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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第218号  2009.9.21.
    発行者:植原 彰 (乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【イベント報告】マルハナバチ調べ 9月13日
NEW! 2.【観察報告】9月20日の乙女高原
NEW! 3.【視察報告】櫛形山のシカ柵を見てきました 9月21日
NEW! 4.【イベント案内】乙女高原の草原を守る! 11月23日
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  0.【ニュースニュース】
●1.いよいよ今年も「草刈りボランティア」がもうすぐです。今年は記念すべき第10回。ちらしができました。配布にご協力いただける方にはファンクラブ負担ですぐに送らせていただきます。ご返信ください。(→4)

●2.乙女高原は,すでに「涼しい」を通り越して「寒い」くらい。草原の中で小さな花火大会が始まりました。「花火大会」と聞いて,「あの花のことか」とすぐに分かった方は,乙女高原のツウです。(→2)

●3.乙女高原にシカ柵を設置することが決まりました。そこで,すでにシカ柵を設置している櫛形山に行き,この目で見てきました。すごいです。シカ柵の内と外では天国と地獄と言ってもいいくらいです。(→3)

●4.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は10月21日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。
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 1.【イベント報告】
 ●マルハナバチ調べ● 9月13日(日)

 今年度はイベントとしての「調べ隊」は8月のみ。6月と今回は,特にPRをせずに「調査」として行いました。ですから,今回の参加者は4人だけ。じっくりラインセンサス調査を行いました。

 【ラインセンサス調査結果】10:30-11:35
●トラマルハナバチ 計 5頭
  (タムラソウ2,ノハラアザミ1,モリアザミ1,ハバヤマボクチ1)
●オオマルハナバチ 計12頭
  (タムラソウ7,ノハラアザミ5)
●ミヤママルハナバチ 計20頭
  (ノハラアザミ11,タムラソウ9)

 なお,9月5日,タムラソウに来ている真っ黒い,大きなマルハナバチを発見。後ろ脚の花粉バスケットに花粉も付けていました。コーちゃん(コマルハナバチ)だったら初夏には巣を解散しているはずだけど・・・,では,クロマルハナバチ?? 国武さんに見ていただいたところ,コマルハナバチだったそうです。こんな時期に? 花粉を付けていたということは,子育て中???
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 2.【観察報告】
 ●9月20日の乙女高原● 

 乙女までの林道では,黄色いヤクシソウや青紫のセキヤノアキチョウジ,そして,匂いが強いナギナタコウジュが咲き始めていました。
 この日は朝からとってもいい天気。一日中,富士山がよく見えました。

 テンの糞のサンプリングを行いました。ほとんどの糞にサルナシの皮や種が入っていました。中には,柔らかいし,緑色がきれいで,見るからに新鮮そうな糞もありました。匂いをかいでみましたが,臭くはなく,かといって,(ぼくが期待していた)甘くてキウイフルーツのような香はしませんでした。キュウリのような匂いでした。

 秋と言えば野菊。草原内ではノコンギクとユウガギクが咲いていました。小さな打ち上げ花火のように見えるヤマラッキョウも咲き始めています。むかーしのパーマの機械みたいなハバヤマボクチにはトラマルハナバチが盛んに訪れていました。ハンゴンソウとタムラソウはもうすぐ咲き終わりって感じでした。

 やはり気になるのはシカの食害。湿地ではアケボノソウを食べているようだったし,ヤマハギは実をこしとるように食べているようでした。ハギとはいえ豆なので美味しいし,栄養もあるのかなと思いました。
 秋だというのに,マツムシソウにほとんど出会いません。10年以上前には,大群落だったのに。いつからかははっきり覚えていませんが(フィールドノートをひっくり返せば分かると思うのですが,きっと探し当てるまでが大変だと思います),数年前から,「どうもマツムシソウの花だけ摘まれているなあ。誰のしわざだろう」と気になることが何度もありました。今にして思えば,あれが始まりだったのかもしれません。それにしても,マツムシソウの花って,おいしいのでしょうか?

