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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第313号
   2014.9.2.
  発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町在住)
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  ▲▼ も く じ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【視察報告】北海道・釧路湿原の谷地坊主 7月24日〜27日
    2.【活動案内】マルハナバチ調べ隊 9月7日
    3.【活動案内】草の刈り取り実験とモニタリング 9月13日
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0.【ニュースニュース】
●1.今度の日曜(9月7日10時)は,今年最後の「マルハナバチが調べ隊」です。夏はマルハナバチが少なかったのですが,最近になって花の数が多くなったとも聞いています。夏より秋のほうがマルハナバチの数が多かったという年もあります。さて,どうなりますか,楽しみです。今回の調べ隊では,なんと小学生がマルハナバチの解説をします! 乙女高原の観察会に常連さんのはなちゃんに,前回の調べ隊のおり「次にマルハナバチの紙芝居やらない?」と誘ったところ,快諾してくれました。こちらも楽しみです。ぜひ,まわりの方をお誘いの上,ご参加ください。→2

●2.そして,次の週の週末・土曜日(9月13日10時)には,これも今年最後の「草刈り実験ボランティア」があります。10m四方のコドラートの中の草を刈り,それを運び出します。草刈りはファンクラブの宮原代表世話人がやってくださいますので,刈った草を運び出したり,麻布大学の高槻先生らの調査グループのサポートをしたりします。ぜひ,大勢の方に参加していただきたいです。→3

●3.乙女高原に行った方は,遊歩道が歩きやすくなっていたことにお気づきだと思います。放っておけば,遊歩道だって背丈を超える草が被われてしまうのが乙女高原。でも,ファンクラブの宮原代表世話人が遊歩道の部分だけ草刈りしてくださったおかげで,雨の日でさえとても快適に歩けるようになっていました。

●4.本メールマガジン発行人の植原は,ここ1カ月の間に,北海道の釧路湿原や愛媛の四国カルストの草原など,さまざまな自然にお邪魔してきました。なかなか文章にまとめている時間がなく,遅くなってしまいましたが,今回は釧路湿原の谷地坊主の様子をレポートしました。四国カルストの報告はいつになることやら・・・→1

●5.(再掲)次回世話人会は9月19日(金)午後7時半から牧丘総合会館です。ファンクラブの会員であれば,どなたでも参加できます。ぜひどうぞ。

●6.(再掲)乙女高原(の近くの焼山峠)まで乗合バスが運行されています。予約が必要で,11月23日までの土・日・祝日(振替休日を含む)に運行されます。
 行きは,塩山駅北口→柳平→焼山峠 塩山駅北口発 08:25, 9:15 の2本
 帰りは,焼山峠→柳平→塩山駅北口 焼山峠発   15:25,16:40 の2本
 運賃は,塩山駅北口→柳平は大人1,000円・小人 500円,塩山駅北口→焼山峠は大人1,100円・小人 550円。事前に運行会社である英和交通に電話をかけて,申し込んでください。
  (金峰山・夢の庭園など)大弛峠へ行くには柳平で下車し,そこで乗合タクシーに乗り換えるそうです(これも要予約)。
 焼山峠から乙女高原までは2q弱。歩いて30分弱です。
 英和交通の電話は0120-26-2344。時刻表等は,こちら
  http://eiwa-kotsu.com/img/timetable/odarumi-line.pdf

●7.(再掲)『乙女高原大百科』(A5判600ページ)好評発売中です。1冊2,000円。送料は360円。ですから,送料込みで,1冊なら2,360円,2冊なら4,360円となります。3冊以上の送料については要相談。郵便振込でご送金ください(別途,送金手数料がかかります)。
 http://fruits.jp/~otomefc/daihyakka.html
 郵便振替口座等は以下の通りです。
・口座番号 00220-8-71093
・加入者名 乙女高原ファンクラブ

●8.NPO法人山梨子ども図書館では,昆虫を中心とした自然写真家の今森光彦さんを招いての講演会を開催するそうです。今森さんといえば,昆虫の写真集や写真絵本であまりにも有名です。9月28日(日)午後1時半〜3時半。県立文学館研修室。参加費は1000円。受付期間は9月20日まで。申し込み・問い合わせは浅川さん(055−252−4510)か齋藤さん(055−283−3340)まで。
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1.1.【視察報告】●北海道・釧路湿原の谷地坊主● 7月24日〜27日

