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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第230号 2010.5.16.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】遊歩道づくり・シカ柵設置 5月9日
NEW! 2.【観察報告】5月14,15日の乙女高原
再掲 3.【イベント案内】 マルハナバチ調べ隊 6月27日
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0.【ニュースニュース】
●1.5月9日(日)に行われた遊歩道作り+しか策設置作業は晴天に恵まれ,無事,終了しました。参加しださった方,ありがとうございました。来年度の活動をよりよくするため,よかった点・わるかった点を,ぜひ,教えてください(→1)
●2.乙女高原に向かう林道のうち,水が森林道(甲府市と山梨市の市境・太良峠と乙女高原を結ぶ)の乙女高原側(一ツ木水ヶ森線分岐点〜乙女高原ゲート)が通行止めです。また,通称焼山林道(林道川上牧丘線の塩平ゲート〜焼山峠ゲート間)が5月21日から11月15日まで通行止めになります。特に,焼山林道が通行止めであることを知らずに車を走らせてしまうと,塩平でユーターンし,だいぶ逆戻りしなければならないので,ご注意ください。
●3.いよいよ乙女高原にも春が訪れ始めました。林道を登っていくと,順にヤマツツジ,ミツバツツジ,ヒカゲツツジが見られます。また,草原から林にかけて,順にアカネスミレ,アケボノスミレ,エイザンスミレが咲き始めています(→2)
●4.石和サティで行っている「幸せの黄色いレシートキャンペーン」は,毎月11日にレシートの色を黄色くし,そのレシートを自分が応援したいボランティア団体の投函箱に入れると,その額の1%分の商品を,サティがそのボランティア団体に寄付するという社会貢献事業です。昨年度の乙女高原ファンクラブへの贈呈額は15700円でした(投函額はその100倍だったということです)。このお金でパソコンのプリンターで使うインクを買わせていただきました。
●5.「広報やまなし 5月号」に「乙女高原グリーンロッジ 休止のお知らせ」という記事が載っていてびっくりしました。「平成22年度の施設の利用は休止します」とのことです。乙女高原ファンクラブの活動拠点にもなっている施設です。活動に支障が生じるのは避けられません。たいへん困っています。
●6.遊歩道づくり・シカ柵設置に山梨CATVの取材がありました。放映予定は,5月28〜30日の「ほっと山梨」という番組です。山梨CATV(アナログ9,デジタル111)の午前7時〜 午後1時〜 午後7時〜 だそうです。
山梨日々新聞の取材も受けました。5月10日の紙面に載っていました。
●7.6月27日に行うマルハナバチ調べ隊のスタッフ(企画・運営者)に立候補してくださいませんか? マルハナバチ(の調査)を通して乙女高原の健康診断をしようというのがその趣旨。今年で8年目となります。スタッフに立候補してくださる方,返信ください(→3)
●8.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は5月19日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。
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1.【活動報告】●遊歩道づくり・シカ柵設置● 5月9日
天気に恵まれました。天候が穏やかだと,ほっとします。天気がいいだけで,けが人や病人が出にくくなるからです。今日の参加者数は市・県・ファンクラブ・諸団体・一般をあわせて78名でした。第1回の遊歩道づくりを10人でやったことを考えると,時代の流れを感じます。なお,そのうち,乙女高原案内人は20人。やっぱり案内人の存在は大きいなあとあらためて思いました。
今年は遊歩道づくりとシカ柵設置作業の両方を同日にやってしまおうとの計画です。朝の会終了後,あらかじめお願いしておいた7名には資材を車に載せて,湿地のシカ柵作りに向かってもらい,他の方は例年通りの遊歩道づくりに取り組んでいただきました。
杭は1本1本かけやで叩いてしっかり立たせる,新しいロープを降ろすときには注意して伸ばさないとこんがらがってしまう,杭と杭の間のロープをあまりきつく張らないなど,昨年までの反省が生かされています。また,雪のために延期になった下見と下準備を6日に済ませてありましたので,交換しなければならない杭には印が付けてあり,作業がスムーズでした。去年の案内人キャンプで手作りした杭たちも,いよいよ活躍する日が来ました。
