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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第332号 2015.9.20.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】マルハナバチ調べ隊( 9/06)
NEW! 2.【活動報告】9月の草刈り実験 ( 9/13)
NEW! 3.【活動案内】草刈りボランティア(11/23)
NEW! 4.【活動案内】乙女高原フォーラム(2016/1/31)
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0.【ニュースニュース】
●1.9月20日の朝、NHK総合テレビヲ見ていただけましたか? 「さわやか自然百景」という番組1本まるまる乙女高原でした。ドローンによる草原の空撮、マルハナバチの追跡撮影など、目を離せない映像が次から次でした。これを見て、乙女高原に興味を持ってくださる方が増えればいいなあと思います。
●2.9月6日にマルハナバチ調べ隊を実施。ラインセンサス調査を行ったところ71頭ものマルハナバチを見ることができました。昨年に比べ,明らかに花の数も多いし,「マルハナバチの復活=乙女高原の花野の復活」ということなのでしょうか→1
●3.9月13日に、麻布大学の野生動物学研究室と協働で刈り取り実験を行いました。今年で3年目です。中心は高槻先生。それに、麻布大学の学生さんお二人(大竹さん,土屋さん)と宮原さん,三枝さん,松林さん,植原が参加しました。まずは刈り取り区画のススキの調査をしていただき、調査が終わったところで,宮原さんに草を刈っていただき、それを袋に詰めたり,ひもでしばったりして重さを計り、運び出しました。草は成城大学の山小屋跡に入れました→2
●4.草刈りボランティアのちらしができました。今年はいつもの集合記念写真のちらしに加え、「ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけるキッズボランティア」のちらしも作りました。この2種類のちらし配布にご協力いただける方は、植原までご連絡ください。すぐにお送りします。
●5.いよいよ今年の草刈りボランティアの準備が始まりました。16年も続いているイベントです。・・・ということは、最初から関わっている人は,あれから16歳も年をとっているということです。じつは、年々、「スタッフ」を引き受けてくださる方が減ってきていてピンチに陥っています。皆さん、ぜひスタッフに立候補を!→3
●6.今から来年のことを言ったら鬼が笑ってしまいますが,今度の乙女高原フォーラム、テーマはスミレ、ゲストはいがりまさしさん(山渓ハンディ図鑑「日本のスミレ」著者)です。今から予定に入れておいてくださいね。1月31日(日)です→4
●7.次回世話人会は10月21日(水)午後7時半から牧丘総合会館です。ファンクラブの会員であれば,どなたでも参加できます。ぜひどうぞ。
●8.急な話ですが,連休最終日の9月23日(水)に、ファンクラブ会員でもある半場さんの、甲州市大和と大月市にまたがる「大蔵高丸」に設置された巨大シカ柵の調査に同行させていただくことになりました。「ファンクラブの人だったら同行してもいいよ」とのことです。大蔵高丸のシカ柵視察に興味のある方は午前9時に甲州市大和の天目山温泉駐車場に集合です。事前にメールをいただければ、集合時刻に遅れても、先に行ってしまうことはありません。ぜひ見て、乙女高原のシカ柵設置の参考にしましょう。
※天目山温泉 http://www.koshu-kankou.jp/map/higaeri/yamatotenmokusanonsen.html
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1.【活動報告】●マルハナバチ調べ隊● 9月6日(日)
いつ雨が降り出してもおかしくない天気。参加者も5人と少数精鋭です。雨が降り出しては調査に支障があるので,開始早々ラインセンサス調査を始めました。
そしたら、マルハナバチが見つかる、見つかる。昨年に比べて咲いている花の数も断然多かったです。ですから、訪れるマルハナバチの数が多いのもうなずけます。昨年2月の大雪の影響が、遅れて草原に出てきたのかなと思いました。
「去年の大雪→シカの減少→去年はシカが食べた草が少なかった→今年花が多く咲いた」というストーリーです。ラインセンサス総計は71頭でした。マルハナバチの個体数の回復傾向が見て取れました。
・ミー 計46頭 (→ノハラアザミ33, ヤマハギ1,タムラソウ11,マルバダケブキ1)
・トラ 計06頭 (→ノハラアザミ2,タムラソウ4)
・オオ 計19頭 (→ノハラアザミ7,タムラソウ10,シオガマギク2)
少し早めのお昼を食べていたら雨が降り出し、雨足も強くなったので,午後からの調査は中止としました。
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3.【活動報告】 ●草の刈り取り実験● 9月13日(日)
10メートル四方の正方形を草原内に設定し(これを「コドラート」といいます),コドラートごとに草刈りの時期を変えたらどうなるか?-を調べる実験を麻布大学野生動物研究室と始めて3年目。今年も6月14日に第1回目の刈り取りと調査,9月13日にその第2回目を行いました。ちなみにコドラートは全部で6つ。それぞれの草刈り時期は以下の通りです。
①6月区・・・・・・・6月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
②9月区・・・・・・・9月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
③11月区・・・・・・11月に区内の全植物を刈り取る(現行の刈り取りの効果の確認)。
④2度刈り区・・・・・6月と9月に区内の全植物を刈り取って,2度刈りの効果をみる。
⑤選択刈り区・・・・・6月に区内のススキのみを刈り取って効果をみる。
⑥刈り取りなし区・・・全く刈り取りをしない区。
9月の草刈り実験の活動には,麻布大学から高槻先生と学生の大竹さん、土屋さん。ファンクラブから宮原さん、三枝さん、松林さん、植原が参加しました。作業は、まず、②9月区,④2度刈り月区の方形区中のススキの草丈等を計測し、その後、宮原さんに草を刈っていただき、袋に詰めたり、ひもでしばったりして重さを計り、それをみんなで運び出すというものでした。6月より草の量がだいぶ増えたので、運ぶのが大変でした。
【問題!】では、ここで問題です。
9月にだけ刈り取る区②と、6月と9月に刈り取る区④では、
もちろん②の草の量の方が多いですが,では、どれくらい多いと思いますか?
