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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第294号 
2013.9.28.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【誌上討論】 巨大シカ柵について
NEW! 2.【見学報告】9月21日() 櫛形山の広大な防鹿柵
NEW! 3.【活動案内】11月23日(土・祝) 草刈りボランティア
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0.【ニュースニュース】
●1.916日に山梨上空を通過した台風18号の影響で,乙女高原の遊歩道を倒れた木がふさぐ箇所がいっぱい。この台風は夏を連れ去ってしまったようで,高原では,例年10月に咲き始めるリンドウやヤマラッキョウがもう咲き始めています。涼しいを通り越して寒いくらいの(本日昼の気温は13℃!)乙女高原にぜひおいでください。

●2.(再掲)スズメバチがロッジの建物に巣を作っています。2つのうち1つはロッジの表。ロッジ玄関のすぐ上の屋根の部分です。くれぐれもスズメバチを刺激しないようご注意ください。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/e/16d04ed22ad14657c2ff6d176d69847c

●3.(再掲)今年の草刈りボランティアのちらしを配布してくださるという方はぜひご連絡ください。もちろん無料で(乙女高原の活動を広めていただくのですから)お送りします。

●4.草刈りボランティアのスタッフ募集です!

 今年の草刈りボランティアを成功させるために,参加してくれたボランティアの皆さんのお世話役である『スタッフ』にぜひ立候補してください。こんな仕事内容があります。よろしくお願いします。なお,草刈りについて詳しくは→3。
 ・本部(宮原さん)
 ・事務局(植原)
 ・受付・・・立候補よろしくお願いします。
 ・駐車場の整理・・・立候補よろしくお願いします。
 ・豚汁づくり(班長は竹居さん)・・・立候補よろしくお願いします。
 ・救護係(三枝さん,町田さん)
 ・あとはいろいろな作業のお世話役になります・・・立候補よろしくお願いします。
   (ロープ巻き取り,手刈り,草の運び出し,用具の貸し出し)
 ・写真記録・・・立候補よろしくお願いします。
 ・お茶会の準備・・・立候補よろしくお願いします。

●5.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は10月9日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。

●6.乙女高原の兄弟のような韮崎にある高原・甘利山でも秋の草刈りボランティア募集中です。1019日(土),20日(日),27日(日),いずれも午前9時〜午後3時の間の,都合の付く時間帯に行けばいいそうです。詳しくは0551226682甘利山倶楽部事務局・小林さんまで

●7.櫛形山の新登山道と巨大シカ柵を見てきました。記事はこのメルマに書きました(→2)が,その様子は写真付きでブログで報告しました。見てください。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/ba7db787daa0a2e574b47a12453d19c2

●8.必見です! 櫛形山の帰りに(→2),櫛形山森林科学館に寄りました。館の石原さんと話をしたのも楽しかったですが,展示もものすごかったです。ありとあらゆるアリです。巨大なアリの絵画やアリのQアンドA,地面の下のジオラマなど,すごい展示がいっぱいでした。
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1.【誌上討論】 ●巨大シカ柵●

 メルマ293号で「乙女高原に巨大シカ柵を設置する!?」という問題提起をしました。これについて,以下のようなご意見が寄せられました。

2012.3月の座談会で山梨県のシカ対策について話をしてくださった…小俣さんから
 結論からすると、大事な部分は全部柵で囲うべきだと思います。柵で囲うのはあくまでも緊急避難と考えるべきではないでしょうか。防護と捕獲を絡めて対策を進め、最終的にはシカの生息数を減少させ、防護柵のない乙女高原を目指すべきだと思います。
 そのためにも、乙女高原ファンクラブだけでは無理なので、乙女高原を守るためのプロジェクトをきちんと立ち上げるべきではないでしょうか。山梨市役所や峡東林務環境事務所にももっと関わっていただければと思います。

●小俣さんからの2通目
 シカ柵の件ですが、何より、今の環境を後世に残すためには、守ることは応急処置(対症療法)として絶対必要です。しない部分は、シカの生息数が多すぎる限り被害は拡大する可能性が大です。私、個人としては、保護対策、捕獲の対策、情報の発信、モニタリング調査などあわさったチームが必要だと思います。
 乙女高原は、植原さんをはじめ多くの方々の力により、保護、モニタリング、情報の発信は行われています。保護対策の一つとして、シカ柵の強化(?)、捕獲対策(ただ単に猟友会にお願いするのではない)を進めることなども必要かと思います。柵だけでは根本的な解決にはなりません。総合的な対策が必要です。
 櫛形山は柵によって柵内は少しずつ回復していますが、シカの捕獲は出来ていません。そこが今後の課題ですね。