 日本で唯一,天然記念物に指定されている谷地坊主が釧路湿原にある(1975年,市指定)。乙女高原の谷地坊主を天然記念物に指定すべきと考えている植原は,2014年7月24日から27日にかけて釧路を訪れ,実際に現地で谷地坊主を観察したり,釧路市教育委員会の担当者や博物館の学芸員から話を聞いたりしてきた。


●1.見たり,釧路湿原の谷地坊主●

■釧路市湿原展望台遊歩道の谷地坊主
 2日目(7/25),道東で自然ガイドを営んでおられる「釧路湿原やちの会」のIさんの案内で,釧路湿原西南部に位置する釧路市湿原展望台を起点とする遊歩道を歩いた。
 木道遊歩道の歩き始めは湿原より高い丘陵地のミズナラ林内だったが,そのうち木道は下り坂となり,湿原に下りて20mも進むと谷地坊主が見られ始めた。ハンノキがまばらに生える林床に,ミゾソバ,クサソテツなど雑多な植物と一緒に生えていた。一つの谷地坊主は高さ40〜50cmほど。形態といい大きさといい乙女高原の谷地坊主に驚くほど似ていた。ただし,頭上に他の草が生えている谷地坊主の割合は乙女高原よりずっと高いと感じた。
 しばらくはそこここに見られた谷地坊主だったが,木道が丘陵地から離れ,湿地にヨシが優占するようになると見られなくなった。釧路湿原全体で考えると,谷地坊主の分布は限定的かも知れない。

■達古武湖畔遊歩道の谷地坊主
 最終目(7/27),釧路湿原東部の達古武(たっこぶ)湖畔の遊歩道にて谷地坊主の観察をした。ここは岩間さんに紹介していただいた谷地坊主観察スポットである。やはり木道の遊歩道だが,湖畔を巡る遊歩道なのでほとんど平坦だった。100mほど歩くと谷地坊主が観察できた。釧路市湿原展望台遊歩道の谷地坊主群落と周辺の環境が似ていた。遊歩道の左奥は湖であり平坦な湿地にハンノキ林が広がっているが,遊歩道の右側は斜面になり,山につながっていた。つまり,雪解け時等には緩やかな流れのありそうな湿地なのである。
 ここにミゾソバやクサソテツ(山菜のこごみ)に混じって谷地坊主が観察できた。乙女高原の谷地坊主群落は「谷地坊主の純林」といえそうなほど谷地坊主の優占度が高いが,ここ達古武湖畔といい,釧路市湿原展望台遊歩道といい釧路湿原の谷地坊主は「他の草に混じって生えていて,群落内における優占度は決して高くない」と感じた。

■標茶町国道脇の谷地坊主
 最終目(7/27)の朝,釧路湿原東北部,標茶(しべちゃ)町の宿周辺で谷地坊主の探索をした。というのも,宿の方から「近くで谷地坊主が見られるよ」というお話を伺っていたし,宿発行のオリジナル周辺マップにも谷地坊主が載っていたからである。
 ものすごいスピードで走ってくる車に気をつけながら,宿の前の国道391号線を歩いて行った。国道の右側(東側)はしばらくは牧草地だったが,牧草地が切れると谷になり,水音も聞こえてきた。うっそうとしたヤナギの林とヤナギの林の間は,ミヤコザサやアキタブキ,ヨモギなど背の高い草につる草のからまった藪となっていた。国道から目を凝らして見ても谷地坊主は見つからない。意を決してシカ道をたどって藪の中に入っていった。しばらく藪をかきわけて進むと,谷の底部で谷地坊主が見つかった。数が多くないし,木や自分の背丈を越えるような背の高い草に完全に覆われてしまっていたため,国道からは発見できなかったのである。
 帰りは国道の左側(西側)を歩いた。国道に平行してJR北海道釧網線が走り,さらにその向こうに釧路川が流れているのであるが,国道と線路の間も川(湿地?)になっているようで,明るいヤナギ林やヨシ群落が見られる。ここでもシカ道を頼りに斜面を下ってみた。案の定,背の高い草むらに隠れて,谷地坊主がひっそりと茂っていた。

