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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第259号 2011.11.11.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】シカの観察会 10月23日(日)
NEW! 2.【観察報告】11月3日の乙女高原
3.【活動案内】第12回草刈りボランティア 11月23日(水・祝)
NEW! 4.【活動案内】第11回乙女高原フォーラム 2012年1月29日(日)
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0.【ニュースニュース】
●1.10月20日(日)午前10時から草刈りボランティアの下見および下準備を行います。キッズが安全に落ち葉を運び上げられるように,斜面にロープを張ったり,草刈りの区分けをはっきりさせるために,テープを張ったりします。できるだけのご参加をお願いします。午前中だけの予定です。→3
●2.いよいよ今年の草刈りまであと10日ほどとなりました。今年で12回目の草刈りです。草刈りイベントのすごさは,まだ1回も雨天中止になっていないことです。今年も乙女高原の自然を次の世代に譲り渡すために,大勢の乙女高原ファンと一緒に気持ちのいい汗を流しましょう。→3
●3.今年の乙女高原の草刈りでは,キッズでブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけるし,ゴミ収集車をお借りして刈り草を焼山まで運んで草原の創出実験をするしで,例年以上にたくさんのスタッフが必要となります。乙女高原の自然を次の世代に確実に譲り渡すために多くの方のご協力をお願いします。スタッフに立候補してくださる方,返信をお願いします。→3
●4.今度の乙女高原フォーラム,テーマは「虫」・・・「希少昆虫の宝庫,乙女高原は今」です。ゲストは「虫の学芸員」槐 真史さん。神奈川からわざわざ来ていただきます。2012年1月29日(日)午後1時から3時半。会場は山梨市民会館。参加費無料です。→4
●5.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は11月17日(木)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。
●6.乙女高原ファンクラブの活動ではありませんが・・・あさって13日(日)午前9時半から「観察会+絵本の読み聞かせ」というイベント「おおぞらの下のおはなし会〜山梨岡神社を自然探索・秋〜」を行います。場所は笛吹市春日居町の山梨岡神社です。のぞいてみたい方はご連絡を。
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1.【活動報告】シカの観察会 10月23日(日)
乙女高原ファンクラブ初のシカ観察会。どのようにやろうかずっと迷っていましたが・・・先週,下見をしたことで,やっと吹っ切れました。
参加者は8人。まず,シカについて知っていること,イメージを自由にホワイトボードに書いてもらいました。皆さん,意識のある方ばかりだったので,なんともレベルの高い解答ばかりでした。子どもの素朴や意見も欲しかったのですが。
・昔は生態系の中でバランスがとれた存在だったが,現在急増し,植生に対して圧迫を加え,全国各地で問題が生じている。
・シカみたことある。山梨市内で道路を横断。乙女から帰るとき。山の道の途中,子鹿。
・悪さはするが, 人はおそわない。
・3年くらい前にシカに車がぶつかりそうになった。親子でいた。当てて,捕ろうとしたが,やめた。
・植物の葉や芽を食べる。木の皮を食べる。夜,山沿いの道で見かける。
・動物園で実物を見た。食痕を確認したことがある。
・足が強靱。角は強精剤。夜,車のライトで目が光る。鳴き声はちょっとスリラー。
・夜行性の面も強く,ある程度の集団で夜,行動をする。
次に,シカがどんな動物であるか,大判の写真を見てもらいながら,説明しました。
まず口。前歯は下顎にしかないので,それで幹を削ると,まるでのみか彫刻刀で掘ったような跡がつく。次に胃。胃の中に微生物を飼っていて,この微生物がセルロースまで分解してくれるので,基本的に植物だったら何でも食べられる。反芻といって,(安全なところで)食べたものを口に戻してもう一度かみ砕くことができる。糞はポロポロ型。そして蹄。ヒトでいうと,中指と薬指の2本だけで立っていることになる。細い足と蹄なので,深い雪だったら足が雪に刺さってしまい,最悪,動けなくなる。シカは雪が苦手。角は毎年生えかわる。秋になると,角を幹にこすりつける。