(1)2倍くらい (2)1.5倍くらい (3)ほぼ同じ…答えはこのメルマガの最後に。
午後からは高槻先生の提案による植生調査を実施しました。シカ柵設置後の草原の変化をモニタリングするために、調査地点を決めて定期的に調査しようというものです。草原内に10このポイントを設定し,杭を打ったり、ポールを立てたりしました。ここが調査ポイントになります。ポイントを起点に1m四方のコドラートを設定し,その中に出現した植物種名、被度,草丈を測定・記録しました。これらはすべて高槻先生が行い、植原が少しだけお手伝いをしました。
すでに山梨県森林総合研究所には草原のフロラ調査(草原内の全植物名を記載したリスト作り)を、会員の林さんには草原以外のフロラ調査をお願いしていますので、これらと合わせて、シカ柵設置後の草原の変化を見守っていきたいと思います。
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4.【活動案内】 ●草刈りボランティア● 11月23日(月・祝)
・日 時 11月23日(月・祝) 少雨決行 ※荒天の場合29日(日)午前9時半から午後2時
・集 合 乙女高原グリーンロッジ
・持ち物 弁当,飲み物,軍手,雨具,おわん・はし(豚汁用),お持ちの方はかまなどの道具。
・参加費 無 料(主催者負担で保険に加入)
・内 容 草刈り,草の運び出し,ロープ回収,ゴミ拾い,キッズボランティア,豚汁作りなど
■注意事項
・一般参加の皆さんは手刈りのみにしてください。
(刈り払い機使用は,恩賜林組合の皆さんなど,主催者がお願いした方のみとします)
・林道への路上駐車は厳禁です。できるだけ相乗りで来てください。
(刈り草をゴミ収集車に入れる作業をしなければならないので,路上駐車が一番困ります)
・「午前中の作業終了→記念写真→昼食」という流れにします。
(以前は昼食後に記念写真を撮っていましたが,午前の作業終了直後です。
作業を時間で区切りますので,ご承知おきください)
■乙女高原の草刈りで、スタッフ・デビューを!!
今回で16回目となる乙女高原の草刈り作業は、乙女高原の女神様に守られているのか、この15年間、一度も雨に降られたことがありません。また、自画自賛・我田引水かもしれませんが、行政(市・県)・市民(ファンクラブなど)・企業(田丸、ジェイチームなど)による理想的なパートナーシップ(協働)が機能しているイベントです。晩秋の高原で一日いい汗をかいてください。
もちろん、この草刈り、課題がないわけではありません。最大の課題は、御多分に洩れず「高齢化」。かく言うぼくも、この草刈りをスタートした時点では30代でしたが、16年経った今は50代です。いつまでも元気で続けられる保証はありません。できるだけ若い人たちに参加してもらいたい、バトンの受け手になってもらいたいという思いが年々強くなっています。また、この思いは,今、ファンクラブの活動を中心に担ってくださっている方々の共通の思いでもあります。
高齢化への対策で、まず思い浮かぶのが若い人の「参加」です。10代、20代、30代,40代、もちろん50代以上の若い人の参加も大歓迎です。
高齢化に伴って必ず生じるのが「スタッフの数の減少」「スタッフの固定化」ですから、高齢化に対する一番即効性のある対策は、もしかしたら「若さ」よりも「(スタッフの)数の多さ」かもしれません。多くの皆さんが「参加者」としてだけでなく、「参加者のお世話をする人(スタッフ)」として参加していただけたら、ありがたいです。
■スタッフの例(詳しくは事務局にお問い合わせください)■
1駐車場係 →朝、車の誘導など(林道は緊急車両とゴミ収集車以外は駐車禁止)
2受 付 →朝、受付と班分け、資料と飲み物の配布など
3班の世話役 →各班の段取り。草刈り場所の提示。作業の進み具合を本部に連絡など
4キッズ班世話役→子どもたちをブナじいさんに誘導。作業の支援など
5豚汁係 →豚汁の調理。炊事用ゴム手袋等は支給します。
なお、当日朝来て、すぐにスタッフができるよう、マニュアルを準備し、各係にそれぞれ市・県・ファンクラブ世話人の誰かが配属されていて、その方から仕事内容が教われるようになっていますが、1週間前に「草刈りボランティアの下見と準備の会」を行いますので,その場でスタッフ仕事の確認ができます。
■草刈りボランティア 下見と準備の会■
11月15日(日)雨天決行 10時 ロッジ前集合。午前中で終了。
・内容 キッズのルート作り、草原の区割りのテープはり、ロッジやトイレの清掃、備品等の確認
・午後 せっかくですからお弁当を食べて、午後から乙女高原の自然観察というのはいかが?