 草原コース途中のダケカンバに巣を作ったミツバチですが,キイロスズメバチの攻撃にも生き残り,まばらではありますが,巣に出入りしていました。数えてみると,1分間のうちに11頭の働き蜂が「帰って」きました。そのうち5頭が脚に花粉を付けていました。きれいなだいだい色の花粉でした。
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 3.【視察報告】
 ●櫛形山のシカ柵を見てきました● 9月21日

 シカの食害をテーマにした1月の乙女高原フォーラムのとき,櫛形山でシカ防護用のネットを張ったという話を聞き,一度,自分の目で確かめたいと思っていました。ようやくそれが実現しました。
 南アルプス市の広瀬さんに案内をお願いし,お車に乗せていただき,南アルプス市役所→林道伊奈ケ湖大久保平線→丸山林道→池の茶屋林道と進み,林道終点から歩き始めました。ネット内の調査を担当されている長池さんともご一緒させていただきました。

 少し盛りは過ぎていましたが,サラシナショウマが一面に咲いていました。今,乙女高原では,サラシナショウマが咲き始めると,次に行ったときには無くなっている・・・ということばかりです。「これもシカなのかなー」と思っていました。
 「こんなにいっぱい咲いていて,シカは来ないのかな」櫛形の一面のサラシナショウマを見て,そう思いました。
 「トリカブトもしっかり咲いてるなあ。毒草だけど,乙女ではシカが食っているんだけど,櫛形では食わないのかなあ」
 だけど・・・サラシナショウマもトリカブトも無事だったのは,最初だけでした。

 今日は朝だけ快晴(途中から霧が出てきました)。登山道の途中,白根三山がくっきり見える場所がありました。双眼鏡で「お,あれが北岳山荘か」とか見ていたら,山の前を猛禽が飛んでいました。

 歩いている途中,いよいよ(?)トリカブトやマルバダケブキが食われている姿が見られ始めました。カニコウモリやオクモミジバハグマも。

 一時間ほど歩いて裸山に着きました。びっくりしました。10年以上前に来たときは,ここは一面のアヤメでした。それがまるで芝生広場です。しかも,ところどころ禿げた。斜面では,ところどころ崩落が起こっているようでした。
 そこにネットが2つ張られていました。1つは5メール四方,もう一つは10メートル×20メートルの大きなもの。ネットの中だけが異次元空間でした。ネットの中は芝生広場ではなく,様々な色の花がちゃんと咲いていました。マツムシソウもハナイカリもハンゴンソウも元気に咲いていました。
 シカたちがその草を食べたくてネットの近くまで来るのでしょうか。特にネットのまわりは草の禿げ具合がひどかったです。
 ここでネットの張り方などについて,広瀬さんから詳しく話を聞きました。

 アヤメ平でもネットの様子を見て,お昼にしました。
 帰り道の途中,スズタケが枯れているのを見ました。これもシカが一因かもしれないそうです。

 乙女高原のシカ対策について,たくさんの示唆をいただいた一日でした。広瀬さん,長池さん,ありがとうございました。

 10月24日には新しいネットを張るそうです。できるだけ都合を付けて,参加しようと思いました。
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4.【イベント案内】
 ●第10回 乙女高原の草原を守る!草刈りボランティア●

日時 11月23日(月・祝) 午前9時半から午後2時(少雨決行)
  荒天の場合は29日(日)

今年も,1年で1番大きなイベント「乙女の草刈り」がやってきます。
美しい乙女の草原を保全するため一緒に汗をかきませんか?

●エンジン付きの「刈り払い機」をお持ちの方は,できるだけ持ってきていただけませんか? 燃料は主催者でも用意します。

●子どもたちは大人とは別プログラム「キッズ・ボランティア」で活動します。今年は,ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかける・・・というプログラムです。ぜひ,ご家族みんなでご参加ください。もちろん,「子どもも大人と一緒に草刈りをさせたい」ということであれば,それでも結構です。

●例年,参加者が200人を超えます。このような大人数がスムーズに作業を進めるためには,多くのボランティアスタッフが必要です。受付,駐車場整理,ロープ巻き取り,豚汁作りなどです。積極的にご参画ください。なお「どんなん仕事でもいいから割り振ってくれ」という「おまかせボランティアスタッフ」も大歓迎です。

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