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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第298号 2013.12.26.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】12月22日の乙女高原
2.【活動案内】2014年1月26日(日)乙女高原フォーラム
3.【出版案内】『乙女高原大百科』
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0.【ニュースニュース】
●1.【重要】12月の乙女高原ファンクラブ世話人会にて,とても大切な2つのことが決まりました。
一つは,シカ対策です。天上のお花畑のようなかつての景観が年を追うごとに廃れ,ススキなどの風媒花とシダばかりが台頭している乙女の草原ですが,その原因がシカの食害であり,シカ柵を設置すれば,中の草花が守られ,その勢力も息を吹き返すことが麻布大学野生動物学研究室の調査研究によって明らかにされました。よって,乙女高原ファンクラブでは,乙女の草原を取り囲むような広いシカ柵の設置が必要と判断し,設置を行政に働きかけるなど,設置に向けた活動をしていくことになりました。
もう一つは,グリーンロッジの活用です。山梨市営乙女高原グリーンロッジが2010年から休止されてしまいました。ファンクラブでは再開を求めて何度も市と交渉をしてきましたが,物別れに終わっていました。ところが,市としては,再開は無理としても,せっかくそこにある施設ですから少しでも有効活用したいということで,ファンクラブに管理委託を提案してきました。(飲料)水は出ないし,トイレも使えない施設です(外にはバイオ・トイレがあります)が,ファンクラブとして管理委託を受諾する方向で検討しています。細かい点はまだつめきれていませんが,今後,年間を通して鍵を預かり,ロッジを活用していくことになると思います。
以上,世話人会にて、2つの大きな決断をしました。これらのことも含め,乙女高原の自然を守っていく活動には皆さんのご参画・ご協力が必須です。たとえば1月26日に行われる『乙女高原フォーラム』のスタッフに立候補するなど,皆さんのお力をお貸しいただきたいと思います。
●2.【祝!】メルマ前号で紹介した『乙女高原大百科』という本がついに完成しました。メールマガジン11年分の記事の中から主要なもの424本を選び,それを分類し,写真も付けて編集しました。A5判で602ページ。本の厚みが3p近くある分厚い本です。一般財団法人セブンイレブン基本財団から助成金をいただいて作製し,地域の小中高校や図書館などに寄贈しました。欲しい方には実費でお分けできます。
・『乙女高原大百科』1冊2,000円(実費)
・手渡しできない場合は送料が必要。1冊なら350円。複数冊欲しい方は要相談→3
●3.『第13回乙女高原フォーラム』(1/26・日)のちらしですが,皆さんのご協力のおかげで,残り少しとなりました。とはいえ,まだ少し残部があります。配布にご協力くださる方はメールをください。何枚でも必要部数を送らせていただきます→2
●4.『第13回乙女高原フォーラム』(1/26・日)の裏方仕事を行うスタッフに立候補をお願いします。会場でイスを並べたり,機材の調整をしたり,湯茶を用意したり…といった仕事があります。フォーラムは午後1時開会ですが,スタッフ集合は午前11時です。お弁当を用意しますので,事前にお申し込みください。早めに立候補していただけると,1月の世話人会資料に反映できるので,とても助かります→2
●5.『第13回乙女高原フォーラム』(1/26・日)のゲストは遠く九州・大分県からいらっしゃる足立さんです。フォーラム当日は山梨市の岩下温泉にお泊まりいただきます。せっかくの機会ですので,夕飯を一緒に食べる,あるいは,どうせなら宿に泊まってしまう・・・というのはいかがですか? 料金の概略は,夕飯のみ4,000円(飲み物別),1泊2食で1万2千円(同)です(参加される人数によって料金が違ってきます)。せっかくの機会ですので『1700余年の歴史を誇る名湯 甲州最古の温泉郷』(パンフレットから)の温泉も楽しみませんか? 足立さんとの懇親会に参加希望の方は「懇親会のみ」か「宿泊(1泊2食)」かを選び,メルマに返信してください→2
岩下温泉のホームページは http://iwasitaonsen.com/
●6.『第13回乙女高原フォーラム』(1/26・日)を,地元CATV局に取材・撮影していただくことになっています。すでに放映日時が決まっているそうですので,お伝えしておきます。
・1月31日と2月1日 午後9時〜 山梨CATV『ほっと山梨-ワイド版-』10CH→2
