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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第338号 2016.1.10.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【観察報告】2016年正月の乙女高原
NEW! 2.【活動報告】乙女高原観察交流会(1/09)
3.【活動案内】乙女高原フォーラム(1/31)
NEW! 4.【活動案内】乙女高原観察交流会(2/06)
5.【活動案内】ファンクラブ総会 (3/13)
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0.【ニュースニュース】
●1.なんとシカ柵の中にキツネがいるのを確認。どこから、どのように入ったか、すごく不思議なのですが、とにかく柵内にキツネがいました→1
●2.今年最初の企画である1月9日(土)の「乙女高原観察交流会」ですが、今回も4人で楽しく観察。暖冬のため、乙女高原まで楽々行けました。参加された鈴木さんがレポートを書いてくださいました→2
●3.1月31日(日)「乙女高原フォーラム」のスタッフ立候補をそろそろ締め切りたいと思います。注文する弁当数を確定しなければならないからです。20日(水)までにご連絡お願いします。
フォーラムは13時からですが,スタッフは11時30分集合です。
また、フォーラム終了後、いつものように会場でいがりさんを囲んでの茶話会をしますが,その2次会(!) もします。懇親会・食事会・飲み会です。新年会を兼ねた肩の張らない、ざっくばらんな会。会場は山梨市の駅すぐ前の「庄や」という飲み屋さんです。参加する方はぜひご連絡ください→3
●4.(再掲)次回世話人会は来年1月21日(木)午後7時半から牧丘総合会館です。ファンクラブの会員であれば,どなたでも参加できます。ぜひどうぞ。
●5.(再掲)「震災と原発事故からもうすぐ5年…福島は今どうなっているの?」というスライド&トークショー、仮設住宅のおばあちゃんたちが編んだ布ぞうり行商というイベントが行われます。1月17日(日)午前10時から12時半。会場は、山梨市駅前の「街の駅やまなし」。参加費は200円(小中学生無料)。持ち物はマイカップと筆記用具だそうです。ゲストの稲葉さんは南相馬市博物館の自然系学芸員だそうで,震災後の動植物たちの様子も聞けると思います。問い合わせ・申し込みは鈴木さん(090-5792-6200)まで。
●6.(再掲)山梨県森林総合研究所の長池さんから、「南アルプス高山帯のニホンジカをどう管理するか」というシンポジウムの案内をいただきました。2月11日(木・祝)の13時30分から16時30分まで、会場は甲府市の山梨県立大学飯田キャンパス講堂です。詳しくは以下のサイト(PDFファイル)をご覧下さい。
http://www.pref.yamanashi.jp/shinsouken/index.html
●7.(再掲)環境省箱根自然環境事務所と神奈川県立生命の星・地球博物館の共催で「箱根、丹沢、富士山、伊豆半島におけるニホンジカ対策の現状」というシンポジウムを開催するそうです。2月13日(土)の13時~16時20分まで。会場は神奈川県小田原市の神奈川県立生命の星・地球博物館です。詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
http://nh.kanagawa-museum.jp/event/info/ev346.html
●8.(再掲)日本自然保護協会(NACS-J)の自然観察指導員講習会というと,自然観察会をする人を養成しようという日本でもっとも老舗の講習会ですが、土日を利用して行われるのが普通です。ですが、このたび、土日に休めない人たちのために平日開催するそうです。宿泊関係や博物館関係など、土日のほうが忙しい方々にとって朗報だと思います。3/22(火)~23(水)の1泊2日。会場は東京都八王子市の八王子セミナーハウス、定員50名、参加費はNACS-J会員の方は24,500円、NACS-J会員ではない方は29,500円(ただし、受講時に22歳未満の方は27,500円)だそうです。募集期間は2/4(木)~2/25(木)必着。詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/shidoin_schedule/2015/03/no5123.html
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1.【観察報告】●2016年正月の乙女高原●