遊歩道づくりはあっという間に(11時ころ)終了してしまいました。ロッジの庭に引き上げていただき,昼食時間としました。ところが,湿地のシカ柵班がなかなか帰ってきません。ケイタイで連絡を取り合いましたが,「もう少し時間がかかりそう」とのことです。午前中の作業終了予定は12時ですので,予定の範囲内ではありましたが,すでに遊歩道班の皆さんは食事時間になってしまっていたので,様子を見に行ってみました。
湿地のシカ柵設置班はまだまだ作業中。まわりの間伐材の片付けという余計な仕事が入ったり,「湿地」で,しかも「斜面」なので,設置作業がよりたいへんだったという事情があり,遅れていたようです。結果論でしかありませんが,湿地シカ柵班にもう少し人数を割いたほうがよかったかなと思いました。きりがいいところで作業を終えていただき,ロッジに帰って,急いで昼食を取ってもらうことにしました。
急いで昼食を取ってもらったのには理由があります。というのも,午前中,湿地でシカ柵設置を「体験」していただいた7人に,午後から行う草原内での2つのシカ柵設置作業の「指導」をしていただくという計画になっていたからです。
ということで,湿地シカ柵班の7人には草原に行っていただくようにし,数名の方にお願いし,湿地のシカ柵の仕上げ作業をすることにしました。
さて,シカ柵設置作業は,このシカ柵を製造・販売している「大一工業(奈良県)」の竹中さんに指導していただきながら行いました。概略は以下の通りです。
1.あらかじめ印を付けておいたロープを使ってシカ柵の設置位置を決め,4隅に支柱を立てる。
2.このロープには2.5メートルおきに印が付いているので,その印ごとに支柱を立てる。支柱は専用の道具を使って地面に60センチ打ち込む。道具は2台しかないので,脚立に登って,上から「かけや」で叩くという方法も併用した。
3.トイレットペーパーのように巻かれている網を少しずつ解きほどいて,支柱に結束バンドで止めていく。その時,網の下部20センチは地面に這わせるようにする。
4.出入り口を作る。
5.網の上部に張りロープを通し,それぞれの支柱にロープを「とっくり結び(遊歩道作りでも使っている結び方)」で固定する。
6.網の地面に這わせている部分にも張りロープを通し,ところどころにペグを打ち込み,ロープと網ごと地面に固定する。
7.三枝さんに用意していただいた竹を,4隅の支柱に斜めに固定し,つっかえ棒とした。
子どもたちも作業に参加してくれました。終了時刻は予定の30分くらい前。2時ちょいすぎには全部が終了でした。よかったです。参加者にはアンケートをお願いしました。アンケートのお礼は,新しく作ったポストカードです。終了後,電気も水もないロッジで,茶話会を行いました。
そうそう。湿地の地面の下からタゴガエルの声が,遠くからはツツドリのポポ,ポポ,・・・という声が聞こえていました。乙女にも春がやってきています。
柵の外と内で,植物の成長や花の付き具合に差が見られるのでしょうか。ワクワクするような,結果を見るのが恐ろしいような気がします。
このメールマガジンを読んで,乙女高原を訪れる方にお願いです。シカ柵の前に誰かいたら,どうしてこんなシカ柵を設置しなければならなかったのかを,ぜひ,話してあげてくださいね。
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2.【観察報告】●5月14,15日の乙女高原●
せっかく皆さんに遊歩道作りをしていただき,草原中にロープが張り巡らさせたのですから,そのロープを活用して,お花のカードや案内板,注意看板などを付けようと,職場が臨時休業だった金曜日(14日)に乙女に行きました。ところが,カードは持って行ったものの,そのカードをロープに固定する金具(じつは,カーテンの金具を流用)を家に忘れてしまい,作業ができませんでした。いつもながら自分のドジさ加減にうんざりしますが,「これで,明日も乙女高原に行く口実ができた」と内心喜んでもいました。ころんでもタダでは起きません・・・。
林道を登っていくと,「だんだん春を追い抜く」という感覚になります。下の方は緑も濃くなり落ち着いてきていますが,上の方はまだまだ芽吹いたばかりです。
ヤマブキはもうすぐ咲き終わり。モミジイチゴが下向きの花をたくさん付けていて,よく見ると,花びらにマルハナバチの爪あとが付いています。
