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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第280号 2012.11.18.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
1.【活動案内】11月23日 第13回草刈りボランティア
NEW! 2.【活動案内】2013年2月2日 第12回乙女高原フォーラム
NEW! 3.【活動報告】11月18日 草刈りの下見&準備会
NEW! 4.【観察記録】乙女高原で出会えるスミレU(依田 昇)
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0.【ニュースニュース】
●1.いよいよ草刈りボランティアまで1週間を切りました。心配なのは当日の天気。今まで一度も雨(雪)による中止はないので,実施できると確信していますで,万が一,当日できなくなった場合,11月25日(日)の実施となります。日程は同じく9時半から。午前のみの実施予定です。よろしくお願いします。
なお,いまのところ,天候が微妙なので,本号に『悪天候の場合の決定マニュアル』を添付しました。必要な方は事前にご一読ください。
●2.11月23日(金・祝)の草刈りボランティアでの注意事項です。くどいようですが,確認させてください。
・塩平経由の林道は通行止めです。くれぐれも杣口・柳平経由でおいでください。
・路上駐車は厳禁です。駐車場係の指示にしたがってください。
・機械刈りは保護組合等の方々のみとします。一般参加の方は手刈りや草運び等の仕事をお願いします。
●3.草刈りの下見と準備を本日18日に行いました。雨宮さん,津野田さん,三枝さん,植原の4人でキッズボランティアの準備やロッジのそうじなどを行いました。 参加してくださった皆さん,ありがとうございました(→3)。
●4.お待たせしました。次回の乙女高原フォーラムの概要が決まりました。まず開催日ですが,予定では1月27日(日)でしたが,都合により2月2日(土)となりました。会場は山梨市民会館,時間は午後1時から3時半というのは今までどおりです。そして,お楽しみのゲストですが,多田多恵子さんです。植物生態学がご専門で,ご著書も多く,観察会や講演会にひっぱりだこ。先日,麻布大学の『生きもの教育シンポジウム』でウエハラがご一緒させていただきましたが,「好奇心が服着て歩いてる!」という感じの,とてもステキな女性でした。フォーラムのテーマは「高原の植物たちのオモシロ私生活」。きっと楽しいお話が聞けます。ご期待ください(→2)。
●5.スミレ案内人の依田さんが,今年春のスミレ観察会のまとめともいえる,乙女高原で新しく見つかったスミレについてレポートしてくださいました。4種のスミレが新しく見つかったのですが,それ以外のスミレのことも読者の皆さんは知りたいだろうと,依田さんの以前の資料も追加して紹介します。乙女高原の(今のところ発見されている)全スミレがわかります(→4)。
●6.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は12月12日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。
●7.乙女高原とは直接関係ありませんが,笛吹市春日居町の山梨岡神社の境内をお借りして行っている自然観察会の『別冊』自然観察会を行います。神社の裏山を登って自然観察します。けものの痕跡がたくさん見つかると思います。小学校4年生以上。定員20人です。11月24日(土・・・草刈りボランティアの翌日!)午前9時半から12時です。よろしかったらおいでください。
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1.【活動案内】(再掲)
●第13回草刈りボランティア● 11月23日金・祝)
今年で13回目となる乙女高原の草刈り作業。刈り取った草を焼山の琴川ダム残土処分場に持ち込んで,そこを「第2乙女高原」に誘導するという「藁撒き」プロジェクトは継続。
