乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第252号(2011.6.15.)
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第252号 2011.6.15.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】スミレ観察会 6月5日
NEW! 2.【参加報告】櫛形山シンポジウム 6月11日
3.【活動案内】マルハナバチ調べ隊 6月26日
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
0.【ニュースニュース】
●1.第3回目のスミレ観察会も楽しく行われ,またまた新しいスミレが発見されました。来春発行予定のスミレのフィールドガイドをお楽しみに。講師の依田さん,ありがとうございました。来春も刊行記念のスミレ観察会をしましょうね。なお,フィールドガイド作製にお手伝いいただける方はご連絡ください(→1)
●2.6月11日(土)に行われた「櫛形山シンポジウム」(主催 南アルプス市・櫛形山ネットワーク)に参加してきました。乙女高原の保全にもヒントになるようなお話をたくさん聞いてきました(→2)
●3.(再掲)次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は5月25日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。
--------------------------------------------------------------
1.【活動報告】 ●第3回 スミレ観察会● 6月5日
1週間違うと,以前咲いていたスミレの花はもう終わり,別のスミレが咲いている・・・ということがよくあります。そこで,今年はスミレのシーズンに3回のスミレ観察会を企画していただきました。わざわざ小田原から来てくださる担当の依田さんはたいへんだったと思います。でも,スミレばかりを一生懸命に観察するわけですし,スミレ・ファンの方や「まさにスミレのスペシャリスト!」という方の参加もあり,また,乙女高原での新発見がいくつもありました。また,来春刊行予定のスミレ・フィールドガイドを作る上でのデータもたくさん得られました。まさに一石二鳥の観察会だったと思います。企画してくださった依田さんにも「大満足でした」とおっしゃっていただけたので,本当によかったと思います。
今回の参加者は10名。中にはご家族で参加してくださった方もいました。小学生のお嬢さんがヤマケイのスミレ図鑑を持っていたので「おッ!」と思いました。このお嬢さん,いろんなものに興味を持って,観察してくれました。さて,簡単にはじめの会を済ませ,さっそくキンポウゲが咲き始めた草原の中を歩きました。真っ白いサクラスミレが咲く場所を丹念に探した。白いサクラスミレは見つけることができませんでしたが,サクラスミレはいっぱい咲いていました。乙女高原では本当にごく普通種としてサクラスミレを見ることができます。
道の端でツボスミレが咲いていました。今回,目の不自由な方の参加もあったのですが,案内人の宮川さんのガイドで腰をかがめて,スミレに触り,その感触を楽しんでいらっしゃいました。歩いている途中で「においがするねえ」と言われた時には,においになんかまったくもって無頓着になっていたので,ドキッとしました。自然観察するときに五感を最大限使うことはとても大切です。
湿地の方まで足を伸ばしました。サンリンソウやシロバナノヘビイチゴの花が可愛く咲いていました。タチツボスミレなんですが,葉脈がやけに赤くて,葉脈の近くの葉も赤っぽいアカフタチツボスミレの葉をたくさん見ました。
コマルハナバチ女王が笹原を低空飛行していました。きっと巣にする場所を物色していたのだと思います。駐車場脇のヤマザクラの花にもコマルハナバチの女王が来て,蜜を吸っていました。よく見ていたつもりなのですが,蜜を吸ってはいましたが,花粉を集めている様子は見られませんでした。まだ巣作りの段階には至ってないと思いました。
お嬢さんが「この虫の巣,なんですか?」と尋ねてきたのは,ヤマボウシの葉の付け根につばきのような白い泡が付いたもの。これはアワフキムシという半翅目昆虫(要するにセミやカメムシの仲間。ウンカやヨコバイに似てる)が作って,その中に潜んでいるものです。試しに泡をそっと指でなでて削っていくと,中から虫がでてきました。ぼくは(山梨の里山でよく見かける)赤と黒のツートンカラーの虫を想像していたのですが,カイガラムシみたいな感じのアワフキムシでした。
もうすぐ観察会も終わり・・・という時になって,また,新しいスミレが山本さんによって発見されました。サクラスミレなんですが,葉脈が赤っぽいチシオスミレです。もうこうなると,「細かく見ればみるほど新しい種類が発見されて,訳がワカラン」という感じです。乙女高原の仲間が増えて,うれしいことにはうれしいのですが,「最終的に乙女のスミレは何種類?」という問いへの答えがなかなか確定できません。
とにかく3回の観察会が天気に恵まれ,楽しくできたのが一番よかったと思います。
【6月5日に見られたスミレ】(開花していたのは5種類)
・サクラスミレ どこでもいっぱい。
・ツボスミレ 道端や湿地に多かった。
・エゾノタチツボスミレ
・タチツボスミレ もう咲き終わりに近い。
・アカフタチツボスミレ 花はもう終わっていた。
・チシオスミレ 葉脈が赤っぽいサクラスミレ。新発見。