●7.『第13回乙女高原フォーラム』(1/26・日)開催に合わせて,山梨市民会館ロビーで『ようこそ乙女高原へ』展\を行います。その展示作業を1月13日(月・祝)に行います。お手伝いいただける方は10時半に山梨市民会館ロビーにおいでください。お手伝いいただいた方にはお昼ごはんを用意します(会館の中にあるレストランにて)。参加いただける方は,事前にメールでお知らせください→2
●8.次回の乙女高原ファンクラブ世話人会は1月21日(火)午後7時半から9時まで牧丘総合会館で行います。ファンクラブ会員であれば世話人でなくても参加できます。ぜひ,おいでください。今回はいつもの水曜日ではなく火曜日です。お間違いのないよう。
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1.【観察報告】12月22日の乙女高原 〜深いところで40pの雪〜
先週は枯れ野原だったのに,今日は杣口あたりから雪でした。姥栃のまわりも雪が深く,運動靴ではトチノキにたどり着けません。ウラジロモミに雪が積もって,まるでクリスマス・ツリーみたいです。それにしても,年が明ける前にこんなに大雪が降るなんて,珍しいです。路面も真っ白。
ですから,途中で車を置き,スノーシューを履いて,歩いて乙女高原を目指しました。
おもしろいものが見られましたよ。道路の脇の木製のガードレールには,狭い欄干の上に雪がうず高く積もっていました。雪は互いにくっつき合う性質があるので,,こんなに高くなっても落ちないのでしょう。10pはありました。ツルウメモドキの赤い実と,その近くに積もった雪の白のコントラスもきれいでした。青空をバックに何枚も写真を撮りました。このコラボレーションも普段の年には見られないものです。崖では,雪のかたまりが自然に滑り落ち,まるで滑り台みたいになっているところがありました。下に積もった雪のかたまりを見ると,一部丸まっているように見えました。「滑り落ちる」ばかりでなく「転がり落ちる」こともあったみたいです。
そして・・・なんといっても,野生動物たちの足跡。いつも冬になると感じます。夏の間ももちろん野生動物たちはぼくらのすぐ近くにいるんだけど,気配を消しているので『透明人間』みたいな存在感です。ところが,冬になって,雪が積もった瞬間,雪の上に足跡が見えてきて,『透明人間』の『透明』がうっすら可視化されていきます。そうなると,動物たちを『感じる』ことができるのです。シカ、ノウサギ,キツネ,テンの足跡を見ました。足跡ばかりでなく,林道の崖のところでは,4頭のシカ(4頭ともメス)が走り去っていく姿が見られました。
また,湿地の遊歩道では,雪の下の笹が掘り起こされ,一部,食いちぎられている様が観察できました。そこの雪はボコボコに踏み荒らされている感じでした。おもしろいことに,雪の中から出てきたシダ(オシダ)は嫌いだそうで,ちぎられてはいますが,その場に放置されていました。
草原は一面の雪の原。雪がのっぺりと平らに積もっているところは,まるで『雪の湖』です。
雪の深さは歩き始めてからずっと30p前後でしたが,草原の中には40pのところもありました。スノーシューで歩くときにはバランスをとるためにストックを使うのですが,そのストックにマジックペンで1pごとに印を付けておいたので,特にメジャーを出さなくても,いつでも雪の深さが測れます。
また,今回はストックのストラップに,百均で買った『伸び縮みの効く,ケイタイ用ストラップ』を継ぎ足し,マウンテンパーカーの肘の部分のリングに,ストラップ先端の金具をワンタッチで付けました。これは便利。カメラをバッグから取り出すために,ストックを手から離しても,ストックが雪の中に倒れません。カメラをしまえば,すぐにストックを手にとることができます。今までは,写真を撮るたびにストックを雪に挿したり,雪の上に寝かしたりしなければならなかったので,とても不便だったのです。
ロッジの玄関なら屋根があるので,雪がありません。ここでスノーシューを脱ぎ,簡単なお昼を食べました。それにしても贅沢です。寝坊して,ゆっくり起きて朝飯を食べ,クルマで30分もかからず来れて,雪の原の中を散歩できて,しかも,雪景色を独り占めしながら,ゆっくりコーヒーが飲めるのです。十分自然観察できるのに,夕方前には自宅に帰れるのです。
今日は冬至です。太陽の軌道が一番低くなる日です。ですから,昼とはいえ,木々の影も異様に長く感じました。雪が降って,『雪の湖』に見えるくらいなのですから,その湖面に木々のシルエットがくっきりと写っています。ピントがしっかり合っているのです。とても幻想的な,影絵のような光景でした。
雪の乙女に来ると,いつも,心も体も頭までも浄化されるような気がします。うまく言えませんが,自分をパソコンに例えると,入っているデータは変わらないのですが,基本OSソフトが再インストールされたような・・・とでも言えばいいのでしょうか。
