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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第234号 2010.8.10.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】乙女高原を歩こう第1回 7月29日
NEW! 2.【活動報告】マルハナバチ調べ隊 8月8日
3.【イベント案内】8月22日 歩こう,作ろう
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0.【ニュースニュース】
●1.まったくもって悲しく,信じられない「事件」が起りました。乙女高原の「富士山展望台」からさらに進むと,ダケカンバ林の中にちょっとした小高い丘があります(丘を下ると,ブナじいさんです)。 この丘に「御料局 三角点」と書かれた石標がありました。
明治時代、国有林の中でも皇室の財産であった森林は、宮内庁御料局が管理し,定期的に森林の面積をはかる測量をしていました。このための基準点として設置されたものが御料局三角点でした。
山梨の場合,明治の末に大水害が相次ぎ、県民は大変苦しい生活を余儀なくされました。その原因の多くは,様々な要因による山林の荒廃でした。そこで,1911(明治44)年,明治天皇は、県下の御料地のうち16万4千haを県民の暮らしの復興のため、本県に「下賜」しました。これが県有林の基となっており、一般には恩賜林と呼ばれています。県有林(恩賜林)は山梨の県土の約三分の一を占めており,乙女高原も県有林です。
このように,この石標は乙女高原の歴史ばかりか山梨の歴史を今に伝える証人として,私たちのインタープリテーションにとって,無くてはならない存在でした。
ところが,7月上旬,この石標が紛失しているのを案内人の1人が見つけてくださいました。私も現地に行って,丘の下に転がり落ちてないか1時間以上もかけて探し回りましたが,結局,見つけることはできませんでした。
心ない誰かが持ち去ったものと推測しています。
この石標は,乙女高原の歴史を伝えてくれるとても大切なものです。石標(の行方)について,何か知っている方がいらしたら,ぜひ,教えてください。
●2.コオニユリ,カララナデシコ,マルバダケブキ,ヒメトラノオの花が咲き始めました。これらの花を見ると「夏休みも後半になったなあ」と感じます。クガイソウやカラマツソウは咲き終わりです。シシウドにはたくさんの虫が集まっていて,まるでカフェテラスのにぎわいです。日陰のヒヨドリバナにはたくさんのアサギマダラが群れていて,天国にでも来たよう・・・。涼しい涼しい「別世界」乙女高原にぜひ,おいでください。
なお,夏の間は,行くたびに「その時々に見られる旬な花」をサイトのトップページに載せるようにしていますので,乙女高原に行くときには,サイトをチェックしてからどうぞ。
http://fruits.jp/~otomefc/
●3.「乙女高原を歩こう・・・自然観察会 第1回」や「マルハナバチ調べ隊 今年度第2回」は,それぞれ無事終了しました。案内人の皆さんが大活躍です(→1,2)今年の夏休み企画最終はいよいよ「乙女高原を歩こう・・・自然観察会 第2回」と「杭を作ろう」を残すのみとなりました。8月22日(日)午前10時から「歩こう」,午後1時から「作ろう」です。ご参加をよろしくお願いします(→3)
●4.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は9月8日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。
●5.このメールマガジンを書いている植原は,笛吹市春日居町にある山梨岡神社の境内での定期的な子ども向け自然観察会に関わっています。次の観察会は,夜の観察会。8月12日(木)午後7時から8時半です。興味のある方は植原に返信をください。楽しいですよ,夏の夜遊び。
