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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第295号 
2013.11.3.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【誌上討論】ロッジの委託管理について
NEW! 2.【見学報告】10月14日 北広島の草原と湿原
NEW! 3.【観察報告】11月3日の乙女高原
    4.【活動案内】11月23日(土・祝) 草刈りボランティア
NEW! 5.【活動案内】2014年1月26日() 乙女高原フォーラム
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0.【ニュースニュース】
●1.(再掲)乙女高原案内人の菊地さんからの情報です。
塩山出身のシンガー沢登秀信さんが乙女高原の歌を作ってくれました。11月16日(土),塩山の「およっちょいぷらざ七里」で第10回ふるさとライブを行い、そこで披露してくれます。ライブは17:30からで,予約だと2000円,当日2500円だそうです。
※予約したい方は,このメールに返信してください。

●2.11月17日(日)に草刈りボランティア(11月23日)の準備をします。キッズ・ボランティア用にロープを張ったり,ロッジなどのそうじをしたり…。午前10時,乙女高原グリーンロッジ集合です。多くの方に参加していただけると,その分,早く終わらせることができます。午前中で終わる予定ですが,できれば,お弁当を一緒に食べませんか?

●3.(再掲)草刈りボランティアのちらしを配布してくださるという方はぜひご連絡ください。もちろん無料で(乙女高原の活動を広めていただくのですから)お送りします。

●4.(再掲)草刈りボランティアのスタッフ募集です!
 今年の草刈りボランティアを成功させるために,参加してくれたボランティアの皆さんのお世話役である『スタッフ』にぜひ立候補してください。まだまだ足りません!! こんな仕事内容があります。よろしくお願いします。なお,草刈りについて詳しくは→4。
 ・本部(宮原さん)
 ・事務局(植原)
 ・受付・・・立候補よろしくお願いします。
 ・駐車場の整理・・・立候補よろしくお願いします。
 ・豚汁づくり(班長は竹居さん)・・・立候補よろしくお願いします。
 ・救護係(三枝さん,町田さん)
 ・あとはいろいろな作業のお世話役になります・・・立候補よろしくお願いします。
   (ロープ巻き取り,手刈り,草の運び出し,用具の貸し出し)
   小林さん・キッズ,加藤信さん,加藤洋さん
 ・写真記録・・・(記念写真は古屋さん)立候補よろしくお願いします。
 ・お茶会の準備・・・立候補よろしくお願いします。

●5.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は11月13日(水)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。おいでください。

●6.千葉県印西市のニュータウン開発予定地には、地元でそうふけっぱら(草深原)と呼ばれる大草原が残されています。「開発予定」があるのに,(今のところ)開発されず,草刈りだけが行われてきたので,800種類以上の生きものや千葉県ではあまり見られなくなったキツネが暮らしており、いつしか「奇跡の原っぱ」と呼ばれるようになりました。ところが事業主は急に更地化を進めていて,この草原はいま存続の瀬戸際に立たされています。キツネの原っぱとニュータウンが共生できる姿を皆で考えるシンポジウムが行われます。
1124日(日)13:0017:00 東京大学弥生講堂一条ホール 事前申し込み不要
定員300名 参加費1000円※全額をそうふけっぱらの自然保護運動に充てるそうです。
主催:日本自然保護協会 共催:亀成川を愛する会 詳細はチラシを。
http://goo.gl/JQTBA1
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1.【誌上討論】 ●ロッジの委託管理について●

 メルマ293号で「乙女高原グリーンロッジの委託管理をファンクラブで引き受けるか?」という問題提起をしました。これについて,乙女高原星空観望会の小林さんから以下のようなご意見が寄せられました。
 なお,10月の世話人会でもこの件について話し合いが行われ,進捗状況が報告されました。今のところ,「ファンクラブとしては,委託管理を引き受ける条件として,(小規模で構わないので)上水の確保をお願いしたい」という要望を生涯学習課に投げてあり,回答をお待ちしているところです。
    ※          ※          ※
 メールマガジンにて「ロッジの委託管理」の件を知りました。私は建物の管理に関して知りうる立場にあり、差し出がましいとは存じますが、少しでも皆さまの役に立てばと思いお知らせします。