3時から人に会う約束があったので,1時半には乙女高原をあとにして,歩いてクルマまで戻りました。
風もなく穏やかで,比較的暖かな1日でした。上空を飛んでいる旅客機に飛行機雲がまったくできていませんでした。
※ブログでは画像でこの日の自然観察の様子を報告しています。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/d/20131222
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2.【活動案内】(再掲) ●第13回乙女高原フォーラム● 2014年1月26日(日)
日 時 2014年1月26日(日) 午後1時〜3時30分
場 所 山梨市民会館 3階「千鳥の間」
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
●テーマ テンの目に写る乙女高原の自然
乙女高原にはたくさんの野生動物が暮らしています。ファンクラブは,テンという動物の糞を7年間に渡って採集してきました。のべ調査日数は143日。採集したテンの糞は,今回のゲスト・足立さんのもとに送り,糞の中身を分析してもらいました。糞の中身からテンの食べ物が分かります。テンがいつ・なにを食べているかを知ることは,テンが暮らす乙女高原の自然を知ることでもあります。『テンの目に写る乙女高原の自然』を足立さんからたっぷりお聞きしましょう!
●ゲスト 足立高行さん
大分県九重町の秘湯「壁湯」に生まれる。大学は工学部で電気機械工学専攻。広告業界に就職するが,35歳で自然環境調査会社に転職。自然を調べること,自然を守ることを続けてきた。坊ガツルの自然環境の現況評価とオーバーユース対策,県内のベッコウトンボの現況調査及び保全活動などに取り組んできた。
2004年,応用生態技術研究所を設立。所長。2005年,NPO法人おおいた生物多様性保全センターを設立。理事長。AKAYAプロジェクト哺乳類ワーキング会議委員。同ホンドテン・モニタリング担当。
17年間にわたる糞探しでサンプリングしたテンの糞50,000個超。自然を理解する鍵探しに奮闘中!
※ちらしができました。配布にご協力いただける方は,部数をお知らせください。
※乙女高原フォーラムにちなんで,『ようこそ乙女高原へ』展\を行います。展示作業は2014年1月13日(月・祝),午前10時半から。場所は山梨市民会館ロビーです。ぜひ,お手伝いください。ようこそ展の会期は,この日からフォーラム開催日までです。
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3.【出版案内】 ●『乙女高原大百科』●
「乙女高原ファンクラブ結成10周年記念として今までのメールマガジンを編集して本にしよう」というのがそもそもの始まりでした。それからだいぶ経過してしまいましたが,いよいよ本ができました。
編集対象としたメールマガジンは2000年11月の創刊準備号(0号)から,2012年3月の268号まで。この136カ月間に配信した記事のうち主要なもの424本を選び,それを分類し,写真も付けて編集しました。本文が完成したところで,さくいんともくじを作りました。A5判で602ページ。そのうち194ページはカラーページです。本の厚みが3p近くある分厚い本です。
この本は一般財団法人セブンイレブン記念財団の助成を受けて作ったもので,地域の小中高等学校や図書館等に寄贈しています。
欲しい方には実費でお分けできます。
・『乙女高原大百科』1冊2,000円(実費)
・手渡しできない場合は送料が必要。1冊なら350円。複数冊欲しい方は要相談。
・送付希望の方は,郵便振替にて送金してください(1冊分なら送料込みで2,350円)。
送金が確認されたら,本をお送りします。
【郵便振替口座】 口座番号 00220-8-71093 加入者名 乙女高原ファンクラブ
■『乙女高原大百科』もくじ (ページ)
第 1章 春の自然観察
1〜
60
第 2章 夏の自然観察 61〜 90
第 3章 秋の自然観察
91〜136
第 4章 冬の自然観察
137〜194
第 5章 草刈りボランティアとイタドリ刈り 195〜246
第 6章 遊歩道づくり
247〜268
第 7章 乙女高原フォーラム・座談会 269〜356
第 8章 乙女高原案内人 357〜396
第 9章 マルハナバチ・アサギマダラ調べ隊 397〜438
第10章 乙女高原を知る
439〜500
第11章 乙女高原を守る
501〜576
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