●6.まだファンクラブが発足していなかったころ,乙女高原の森連絡会議の一員として乙女高原の体験活動についていろいろとサポートしてくださった牛山俊男さん(自然写真家,環境カウンセラー)が「大地と星空の写真展」を開催しています。会場は北杜市長坂町の「清春 旅と空想の美術館」(入館料 大人500円,小中学生300円。休館日は月〜水)。10月24日までです。ニュージーランドで撮られた星空の写真なんてすごいです。天の川がくっきり見えて,車のボンネットでも星々が輝いているという写真です。
http://homepage3.nifty.com/kiyoharu-museo/
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1.【活動報告】●乙女高原を歩こう(乙女高原自然観察会)第1回● 7月25日
今日もいい天気でした。里は35度を超える猛暑日でしたが,乙女高原は「どこ吹く風」が吹き,とても爽やか。小学校1年生のはなちゃんを含め,19人の参加者がありました。今日の案内は,植物に詳しい乙女高原案内人・依田さんにお願いしました。
依田さんは,まず小さなランの花を紹介してくださいました。言われないと気づかないくらい小さくて,しかも,緑色をしている目立たないランです。
途中,ササの葉の上にセミが止まっているのを見つけた方がいて,とても盛り上がりました。盛夏,乙女高原を訪れると「ジーーー」という低く,地味な声で鳴いているセミがいます。家に帰ってからも耳にずっと残っているこの声の主がこれです。コエゾゼミと言って,体を逆さまにお尻を上にして見ると,背中にマクドナルドのマークが付いています。
そこから「森のコース」を登り,ブナじいさんまで行って,ブナについての解説を聞きました。
「ブナじいさんは何歳くらいだと思いますか?」という質問からスタート。ブナの樹齢は,高さ1.3メートルのところの直径(p)のだいたい1.5倍になるそうです。ブナじいんさんのウエストがだいたい7メートルですから,直径は÷3.14で約220センチ。220×1.5=330歳となります。
依田さんの解説は続きます。200〜300年のブナは約40万枚の葉を付け,約8トンの水を保水するのだそうです。まさに緑のダムですね。用材としての解説もありました。昔は,ブナは狂いが生じやすく,腐りやすいことから,伐採されて他の木が植えられましたが,今では,音響効果を上げる最高の材質として見直され,音楽堂の天井や壁の材料として珍重されるようになったのだそうです。
草原のコースを,草花の解説を聞きながら下ってきて,ちょうど12時にはロッジに戻ってきました。依田さんから「おみやげ」のプリントをいただき,感想を書いてもらって,それと引き替えにポストカードをお持ち帰りいただきました。
夏の半日,乙女高原を満喫することができました。依田さん,ならびに同行してくださった案内人の皆さん,ありがとうございました。
以下,参加者の感想です(一部)。
●ここは むしや はなが いっぱいで たのしいですね(はなちゃん)
●神奈川県下の丹沢山麓の里山観察では見ることができない花に多く出会えました。その花たちを訪れるハチやチョウ。そして,アザミの総包に粘りつく沢山の虫たち。また,茎の途中で死んでいたバッタなどを撮ることができ,プリントアウトが楽しみです。依田さんのガイドは楽しく,勉強になり,特にブナじいさんのところでのレクチャーとレジメ資料,これからの観察会にとても参考になりました。日頃の乙女高原の手入れと整備,本当にご苦労様です。
●今日はブナじいさんまで行くことができ,とてもよかったです。いろいろな花を見ることができました。空気も冷たくて,夏には最高ですね。また来ます。
●キンバイソウがとても色鮮やかに咲いていて,とても印象に残りました。アサギマダラを今年も見ることができて,よかったです。
●暑い日に,一歩林の中に踏み込むと,涼しさが心地よく,楽しい観察会でした。ヤエガワカンバ,シラカバ,ダケカンバと見比べることができ,よかったです。
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2.【活動報告】●マルハナバチ調べ隊 2010年度第2回● 8月8日
