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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第243号 2011.1.30.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】1月15日,23日,29日の乙女高原
2.【活動案内】乙女高原フォーラム 2月6日(日)
NEW! 3.【活動案内】2010年度定期総会と座談会 3月13日(日)
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0.【ニュースニュース】
●1.今年になってから毎週末,乙女高原に出かけています。どうも今年になってからは雪が降っていないようで,かといって冷え込みはとても厳しいので,「一番深いところで30センチ」という積雪量はこの4週間変わっていません。でも,日当たりがいいところはだいぶ雪が解けて下の地面や枯れ草が見えています(→1)
●2.昨日は「1時間ごとに自動的に温度を測ってくれる」というスグレモノのデータロガーに記録された乙女高原の気温データを回収しに,パソコンを持参して乙女へ。変圧器を通して車からパソコンに電源を供給し,回収したボタン電池ほどの大きさのデータロガーを専用アダプターでパソコンとつなぎました。ソフトを起動させると,すぐに折れ線グラフで気温を表示してくれます。
見ると,昨年のクリスマス以降ずっと真冬日が続いていることがわかりました。つまり,ここ1カ月,乙女高原の気温は常にマイナスです。最低はマイナス14.5℃ でした。
気温データを取り始めてから2シーズン目の冬です。データは取れば未来に確実に残すことができます。でも,取らなければ,どんなに大金をはたいても過去のデータは手に入れることはできません。一昨年,「乙女の気温データを取ろう」と提案し,実行に移してくださった原さんに深謝です。
●3.いよいよ第10回乙女高原フォーラム(テーマは「シカ・人・乙女高原の今と未来」)まであと1週間となりました。2月6日(日)午後1時から山梨市民会館(山梨市駅より徒歩10分。万力公園北隣)です。ぜひおいでください。
乙女高原のシカ柵設置報告,県内3地域(櫛形山,八ヶ岳南麓,三窪高原)でのシカ問題への取り組みの報告,ゲストの高槻さんのお話・・・と盛り沢山です。また,山梨市民会館のロビーでは,それに合わせて「ようこそ乙女高原へ」展Xをフォーラム当日まで開催しています。
なお,スタッフとして参加してくださる方は11時に集合ですが,その場合,2月1日までにメールをください。昼食を用意させていただきます(→2)
●4.第10回乙女高原フォーラムの様子が地元ケーブルテレビで見られます。
山梨CATV・デジタル111ch・アナログ9chで2月18日(金)〜20日(日) 21:00〜の「ほっと山梨ワイド版」という番組です(→2)
●5.(再掲) 山と渓谷社の月刊誌「山と渓谷」2月号に,乙女高原の草刈りの記事が出ています。ぜひ,ご一読ください。126〜127ページ。カラーです。
●6.(再掲)3月13日(日)午後2時より乙女高原ファンクラブ定期総会を行います。
今回は世話人の改選が行われます。乙女高原ファンクラブの世話人には,会員であればどなたでも立候補できます。任期は2年間です。ファンクラブを発展させるために,多くの方に立候補していただきたいと思います。よろしくお願いします(→3)
●7.次回世話人会は2月23日(水)午後7時30分から牧丘総合会館です。ファンクラブ会員ならどなたでも参加できます。ぜひおいでください。
●8.おもしろい本を見つけました。細矢剛・出川洋介・勝本謙著,伊沢正名写真『野外で探す微生物の不思議 カビ図鑑』全国農村教育協会,2010,2500円+税
「あ,この本を書いている人は本当にこのこと(この場合,カビ)が好きなんだな」
と思え,しかも,柔軟な発想で,読んでいる人を楽しませようとしていることがわかるような本に惹かれる傾向がありますが,最近,ぼくの琴線に触れてしまった本がこれ。
まずは表紙にびっくり。カラーの美しい幾何学模様の写真が大きく載っているのですが,お餅に発生した様々なカビを万華鏡を覗いて撮った写真だそうです。野外でよく「病気になった草や木」を見かけます。桜の天狗巣病や茎が奇妙に太く変形したオニタビラコやタンポポ,バラについた茶色の点々・・・。その多くは菌類(カビ)の仕業なんだそうです。「あ,この写真みたいな木・草,見たことある」というのがたくさんありました。