◎ 建物を管理するとは?
 建物を管理するとは平たく言って、現状を維持することです。現状を維持するには清掃にはじまり、もろもろ、やらねばならないことがあり、また、それには当然、労力とお金がかかります。
 この労力と費用がいったいどれほどかかるのか−−を考えるには、まず“建物の借り方”を決めなければなりません。なぜなら、現状を維持するために“やらねばならないこと”は、建物の借り方によって大きく変わってくるからです。
 簡単に言えば、@一般の借家を借りるような借り方から、A建物の全責任を負うような借り方まで、様々なケースが考えられます。管理費用は@よりはAの方がかかりますが、建物の使い方の自由度は@よりはAの方が一般的に高くなります。実際には@とAの間のどの辺りかに落ち着くのかも知れませんが、“委託管理”というひと言のみでは“やらねばならないこと”が限定できず、よって現状では労力と費用の見当はできません。

◎提 案
 “建物の借り方”を決めるにはロッジの所有者である山梨市の意向も重要ですが、借主が建物をどうやって使うのか、を明確に決めなければなりません。そこで、以下に、ロッジ活用案を提案したいと思います。ロッジの現状や今までの経緯を詳しく知らないので、見当はずれがあるかもしれませんがお許し下さい。
 去年、私がロッジの中に入った印象では、とりたてて壊れれているところも無いようですし、この建物をみて、壊してしまうにはもったいないと、誰もが感じるはずです。しかし、“水がない”というのは(建物の)使い方を限定してしまうので、やはり厳しいと言わざるを得ません。
 ただ、ここで“水がない”とか“用途が限られる”などといって閉館したままでは何もはじまりません。閉じたままであっても、建物は毎年劣化し、また毎年借地料も払わなければなりません。表現は不適切かも知れませんが「座して死を待つのみ」ではないでしょうか。
 そこでですが、水がなくても、用途が限られようとも、当面の使用目的がなくとも、とにかく開館してはどうでしょうか。毎日では無理でも、週末のみ、または隔週だってよいでしょう。幸いトイレは屋外(駐車場)にあるものが使えるようですし、飲料水は施設利用者がそれぞれ持参すればよいでしょう。その他必要な水も管理者がポリタンクなどで用意できる範囲でなんとかなるかもしれません。
 さらに、特設ホームページ上でロッジの現状を公表し、あのスペースを何かに使ってみたい人を募集してみてはどうでしょうか。あの場所で何かのパフォーマンスを演じたい人だっているかも知れませんし、絵画や陶芸などの個展をやってみたいと思う人もいるかも知れません。仲間と懇親会をやってみたり、または自然のなかでひとり読書に耽る場所としてもよいでしょう。
 もちろん、乙女高原の自然を守る一連の活動のベースとして使用するのが最優先なのでしょうけれど、もう少し間口を広げてはどうでしょうか。誰が建物の管理主体になろうとも、まずはロッジを活用することが、最も大切なことだと思うのです。人が集まる憩いの場になれば、(水道の復旧を含む)前向きな動きもでてくるかもしれませんし、少なくとも、そんな施設を壊してしまうなどと誰も考えないでしょう。そうなれば管理をするにしても、具体的なものが見えてくるはずです。
 また、乙女高原とは人の手により管理されてきた自然であるとお聞きしました。そうであるならば、人が集うことが乙女高原の自然保護に(間接的ではあっても)寄与するでしょう。とにかく、人が集わなければ何もはじまらないのではないでしょうか。
 こんな話は荒唐無稽に聞こえるかも知れません。私も何人かにこの話をしてみましたが、はかばかしい反応は得られませんでした。前述のようにロッジを開館するにしても、労力と費用は発生します。それらは決して小さくはないでしょうし、まったくの徒労に終わるかもしれません。ただ、去年はじめて参加させていただいた草刈りで、あの(驚くようなたくさんの)皆さんの無償の熱意に触れたことを思い起せば、まったく不可能な話ではないと、私には思えてならないのです。
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2.【見学報告】10月14日 ●北広島の草原と湿原● 植原 彰