●小俣さんからの3通目
 4つ以外にも生息環境の整備とかもあると思います。一つかけても対策はうまくいかないと思います。乙女高原を含んだ地域の対策になってきますので、団体、行政、研究者が総掛かりで知恵を出し合いながら進めるということだと思います。微力ですが、ご協力できればと思いますのでよろしくお願いします。

2013.2月のフォーラム,2013.7月の「多田さんと歩こう」の・・・多田さんから
 シカ柵の件、私はなるべく早く設置することを期待します。埋土種子がある間は消えた植物もよみがえりますが、撹乱と食害が繰り返されると埋土種子相が貧弱になり、時間を経てから(どのくらいかはわかりませんが)シカ柵で防御しても、発芽特性によっては回復が難しい種類が出てくると考えられるからです。小さい面積の「聖域」を作る(できれば複数)だけでも意味は十分あると思います。植物の種構成が異なる湿地の場所などにも作っておきたいところです。
 より広範囲のシカ柵も、私はつくることに賛成です。どこが自然なのか、どこまで人の手を加えることが自然なのか、そのへんは考え方の幅があると思いますが、このままでは草原植生(も林床植生も)が破壊されつくしてしまうことは(おそらく)明らかです。シカ害の有無を比較研究しつつ、本来の自然を蘇らせて、日本の美しい花野のすがたを人々に見てもらいたいです。
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2.【見学報告】9月21日() ●櫛形山の広大な防鹿柵●

 昨年設置されたという櫛形山の大きなシカ柵,ようやくこの日見に行くことができました。やっぱ自分の目で見ないと実感が湧きませんね。
 ウチから南アルプス市の街中まで車で1時間,そこから林道をさらに1時間。登山道入り口に到着しました。あれ,入り口のすぐ近くにさっそくシカ柵。しかも,あれ,カラマツ林の中,なぜ? 以前来たときにはここにサラシナショウマが咲いていたので,それを守ろうとしたのかな?と思いました。
 なお,この登山の様子は写真付きブログでも報告しています。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/e/ba7db787daa0a2e574b47a12453d19c2

 櫛形山でもう一つ気になっていたのは,新しく作られた登山道。自然保護の観点から問題にもなったところだったので,そこも実際に歩いてみようと思いました。入り口に,登山道に入った人をカウントするセンサーが設置されていました。2つのセンサーが横に並んでいたので,入る人と出る人を別々にカウントしていると思いました。上にソーラーパネルが設置されていました。
 歩いてみると,異様に平らで(でこぼこがない),無用に平ら(傾斜がない)(失礼)でした。あまりにも平ら(傾斜なし)なので,その分,距離が長くなっています。距離が長くなっているということは,その分,登山道を作るために斜面を削って法面(のりめん)面積がより広くなるということです。「ここは階段か何かを作れば,こんなに斜面を削らずに済むのに」と思いました。あまりにも平ら(でこぼこがない)な理由がわかりました。帰ってネットで調べてみると,車椅子の利用を想定しているのだそうです。舗装してあるみたいでしたが,台風が通り抜けたあとだったので,表面には砂や泥の乾いたのがたまっていました。メンテナンスがたいへんだと思いました。それに,こんな山奥の登山道にまでバリアフリーなんて・・・。なんでもかんでもバリアフリーではなく,TPOを考えるべきです。ここでは自然保護をもっと優先度高く考えるべきです。「もの」でのバリアフリーではなく,たとえば,大勢で車椅子を運ぶといったマンパワーでのバリアフリーなど,別のバリアフリーを考えるべきです,ここでは。

 平らな登山道は展望台まででした。ここから北岳は見えましたが,白根三山のあとの2山は見えませんでした。双眼鏡でみると,鞍部にある北岳山荘の赤い屋根が見えました。
 そこを過ぎると,急坂。しかも,下りです。階段か木のステップが欲しいところです。滑って,とても危ないです。手すりの代わりにロープを張って,ところどころ結び目を作っていました。応急策としては適切です。でも,手袋がないので,手の皮がすれてしまいました。沢の真ん中を道が下っているところもありました。登ったり、下りたりが激しかったです。サルナシの実が落ちていました。食べたら元気になりました。

