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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第256号 2011.8.23.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】マルハナバチ調べ隊 8月7日(日)
NEW! 2.【活動報告】乙女高原を歩こう/杭づくり 8月21日(日)
NEW! 3.【活動案内】マルハナバチ調べ隊  9月11日(日)
NEW! 4.【活動案内】シカの観察会(仮称)10月23日(日)
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0.【ニュースニュース】
●1.8月21日は,それまでの猛暑が一転しての連日雨の中の1日になってしまいました。乙女高原は薄手のフリースがちょうどいいくらいの気温。そんな中,午前中1回,お昼に1回,午後1回と,3回も自然観察会をしてしまいました。杭づくりも短時間で無事終了でした。けが人が出なかったのが,一番よかったです→2

●2.シカ柵内外の植生調査の第3回目は8月26日(金)午前10時30分からです。今回は平日ですが,協力できる方はぜひお願いします。
集合場所 草原内の大きい方のシカ柵。
調査内容 番号札のついている植物の草高を計測して記録する。
    (番号札のついている植物は全部で200本)
持ち物  お弁当,飲み物,帽子,筆記用具
調査に参加できる方はウエハラまでご返信ください。

●3.これも調査ですが・・・。今年の草刈りで生じた刈り草を琴川ダムの残土捨て場に持ち込んで,残土捨て場の植生を回復させよう(簡単に言うと,「第2乙女高原を創っちゃおう!」といったところでしょうか)というプロジェクトを進めています。刈り草を持ち込んだことで残土捨て場の植生がどのように変化していくかを調べるためには,運び込まない今のうちに一度,植生調査をしておく必要があります。これについては一昨年のフォーラムでおいでくださった東京農工大の星野先生が全面的に協力していただけることになっています。その調査を9月3日(土)と4日(日)に行うことになりました。ぼくも3日にはお手伝いをします。調査の様子を見てみたい,お手伝いできることがあれば調査のお手伝いをしてみたいという方がいましたら,ウエハラまでご返信ください。今のところ、10時半に焼山峠集合の予定です。
 なお,プロジェクトの趣旨を簡単に「第2乙女高原を創っちゃおう!」と書きましたが,乙女高原と違って,この場所は森への遷移を見守ります。ですから,草原の姿を見られるのは短時間だけです。とはいえ,「自然の移ろい」という文脈の中での「短時間」です。10年になるか,20年になるか・・・。

●4.(再掲)次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は9月14日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。

●5.県より「健全な森づくりを考える県民との意見交換会」をするのでぜひ参加をという通知をいただきました。山梨県では来年度から「森林保全等を目的とした新税」の導入を検討していて,それについての意見を聞きたいとのことです。参加費は無料。事前申し込みは必要ないし,どの会に参加してもいいそうです。急な話で申し訳ありませんが東山梨合同庁舎で行われるのは明日24日です。
・8月24日(水) 午後2時〜3時半 東山梨合同庁舎(甲州市)
・8月29日(月) 午後2時〜3時半 西八代合同庁舎(市川三郷町)
・8月30日(火) 午後2時〜3時半 南都留合同庁舎(都留市)
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1.【活動報告】マルハナバチ調べ隊 8月7日(日)

