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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第337号 2016.1.4.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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▲▼ もくじ ▼▲
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NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【行く年来る年】2015→2016
NEW! 2.【訪問報告】生命の星・地球博物館の「スゲ展」
3.【活動案内】乙女高原観察交流会(1/9)
4.【活動案内】乙女高原フォーラム(1/31)
5.【活動案内】ファンクラブ総会(3/13)
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0.【ニュースニュース】
●1.あけましておめでとうございます。2016年も乙女高原と乙女高原ファンクラブ、ならびにこの乙女高原メールマガジンをよろしくお願いします。今年は巨大シカ柵設置元年です。今後、乙女高原がどうなっていくかのスタートラインの年です。大事にしていきたいと思います→1
●2.今年最初の企画は、1月9日(土)の「乙女高原観察交流会」です。9時に牧丘の道の駅集合。今年の冬は暖かいので雪なんてないかも→3
●3.1月31日(日)「乙女高原フォーラム」のスタッフにぜひ立候補してください。受付・会場設営・アンケート回収などの仕事があります。フォーラムは13時からですが,スタッフは11時30分集合です。お昼にお弁当を用意しますので,事前にご連絡ください。
また、フォーラム終了後、いつものように会場でいがりさんを囲んでの茶話会をしますが,その2次会(!) もします。懇親会・食事会・飲み会です。新年会を兼ねた肩の張らない、ざっくばらんな会にしましょう。会場は山梨市の駅すぐ前の「庄や」という飲み屋さんです。こちらもぜひご参加ください→4
●4.次回世話人会は来年1月21日(木)午後7時半から牧丘総合会館です。ファンクラブの会員であれば,どなたでも参加できます。ぜひどうぞ。
●5.「震災と原発事故からもうすぐ5年…福島は今どうなっているの?」というスライド&トークショー、仮設住宅のおばあちゃんたちが編んだ布ぞうり行商というイベントが行われます。1月17日(日)午前10時から12時半。会場は、山梨市駅前の「街の駅やまなし」。参加費は200円(小中学生無料)。持ち物はマイカップと筆記用具だそうです。ゲストの稲葉さんは南相馬市博物館の自然系学芸員だそうで,震災後の動植物たちの様子も聞けると思います。問い合わせ・申し込みは鈴木さん(090-5792-6200)まで。
●6.山梨県森林総合研究所の長池さんから、「南アルプス高山帯のニホンジカをどう管理するか」というシンポジウムの案内をいただきました。2月11日(木・祝)の13時30分から16時30分まで、会場は甲府市の山梨県立大学飯田キャンパス講堂です。詳しくは以下のサイト(PDFファイル)をご覧下さい。
http://www.pref.yamanashi.jp/shinsouken/index.html
●7.環境省箱根自然環境事務所と神奈川県立生命の星・地球博物館の共催で「箱根、丹沢、富士山、伊豆半島におけるニホンジカ対策の現状」というシンポジウムを開催するそうです。2月13日(土)の13時~16時20分まで。会場は神奈川県小田原市の神奈川県立生命の星・地球博物館です。詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
http://nh.kanagawa-museum.jp/event/info/ev346.html
●8.日本自然保護協会(NACS-J)の自然観察指導員講習会というと,自然観察会をする人を養成しようという日本でもっとも老舗の講習会ですが、土日を利用して行われるのが普通です。ですが、このたび、土日に休めない人たちのために平日開催するそうです。宿泊関係や博物館関係など、土日のほうが忙しい方々にとって朗報だと思います。3/22(火)~23(水)の1泊2日。会場は東京都八王子市の八王子セミナーハウス、定員50名、参加費はNACS-J会員の方は24,500円、NACS-J会員ではない方は29,500円(ただし、受講時に22歳未満の方は27,500円)だそうです。募集期間は2/4(木)~2/25(木)必着。詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/shidoin_schedule/2015/03/no5123.html
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1.【行く年来る年】●2015→2016●