 9時10分にスタートし,シカ柵のあるアヤメ平に着いたのは11時10分でした。シカ柵の中には草が生えていますが,外は刈り払い機で刈ったみたいになっていました。マルバダケブキの葉の柄だけがポツポツポツと生えているって感じです。
 柵を観察しました。高さ2mのプラスチック製のポールが2m間隔で立っています。ネットは黒いプラスチック(ビニール?)。ところどころ光っています。光っている銀色の部分は金属製みたいでした。網の目は10p。網の下側は外側に広がっていて,ところどころ,ペグで止めてありました。
 扉は開くと自動的に閉まるようにっていました。外には開くけど,内側には開きません。中に入りたいシカのことを考えると当たり前なのですが,その当たり前のことが大切だと思いました。開け閉めのレバーには重りが付いていて,鍵が掛けやすいようになっていました。

 中に入って,「アレ?」と思いました。シカ柵の中には草は生えていましたが,ほとんどがイネ科。いわゆるきれいなお花が咲く植物はほとんど見られません。ところが・・・少し歩いたら,シカ柵が出てきました。今,シカ柵の中を歩いているわけですが,シカ柵の中にシカ柵がある・・・シカ柵の二重構造というわけです。で,その(内側の)シカ柵の中には,あふれるばかりのきれいな花が咲く花,花,花。もう花の最盛期は過ぎていましたから,もう少し前に訪れることができれば,すごかったと思います。ということは,あと2シーズンも過ぎれば,大きなシカ柵の中も,植物たちが回復するのでしょうか??

 避難小屋の前でお昼のおにぎりを食べ,裸山へ。小屋のすぐ裏がシカ柵の出入り口になっていました。サルオガセがわんさか付いている木をたくさん見ました。ほんと,トロロコンブみたいです。
 ところどころ,芝生の中にところどころ木が生えているポケットパークみたいなところがありました。黒く見えるところがあるのは,シダの地下茎に違いありません。生えていた草がシカに食べられてしまい,芝生みたいになり,シダまで食われているなんて,すごい状況です。
 乙女高原ではシカが食べてないマルバダケブキですが,ここ櫛形では,マルバダケブキの葉がどんどん食われてしまい,まるでマルバダケブキの墓標が林立している墓地のように見えます。

 裸山に着きました。ここには5年前からシカ柵が設置されています。びっくりしました。シカ柵外は草がなく,土壌流失も止まっていませんでした。そして,柵の中は・・・たくさんの花が咲いていて・・・。トリカブトがいっぱい咲いていて,そこに30を越えるマルハナバチが来て,盛んに蜜を吸っていました。いやー,マルハナバチたち,天国でしょうね。

 ところどころ,とて太いテンカラ(天然カラマツ)の木があります。
 また,ナナカマドの赤くてかわいい実が落ちているのを,いろんなところで見ました。
 センチコガネが飛んでいるのを3回も見ました。最初はハチが飛んでいるのかと思いましたが,それにしては体が重そうなので,追跡したら,センチコガネでした。糞が多いのかな?

 櫛形山山頂を経由し,車を置いた場所に帰ってきました。14時20分でした。
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3.【活動案内】(再掲)●第14回草刈りボランティア●11月23日(土・祝)

 今年で14回目となる乙女高原の草刈り作業。刈り取った草を焼山の琴川ダム残土処分場に持ち込んで,そこを「第2乙女高原」に誘導するという「藁撒き」プロジェクトは継続。
 また,キッズボランティアとして「ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけましょう」も継続です(子どもたちの参加は任意です。これに参加してもよし,大人と一緒に草刈りをしてもよし・・・です)。安心してお子さん連れでご参加ください。 晩秋の高原でいい汗,かきましょう。

■今年の最重要注意事項
・一般参加の皆さんは手刈りのみにしてください。
 (刈り払い機使用は,恩賜林組合の皆さんなど,主催者がお願いした方のみとします)

・林道への路上駐車は厳禁です。できるだけ相乗りで来てください。
 (刈り草をゴミ収集車に入れる作業をしなければならないので,路上駐車が一番困ります)

・「午前中の作業終了→記念写真→昼食」という流れにする。
 (今までは昼食後に記念写真を撮っていましたが,今年は午前の作業終了後です。
  作業を時間で区切りますので,ご承知おきください)

■日 時 11月23日(土・祝)少雨決行 ※荒天の場合24日()午前9時半から午後2
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,飲み物,軍手,雨具,おわん・はし(豚汁用),お持ちの方はかま,なたなど。
■参加費 無料(主催者負担で保険に加入)
■内 容 草刈りと,刈った草の運び出し。ロープ回収,草原内のゴミ拾い
      キッズボランティア,豚汁作りなど

※11月17日(日)午前10時ロッジ集合で,草刈りの下見と準備を行います。
 ご都合をつけて,ご参加ください。

※去年の草刈りの様子(TBSテレビ『風の言葉』ユーチューブ2分の動画)
http://www.youtube.com/watch?v=uJ2YOJSOMbI
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