また,キッズボランティアとして「ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけましょう」も継続です(子どもたちの参加は任意です。これに参加してもよし,大人と一緒に草刈りをしてもよし・・・です)。安心してお子さん連れでご参加ください。
晩秋の高原でいい汗,かきましょう。
■今年の最重要注意事項
・一般参加の皆さんは手刈りのみにしてください。
(刈り払い機使用は,恩賜林組合の皆さんなど,主催者がお願いした方のみとします)
・林道への路上駐車は厳禁です。できるだけ相乗りで来てください。
(刈り草をゴミ収集車に入れる作業をしなければならないので,路上駐車が一番困ります)
・「午前中の作業終了→記念写真→昼食」という流れにする。
(今までは昼食後に記念写真を撮っていましたが,今年は午前の作業終了後です。
作業を時間で区切りますので,ご承知おきください)
■日 時 11月23日(金・祝) 少雨決行 ※荒天の場合25日(日)
午前9時半から午後2時
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,飲み物,軍手,雨具,おわん・はし(豚汁用),
お持ちの方は,かま,なたなどの道具。
■参加費 無料(主催者負担で保険に加入)
■内 容 草刈りと,刈った草の運び出し。ロープ回収,草原内のゴミ拾い
キッズボランティア,豚汁作りなど
※11月18日(日)午前10時ロッジ集合で,草刈りの下見と準備を行います。
ご都合をつけて,ご参加ください
※草刈りちらし(PDF)
http://fruits.jp/~otomefc/kusakari2012.pdf (表面)
http://fruits.jp/~otomefc/kusakari2012ura.pdf (裏面=詳細情報)
※去年の草刈りの様子(TBSテレビ『風の言葉』ユーチューブ2分の動画)
http://www.youtube.com/watch?v=uJ2YOJSOMbI
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2.【活動案内】
●第12回乙女高原フォーラム●
乙女高原ではたくさんの植物たちがくらしています。静かに,ひっそりと花を咲かせているように見えますが,とんでもない。さまざまなアイテムを身につけ,知恵と工夫どころか,いろいろな策略まではりめぐらし,ときには昆虫まで利用しながら,たくましく生きています。そんな植物たちのあっとおどろく私生活を少しでものぞき見することができたら…。きっと高原の景色も今までとは少し違って見えてきますよ。
たくさんの写真を見せてもらいながら,多田さんのお話を聞きましょう。
日 時 2013年2月2日(土)午後1時〜3時30分
場 所 山梨市民会館 3階「千鳥の間」
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
テーマ 高原の植物たちのオモシロ私生活
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
ゲスト 多田 多恵子(ただ たえこ)さん
(立教大、東京農工大、国際基督教大の非常勤講師)
【多田多恵子さんのプロフィール】
東京生まれ。東京大学卒、理学博士。専門は植物生態学。いつもワクワクしながら植物の繁殖戦略および虫や動物とのさまざまな関わりを追いかけている。立教大、東京農工大、国際基督教大で非常勤講師として教える一方で、広く子供や大人に自然の面白さや科学する楽しさを伝えたいと観察会や講演などでも活躍中。著書に「種子たちの知恵」(NHK出版)、「身近な木の実・植物の種・図鑑&採集ガイド」(実業之日本社)、「身近な草木の実とタネハンドブック」(文一総合出版)、「葉っぱ博物館」、「街路樹の散歩みち」(以上、山と溪谷社)、「野に咲く花の生態図鑑」(河出書房新社)、「したたかな植物たち」(SCC)、絵本に「びっくり まつぼっくり」(福音館)など多数。
※1月14日から,会館ロビーにて「ようこそ乙女高原へ」展[を開催する予定です。
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3.【活動報告】
●草刈りの下見&準備会● 11月18日