 ハードシケジュールで広島に行ってきました。金曜日の夕方に山梨を出て,夜10時過ぎに新幹線の広島駅に到着。「シンデレラになるちょっと前」に,自然観察指導員講習会の会場(庄原市内)に到着。前日から泊まり込みで準備をしているスタッフの皆さんと合流しました。「自然観察からはじまる自然保護」を実践してくださる仲間を増やすための1泊2日の講習会です。日曜日の夕方に講習会が無事終了し,「さて,あと1日,休みがあるぞ!!」なので,以前からどうしても見たい!行きたい!と思っていた北広島に行ってきました。案内をお願いしたのは,「高原の自然館」という地域のミニミニ博物館(=ビジターセンター)の学芸員・白川さんです。全国草原再生ネットワーク総会や全国草原サミットでお会いし,個人的にとても注目していました。同行し,車を出してくださったのは,講習会スタッフ=広島自然観察会の吉岡さんと和田さん。日本自然保護協会の福田さんも一緒でした。

 さて,日曜日の晩,吉岡さん・和田さんの車で,その日の宿に到着し,白川さんと合流。民宿の名はタニモト。なんと北広島の芸北地区は「どぶろく特区」。民宿で仕込んだ自家製どぶろくをいただきました。とくに「生」どぶろくは,宿泊客にしか出さないのだそうです。おいしくて,飲みすぎました。
 翌朝,民宿の近所を散歩しました。休耕田・・・といっても,見た目には「今年から作付けしなくなったのかな」と行った感じの田んぼに黒毛の牛が4頭います。きっと休耕田の草刈り要員として放し飼いされているのだと思いました。田んぼのまわりには細長い針金が張られていました。弱い電気が通っている電柵なのでしょう。

 朝食後,まず案内していただいたのは雲月という山。「うんげつ」とも「うずつき」とも呼ばれるそうです。「ひょっこりひょうたん島全体が草原になっている」といった感じの,なだらかな稜線です。標高911m。稜線の向こうは島根県で,天気が良ければ日本海も見えるそう。となると,標高が低いとはいえ,冬には日本海を渡ってきた季節風が上昇してくるのですから,ここは雪がいっぱい降る所です。
 ここには火を入れている(いた)し,牛も放している(いた)そうです。それで,草原が保たれています。

 今日は広島観察会のメンバーも数人来てくださいました。やっぱり大人数のほうがワイワイと楽しいですね。

 歩き始めて,すぐに「?」と思ったのは,歩道の広さと平坦さ。山の歩道としては,この広さも平坦さも必要ないと思いました。それを察した白川さんがさっそく教えてくださいました。
 「交流事業でここに来た子どもたちの中に車椅子の子がいました。その子はこの歩道を歩くことなく,バスに乗って別の場所に行ってしまいました。それを見た地元の子どもたちが『なんかかわいそうだね』と,歩道のバリアフリー化を提案したんです。歩道を広くし,チップ舗装する際には,子どもたち自身が歩道を調べ,アセスメントに取り組んだんですよ」

 歩道を歩きながら,いろんな植物に会えました。
 ヤマラッキョウ,リンドウ,ウメバチソウ,アキノキリンソウ,マツムシソウ,ワレモコウ,カワラナデシコ,シラヤマギク…など,乙女高原との共通種もいっぱいありました。ただ,どれも背がとても低かったです。
 一方,サイヨウシャジン,カキラン,ショウジョウバカマ,リュウノウギク,ヤマハッカ,ムラサキセンブリなど,乙女では見られないものもありました。びっくりしたのは,斜面のちょっと濡れているところにモウセンゴケがあったこと。「なんでこんなところに?」と,不思議でした。

 途中,ちょっと平らなところに出ました。おもしろいんです。歩いている途中は,種類こそ違うけど,雰囲気は乙女高原にとても似た草原(花野)だったのに,ここだけ,「田んぼのあぜ」みたいな登場人物(草)と生えている様子なんです。ヨモギがいっぱいで,クローバー(シロツメクサ)も見えます。「ここだけ雰囲気が違うでしょ?」と白川さん。「ここは少し平らになっていて,牛たちの休憩場所なんです。休憩場所だけあって,ここでウシたちは糞もします。それで,ここだけこんな植生になっているのです。ここから草原の景色を見ると,同じような場所が点々とあるでしょ?」

