積もっているとばかり思っていたのに、その下が氷になっていて、急にすべって、きっとびっくりしただろうなと思います。その様子を想像して、ちょっと笑ってしまいました。

 こんなふうに、冬の乙女高原は雪の上の動物たちの足跡が観察できるので、とてもにぎやかに感じます。毎年そうなのですが、雪が降ると、今まで「透明人間」でいた動物たちの輪郭が見えてくるという感覚になります。寒かったですが、一日楽しめました。

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2.【活動案内】●第21回乙女高原フォーラム●  1月21日(日)

日 時 1月21日(日) 午後1時~3時30分

場 所 夢わーく山梨(予定) ※駐車場は市役所跡地
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
参加費 無料

■テーマ・・・乙女高原の植物たちはどこからきたのか
       ―その起源と温暖化の影響―

 山梨県北部にある乙女高原は“高茎草原”と呼ばれている植生です。高茎とは、比較的背が高くなる草本のことで、乙女高原では、ヤナギラン、タムラソウ、ワレモコウ、シシウドなどがこれに相当します。しかし、このような草原は放っておくと、やがて森林になってしまいます。乙女高原付近では、ブナに代表される落葉広葉樹林になります。そのために、草原という植生を維持するためには、人間による管理が必要になります。今回は、このような草原に生育するさまざまな植物を紹介し、それらがどのようにして乙女高原に到達したかをお話しします。さらに、現在問題となっている地球温暖化、最近では地球沸騰化ともいわれていますが、それによってこれらの植物や草原にどのような影響があるかをわかりやすく解説します。

■ゲスト・・・岩科 司さん
 山梨県一宮町生まれ。東京農業大学農学研究科・修了。農学博士。1984年、国立科学博物館筑波実験植物園に着任。2011年に同園長。現在、同名誉研究員。2013年から2022年まで日本植物園協会会長、2020年からは日本高山植物保護協会会長を歴任。ライフワークは、花に含まれるアントシアニンなどの色素成分の特定と花色発現の機構の研究。2018年から毎月第3月曜日のNHKラジオ深夜便・深夜便かがく部「ふしぎな植物園」に出演中。著書『花はふしぎ』講談社ブルーバックス2008など。

■ユーチューブでの動画配信について
・フォーラムの様子は地元のケーブルテレビ局・山梨CATVにより収録され、後日、放映されます。
・放映後、期間限定でユーチューブにより無料配信される予定です。
・㈱山梨CATV様のご配慮によるものです。同時配信ではありません。
・ユーチューブのアドレスは、追って乙女高原メールマガジン等でお知らせします。

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3.【活動案内】●2月の自然観察交流会● 2月3日(土)

・9:00道の駅「花かげの郷まきおか」集合。乗り合わせで乙女高原へ
・弁当、観察用具等持参。

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4.【活動案内】●第5回乙女高原案内人養成講座2024●

 乙女高原を案内することによって乙女高原の自然を守る輪を広げようと、2003年から3年間に渡って開催し、2008年に第4回を開催後,16年間行われていなかった乙女高原案内人養成講座を開講します。乙女高原を知り,守り,そして伝えるノウハウが満載の講座です。これを機会に,ぜひ,乙女高原のことを知り,ファンになり,そして,乙女のことを伝えるメッセンジャー「インタープリター」になってください。

※特設ページ (ここから申し込みフォームにも行けます)
https://fruits.jp/~otomefc/annainin2024.html

・募集定員 30名(申し込み多数の場合は抽選)
・養成講座 5/26、6/9、7/28(いずれも日曜) 計3日

・講義と実習を通して、自然観察の手法、案内の技術、自然保護の知識、乙女高原の地形地質・植物・動物・歴史などを学びます。

●第1回 5月26日(日)  会場:山梨市民会館と万力公園
 開講式 野外実習「インタープリテーション体験」
 講義「インタープリテーション」「自然の保護」「乙女高原の歴史」

●第2回 6月9日(日)  会場:乙女高原
 実習「乙女高原の地形地質」「乙女高原の動物」

●第3回 7月28日(日)  会場:乙女高原
 実習「乙女高原の植物Ⅰ」「乙女高原の植物Ⅱ」
 ワークショップ「今後の活動について 閉講/修了式

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  ■2023年度 第8期 乙女高原観察交流会■
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。

※今後の予定
 ⑪02月03日(土)集合:09:00・道の駅
 ⑫03月02日(土)集合:09:00・道の駅

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  ■街の駅やまなし・乙女高原展■
中央線山梨市駅すぐ北(北口から出て、すぐの信号を渡り、北に向かって歩いてください。郵便局の北です)の「街の駅やまなし」には常設の乙女高原コーナーがあります。
https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html
現在、シーズン40「草花たちのライフステージ」の展示をしています。
https://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20230926

  ■『乙女高原の自然観察』■
A5判32ページ、オールカラーで、1ページに1テーマずつ記事を載せています。頒価300円。送料は1冊だと140円、2~8冊だと180円。送付を希望される方は、送料込みの金額をご送金ください。

  ■『乙女高原大百科』■
厚さ3cmという分厚い本。A5判602ページ(カラー194ページ)。頒価2000円。送料は1~2冊なら370円。送付を希望される方は、送料込みの金額を送金ください。

  ■「教えてうえちゃん いつでもどこでも自然観察・乙女高原スペシャル」■
山梨CATVが制作した動画がユーチューブ・チャンネルで公開されています。約1時間、植原が乙女高原の案内をします。乙女高原三昧の番組です。
https://youtu.be/g_9EuQ3A3f4

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