 朝,早めに乙女高原に行きました。マルハナバチたちが飛んでいるか心配だったのでその下見と,夏草がすごい勢いで伸びているので必要とあらば草刈りをしておこうと考えたからです。さっそく草原の中を歩いてみたら,マルハナバチはそこそこいます。これで今日の調べ隊は大丈夫だと思いました。一方,案の定,草はすごかったです。遊歩道の中にまで勢力を伸ばし,歩くのを邪魔しているところまでありました。このままでは,特に小さい子にとって歩きにくいし,第一危ないので,時間のゆるす限り,草刈りをしておきました。
 ロッジに戻って,先日購入した2メートル50センチ四方の自立タープやテーブル,ベンチを組み立てました。今日がお披露目です。そうして参加者を待っていると20名の参加者。いよいよ調べ隊を始めました。まずは,いつもの通りの紙芝居。子どもの参加が多いと「へー」とか「ふーん」という合いの手が自然に入るので,とてもやりやすいです。いい気分でマルハナバチの説明をする紙芝居を終え,さて,いよいよ草原の中を歩こうかと思ったら,雨が降り出しました。
 いくらなんでもタイミングが悪すぎ・・・といったんは思いましたが,皆さん,今日の天気に安心して雨具を持ってない方がほとんどだったので,ここで雨具を用意してから出かけることができたのでラッキーだったと考え直しました。
 雨が降り始めていましたが,さすがマルハナバチ。雨をものともせずに働いている姿を参加者の皆さんにみせてくれました。ホント,乙女高原で一番のインタープリターはマルハナバチだと思います。1時間弱かけて歩いて,見られたマルハナバチはミヤママルハナバチ15頭,トラマルハナバチ14頭,オオマルハナバチ6頭でした。特にオオマルハナバチの6頭のうち3頭は花の上をめまぐるしく歩き回って花粉を集める行動が見られました。まだまだ子育て真っ最中なのですね。ちなみに,花粉集めをしていた花はシシウドとシモツケソウでした。
 雨が強くなったので,雨が止むのを祈りながら,ロッジの中でお昼を食べましたが,雨は止まず,しかたがないので,ロッジの中でそのまままとめをして終わりました。
 以下,参加してくれた子どもたちのひとこと感想です。
・午後はできなかったけれど,おもしろかった。おもしろかったことは,マルハナバチを探すことでした。
・とてもたのしかったですが,くたびれました。
・雨がふってざんねんです。またきます。
・はじめてマルハナバチを見たりさわったりしたので,うれしかったです。またさわりたいです。
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2.【活動報告】乙女高原を歩こう/杭づくり 8月21日(日)

 つい4日前まではすごい猛暑だったのに,3日前から急に肌寒い雨が続き,この日も朝から冷たい雨。それでも熱心な乙女高原ファンが16人集合。本当にありがたいことだと思います。また,ロープしばりの師匠・武井さんは今回も草刈り機を持ってきて,ロッジのまわりを自主的に草刈りしてくださいました。
 男性を中心に数人で杭の材料となる間伐材を取りに林道を下りました。そして,女性を中心に残りの数人で「乙女高原を歩こう」の参加者を待ちました。雨のためか参加者が集まらなかったので,自分たちだけで乙女高原を歩きました。乙女高原はもう秋の気配です。ハンゴンソウやキオン,マツムシソウやゴマナ,シオガマギクやシラヤマギクが咲き始めていました。ブナじいさんまで行ったら,ソバナも咲き始めていましたよ。

 お昼ちょっと前にロッジにもどってきました。ちょうど材料調達組も戻ってきたところだったので,材料調達組の中で乙女高原を歩きたい人につきあって,ぼくはもう一度草原へ。今度は少し植物たちのしたたかな戦略を紹介しながら歩きました。
 まずはシシウド。よーくみると,同じ株なのに2種類の花が咲いています。シシウドのは花は打ち上げ花火みたいな感じで,いくつかの「玉」から無数の火花が飛び散っているように見えます。その「玉」には雄花ばかりの玉と雌花ばかりの玉があります。そして,必ず真ん中が雌花の玉で両脇に雄花の玉があります。まるで雌花が雄花を従えているように見えます。しかも,花の咲く時期をずらし,自家受粉(近親相姦)を避けているのです。
 自家受粉を避けるのはひとつの花に雄しべと雌しべがそろっている花でも同じです。ちょうどヤマホタルブクロの花が2つ咲いていて,しかも,ちょうど,ひとつの花の雌しべは棒のようにまっすぐで棒状のアイスキャンディーみたいで,もうひとつは雌しべ目の先が割れていました。棒状なときには雌しべはまだ未熟で,雄しべだけが熟していて,盛んに花粉を出します。花粉を出しても雌しべは未熟なので自家受粉は起きません。花粉が底をつくころになると,雌しべの先が割れてきます。これは雌しべが成熟したサイン。花粉が来れば受粉します。他の花から運良く花粉が運ばれてくると,受粉成立です。その受粉に一役買っているのがマルハナバチで,前回のマルハナバチ調べ隊でもヤマホタルブクロにマルハナバチが来ているのを観察しています。今回は手鏡を使って,花の中の雄しべや雌しべの様子を観察してもらいました。