ヤマツツジやウワミズザクラが咲き,ミツバツツジはもう終わりです。乙女に近い岩場では臼井クリーム色のヒカゲツツジが上品に咲いていました。
マムシグサやフタバアオイの花も見られます。
草原にも,春の花が咲き始めていました。ミツバツチグリやキジムシロの小さくて黄色い花(子どもたちに見せると,「ヘビイチゴに似てる」という子が少なくありません。同じバラ科ですから,無理もありません)がところどころに見られます。
遊歩道づくりの日にキジムシロの花が咲き始めているのを遊歩道入り口のすぐ近くで見つけたので,うれしくなり,さっそく花のカードをロープに付けておきました。今日,再会できるのを楽しみにしていたのに,花が見つかりません。地面をよーく探したら,キジムシロの株はありましたが,花だけ取られていました。心ない人が取ったのか(でも・・・遊歩道作りから今日までは,月〜木のウィークデー4日間ですよ),それともシカが食べたのか,それとも・・・? ナゾです。
翌日の土曜日。今度は金具もちゃんと持って再び乙女へ。
草原の中を歩いている人には「何もありませんね」と言われちゃいます。確かに全面枯れ草色で,木々が芽吹き始めたばかりです。
でも,昨日見たキジムシロやミツバツチグリの花は,昨日と比べてもあきらかに多くなっているし,今日は昨日見つからなかったフデリンドウも3株見つけることができました。
木々の芽吹きといえば,同じカバの木の仲間なのに,シラカバはすでに芽吹きが進んでいるのに,ダケカンバはまだまだ芽がちょっと膨らんだばかりです。ダケカンバの方が標高が高く,寒いところに順応しているんで,芽吹きも遅いのかナーと推測しています。木の種類によって芽吹きのタイミングが微妙に違う・・・といったことが分かるのも,今の季節ならではです。
富士山がよく見えるベンチの近くの草地ではアカネスミレが,まだ明るいミズナラ林の中にはアケボノスミレが,「林のコース」遊歩道ではエイザンスミレが,それぞれ咲き始めていました。一口にスミレといっても,1種類1種類,好みの環境があるようです。
そうそう。スミレといえば,通称「そま口林道」に入ったすぐのところにまっ白くて大きなスミレが咲いているのを去年から見ているのですが,これはどうも「スノープリンセス(アメリカスミレサイシン)」という北米原産の帰化植物で,花壇から逃げ出したもののようです。
湿地で,ヤマアカガエルの卵塊全体が動いていました。不思議に思い,そっと近づいてみると,卵の発生が進み,胚はだるまさんのような形になっています。そして,卵塊の下にいるのは,大きなヒキガエル。きっと産卵のために来たんだろうとしばらく見ていると,産みたてのヒキガエルの卵がヤマアカガエルの卵を羽交い締めしているに気がつきました。ヒキガエルの卵はトコロテン状で太くて長いひものような感じですが,産みたてホヤホヤらしく,細くて,黒く見えます。まだ水を十分に吸っていないので,こんななのでしょう。見慣れたヒキガエルの卵とは違っていたので,すぐに気づけませんでした。
「それにしても,カエルは1匹だけ?」と不思議に思い,もうしばらく見ていたら,今度は落ち葉が動き始めました。落ち葉の下にもカエルがいたのです。これで納得です。どちらがオスなんだろう? カエルにはかわいそうですが,証拠写真を撮らせてもらうために,手で引き上げました。最初に見つけたカエルはじっとしたままで抵抗なし。おとなしく写真に収まってくれました。ところで落ち葉の下にいたカエルは手足をバタバタ動かして,なかなか写真を撮らせてくれません。このことから,最初に見つけたほうが,産卵を終え,疲れ切っているメスではないかと推測しました。
水に手を入れてみると,とても冷たく,こんな冷たい水の中で,変温動物であるヒキガエルが産卵するのかと感心しました。
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3.【イベント案内】
●マルハナバチ調べ● 6月27日(日)
今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターーであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。
■日 時 6月27日(日) 午前10時半から午後2時くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。--------------------------------------------------------------
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