この日は,「山梨市フィールドミュージアムウォーク」も同時開催。これは,案内人の村田さんが主催し,毎月近隣の名所・旧跡・文化財等を訪ねる…という企画です。案内人の坂田さん,井上さん,山本さんがこちらのガイドを引き受けてくださいました。村田さんによると,「今回ご参加の皆様も大変満足した様子で、ファンクラブの評価も上がったことと思います。帰り道に橡の巨木群を見て帰りましたが,すばらしい光景でした」とのことでした。
さて,マルハナバチですが,今回もちびっこの参加が多く,にぎやかで楽しい会になりました。「おじいちゃん・おばあちゃんが孫を連れてくる」という参加パターンが増えているような気がします。どの組も,とてもいい感じでした。
いつものように,紙芝居でマルハナバチを簡単に紹介した後,「ぴったり1時間かけていつものコースを一回りしながら見られたマルハナバチを全て記録する」というラインセンサス調査に出発。小学校低学年以下だと記録用紙への記入が難しいですが(だから,「一応」対象は小学校4年生以上としています),どの子もがんばって,書いていました。がんばって書こうとしているので,こちらも本気で応援しました。
結果,ミヤママルハナバチ21頭,トラマルハナバチ19頭,オオマルハナバチ7頭,計47頭でした。訪れていた花は,ミヤママルハナバチが7種類,トラマルハナバチが2頭,オオマルハナバチ4種類でした。
天候が心配されましたので,急いでお昼を食べ,午後のまちぶせ調査を行いました。1人1人,待ち伏せする花を決めて,15分間,その花の前でじっと待ち,訪れたマルハナバチの種類と行動を記録するというものです。15分の待ち伏せ調査を2回行ってもらい,終わったら事務局にその結果を報告してもらいます。
事務局で,それらを集計し,最後に,速報値を報告しました。
●ノハラアザミ(4人。観察時間の合計は60分)
トラ9頭,オオ0頭,ミヤマ4頭,計13頭
●クガイソウ(4人。観察時間の合計は60分)
トラ5頭,オオ3頭,ミヤマ5頭,不明マルハナバチ2頭,計15頭
●ヨツバヒヨドリ(5人。観察時間の合計は75分)
トラ1頭,オオ2頭,ミヤマ15頭,計18頭
ひとこと感想を書いていただき,そのカードと引き替えに,マルハナバチのポストカードをお渡ししました。以下,参加者の感想です(一部)。
●今日,じいじと山に来てよかった。理由はみんなとお昼を食べたり,ハチのことをしらべたりして,楽しかったです。また,こんども来たいです(子ども)
●マルハナバチがたくさんいて,カワイかったです。野イチゴもおいしかったです(子ども)
●3種類のマルハナバチがノアザミ,ヒヨドリ,クガイ等いろんな花で蜜を吸ったり,運んだりして活発に働いていました。雨にも降られず,とても観察には絶好な日でした。
●ミヤマだけ見分けられるようになりました。うれしい。トラとオオはそのたびに迷います。やはり何回も体験するしかないと実感。次回が楽しみです。
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3.【イベント案内】夏休み最後のイベント
●8月22日(日) 乙女高原を歩こうU(自然かんさつ会)
乙女高原をゆっくり歩きながら,この時期ならではの乙女高原の自然をかんさつしま
す。
集合 午前10時 グリーンロッジ前。
終了 12時。 少雨決行。
参加対象 どなたでも。 定員 30人。
参加費 無料(行事保険には主催者で加入します)。
参加者全員に『乙女高原フィールドガイドT 乙女高原のお花たち』をもれなくプレ
ゼント。
※午後からの杭づくりにも参加する方はべんとうを忘れずにお持ちください。
●8月22日(日) 杭をつくろう(木工作業)
乙女高原の遊歩道で使う杭を,間伐材を活用して手作りします。原則として案内人
の活動ですが,ファンクラブ会員や興味のある方の参加も可能です。実際に自分の手
で何かを作るのって,楽しいですよ。
集合 午後1時 グリーンロッジ前。
終了 午後4時(予定)。 少雨決行。
参加費 無料(行事保険には主催者で加入します)。
持ち物 作業手袋(軍手など),のこぎり,なた,・・・などの大工道具。
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