■釧路市丹頂鶴自然公園の谷地坊主
 初日(7/24),空港でレンタカーを借り,すぐ近くのこの公園を訪れた。この公園内の谷地坊主こそが天然記念物に指定されている谷地坊主だということは事前に調べて知っていたので,受付のスタッフに訪ねたのだが,スタッフはまったくわかっていなかった。
 炎天下のアスファルトの園路を歩きながら,フェンスの向こうにいるタンチョウの親子の様子を観察した。もちろん,谷地坊主も探したが,見つからなかった。園路の一番奥まで行って(通行止めの看板があったので)戻りながら,タンチョウのフェンスの反対側を見ていったら,どうもそれらしいものがあった。
 公園を訪問後,釧路市教育委員会を訪ね,天然記念物の谷地坊主について取材したが,そのときに提示された資料によると,どうも公園内の天然記念物の谷地坊主は,園路の一番奥の,通行止めの看板があったさらに奥のフェンスの中にあったらしい。



●2.見たり,谷地坊主の展示●

 2館の博物館を訪問した。釧路市立博物館と美幌博物館である。
釧路市の人口は18万0千人で,甲府市の19万4千人より少し少ない。美幌町の人口は2万1千人で,山梨市の3万5千人よりずっと少ない。それぞれ甲府市・山梨市より小規模なのに自前の博物館を持つことで,地域の自然がしっかりと調査・研究され,その成果をさまざまな展示や調査報告書によって還元し,地域住民のみならず私のような外部の人間にも地域の自然の価値を発信できているのが素晴らしいと感じた。
 さて,釧路市立博物館に谷地坊主の展示があった。
 一つは球形の透明カプセルの中にある谷地坊主のレプリカ。後述するが,他の施設の谷地坊主展示がすべて春だったが,ここだけは秋だった。谷地坊主の上で他の草花が花を咲かせている状況が展示されていた。また,谷地坊主の「頭」の部分が一部縦切りされていて,「頭」の内部の様子が分かるようになっていた。
 印象的だったのは,釧路湿原開拓の際に用いられたという,谷地坊主を掘り取る専用の鍬があったこと。K学芸員から説明を聞いた。
 博物館のほかに谷地坊主展示のある施設として,釧路市湿原展望台,塘路湖エコミュージアムセンター,細岡展望台があった。訪ねた施設としては,他に,丹頂鶴自然公園,温根内ビジターセンター,川湯エコミュージアムセンター,コッタロ湿原展望台があるが,谷地坊主の展示は見当たらなかった。すべて谷地坊主の頭上にスゲが生え出した状態,つまりは春先の状況を紹介していた。



●3.聞いたり,釧路湿原の谷地坊主●

■釧路市教育委員会生涯学習課 Yさん
 初日(7/24),丹頂鶴自然公園を散策後,釧路市教育委員会を訪ね,生涯学習課のYさんから,釧路市の天然記念物指定のいきさつについて話をうかがった。

1.釧路市の文化財行政がスタートしたのは1975(S50)年。この時,文化財保護条例が施行され,文化財保護審議会が開催された。この審議会の中で指定物件が検討され,9件が指定された。
2.9件中,天然記念物は3件。キタサンショウウオ,砂岩脈,そして谷地坊主である。
3.審議会の議事録は残ってない。
4.指定資料は以下の通り

  指定年月日 → 昭和50(1975)年12月12日
  所在場所 → 釧路市山花 山花公園内釧路動物園
  指定理由 → 谷(野)地坊主(スゲ類叢株)は低層湿原を代表する群落の一つであり,釧路市周辺で特徴的な群落を形成している。
  現状 → 指定した一群は生長期にあるものであるが,その他周辺のものは風化しつつある。
  指定面積 → 1ha(動物園敷地内)

5.「谷(野)地坊主」という記載が興味を引いた。本州ならば谷部に形成されるので当然「谷地坊主」と表記されるのだが,「野地坊主」も併記されているところが釧路「湿原」らしいと思った。
6.見せていただいた指定資料の中には「指定文化財の解除について」というものもあり,びっくりした。おそらくは市議会への議案書だと思われるが,動物園内の指定を解除し,新たに丹頂鶴自然公園内を指定していた。つまり,途中で指定場所を替えていた。

  【指定解除の書類】釧路市教育長名で昭和56(1981)年11月に提出
  所在場所 → 釧路市山花 釧路動物園内
  指定面積 → 10,000u
  説明 → 昭和50(1975)年12月12日付指定の釧路市指定文化財であったが,周囲の状況変化により風化が激しく,文化財としての価値が失われたため,釧路市文化財保護審議会の意見を聞き,解除を決定いたしたく,本案を提出するものである。