 稜線に出ました。こっち側は広島県。あっち側は島根県です。県が違うのですから,土地の管理も違っています。こっち側は火を入れているので,見ていて気持ちのいい草原=花野になっていますが,あっち側は火を入れてないので,一面の笹原です。両方で2m四方のコドラート内の植物を調べたところ,広島側は40種の植物が見つかりましたが,島根側はたった3種だったそうです。
 「島根側に延焼してしまったことがあって,たいへんだったんですよ」とのこと。確かに,「白骨化」している立ち枯れの木が群れていました。

 ピークまで歩いてきたら,「野外お茶会」が始まりました。広島観察会の方が準備してくださいました。いやー,野原に座ってのお抹茶…おいしいですねー! 口の中ばかりでなく,気分までさっぱりしました。

 山から降りながらも,いろいろな植物が観察できました。場所場所によって,咲いている花が違っていました。少しずつ環境が違い,条件が違うんでしょうね。遊歩道には,乙女高原のような『ここから入っては,いけません』という杭とロープがありませんでした。それがとても心にひっかかりました。

 楽しい雲月山ハイキングが終わり,車で移動しました。車中でのお話もとてもオモシロイものでした。それはまた別の機会に…。
 途中,道の真ん中に大きなくろっぽい塊が。クマの糞です。車を降りて,さっそく観察。小枝でホジホジしましたが,臭いにおいはまったくありませんでした。で,中からドングリの殻の破片が出てきました。食べているんですね,ドングリ。

 白川さんの勤め先『高原の自然館』に到着。棟続きの隣がレストランになっていて,白川さんがそこに予約してくださった地域の食材を使ったおいしいおいしいお弁当を,横に建てられた古民家の座敷でいただきました。予約をしたお客さんは,この座敷で食べることができるそうです。トマトをジューサーにかけ,レモン汁を入れて,固めたゼリーがとてもおいしかったです。
 高原の自然館は,資料がとても充実していました。それもそのはず。ちゃんと学術調査を行っていて,その成果をここで展示しているのです。それに,ここにいる動植物をただ単に紹介しているだけでなく,彼らがここにいる存在価値を展示しようという意図が感じられました。展示を見ていて,頭にパッと浮かんだフレーズは「これは普通名詞の展示ではなく,固有名詞の展示だな」。なんか理屈っぽくてすみません。でも,そう思っちゃったんです。
 でっかいホワイトボードが目につきました。教室の黒板くらい大きいです。そこに,観察会の予定が書いてありました。「ハハン,これも大切な展示なんだな」
 こんなに小さな施設なのに(失礼),販売物がいっはいで,充実していたのにも目を見張りました。たくさん買ってしまいました。

 中に,午前中に歩いた雲月山の写真集がありました。「この著者の女の人(淀渕可菜とあります)って,どんな人だと思います?」と白川さん。ぼくが「?…」としていると,写真集の後ろのほうのページを出して,「小学校6年生です」ショックでした。小さな小学校が学校みんなで雲月山の学習をし,その集大成がこの本だったのです。学校での環境教育(学習)として,こういうことがやりたかったんだよなあ。
 なんでも,広島県には青少年育成広島県民会議という公益社団法人が行っている『夢配達人プロジェクト』というのがあるんだそうです。これは「県内の小学生から夢を募集し,その中から選ばれた夢の実現に向けて,子ども達と地域の人たちが夢配達人(夢の実現をサポートする専門家など)と一緒に行う活動を支援する」というもので,これにかなちゃんが「カメラマンに手伝ってもらって,雲月山の植物の写真集を出したい」という『夢』を応募し当選したのだそうです。 (淀渕可菜・編『雲月のたから』(NPO)西中国山地自然史研究会,2010

 午後からは自然館のすぐ近くの霧ヶ谷湿原を案内していただきました。
 この湿原の履歴はおもしろくて,1960年代に「開発」されて牧場になったのだそうです。1986年に牧場は閉鎖され,その後,放置されました。すると,ススキ・ハルガヤ・ヨモギなどの草原とカンボク・カラコギカエデなどの低木林が広く見られるようになってしまいました。なんとかしてこの地に湿原を復元させたいという自然再生事業が20072009年の3年間行われ,湿原がもどりつつある場所だそうです。この再生事業のキーマンである和田さんに「熱く」案内していただきました。