前日は冷たい雨,そして,今日は朝から北風がピューピュー。乙女高原に着いたら,駐車場に巨大な天体望遠鏡と2台の車が。車の窓は銀色に光る断熱材で中が見えないようになっていました。きっとこれで暖をとっていたんだと思います。
それもそのはず。ロッジの庭の水たまりには氷,そして,大きな霜柱がありました。庭に点々とシカの足跡が付いていたのですが,足跡が固くなっていました。
町内の竹居商店で買ったペットボトルのお茶やジュースをロッジに運び入れていたら,雨宮さんと津野田さんが到着。さっそく,草原内を歩いて,看板や植物解説版をはずす作業をしていただきました。まったく人使いが荒いです。その間に,植原は物置の道具類をチェックしたり,整理したりしました。
三枝さんも到着したので,三枝さんにはロッジ内の掃除をお願いし,男3人でキッズの準備をするためにブナじいさんのもとへ向かいました。林道に積もった落ち葉をブナじいさんの根元まで運び入れるのがキッズボランティアです。林道はブナじいさんから斜面を下ったところにあるので,コンクリートの法面にははしごをかけ,斜面にはロープを張って,子どもたちが安全に昇り降りできるようにしました。ブナじいさんのまわりに柵を作り,その中に落ち葉が入れられるようにしました。
一仕事済んだので,ロッジでお茶にしました。北風が冷たかったので,温かい飲み物が心地よかったです。ロッジのストーブも無事,点火できました。
その後,バイオトイレはきれいだったので,古いトイレの掃除をし,草原の草刈り区画を割り振るためのテープを張り,今日の作業を終了しました。
雨宮さんも津野田さんもぼくも昼食を持参していたので,ベンチでいっしょに食べていたら,麻布大学の加古さんが来たので,いっしょにお茶をし,また,作業を始めてしまいました。
加古さんたちが研究のために,遊歩道のロープに5mおきにつけた印(赤いビニールテープに「190m」とか書いてある)をはずし,これも研究のために草原内に3基設置した「方形柵(1m四方の小さなシカ柵)」も撤去しました。
これで本当に作業終了・・・と思ったら,雨宮さん,バイオトイレの屋根に登って,屋根に積もった落ち葉まできれいに掃除してくださいました。
本当によく働いた1日でした。
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4.【観察記録】
●乙女高原で出会えるスミレU●
依田 昇(2012年05月20日)
2012年に、乙女高原周辺で新たに確認されたスミレは4品種、すでに見た方もあるかと思いますが今年より追加しました。
オカスミレ《19》5月11日杣口から柳平の間で植原さん発見
シロバナエゾスミレ《20》5月13日焼山峠、乙女湖間で小林さん発見
オトメスミレ《21》5月13日シロバナエゾスミレの傍で依田が発見
シロバナエゾノタチツボスミレ《22》5月27日植原さんヨモギ頭で発見
これで乙女高原のスミレは22品種になりました。
今年は、2年程見つからなかったシロバナサクラスミレに再見できました。2〜3ヶ所にありましたので来年は期待できると思います。
シロバナタチツボスミレは今年も見つからなかったが、オトメスミレが見つかりましたから、スミレのつながりから考え又見つかると確信しています。
今年から、探す範囲を広げてみました塩平から焼山峠、杣口〜柳平〜焼山峠の各林道沿いです。新しいスミレは見つからなかったが、量は豊富です。アオイスミレ、イブキスミレ、ナガバノスミレサイシン、等は見つかりそうです、ロッジ横の林内で11年に見たアルガスミレ?も同定したいものです。
●乙女高原で出会えるスミレ●
依田 昇(2011年08月06日)
エイザンスミレ《1》日陰を好み、淡紅紫色の花を開く、距は6~7oで太い、葉は深く3裂する、それがさらに裂け一見5小葉に見えるものもあるがヒゴスミレのように基部から5裂することはない。シロバナエゾスミレ《20》はエイザンスミレの白花品、焼山峠、乙女湖間で案内人小林さん見つける2012年5月13日。エゾスミレはエイザンスミレの別名。
ヒゴスミレ《2》日当たりの良い草原等に生育、香りのある純白の花を開く、葉は基部から5裂する、裂片は細かく裂けて線形をなし、広げると五角形に見える。
アケボノスミレ《3》スミレサイシンの仲間の中で、もっとも華やかなスミレで、鮮やかな紅紫色の花の色から、曙の空を連想してこの名がついた。このスミレは花が先に開いてから、後に葉が開く。