  【指定の書類】解除と同じく,釧路市教育長名で昭和56(1981)年11月に提出
  所在場所 → 釧路市鶴丘4番地 釧路丹頂鶴自然公園内
  指定面積 → 7,000u
  説明 → 釧路市指定文化財の選定に関する釧路市文化財保護審議会の意見を聞き,新たに路市指定文化財の決定をいたしたく,本案を提出するものである。

7.文化財指定を受ける前から田中瑞穂博士が釧路湿原について熱心に調査研究を行っていた。

※釧路自然保護協会 釧路湿原の名づけ親として知られる北海道教育大学釧路校の田中瑞穂教授(故人)が自然保護運動の組織化を強く訴えられ、1971(昭和46)年7月に結成総会が開かれ、発足しました。1972年には「釧路湿原国定公園化構想」が提案し、その後、1981年には釧路湿原の国定公園化構想を発展させ「国立公園化構想」を発表し、国立公園指定に向けて活発な活動を進めました。
 その結果、ご承知のように1987年7月に釧路湿原が28番目の国立公園に指定されました。一民間団体の発想が住民や行政を動かし、どうしようもない谷地が一転して国民の財産になりました。また、身近なそして貴重な自然である「武佐の森」、「大楽毛海岸砂丘」、「春採湖」などの保全にも積極的に取り組んできました。
http://itou-net.sakura.ne.jp/members/kushiroshizenhogokyoukai.html

8.「谷地坊主」という名前の喫茶店や同人誌がある。
9.プロジェクトXで,14人のプロが釧路湿原を調査する様子が取りあげられた。

 Yさんは釧路市立図書館の利用についても便宜をはかってくださり,地域資料の階で司書さんから谷地坊主の関連資料を見せていただいた。


■釧路市立博物館 学芸員 Kさん
 初日(7/24),釧路市教育委員会での取材後,釧路市立博物館を訪ね,Kさんから谷地坊主について情報収集をした。Kさんは博物館の??周年ポスターに谷地坊主を起用するなど,谷地坊主のメジャー化にむけて努力しているようだった。

10.??(茶内?)小学校では,近くの湿原から谷地坊主を1つまるごと取ってきて,その中にどんな動植物がいるかを調べている(総合的な学習の時間)。
11.のこぎりで縦に切り,その断面を観察すると,谷地坊主の構造が分かる。
12.谷地坊主の中がネズミやアリ,サンショウウオなど小動物のすみかになっている。
13.谷地坊主には土の隆起もある。
14.霧多布湿原に巨大な谷地坊主があり,「大王」と呼ばれている(いた? 倒れてしまった?)
15.霧多布では??発行の4コママンガ集のメインキャラクターが谷地坊主と谷地まなこだったり,谷地坊主のマスコット(ストラップ)があったりと,谷地坊主を売り出している。
16.釧路市立動物園の園内には,でき始めの谷地坊主がある。
17.釧路では谷地坊主は珍しいものではないが,そうそうあるものではない。道内では道東にしかない。本州では標高の高い所にしかない。
18.NHK北海道ローカルで,谷地坊主の生き物たちをテーマにした番組を放映したことがある。
19.谷地坊主をイメージした柄がある橋の欄干(フェンス)がある。
20.谷地坊主やスゲ類に詳しい方として,釧路国際ウェットランドセンターのSさん,神奈川県博のKさんを紹介していただいた。


■美幌博物館 学芸員 Oさん
 3日目(7/26),美幌博物館を訪ね,学芸員のOさんに谷地坊主の天然記念物指定について相談し,展示の説明を受けた。手作りの展示が多く,Oさんがとても愛着を持っていらっしゃるのが分かった。

21.谷地坊主を「ほどいて」みると,谷地坊主を形成するスゲがどのように成長しているかがわかる。
22.谷地坊主が昆虫たちの避暑地になっているようだ。
23.谷地坊主を指定するとしたら「ヤマアゼスゲがつくる谷地坊主群落」となるか。

Oさんからは,地元の市街地の中で守られてきた絶滅危惧種ベニバナヤマシャクヤクの保護活動についてもお話を伺った。天然記念物に指定するには,学術的な価値はもちろん,地域住民の盛り上がりが必要だとのご指摘をいただき,もっともだと思った。乙女高原でも谷地坊主の観察会をしようかという気になった。