■今年の草刈りは・・・
なんといっても、シカ柵設置後初の草刈りというのが、大きなトピックです。9月20日の段階で、すでにシカ柵設置ルートの草刈りが行われていました。市から設置を委託された企業からも「10月には作業を開始します」という連絡をいただきました。乙女高原を大きく包み込むようなシカ柵を見てみてください。
■(株)田丸のゴミ収集車をお借りして藁撒き工法
シカ柵設置によって、草原の草花たちは回復していくでしょうが、かといって、いいえ、だからこそ、草原の草刈りと草の運び出しはますます重要になります。刈った草を持ち出さないと草原の「富栄養化」が進み,そんな条件をうまく使ってしまうススキの一人勝ちになってしまいます。また,草原の中に生えてきた木の赤ちゃんを一緒に刈ってしまわないと遷移が進み,草原が森林になってしまいます。
今年も刈った草は(株)田丸のゴミ収集車をお借りして,琴川ダム残土処分場に運びます。ここは琴川ダムを造るときに山を削った土で谷を埋め立てた場所です。土に栄養がないので,木を植えてもなかなか育ちませんでした。刈った草を運び込めば,それに付いている草の種が供給され,自然再生が促進されると考えられ、東京農工大・星野先生のご指導のもと、2011年の草刈りから、この「藁撒き工法」が始められ、今年で5回目となります。星野先生らの調査により、乙女高原からの種子供給によると考えられる草花が残土処分場に育っていることが確認されました。また、大量の枯れ草が栄養となったのか、木々も大きく育ちました。そろそろ「刈り草の次の運び先」を考えなければなりません。
■ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけましょう
今年も子ども向けのプログラム,やりますよ! ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけます。毎年,保育園くらいの小さい子から小学校高学年くらいまでが参加しています。今回初めてキッズボランティアのちらしも作ってみました。印刷をお願いした山梨市牧丘町窪平の昭和堂さんのサービスで表面だけでなく裏面もカラーです。ぜひご家族でご参加ください。
もちろん,竹居さんと藤巻さんご自慢の豚汁もあります。お楽しみに!
※2012年の草刈りの様子を見ることができます(TBSテレビ『風の言葉』ユーチューブ2分の動画)
http://www.youtube.com/watch?v=uJ2YOJSOMbI または「風の言葉 乙女高原」で検索
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5.【活動紹介】 ●乙女高原フォーラム● 2016年1月31日(日)
・日 時 2016年1月31日(日) 午後1時~3時30分
場 所 夢わーく山梨 3階 大集会室
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
■フォーラムのテーマ
「生物多様性の妖精・スミレのふか~くてひろ~い話」
世界に400種とも600種ともいわれるスミレ属の植物。南極以外のすべての大陸に分布し、日本には60種を数えます。世界における日本の面積はわずか0.25%。その日本列島に世界の10%のスミレが分布しているというのは驚異的な数字です。それは日本列島の生物多様性の象徴といってもいいでしょう。日本列島にスミレが多いわけを紐解きながら、身近なスミレに自然史の奥深さを学びましょう。
■ゲスト いがり まさしさん
いがりさんのプロフィール
1960年愛知県豊橋市生まれ。関西学院大学文学部美学科中退。自転車で、ストリートミュージシャンをしながら、全国を放浪。その後、冨成忠夫氏の植物写真に出会い、植物写真を志す。印刷会社のカメラマンを経て、1991年独立。植物の生命としての美しさを映像で表現する一方、超アップを駆使したわかりやすい図鑑写真にも積極的に取り組んで現在に至る。2009年よりミュージシャンとしても、ライブ活動やマルチメディア作品として音楽作品を発表している。豊橋市在住
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※【問題!】の答え・・・②は約64kg,④は約41kgでした。ですから、約1.5倍が正解。
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