今年は自然観察でカビに目がいきそうです。
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1.【観察報告】
●1月15日の乙女高原●
杣口から少し入ったところでリスが道路を横断するのを目撃。車を止めて見ていたら,すぐ脇にルリビタキ(オス)が止まり,かわいい姿を存分に見せてくれました。ダブルでラッキーです。
びっくりしたのは,「姥の栃」の手前の沢でネコを見たことです。誰かに捨てられたのでしょうか? えさはちゃんと食べているのでしょうか? どんなサバイバルな生活をしているのでしょうか? 真っ白なネコです。
ずっと寒い日が続いているからなのでしょう。林道のすぐ脇を流れる小さな川が凍ってしまい,その氷が水をせき止め,せき止められた水がまた凍り,またまた水をせき止め・・・を繰り返し,ほんのか細い,しかも路面よりも1mほど低い川だったのに,膨れ上がってしまい,氷が道まで膨張し,あふれてしまいました。道路がスケートリンクのようです。場所は「木道のある湿地」から少し下ったところです。
雪のあるときはスノーシューとサングラスは必需品です。
今回もスノーシューをはいて,テンやウサギやシカの足跡を観ながら草原を歩き回りました。遠征してブナじいさんに会いに行きましたが,ブナじいさんの南側の斜面には雪がほとんど付いていませんでした。
草原に戻り,今度は湿地に。湿地の脇に入ろうと思ったら,ズボッと足をとられてしまいました。きっと雪の下には「巨大霜柱帝国」が築かれていて,その空洞に足を入れてしまったのでしょう。遠くからアオゲラの笑うような声が聞こえてきました。
湿地の橋のたもとでシカの糞発見。雪の上です。シカの糞はほとんど真っ黒なことが多いのですが(正露丸か黒玉みたいな色です),このシカ糞は黄土色っぽく,きっと木の幹をかじっているんだろうな,ひもじい思いをしているんだろうなと思いました。
●1月23日の乙女高原●
柳平の乙女湖は全面結氷。見るからに寒々しい湖面上を4羽のトビが悠然と飛んでいました。
今日はたくさんの人に会いましたよ。ゲレンデにはクロスカントリースキーをはいた男性。東京から来たそうです。下の駐車場には鉄砲撃ちの方がひとり。仲間の方を待っているように見えました。
富士山の見える展望台までスノーシューで登ると,とてもいい眺め。これはいいと,今日は展望台から帯那山林道に降りて,林道を歩いて草原に戻りました。案の定,途中,木々の間から鳳凰三山(南から農鳥岳,間ノ岳,日本で2番目に高い北岳)がくっきり見えました。木々が葉を落とす冬季限定ですよ。こんな景色が見えるのは。
ロッジのベンチで簡単な昼食を食べ,午後からは湿地の遊歩道を一通り歩いてみました。途中,テンの糞を3つも見つけてしまいました。一つは,自身の熱で雪を解かした穴の中に入っていました。つぶつぶした感じの糞です。大きな植物のたねが入っています。ヤマブドウかなあ。この時期,まだブドウを食べることができるのかしら。もう一つは雪の中に沈んではいませんでしたが,ピンセットでつまむと意外と柔らかく,凍っている感じはまったくしませんでした。新鮮だったのでしょうか。
雪は深いところでは30センチありますが,まったく解けてしまって,スノーシューをぬがなければならないところもありました。
帰りにたくさんの車が止まっているのをみました。鉄砲撃ちの皆さんに違いありません。
●1月29日の乙女高原●
金桜神社の奥社のちょっと先,いつもヤマアカガエルの産卵を観察している池のところでジョウビタキ(オス)を発見。しばらく眺めていました。帰りにも「いるかなー」と思って車を止めてみると,いましたいました。ここをなわばりにしているようです。ヤマアカガエルの池は完全に凍っていて,ぼくが乗ってもびくともしません。
今日は下の駐車場の南の湿地を中心に歩いてみました。
ここは動物たちの足跡の密度がものすごく高いです。しかも,いたるところで糞をみました。大人の大きなシカの糞。小さなシカの糞(たぶん子ども)。ほんの1m四方の範囲に11個のノウサギの糞が落ちている箇所もありました。
ここで不思議な昆虫を発見。なんと雪の上を元気に歩いているのです。変温動物の彼らが,なぜ気温が氷点下の,しかも雪の上で平気なのか,とても不思議です。ちょうどヤブカと同サイズで,しかも似た形でしたから,ハエやカの仲間(双翅目)なのでしょう。