最低限の情報を受け取っていただいたので,いよいよ観察に出発しました。その情報を手がかりに自然を観察すると,シカの姿が見えてくる・・・というのがこの観察会の構成です。
最初の観察ポイントはロッジ前のベンチから歩いて20歩のところ。林道の両脇に植えられたウラジロモミ。中には,枯れているものもありました。葉の元気がないものも。そんな木の幹をよーく見ると,皮がはがれているものが幾つもあります。シカの皮剥ぎです。これを確認したのは昨年の4月。そのときはまだ傷が新しく,木の幹と傷の色の差が鮮明でした。写真を見てもらいました。皮剥ぎから1年半ですでに枯死してしまうんですね。
森のコースを登っていきました。途中,ヤマナシの木に寄りました。先週,下に実が落ちているのを見つけたので,皆さんに見てもらおうと思ったからです。やっぱりたくさんの目があると違いますね。結構たくさんのシカ糞が落ちているのにも気づけました。さっそくヤマナシの実を齧っている方もいました。渋かったそうです。香りはいいんですけどね。
富士山の見える丘が二番目の観察ポイント。「さあ,ここが観察ポイントです」といっても,ピンとこないでしょうね。そう思います。だけど,7年前に同じ場所を撮った写真と比べると・・・。一目瞭然。笹原が後退しているのがわかります。一部,笹が剥げてしまって,土が露出しているところもあります。これらもすべてシカの仕業だと考えられます。
そこから草原のコースのてっぺんを通って,いつもなら草原のコースを下るところですが,今日はそのまま尾根道を進んで,林の中を通ってツツジのコースに出る道を選びました。ミズナラ−ダケカンバ林の林床に笹が繁っているところを通ります。ここの笹,以前は(どのくらい前かははっきり覚えていませんが)ぼくの腰ほどの高さがあったのですが,今は膝以下どころか足首の高さです。しかも,なんだか芝刈機のようなもので刈り揃えられたように高さが一定です。これもシカの影響と言えるでしょう。ここが三番目の観察ポイントです。
ツツジのコースを下り,小さなシカ柵の近くで,森の中に入りました。昔の遊歩道です。ここでまたシカの影響を探してもらいました。びっくりです。よく見ると,すべての木にシカの影響が見られました。角を研いだ跡,外周を全部剥がされ,枯死してしまったウリハダカエデ,根元が削られたウラジロモミ。シカの影響の大きさが体感できます。
その後,シカ柵の様子を見たり,成城大学の山小屋わきの枯死してしまったマユミを見てもらったりしながらロッジに戻ってきました。途中,本当に新しいシカ糞を発見。中身がほぐされています。糞虫のしわざです。ヤマナシの口直しとして,たわわに実っているヤマボウシの実を試食。ほんのり甘くて,おいしかったです。
まとめとして,今日の観察会でわかったことや気づいたこと,感想をホワイトボードに書いてもらいました。
・シカさんの食べた跡をいっぱい見る。枯れた木がたくさんある。何もかも食べてしまう。
・あちこち木が枯れてしまっていて驚いた。もとは腰であった笹原が足首の高さにまで低くなり,全滅しかかっている。早く手を打ちたい。
・秋の乙女高原。ルートから少しはずれ,雑木林に入るとシカの糞,植物の変化等,自然の推移を感じる。
・とりあえずの対策と長期的な対策。両方必要で,いつもその2つを視野の中に入れて考えたい。
・シカはわがままに自然を荒らしまくっている・・・とは思えないのが今日の感想。
・シカが笹を食べるとは知らなかった。
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2.【観察報告】11月3日の乙女高原
乙女高原への林道は紅葉のクライマックスでした。ダンコウバイの黄色は,黄色の中の黄色といった感じ。ウリハダカエデは,1本の木で,紅色から黄色までのグラデーションが美しい。カラマツの黄色はちょっと濃くて,これはこれできれいです。
乙女高原から大窪山への遊歩道を歩きました。たくさんの落ち葉が敷きつめられていて,ふかふかです。これではテンの糞は見つかりにくいだろうなあと思いました。イノシシの堀り跡も落ち葉に隠されていました。
ちゃんと背丈の高いササ藪もありました。こんなところでは,ウグイスの地鳴きもやっぱりちゃんと聞こえます。ここはシカの影響が少ないのかな。
途中,雨が降ってきましたが,それにしては気温が高く,歩いていると汗が出るほどです。シカの声が聞こえてきました。
大窪山コースに続いて,湿地コースも歩くことにしました。
マムシグサの赤い実が目立ちます。まるでトウモロコシみたいです。それにしても,鮮やかな赤です。
キツネの糞を見かけました。すぐ隣にネズミ頭骨が落ちていました。これは??
