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    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第324号
 2015.4.21.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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  ▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】4月19日の乙女高原
NEW! 2.【活動案内】遊歩道作り(5/10)
NEW! 3.【活動案内】スミレ観察会(5/10)
NEW! 4.【活動案内】マルハナバチ調べ隊(6/28)
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0.【ニュースニュース】
●1.いよいよ乙女高原でもヤマアカガエルの産卵が始まりました。今期最後の「ヤマアカガエル産卵調査」は次の土曜日4月25日9時半に国道140号の道の駅「はなかげの里牧丘」駐車場集合です。弁当・長靴必須。あと防寒具や雨具も。イベントではなく調査です。特に保険にも入りませんので,それをご理解の上、ご参加ください。

●2.乙女高原でも春の鼓動が感じられるようになりました。林道ではセンダイムシクイやヤブサメの声が聞かれ(いずれも夏鳥です)、ダンコウバイやフサザクラの花は咲き、カツラの美しい芽吹きも見られます。その時期その時期の旬な自然情報をお届けしようと、ホームページで【乙女高原の自然情報】を始めました。ぜひご覧ください。あ、今,トップページの写真はカツラの芽吹きを遠くから撮った写真です。これも一緒に見られます。
http://fruits.jp/~otomefc/

●3.今年最初の乙女高原イベントは遊歩道づくりとスミレ観察会です。遊歩道づくりは16回目,つまり16年目ということです。スミレ観察会は同じく5年目。
遊歩道づくりでは草原内の遊歩道にそって杭を打ったり,その杭と杭をロープで結んだりして「通路」をつくります。スミレ観察会では乙女高原で総計22種類も見られるスミレの一部を観察します。5月10日(日)に、乙女高原でお会いしましょう!

●4.(再掲)今年度の活動計画をカラー写真で紹介するちらしをつくりました。配布にご協力いただける方はご連絡ください。お送りします。ちらしはネットでも公開しています(PDFファイル)。ご覧ください。
A面 http://fruits.jp/~otomefc/2015chirasia.pdf
B面  http://fruits.jp/~otomefc/2015chirasib.pdf

●5.次回世話人会は5月20日(水)午後7時半から牧丘総合会館です。ファンクラブの会員であれば,どなたでも参加できます。ぜひどうぞ。
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1.【観察報告】●4月19日の乙女高原●

 春一番の関心事はカエルの産卵です。
 乙女高原に向かう林道の途中2箇所に観察ポイントを設定しているのですが,そのうち標高の低い方では先週12日にヒキガエルの産卵が初めて確認され、今日はそれに3腹分が追加されていました。近づいたら,水底の落ち葉の下にもぐって隠れるカエルの姿も見られました。でも、昨年まで確認されたヤマアカガエルの卵は見つかりませんでした。
 もう一つのポイントでも今年初めてのヒキガエルの卵が確認できました。ここでは3月8日に今年初めてのヤマアカガエルの産卵が確認され、もうおたまじゃくしが大きくなって悠々と泳いでいました。

 林道を走っていると,本当に春を感じます。
 まずは花。里ではヤマブキがきれいですが,乙女に向かう林道はまだまだ。でも、キブシやアブラチャンは満開だし、モミジイチゴやミツバツツジ、バッコヤナギやフサザクラ、マンサクもきれいです。これら木の花は車を走らせながらでも十分見ることができますが,車を止めれば足元の小さな花も見ることができます。ハシリドコロはいっぱいだし、エイザンスミレ、タチツボスミレ、アカネスミレが咲いていました。
 次は鳥。いよいよ夏鳥たちのさえずりが聞こえてきました。「焼酎一杯グイ~ッ」と聞きなすセンダイムシクイ、「ジジジジジ」と虫のような声のヤブサメの声を今年初めて聞きました。
 そして、芽吹き。夏になると同じような緑色になる葉っぱも、芽吹きの時期と紅葉の時期には思いっきり自己主張します。今回,ビビッと来ちゃったのはカツラの芽吹きでした。モノトーンの雑木林の中,そこだけは真っ赤なモヤモヤなんです。

 さて、今回の主目的はカエルの産卵調査ですから、乙女高原でも長靴をはいて、湿地を中心に歩き回りました。
 湿地では,改めて倒れている木の多さに気づかされました。水気が多く、地面の下が固く締まっているわけではないので,ヤナギなどの木がどうしても倒れてしまうんですよね。すると、地面の上すれすれに水平になった幹から空に向かって垂直に枝が延びていき,やがて「枝」は太く大きく育って「幹」となっていく様子がよくわかります。ちょうど家を立てるときにコンクリートで基礎をつくった後、コンクリートの上に水平に柱を設置し,そこから柱を建てていくのに似ているなあと思いました。・・・そうなると、今,垂直に立っているように見える木も、もしかしたら、「根元」の部分に水平に延びた「昔の幹」があるのかもしれませんね。