すぐ近くを2羽のハシブトガラス(つがい?)が飛んでいきました。
1週間ごと乙女に通っているのに,この冬,アオシギには出会えないままです。シギの仲間で,冬に,単独で,山間部の水場(湿地や谷川)に渡ってくるという変わり者(!)です。
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2.【活動案内】
●第10回乙女高原フォーラム●
日 時 2月6日(日)午後1時〜3時30分
場 所 山梨市民会館 3階「千鳥の間」
http://www.mapfan.com/spotdetail.cgi?SPOTCODE=SHH0BL1
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
テーマ シカ・人・乙女高原の今と未来
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
ゲスト 高槻成紀(たかつき・せいき)さん(麻布大学教授)
【開催趣旨】
乙女高原フォーラムでは前々回から連続して「シカ」をテーマにしています。増えたシカたちが草原内の草を特定の種類から順に食べてしまったり,周囲の森の木の幹を剥いでしまったりして,ここ数年で乙女高原の自然を急激に変えているという危機感からです。フォーラムで学んだことやフォーラムで培ったネットワークを活用して具体的な対策も始めました。あくまで研究目的ですが,2010年5月,草原内にシカ防護柵を設置したのです。柵の内と外とでは,微妙な変化が生まれつつあります。
今回のフォーラムでは,乙女高原に設置したシカ柵のモニタリングの途中経過を報告したり,山梨各地でシカ食害に取り組む方々のお話を聞いたり,ゲストとしてお願いした高槻さんの講演をお聞きしながら,今後,私たちが乙女高原でシカたちとどのようにつきあっていったらいいか,一緒に考えていきたいと思います。
【高槻さんのプロフィール】
東北大学、東京大学を経て、現在麻布大学獣医学部教授。専門は動物生態学。宮城県金華山のシカに次いで、五葉山のシカの研究をする。その後、各地の野生動物の調査にとりくむ。また海外でもスリランカのアジアゾウ、モンゴルのモウコガゼルなどの保全研究も手がける。著書に「北に生きるシカたち」(どうぶつ社)、「歯から読みとるシカの一生」(岩波書店)、「シカの生態誌」(東京大学出版会)、「野生動物と共存できるか」(岩波ジュニア新書)など。
【スケジュール】
1)開会行事
2)ファンクラブの活動報告とシカ柵モニタリング調査中間報告
3)県内各地からの報告
・櫛形山(南アルプス市みどりしぜん課 広瀬和弘さん)
・八ヶ岳(八ヶ岳自然クラブ シカ・グループ代表 吉柳俊孝さん)
・三窪高原(甲州市観光協会会長 志村 功さん,同観光交流課 雨宮洋太さん)
4)「シカが植物群落におよぼす影響:草原への影響は複雑」 高槻成紀さん
5)フロアとの質疑応答,意見・情報交換
6)閉会行事
※山梨市民会館ロビーにて「ようこそ乙女高原へ」展Xを開催中です。こちらもぜひ,見に来てください。フォーラム当日・2月6日までです。
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3.【活動案内】
●2010年度定期総会と座談会●
日時 3月13日(日)午後2時〜
机や椅子を並べる作業を1時30分から行います。お手伝いいただける方はこの時刻までにお願いします。
場所 牧丘総合会館 3階大ホール(場所は以下アドレス参照)
http://www.mapfan.com/m.cgi?MAP=E138.43.2.5N35.43.58.2&ZM=11
総会のプログラム概要
・2010年度活動報告
・2010年度決算報告と会計監査報告
・2011年度活動計画
・2011年度予算
・世話人の改選
世話人は2年ごとに決めています。会員であればどなたでも立候補できます。総会で承認されれば2年間世話人としてファンクラブの運営に中心的に関わっていただきます。みんなの財産である乙女高原を次世代に確実に譲り渡すために2年間,骨を折っていただけませんか?
座談会
・話題提供者 未定(ただいま世話人会で推薦された方と交渉中。お楽しみに)
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