--------------------------------------------------------------
2.【参加報告】 ●櫛形山シンポジウム● 6月11日
6月11日(土)に櫛形生涯学習センターで行われた「櫛形山シンポジウム」(主催 南アルプス市・櫛形山ネットワーク)に参加しました。
まず,開会行事で南アルプス市の市長さんがあいさつをしたのですが,その中にアメリカのヨセミテ国立公園を訪ねた時のエピソードがあり,感銘を受けました。きっとこの市長さんなら「自然保護があるからこそ観光は成り立つ。自然保護に役立つような観光でなければならない。観光と自然保護は本来対立するものではない」という原理を踏まえた上での施策をしてくれるだろうなと強く感じました。
基調講演は静岡大学理学部特任教授の増沢武弘さん。テーマは「ふるさとの山を守るために」でした。休みの日には乙女高原に行きたいぼくですが,今回,このシンポジウムの方を選んだ理由は増沢さんです。「山と渓谷」2011年6月号で「ヒダカソウを絶滅から救え」という特集の中で1ページに渡ってインタビューされていました。それを読んで,ぜひお会いしたいと思ったのです。
増沢さんのお話の中で印象に残ったのは3つです。
一つめは「山の中に草原がある理由は2つで,一つは水,もう一つは人」という話。乙女高原の草原も,ふもとの人たちが草刈りすることによって保ってきた草原なので,「人」というのはすぐに理解できましたが,もう一つの要因は「水」なんだそうです。ふつう草原があれば森へと遷移が進みますが,それを阻んでいるので土の中の水。土の中の水分量が多いと,木が侵入しずらいのだそうです。
二つ目は「自然再生には目標が必要」ということ。乙女高原で言えば,ただ単に「お花がたくさん咲いている乙女高原」といった漠然としたものではなく,もっと具体的ではっきりしている目標です。ヒダカソウが絶滅しそうになっている北海道のアポイ岳での自然再生事業では1952年の植生が再生目標なんだそうです。このときのお花畑の分布を調べてデータを残していた方がいたので,その時のアポイ岳に戻すことを目標にしたそうです。やっぱり調べることは大切なんですね。調べたことが後から利いてきます。決定打になることもあるんですね。そして,このように具体的な再生目標を決めれば,万人で共有できます。このころのお花畑の写真を持っている方がいたら,資料提供してもらうと,より具体的になるでしょうね。
三つ目は,さまざまな場所で,まるで同時多発テロのように起きているシカ問題への対処について。もう「小さなシカ柵」を作る段階から「大きなシカ柵で,生態系をまるごと守る」という段階にきているのだそうです。乙女高原案内人の研修旅行として2007年に訪れた長野県霧ヶ峰の八島湿原では,シカ対策として湿原全体を取り囲むシカ柵を設置したそうです。乙女高原でも草原全体を囲むようなシカ柵を設置する必要があるのでしょうか? 八島湿原をぜひ見に行きたいと思いました。
後半は増沢さんを含めて5名の方によるシンポジウムでした。コーディネーターは乙女高原案内人養成講座でお世話になった時田さん。とても上手にシンポジウトの方々から話を聞き出していました。ここでも興味深いお話をいろいろ聞きました。
たとえば,ちょうちょがご専門の北原さん(山梨県環境科学研究所)からは,チョウから見た櫛形山の価値といったお話がありました。
「南アルプスには高山蝶も亜高山蝶もいるが,草原性のチョウはいない。一方,富士山は若い山なので,高山蝶も亜高山蝶もいないが,草原性のチョウはいる。で,櫛形山にはその3者(高山蝶・亜高山蝶・草原性のチョウ)とも揃っている。種数が多く,多様性が高い」
「櫛形山独特のチョウとして,たとえばクモマツマキチョウというチョウがいる。このチョウは日本では北アルプスと南アルプスの一部にしかいない。南アルプスはこのチョウの世界の分布の南限にあたる。このチョウの幼虫はヤマハタザオという植物の葉を食べるが,これがシカによって食われている」
といった生物多様性から見た櫛形山の価値や,シカ問題は植物だけに限らず食物連鎖を通して生態系全体に広がっていくという話をわかりやすくしてくださいました。
このシンポジウム開催に骨を折ってくださった南アルプス市と櫛形山ネットワークのみなさんに感謝申し上げます。乙女高原での活動にもすごいヒントになりました。 これからも情報交換しながら,お互いに次の世代に自然を確実に残していく活動を展開していきたいと思いました。
--------------------------------------------------------------
3.【活動案内】(再掲)
●マルハナバチ調べ● 6月26日(日)
今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。
■日 時 6月26日(日) 雨天中止 午前10時半から午後2時くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入します。
マルハナバチ調べ隊は年に3回行っています。
第1回 6月26日(日)
第2回 8月 7日(日)
第3回 9月11日(日)
日程等は第1回と同じです。
--------------------------------------------------------------
乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第252号(2011.6.15.) →ページトップ