 車を降りて,歩いたところはカンボク・カラコギカエデの林の中。土は…乾いていて,湿地のおもかげはどこにもありません。「この様子を覚えておいてくださいね」と和田さん。
 しばらく歩くと,湿原に出ました。今まで歩いてきたところと雰囲気が全然違います。「ここも再生事業までは,さっきの林みたいだったんですよ」
 ススキやノイバラなど乾いたところに見られる植物もありましたが,イ,ミゾソバ,ママコノシリヌグイ,エゾシロネなど湿ったところが好きな植物もありました。

 どのようにして湿地を再生したか,和田さんが熱く話してくださいました。
 湿地を牧場にする,つまりは土地を乾燥化させるためには排水が必要です。そのため,湿地の中に深い排水路が作られました。この地を湿地に戻すために,まずは深い排水路を埋めて,浅くする必要があります。ですが,浅くするためによその場所から石や土を持ってきたら,よその植物も連れてくる可能性があります。そこで,水路のコンクリートの上半分を壊して,壊したコンクリートの破片を水路に埋めるという工法で浅くしたそうです。これなら外からいろいろ持ってくる必要はなく,水があふれやすくなりますし,重機を入れるのも最小限で済みます。次に,水路の途中に堰を作って流路を分け,枝流が湿原の中を流れるようにしたそうです。さらに,等高線に沿って溝を切り,枝流からあふれた水が湿地全体に行きわたりやすくしたそうです。これらの工法は,実際に予備実験を行い,効果を検証してから大規模導入しているそうです。また,再生事業が終わったあともモニタリングをずっと続けていて,湿地全体の動向を詳しく把握していました。そのきめ細やかさに感心しました。

 たった1日でしたが,とても密度の濃い自然観察ができ,大満足で夕方の新幹線に乗って帰ってきました。家に着いたのは,ぎりぎりその日のうちでした。
 すごく充実した1日になったのも,白川さんや和田さんなど案内してくださる方々がいたからです。あらためて,案内人の大切さを感じた1日でもありました。それにしても,前夜,酔っぱらって早く寝てしまい,みなさんの話が聞けなかったのは残念だったなあ…。
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3.【観察報告】●11月3日の乙女高原●

 今年は2で報告した広島に行ってた週と,その準備に忙しかった前の週を除いて,1週間に1回以上のペースで乙女高原に通い,自然を観察,記録しています。それらをいちいち報告したかったのですが,なかなかできず,残念に思っています。

 さて,林道の途中は紅葉・黄葉のクライマックス。カラマツが黄色くなっていました。ほかにも,真っ赤なヤマブドウの葉,ヤマブドウとはちょっと違う赤のハウチワカエデ,黄色から紅までのグラデーションがきれいなウリハダカエデ,黄色いダンコウバイなど,たくさんの紅葉・黄葉を楽しむことができました。
 お,視界を鳥が横切ったぞ…と思ったらカケス。ぼくは瞬間的にくちばしを見,そこにどんぐりをくわえているのを確認しました。

 今日の乙女高原は曇りでした。ススキはもう綿毛を飛ばしてしまい,草原は一面「枯れ薄」。シラカバやダケカンバは葉を落としています。なんだか冬のようです。マルバダケブキ,ヨツバヒヨドリ,タムラソウ,ノハラアザミ,ノアザミなど,たくさんの枯れ草に実(綿毛)がついています。それらをいちいち見るのも楽しいもんです。そんな中,目立っていたのが,フユノハナワラビ。秋に葉を出し,冬にかけて葉を広げているシダです。シーズンオフに葉を広げるなんて,変わり者のシダですよね。ま,それが彼の生きるための戦略なのですが。

 遊歩道がすごいことになっています。乱暴に,無政府的に掘り返されています。しかも,ほぼ全域で。イノシシのしわざにちがいないでしょう。早春と晩秋にしか姿を現さない,これも変わり者の昆虫,ヒメツチハンミョウの姿も見ました。