お正月休みを利用して、乙女高原へ行ってみました。
暖冬です。乙女湖(琴川ダム)の湖面もまったく凍っていません・・・あ、日陰に少しだけ氷がありました。とはいえ、面積でいうと1%未満。焼山も乙女も雪のユの字もありません。難なく乙女高原に到着しました。
今回の乙女訪問の目的のひとつは気温データの回収です。
乙女高原では自動的に1時間おきに気温を計測しています。原 澄さんが「いいだしっぺ」をしてくださり、雨宮浦助さんがJAフルーツ山梨・山梨支所からいただいた古い百葉箱をリニューアルしてくださった成果です。2010年から連続観測しています。おかげさまで年間平均気温や最高気温・最低気温がわかりました。ま,もちろんまったく置きっぱなしでオッケーというわけではなく、気温観測用の素子(データロガー)を1時間間隔にセットすると80数日連続しての観測ができますが、期限内に蓄積されたデータをパソコン内に回収しなければなりません。
ちなみに、2010年からの5年間の乙女高原の年平均気温は6.2℃。一番寒いのは1月で、月平均気温は-6.2℃、一番暑い8月の月平均気温は18.2℃でした。この5年間での最低気温の最低値は-15.0℃、最高気温の最高値は26.5℃でした。どんなに暑い日でも乙女高原では30℃なんていかなかったんです。
とはいえ、大雪でデータ回収が不可能だったこともあるし、パソコンにつないでデータ回収しようと思ったらエラー・・・えーっ!ということもありました。
2015年の気温はまとめはしばらくお待ちください。おそらく11・12月は今までに経験したことのない暖かさになったと思います。
さて、看板裏の温度計は1℃でした。柵の中を歩きだしました。
当然のことですが、シカの糞は見当たりません。古い糞が少しはあるかと思ったのですが、ないもんです(1月9日の観察交流会では見つかりました)。
ところが、ゲレンデのてっぺんの近くで、テンの新しい糞を発見できました。しかも3つも。ひとつは黒っぽい糞、2つめは、黒っぽくてたねが入っている糞。おそらくヤマブドウだと思います。3つめは、動物の毛ばかりの糞でした。前回来た(12月19日)ときにはありませんでしたから、テンはシカ柵設置後にシカ柵の中に入ってきて、糞をしたことになります。今度来たときに新しいものかどうか分からなくなっては困るので、以前のように採取して持ち帰りました。
シカ柵の外も歩いてみました。シカ柵に沿って375m歩きました。シカ柵から3m範囲にシカ糞がないか探しました。目視のみです。そして、2箇所でシカ糞を見つけました。また、ササの葉を食べた痕がありました。シカ柵内のササには認められません。当たり前ですが、シカはシカ柵の中には入っていないようでした。
シカ柵の外を歩いて,そのまま湿地に向かいました。谷地坊主たち、ますます鬼太郎に似てきました。ところどころ凍っていますが、水が夏と同じように流れているところもありました。おもしろいことに、草が密生している広場みたいなところに氷があるのですが、氷が盛り上がっているのです。ところどころ、テーブルくらいの広さがあります。水は低い方へと流れます。ですから、氷も低いところにできそうなのですが、なぜか氷は地面のレベルよりも盛り上がっているのです。どうしてこんなことが起こるのか不思議です・・・というか、おもしろいです。
シカ柵の中に戻りました。そして・・・見てしまったんです。キツネ。小さな頭の上にちょこんと2つの三角の耳。立ち上がって歩き始めました。草刈りが済んでいるので、全身丸見えです。ときどき立ち止まってはこちらを見ます。双眼鏡越しにキツネと目が合いました。そのうち視界から消えました。
テンがシカ柵の編み目から入り込むというのは、なんとなくイメージできます。
ぼくはシカ柵が張られる様子をリアルタイムで見ています。ポールを全部立てたら、次に、上半分の網を張り、続いて下半分の網を張っていました。下半分の網は地面でL字に折られ、ところどころペグで固定されています。地面を掘られることへの対応だと思います。
上下それぞれの網の目は一定ではありません。横幅は16㎝で一定ですが、網の一番下は網の目の高さは10㎝、それからだんだん網の目は大きくなって、一番上では20㎝ありました。ですから、足元の網の目は一番小さく、だんだん大きくなって、胸の高さくらいでいったん網の目は一番大きくなり、また小さくなって、だんだん大きくなり、一番上、高さ2m30㎝のところで、また一番大きくなっています。16×20㎝の穴だったら,テンは十分入ってこれると思うし、網はよじ登りにくいとは思いますが、人の胸の高さくらいまでなら登れると思います。
ですが、キツネがこの編み目から入ってこれるとは到底思えません。