アカネスミレ《4》日当たりの良い雑木林や草地に生育。花は鮮やかな紅紫色が多い。全体に毛が多く、距にも毛があるのが特徴。距は細くて長い。純白のものをコボトケスミレという。全草無毛のものをオカスミレ《19》と呼び、母種と混生している、2012年5月11日に杣口から柳平の間で植原さん発見。
サクラスミレ《5》花が大きく美しいので「スミレの女王」の異名がある。花弁の先端が桜の花びらのようにへこんでいることからこの名前が付けられたようだが、総てがへこんではいない。葉柄が長く、直立するので、花より葉がつき出して見える。側弁の基部には毛が密生する。葉の主脈に沿って濃紅紫色の斑が入るものをチシオスミレ《18》といい2011年案内人山本さんが見つけた最新のスミレです。花が白色のものをシロバナサクラスミレ《6》といい、こちらは数は少ないが案内人依田の友人川畑氏が見つける。サクラスミレは林床が暗くなると衰退していく、乙女高原のように群生している所は少ない、絶対に保護していきたい。
タチツボスミレ《7》いま全国、どこに行っても見ることができるスミレといえば、このスミレだろう。早春まだ他のスミレ類が咲かない頃から咲き始める。地上に茎が立ち、その托葉から葉柄や花茎が着くのでタチツボスミレという。このスミレの中に、時に純白色の花が出ることがある、これがシロバナタチツボスミレ《8》であり、乙女高原でも確認されている。葉脈に沿って紅紫色の斑が入っている品種アカフタチツボスミレ《9》は乙女高原でも見られる。2012年5月13日案内人依田距に紫色を残す白花品オトメスミレ《21》を焼山峠、乙女湖間で見つける。(有茎種)
ツボスミレ(二ョイスミレ) 《10》山野の湿地に生える。小さな白色の花を開く、唇弁に紫色の筋がある。花柄が長い。ツボスミレの変種にアギスミレがある。葉がブーメラン形になるのが特徴。 (有茎種)
エゾノタチツボスミレ《11》日本のスミレには珍しく草丈が15〜40cmになる大型のスミレ。ただ花は草丈に比べ小さい。上弁と側弁がねじれているものが多く、側弁の基部付近にたくさんの髭に似た毛をたくわえる、蕚片が細長い。距は短い。花期は遅いほうで、有茎種の形が確認できる。
2012年5月27日には植原さんによりシロバナエゾノタチツボスミレ《22》も発見された。(有茎種)
スミレ《12》たんにスミレといえば、スミレ属の総称名になるので、種小名をとって(マンジュリカ)の名で呼ぶ人もいる。乙女高原では、富士の見える山頂近くの日当たりの良い斜面とクリスタルラインの道端に見られる。濃紫色の花を開く。側弁の基部に毛あり、葉は三角丈の披針形で、葉柄には翼がある。
マルバスミレ《13》道端や山地の土手や林内に生える。特にやわらかくて崩れやすい斜面に多い。まるみのある葉と純白の花が印象的なスミレ。葉身の表面や茎に毛があるものをケマルバスミレと呼びマルバスミレはこの無毛品にあてられたものだが、無毛品はきわめてまれな為、両方ふくめてマルバスミレと呼ぶようになった。柳平へ上がる杣口林道沿いのサワラ林で植原さん見つける。2012年5月13日には乙女高原ファンクラブ会員により塩平からの林道沿いに多数の群生地を見つけることが出来た。
ヒナスミレ《14》「スミレのプリンセス」とも呼ばれる。透明感のある淡紅紫色花は楚々として魅力的だ。さらにこのスミレは日陰が好きなくせに、ある程度光が入らないと花をつけないで閉鎖花でおわってしまう。葉は長卵形~披針形で基部は深い心形である。2011年、《16》番目として、まれに見られるシロバナヒナスミレを案内人山本さん見つける、葉の表面に白い斑がはいるものをフイリヒナスミレという。
ミヤマスミレ《15》名前のとおり、本州中部では標高1000m以上に見られる深山のスミレ。湿り気のある落葉樹林下に多い。根を伸ばして増える為、群落で見られることが多い。葉は2~4cmの心形、先はつまんだようにとがる。焼山峠近くの林床に群落を作る。
シコクスミレ《17》太平洋側の主にブナ林の林内に細い根茎をのばしその先に新芽をつけるため群生が見られる。草丈は5cmほど、花は白で唇弁に紫色の筋がある、距は短い。2011年、植原さん発見番目として登場する。
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