※ベニバナヤマシャクヤク自生地 ベニバナヤマシャクヤクは、ボタン科の植物で、6月頃にピンク色の鮮やかな花をつけます。花が余りにも鮮やかなゆえに盗掘が相次ぎ、西日本ではほぼ絶滅し、北海道でも近い将来絶滅するのではないかと危惧されています。
 そのベニバナヤマシャクヤクの自生地が、野崎・柏が丘公園樹木園の内にあります。1996年に博物館と有志らで、自生地を保全するために案内板と簡易防護柵を設置しました。文化財として大事にしていきたいものです。
http://www.town.bihoro.hokkaido.jp/museum/bunka/syakuya.html



●4.まとめにかえて●

1.谷地坊主の分布域は北海道東部と本州の標高が高いところに限られる。
2.釧路湿原の谷地坊主は湿原全体に分布しているわけではなく,水の流れがあるところに限られているようだった。
3.釧路湿原の谷地坊主と乙女高原のそれを比べると,以下の表のようになる。

項  目        釧路湿原 乙女高原
谷地坊主ひとつの大きさ 高さ50cmほど 高さ40cmほど
谷地坊主の密度     低い 高い
谷地坊主に共生する植物 多い。 少ない
中には「頭」から樹木が生えているものもあった
谷地坊主の生息環境     台地が湿原に接しているところ 谷地
谷地坊主群落の面積 広い? 狭い

4.釧路湿原の谷地坊主は市民になじみがある…というより見慣れた存在だったようだ。
5.釧路湿原の谷地坊主を天然記念物に指定した経緯はわからなかった。指定文書を見る限り,ざっくりとした指定だったようだ。
6.乙女高原の谷地坊主を天然記念物に指定するためには,学術的な価値もさることながら,市民による意識の盛り上がりが必要だ。
7.そのためには自然観察会が有効だろう。谷地坊主の「髪の毛」をほぐしてみたり,丸ごと一個を輪切りにしてみたりと,観察のヒントをいただいた。
8.帰りに釧路空港の土産店全店をくまなく回ったが,谷地坊主をイメージしたお土産は一つもなかった。同じ植物系としてマリモのキャラクター(まりもっこり)はたくさんあった。
9.帰後,ガイドのIさんから谷地坊主をアイヌ語で「タクッパ」ということを教えていただいた。アイヌは谷地坊主を活用していたのか?
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2.【活動案内】●マルハナバチ調べ隊● 9月7日(日)

 今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。

■日 時 9月 7日(日) 雨天中止 午前10時半から午後2時くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
※行事災害保険にはファンクラブで加入します。

※年に3回調査をするマルハナバチ調べ隊は,今年で12年目。
 第1回 6月29日(日)・・・【終了】
 第2回 8月 3日(日)・・・【終了】
 第3回 9月 7日(日)
 時間やプログラムは今回と同じです。
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3.【活動案内】 ●草の刈り取り実験●

 草原内で違う時期に刈り取りをし、その影響をモニタリングし、刈り取りに対する草原植物の反応の違いを明らかにします。刈り取り実験区は,ひとつの処理について10m四方の方形区。今年は実験・調査の2年目です。このプロジェクトは麻布大学野生動物学研究室との協働事業です。

@6月区:6月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
A9月区:9月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
B11月区:11月に区内の全植物を刈り取る(現行の刈り取りの効果の確認)。
C2度刈り:6月と9月に区内の全植物を刈り取って,2度刈りの効果をみる。
D選択刈り:6月に区内のススキのみを刈り取って効果をみる。
E刈り取りなし:全く刈り取りをしない区。

・刈り取りは地上部10cm程度の部分を機械または手刈りで刈り取ります。
・刈り取り直後に主要種について30個体程度を選び、ビニールテープでマーキングします。
・その後10月まで、毎月草丈の測定をします。

 【実験・調査のスケジュール】
・ 6月15日(日) ・・・【終了】
・ 7月13日(日) ・・・【終了】
・ 8月10日(日) ・・・【終了】
・ 9月13日(土) 9月区の刈り取りとモニタリング等
・10月 5日(日) 
・11月23日(日・祝) 秋の刈り取り ※草刈りボランティア


●草の刈り取り実験 その2●

■日 時 9月13日(土) 小雨決行 午前10時から12時30分。
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 ある方は軍手 必要な方は弁当,水筒など
■参加費 無料。
 ※刈り払い機使用も認められている保険に加入します(ファンクラブで負担します)。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)
 ※保険に加入する都合上,事前に申し込みをお願いします。
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