ピタゴラス音律と純正律



ピタゴラス音律
(B.C.500年頃 同様のものは中国にB.C.800年頃にあった)

ピタゴラス音律は5度音程を純正にとって、主に全音階7音を決めるためのアイデアですので、ピタゴラスコンマ(注1)だけ狭い5度をどこに入れるかはあまり問われません。(ここでは便宜上FisーDesに入れます。) この調律法でチェンバロを調律することはめったにありません。しかしいろいろな調律法の中で部分的に現れます。純正5度をピタゴラス5度とも言います。




純正律
(ラミスの純正律1482年。
  原型は紀元前からあった)

これももともと全音階7音を決めるための方法ですが、和音の純正を目指したものです。G - D にシントニックコンマ(注2) だけ狭い5度が入っています。これによってヘ長調とイ短調の主要3和音は、5度 長3度 短3度とも すべてうなりの出ない純正な和音になります。これもチェンバロにはまず使われることはありませんが、金管楽器は部分的にこの音程で鳴ります。
注目すべき点は、G - D の5度以外のほとんどの5度はビタゴラスの5度と同じ純正です。スキスマ (注3) の入っている5度も純正5度よりほんの2セント(注4) 狭いだけです。もしスキスマをシントニックコンマの所に混ぜまぜしてしまえばそれはピタゴラスコンマなので、全体をある種のピタゴラス音律と捉えることもできます。これはピタゴラスコンマとシントニックコンマが偶然にも近い値だからです。このことは心に留めておいてください。





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