 湿地の水環境はまさに多様です。まず流れがあるかどうかで2種類に分けることができます。そして、「流れがある」湿地でも流れの速さや量によって,条件が細かく違った多様な水環境が用意されています。「流れのない」湿地でも広さや深さ、そして、できてからの時間によって、さまざまなタイプの「水たまり」になります。「深く」て「できてから時間がたっている」らしい水たまりには緑色の藻が発生していました。その隣の少し浅めの水たまりは底の砂が鉄さび色です。そのまた隣は底が鉄さび色で、しかも、水面があやしくギラギラ光っていて、車のオイルを流したようです。
 こんなに多様な水環境の中で,ヤマアカガエルが産卵場所として選んでいる水環境(水たまり)って,どんな条件のところなんだろう?と思いました。

 おっと,今日の午後から雨が降り出すという天気予報だったのに,もう雨が降り始めてしまいました。少しペースを上げて歩き出しましたが,またまたスローダウンしてしまいました。
 湿地で春一番に芽を出すのはバイケイソウとクリンソウです。両方ともシカが食べない草なので,シカが多くなってくると増えると言われています。事実,乙女高原でもこの数年,この2種は確実に多くなっています。
 ところがです。なんとなくハクサイを彷彿とさせるクリンソウの芽が食われています。99%シカの仕業でしょう。それにしても、シカの食性については「大どんでん返し」の連続です。ハンゴンソウ・・・臭いが強いから食べないと言われてきたのに、食べてるし。マルバダケブキも食べないと言われてるけど、食べてるし。そして、今度はクリンソウまで食べるとは。
 これだから自然を相手にしたら、観察を続けるしかないのです。図鑑に書いてあることは変わることはありません。本で読んだにせよ、人に聞いたにせよ、過去に得た知識にせよ、世の中の変化につれて変わるなんてことはありえません。
 ところが、自然は変わるんです。シカは確実に食べるものを変えています。それが「嗜好(マイブーム?)」なのか「流行」なのか、はたまた「切羽詰まって」食べているのか,「嫌いだと思っていたけど、食べてみたら結構うまかった」という食わず嫌いのせいなのか・・・。

 雨の中の調査を終え、ロッジの玄関で雨宿りしながらお昼を食べ,乙女高原を後にしました。この日の様子の「3枚の写真」ブログにアップしました。ご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/otomefc/d/20150419
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2.【活動案内】 ●第16回 遊歩道づくり●5月10日(日)

 古くなった杭を交換し,ロープを張り巡らし,遊歩道をはっきりさせます。ご家族で参加できる作業です。春の乙女高原で,いい汗をかきましょう。ただし,天気が悪いと寒いです。防寒具もお忘れなく。
 終了後,依田さんを講師にスミレ観察会をします。こちらも予定に入れておいてください。

■主催 山梨市 山梨県 乙女高原ファンクラブ
■日時 5月10日(日) 午前9時半から12時半まで ※スタッフは9時集合
 (少雨決行。雨天の判断は各自でお願いします)
 (荒天の場合,17日に延期)
■集合 乙女高原グリーンロッジ前
■持ち物 べんとう,雨具,軍手。
 かけや(大きなトンカチ),なたなど道具がある方はご持参ください。
■服装 作業のできる服装(まだ寒いので,防寒の準備も)
■問い合わせ・申し込み先 山梨市役所観光課 電話0553-22-1111(代表)

※保険には主催者で加入します。
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3.【活動案内】スミレ観察会

第1回 5月10日(日) 午後1時半から3時半
第2回 5月31日(日) 午前10時から午後2時半
(少雨決行。雨天の判断は各自でお願いします)

 春,乙女高原には見つかっているだけで22種類のスミレがかわいい花を見せてくれます。といっても,いっぺんに・一ケ所で見られるわけではありません。少しずつ時期をずらし,生息場所をずらしています。そんな乙女高原のスミレを『乙女高原フィールドガイドⅢ 乙女高原のスミレ・ウォッチング』の編集代表・依田昇さんの案内で観察します。
なお,参加者のみなさんには『乙女高原のスミレ・ウォッチング』をもれなくプレゼント!!

■集 合 乙女高原グリーンロッジ前
■持ち物 べんとう,水筒,雨具,筆記用具,観察用具(ルーペがあると便利です),図鑑など。
■参加費 無料。
■講 師 依田 昇さん(乙女高原案内人。スミレ・フィールドガイド編集代表)
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)

※行事災害保険にはファンクラブで加入します。
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4.【活動案内】●マルハナバチ調べ隊● 6月28日(日)

 今年も愛くるしく,乙女高原随一のインタープリターであるマルハナバチたちの働きぶりをじっくりと見せてもらいましょう。

■日 時 6月28日(日) 雨天中止 午前10時半から午後2時くらいまで
■集 合 乙女高原グリーンロッジ
■持ち物 弁当,水筒,筆記用具,時計(腕時計や携帯電話の時計で十分です)
■参加費 無料。
■内 容 午前中は調査の説明とラインセンサス調査。午後はまちぶせ調査。
■問い合わせ・申し込み先 乙女高原ファンクラブ事務局(このメールに返信を)

※行事災害保険にはファンクラブで加入します。

※年に3回調査をするマルハナバチ調べ隊は,今年で13年目。
 第1回 6月28日(日)
 第2回 8月 2日(日)
 第3回 9月 6日(日)
 時間やプログラムは今回と同じです。
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