年が替わるこの機会に、昨年一年を振り返り、今年以降の活動を考えてみましょう。
◆1)乙女高原が全国レベルで放送放映された
6月17日未明にはNHKラジオ深夜便で、アンカーの須磨さんがウエハラに乙女高原についてインタビューする様子が放送されました。このインタビューは実際に乙女高原で行われました。須磨さんと一緒に歩いた乙女高原,楽しかったなぁ。また、9月20日の朝、NHK総合テレビ「さわやか自然百景」で乙女高原が紹介されました。ドローンによる草原の空撮、マルハナバチの追跡撮影など、目を離せない映像が次から次でした。これにはNHK甲府放送局の山本さんが精力的に取材してくださった成果です。このようにメディアで取り上げられることによって、乙女高原に行ったことがない人にも、乙女高原を知らない人にも、乙女高原を「伝える」ことができます。今後もますますテレビやラジオばかりでなく、新聞や雑誌、インターネット等で取り上げられればと思います。
◆2)巨大シカ柵が設置された
乙女高原の「自然」の中にシカ柵を作ることは「不自然」です。ですから、シカの影響が大きいことは分かっていながら、いままで(巨大)シカ柵を作ることには抵抗がありました。でも、一昨年2014年、マルハナバチたちから「このままでは乙女高原が危ないよ」というメッセージをもらいました。この年の夏、12年間続けてきたマルハナバチ調べ隊で初めてマルハナバチの数の極端な減少がみられたのです。そこで、市長さんに直談判し、市役所の職員の皆さんががんばって補助金を取り、6ヘクタールの草原全体を囲む延長1㎞のシカ柵設置へとこぎ着けたのです。
設置が晩秋でしたから、今年が実質的にシカ柵設置元年です。今後、シカ柵を設置した効果・影響をモニタリングしなければなりません。それは分かっているのですが、具体的にどう調べたらいいかわからないでいたところに、またも助け船を出してくださったのが元麻布大学の高槻さんでした。「シカ柵内に10箇所の調査ポイントを設置し、そこの植物たちをピンポイントで調べて、比べていけばいいよ」というのです。なるほど!と思いました。赤い塩ビテープが旗のように先端に付いているポールがそのポイントです。
◆3)乙女高原の価値をさらに発掘したい
乙女高原はすごい場所です。たとえばマルハナバチは6種類もいます。マルハナバチは冷温帯つまり寒いところに多く分布しているハチで、日本の冷温帯=北海道全体にいるマルハナバチは11種類です。いいですか、マルハナバチの本場であの広さの北海道で11種類なのに、乙女高原だけで6種類もいるんですよ。
スミレにいたっては、なんと26種類も!! これはもう驚きです。
「すごい場所」というのは、言葉を替えれば「価値ある場所」ということです。価値は、見ればすぐにわかるものは少なく、また、明らかになっていないものだらけです。乙女高原の価値は、みんなで見つけて、みんなで調べて、わからないことは専門家の助けも借りながら、「発掘」して明らかにしていったものばかりです。「草刈りによって草原が成立・維持されている」というのも、発掘された乙女高原ならではの価値ですよね。
ぼくウエハラが「乙女高原の次なる価値」になりうるのではないかと期待し、発掘するのに夢中になっているのが谷地坊主です。湿地に群生している「ゲゲケの鬼太郎たち」です。乙女高原で観察し、インターネットを使って調べましたが、とても価値までたどりつけないので、一昨年は釧路湿原に、昨年は奥日光に、谷地坊主を求めて行脚してきました。谷地坊主の「おっかけ」です。今年は霧ヶ峰に行こうかなと思っています(どなたか「霧ヶ峰の谷地坊主」に関する情報をお持ちでないですか?)。
さて、「それらの価値にお墨付きを与え、自然(や文化)を守り、持続可能な社会を作っていこう」というのが世界遺産(条約)やユネスコエコパーク(生物圏保存地域)の本来の意義のはずです。後藤知事の公約に「八ヶ岳や昇仙峡・金峰山のユネスコエコパーク登録を推進する」があり、事業が動き出そうとしています。エコパークの本来の意義と照らし合わせてみると、事業の推進に大賛成なのですが、たとえば、「山梨県には生物多様性地域戦略がない」という不備があります。また、後藤知事の公約は「滞在型の観光地づくりを進めるためにユネスコエコパーク登録を推進する」と読み取れます。生物多様性保全や持続可能な地域づくりと滞在型の観光地づくりはとても相性がいいとぼくも思いますが、かといって、観光のためのエコパークではありません。このまま事業を進めていいのか、ちょっと心配です。
◆4)乙女高原ファンクラブは設立15周年
入会金も会費もないのにちゃんと運営できていて、入会者数は600人以上。市や県と歯車がしっかり合っていて、自分で言うのもなんですが、理想的なパートナーシップが成立しています。
ですが、もちろん(?)課題もいっぱいです。これはファンクラブに限らないのですが、若い人の参加を増やしたいです。いえ、草刈りなどのイベントには多くの若い人が参加してくれますが、運営にまで携わってくれたらいいなあと思います。具体的にいうと、世話人への立候補です。どんな戦略で若い人たちを誘えばいいと思いますか?