 一通り草原の中を歩いてきて,みんなより遅くお弁当を食べました。お弁当を食べ終わり,さて,杭づくりに合流するかと思ったら,なんと60本もの杭づくりがほとんど終わったところでした。ゆっくりお昼を食べても十分間に合うだろうと計算していたのに,とんだ誤算です。仕方がないので,片づけを手伝い,その後,ロッジでお茶会。ぼくは働いてもいないのにお茶を飲んだ悪い子です。

 さて午後4時までかかる予定が,2時すぎには終わってしまいました。午後からの参加者に草原の自然観察を希望するかお聞きしたところ,歩きたいということだったので,よろこんでご案内させていただきました。これで今日3回目の案内です。
 乙女の草原のヒミツをお話しながら歩きました。
 「向こうにシラカバの林が見えますね? 今から30年まど前,あの林はここのような場所だったんですよ」と指さしました。そこは草原の遊歩道脇で,シラカバの赤ちゃんが生えています。シラカバは陽樹なので,光の少ない林の中では大きくなれません。ですから,シラカバ林の中にはシラカバの若木や赤ちゃんはいないのです。シラカバの若木や赤ちゃんは日当たりのいい草原の中にいます。
 では,シカカバの赤ちゃんが生えているこの場所は30年後にシラカバ林になるのか? なりません。なぜなら,わたしたちが毎年草刈りをし,そのときに若木を刈ってしまっているからです。草原を保っているのは,草刈りという人間の営みだったのです。
 遊歩道ツツジコースにはツツジ群落の中に3本ほど若々しいシラカバの木が生えています。じつは12年前まで,ここはシラカバの林になりそうな場所でした。なぜなら,スキー場として見放され,草刈りがされなくなっていたからです。自然の法則にしたがって,シラカバたちは若い林をつくっていました。ところが,12年前にボランティアによる草刈りを初めて行ったときに,ここのシラカバ林を伐り,草原に戻したのです。でも,シラカバの木を3本モニュメントとして残し「ここには,この木の同級生のシラカバ林があったんですよ」と説明するようにしています。

 そんなこんなで、今日は3回も乙女高原の案内ができたうれしい日でした。
 あ,大事なことを言い忘れていました。杭づくりに汗を流した皆さん,本当にご苦労さまでした。
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3.【活動案内】
 ●マルハナバチ調べ隊● 9月11日(日)

 いよいよ今年最後のマルハナバチです。晴れれば,ちょいレアものの雄バチに会えると思います。乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。

■日 時 9月11日(日) 雨天中止 午前10時から午後2時半まで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入します。

マルハナバチ調べ隊は年に3回行っています。
 第1回 6月26日(日)・・・終了
 第2回 8月 7日(日)・・・終了
 第3回 9月11日(日)
  日程等はどれも同じです。
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4.【活動案内】
 ●シカの観察会(仮称)● 10月23日(日)

 シカの食害がひどいひどいと言っていますが,その実態を知ってもらったり,シカの生活の痕跡を見ていただいたりする観察会です。もちろん,本人(本シカ)に会っていただくのが一番ですが,相手は野生動物ですし,乙女高原は動物園ではないし,エサでおびき出して見ていただくというのもフェアではないので,シカ本人を見ることはできないと思います。
 乙女高原ファンクラブ初の企画です。一緒に企画を練ってみたいという方も募集しています。よろしくお願いします。

■日 時 10月23日(日) 小雨決行 午前10時から12時半まで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 水筒など水分補給のできるもの。雨具。防寒着。
    お昼に終わりますが,下るのに時間がかかるので,弁当持参をお勧めします。
■参加費 無料。
■内 容 シカの痕跡(足跡,糞,食べあと,角をこすりつけた跡など)の観察。
     シカの食害の様子を観察。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入します。
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