ヒメツチハンミョウの姿も見かけました。早春と晩秋にしか見ることのない不思議な虫です。
キンミズヒキの赤い草もみじも,渋くてステキでした。
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3.【活動案内】
●乙女高原の草原を守る!!草刈りボランティア● 11月23日(水・祝)
今年で12回目となる乙女高原の草刈り作業。今年は新機軸として刈り取った草を焼山の琴川ダム残土処分場に持ち込んで,そこを「第2乙女高原」に誘導するというプロジェクトを開始します。
また,今年もキッズボランティアとして「ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけましょう」という活動を行うことが決定されました。(とはいえ,子どもたちの参加は任意です。これに参加してもよし,大人と一緒に草刈りをしてもよし)。親子でぜひ,おいでください。
晩秋の高原でいい汗,かきましょう。
「第2乙女高原」といいキッズボランティアといい,多くのスタッフを必要とします。ぜひぜひ多くの方の立候補をお願いします。
■日 時 11月23日(水・祝) 少雨決行 荒天の場合,27日(日)
午前9時半から午後2時
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,飲み物,軍手,雨具,おわん・はし(豚汁用),
お持ちの方は,かま,なた,刈り払い機などの道具。
■参加費 無料(主催者負担で保険に加入)
■内 容 草刈りと,刈った草の運び出し。ロープ回収,草原内のゴミ拾い
キッズボランティア,豚汁作りなど
※11月20日(日)午前10時ロッジ集合で,草刈りの下見と準備を行います。ご都合をつけて,ご参加ください。
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4.【活動案内】
●第11回乙女高原フォーラム●
日 時 2012年1月29日(日)午後1時〜3時30分
場 所 山梨市民会館 3階「千鳥の間」
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
テーマ 希少昆虫の宝庫,,乙女高原は今
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
ゲスト 槐 真史(えんじゅ・まさし)さん(神奈川県厚木市郷土資料館学芸員)
ただの草原と思ったら大間違い。
乙女には,全国的に希少になった「草原」という自然に固有な昆虫が生息するホットスポット。
しかし,コョウモンモドキやアカセセリという蝶に象徴される高原の昆虫たちが,今,絶滅の危機にあるとしたら・・・。あなたはどうしますか?
☆
子どもたちも,あつまれ!
フォーラムの前半・1時間目は、乙女高原の虫を楽しみます。
虫のすがたを大きく写して見たり,虫のクイズを考えたり。
ほんものを見ることもできるよ!
後半・2時間目は「乙女高原の昆虫」の話。
たくさんの写真を見せてもらいながら,槐さんのお話を聞きましょう。
【槐さんのプロフィール】
神奈川県厚木市郷土資料館学芸員(動植物担当)。湘南工科大学特任講師。専門は博物館学・地域生物学・生物保全学・理科教育。全国的なセミ,チョウ等昆虫の分布調査(たとえば,環境庁(当時)の「身近な生き物調査」,日本自然保護協会の「自然しらべ」など)の部会委員や学術協力員も務める。神奈川県のPTA連合会役員、お子さんが通う学校のPTA会長も歴任
※1月9日から,会館ロビーにて「ようこそ乙女高原へ」展Yを開催する予定です。こちらもぜひ,見に来てください。
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