個人的には、そろそろ事務局をどなたかに引き継いでいただきたいです。少し別の角度からファンクラブの活動に参加し、保全活動の幅を広げたいです。
また、増え続けるファンクラブの資料や備品によって、すでにウエハラの自宅の一室が占領されつつあるというのっぴきならない実態があります。どなたか、何かヒントやアドバイスをいただけませんか。
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2.【訪問報告】●生命の星・地球博物館の「スゲ展」●
「明日から博物館が休館になってしまう!」というので,年の瀬だというのに、12月27日、小田原の生命の星・地球博物館(神奈川県立博物館)に行ってきました。スゲの特別展を見るのが目的です。ラッキーなことにちょうどその日、展示を担当された学芸部長の勝山さんが勤務されており、展示解説をしていただきました。ひと通り説明を聞いた後、一人でじっくり見せていただきました。
展示室に入ってすぐのところに、「プロローグ」ともいえる展示ケースがあり,中にすげがさを頭に載せたキツネがちょこんと座っていて、目を引いていました。解説パネルの「日本の森林にはシダ、ササ、スゲが多く・・・」を読んで「そう言われて見ると、下に何が生えているかで森を分けてみると,シダの森・ササの森・スゲの森となるよなあ」と思いました。パネルの続きには「・・・原野ではアシ(ヨシ)、カヤ(ススキ)、スゲが優占します」。それだけスゲは日本の自然の中では普通の存在であり,つまり、大事な(なくてはならない)構成メンバーなんだなと思いました。
「…菅のつく苗字もあります」を読んで、「そうか,人にとってもスゲは身近な植物なんだ。菅原さんとかいるもんな。そういえば、小菅村という地名はスゲに関係あるのかな?」と思いました。
次に,スゲの概略を説明するケースがあり,いよいよその次に谷地坊主の展示ケースがありました。一番のお目当てはこれです! みると,乙女高原の谷地坊主のでっかい写真パネルがあるではありませんか。もううれしくなっちゃいました。解説パネルに「写真は山梨県乙女高原のタニガワスゲによる谷地坊主で、湧水湿地に生じていました」とありました。いいぞ,谷地坊主! 続いて「これまでタニガワスゲによる谷地坊主は知られていません」とあります。お、谷地坊主はいろいろなところにあるだろうけど、乙女の谷地坊主はちょっと特別なんだ、これはもう「乙女高原の価値の発掘」といってもいいのではないかと思いました。
あとはもうスゲスゲスゲのオンパレードです。日本に生息しているスゲ269種の標本とクローズアップ写真のセットが所狭しと並んでいました。「神奈川のスゲ」「北海道の高山のスゲ」「北海道の海岸と低地のスゲ」「東日本のスゲ」「伊豆諸島・小笠原諸島のスゲ」など地域ごとに分けられていました。さらに、「スゲの絶滅危惧種」「スゲの外来種」などのコーナーもあり、興味深かったです。
さらに、スゲ研究の歴史やアマチュア研究家たちの研究成果を紹介するコーナーもありました。
ぜひ見に行かれるといいですよ。小田原市にある神奈川県立「生命の星・地球博物館」です。開催日は2月28日まで。詳しくはホームページでお調べください。
http://nh.kanagawa-museum.jp/
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3.再掲【参加募集】●第2回 乙女高原観察交流会●
2016年 1月9日(土)
・9時 道の駅「花かげの郷 まきおか」に集合→相乗りで乙女高原へ
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
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4.再掲【活動紹介】 ●乙女高原フォーラム● 2016年1月31日(日)
日 時 2016年1月31日(日) 午後1時~3時30分
※スタッフ集合は11時半です。
スタッフにはお弁当を用意しますので,立候補される方は事前にご連絡ください。
※終了後、会場で講師を囲んでの茶話会をします。参加自由です。
また、その後、山梨駅前で「肩肘の張らない」懇親会(=食事会=飲み会)を行います。
場 所 夢わーく山梨 3階 大集会室
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
■フォーラムのテーマ
「生物多様性の妖精・スミレのふか~くてひろ~い話」
世界に400種とも600種ともいわれるスミレ属の植物。南極以外のすべての大陸に分布し、日本には60種を数えます。世界における日本の面積はわずか0.25%。その日本列島に世界の10%のスミレが分布しているというのは驚異的な数字です。それは日本列島の生物多様性の象徴といってもいいでしょう。日本列島にスミレが多いわけを紐解きながら、身近なスミレに自然史の奥深さを学びましょう。
■ゲスト いがり まさしさん
いがりさんのプロフィール
1960年愛知県豊橋市生まれ。関西学院大学文学部美学科中退。自転車で、ストリートミュージシャンをしながら、全国を放浪。その後、冨成忠夫氏の植物写真に出会い、植物写真を志す。印刷会社のカメラマンを経て、1991年独立。植物の生命としての美しさを映像で表現する一方、超アップを駆使したわかりやすい図鑑写真にも積極的に取り組んで現在に至る。2009年よりミュージシャンとしても、ライブ活動やマルチメディア作品として音楽作品を発表している。豊橋市在住
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5.再掲【活動案内】 ●2015年度総会●
日 時 3月13日(日)午前10時~(準備は9時半から)
場 所 山梨市牧丘総合会館 3階 大ホール
次 第
1.開会のことば
2.代表世話人あいさつ
3.議 事
①2015年度活動報告
②2015年度収支決算報告
③会計監査報告
④2016年度活動計画案
⑤2016年度収支予算案
⑥その他
4.その他
5.閉会のことば
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