 さて,もうすぐ1年で一番大きなイベントである草刈りです。それにそなえ,遊歩道の看板をはずしながら歩きました。看板にもいろいな種類があります。植物を紹介したもの,「入らないで」「虫や花を取らないで」といった注意を促すもの,現在地を示したもの(地図),そして,自然観察クイズ。はずしていると,斜面の上のほうからお父さんと子どもの看板を読む声が聞こえてきました。「この木が枯れているのはなぜかな…」それを聞いて,来年はもっと自然観察クイズの看板が増やせたらいいなと思いました。
 ところで,看板は全部で何枚あったと思いますか? これもクイズにしましょう。@30枚くらい A70枚くらい B140枚くらい 答えは…メルマガの最後に
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4.【活動案内】(再掲)●第14回草刈りボランティア●11月23日(土・祝)

 今年で14回目となる乙女高原の草刈り作業。刈り取った草を焼山の琴川ダム残土処分場に持ち込んで,そこを「第2乙女高原」に誘導するという「藁撒き」プロジェクトは継続。
 また,キッズボランティアとして「ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけましょう」も継続です(子どもたちの参加は任意です。これに参加してもよし,大人と一緒に草刈りをしてもよし・・・です)。安心してお子さん連れでご参加ください。
 晩秋の高原でいい汗,かきましょう。

※参加希望の方はメールに返信をお願いします。


■今年の最重要注意事項
・一般参加の皆さんは手刈りのみにしてください。
 (刈り払い機使用は,恩賜林組合の皆さんなど,主催者がお願いした方のみとします)

・林道への路上駐車は厳禁です。できるだけ相乗りで来てください。
 (刈り草をゴミ収集車に入れる作業をしなければならないので,路上駐車が一番困ります)

・「午前中の作業終了→記念写真→昼食」という流れにする。
 (今までは昼食後に記念写真を撮っていましたが,今年は午前の作業終了後です。作業を時間で区切りますので,ご承知おきください)

■日 時 11月23日(土・祝) 少雨決行 ※荒天の場合24日()午前9時半から午後2
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,飲み物,軍手,雨具,おわん・はし(豚汁用),お持ちの方はかまなどの道具。
■参加費 無料(主催者負担で保険に加入)
■内 容 草刈り,草の運び出し。ロープ回収,ゴミ拾い,キッズボランティア,豚汁作りなど

※11月17日(日)午前10時ロッジ集合で,草刈りの下見と準備を行います。
  ご都合をつけて,ご参加ください。

※去年の草刈りの様子(TBSテレビ『風の言葉』ユーチューブ2分の動画)
http://www.youtube.com/watch?v=uJ2YOJSOMbI
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5.【活動案内】●第13回乙女高原フォーラム●2014年1月26日()

日 時 2014年1月26日(日)午後1時〜3時30分
場 所 山梨市民会館 3階「千鳥の間」
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料

●テーマ テンの目に写る乙女高原の自然

 乙女高原にはたくさんの野生動物が暮らしています。ファンクラブは,テンという動物の糞を7年間に渡って採集してきました。のべ調査日数は143日。採集したテンの糞は,今回のゲスト・足立さんのもとに送り,糞の中身を分析してもらいました。糞の中身からテンの食べ物が分かります。テンがいつ・なにを食べているかを知ることは,テンが暮らす乙女高原の自然を知ることでもあります。『テンの目に写る乙女高原の自然』を足立さんからたっぷりお聞きしましょう!

●ゲスト 足立高行さん

 大分県九重町の秘湯「壁湯」に生まれる。大学は工学部で電気機械工学専攻。広告業界に就職するが,35歳で自然環境調査会社に転職。自然を調べること,自然を守ることを続けてきた。坊ガツルの自然環境の現況評価とオーバーユース対策,県内のベッコウトンボの現況調査及び保全活動などに取り組んできた。
 2004年,応用生態技術研究所を設立。所長。2005年,NPO法人おおいた生物多様性保全センターを設立。理事長。AKAYAプロジェクト哺乳類ワーキング会議委員。同ホンドテン・モニタリング担当。
 17年間にわたる糞探しでサンプリングしたテンの糞50,000個超。自然を理解する鍵探しに奮闘中!
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※クイズの答え(遊歩道に付けられた看板数)136枚



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