アーノルド・シュワルツェネッガー主演のターミネーター2だったと思います。敵役の警官(じつはサイボーグ)が鉄格子に向かってまっすぐ歩いてきて、銀色に変色し、そのまま鉄格子を通り抜けてしまうシーンがあります。そんなイメージが湧きました。
話はこれだけで終わりませんでした。
帰り際、草原のすぐ下の車道で、ぼくの車のすぐ前を横断するキツネの姿がありました。大きさといい、毛並みの色といい、その汚れ具合といい、午前中、シカ柵の中で見たキツネと同一個体に見えました。
もし、本当にこれがあのキツネだったとしたら,キツネはシカ柵の内と外を行き来していることになります。これは朗報だと考えます。
じつは、シカ柵を作ることによる一番の弊害は、シカ以外の動物が柵内に入ってくることまで拒んでしまうことだと考えていました。たとえば、キツネがシカ柵内に入らなくなったら、野ネズミが増えてしまうのではないか・・・とか。
ですが、どのように入ってきたかは別にして、シカ柵内にキツネがいることを確認できたのですから、これはすごい成果だと思いました。
キツネに出会った直後、道路にゴミが落ちていました。車を止め、持ち帰ろうと拾いました。パンが入っていたビニール袋でした。そのときは気づかなかったのですが、何かの拍子に顔に手を持っていったところ、臭いのなんの。動物園の臭いです。パンの匂いに惹かれたキツネが噛みついたり、もしかしたら、中に何も入っていないことに腹を立てて、おしっこくらいひっかけたかもしれませんね。
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2.【活動報告】●乙女高原自然観察交流会・第2回● 1月9日
参加された鈴木さんからレポートをいただきました。掲載します。
新年最初の観察交流会のご報告をします。午前9時に道の駅「花かげのさと まきおか」に集合。メンバーは前回同様、植原さん・山本さん・井上さん・鈴木の4人。雲ひとつない青空で絶好の観察会日和。1台の車に乗り合わせて、早速乙女高原へと向かいました。
◆道中で
・走り始めて間もなく、金峰山の里宮である金桜神社の鳥居が見えてくる。新年最初の観察会ということもあり、今年1年の幸と安全を祈願していくこととした。
・暫く登っていくと、かなり広大な太陽光パネルが設置されていた。最近各地で大規模な開発が行われているが、自然エネルギーとはいえ環境破壊が気にかかる。
・例年なら全面結氷していてもおかしくない乙女湖も、岸辺がわずかに凍っているだけだった。今年は本当に異常な年だ。
・冬季閉鎖されている焼山峠のゲートを抜けて乙女高原に到着しても積雪はまったくない。植原さんによれば、この時期はすでに50センチ程の積雪があってもおかしくないらしい。
◆乙女高原散策
・昨年11月下旬に設置されたシカ防護柵の効果を気にしながらブラブラ歩きだす。途中比較的新しそうなシカのフンを見つけびっくりした。が、まさかシカが侵入できるはずもなく、おそらく寒さのために分解が遅いのだろう。
・この時期はなんとも地味な季節だが、そんななかレンゲツツジやツノハシバミの冬芽が確実に膨らみを増していた。生き物たちのたくましさを感じる季節でもある。
・何かないかと目を凝らしていると、ヤマナシの実の食痕を発見。きれいに割って中身を食べたようだが、犯人は不明。ネズミだろうか?
・ブナじいさんに新年のあいさつを済ませ、ロッジ前のベンチで昼食とした。
◆湿地散策
・昼食後は富士山ビュースポットを経て湿地に移動。2メートル以上あると思われるサルオガセが、カラマツの枝から垂れ下がり天使の羽衣のようで目を惹いた。
・木道を歩いていると、ところどころにテンのフンが目立つ。サルナシの皮やヤマブドウのタネを含むものもあり、秋から残っているのだろう。
・湿地を流れる沢はさすがに凍結してミニスケートリンクのようになっていた。霜柱も20センチ以上に成長している。沢の一部にはブリッジ状のツララがあり、それぞれが氷の芸術品のようだ。ようやく冬らしい景色を見ながら帰路へと向かった。
最後まで穏やかな一日で、楽しい観察会を過ごすことができました。
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3.再掲【活動紹介】 ●乙女高原フォーラム● 1月31日(日)
日 時 1月31日(日) 午後1時~3時30分
※スタッフ集合は11時半です。
スタッフにはお弁当を用意しますので,立候補される方は事前にご連絡ください。
※終了後、会場で講師を囲んでの茶話会をします。参加自由です。
また、その後、山梨駅前で懇親会(=食事会=飲み会)を行います。
場 所 夢わーく山梨 3階 大集会室
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
■フォーラムのテーマ
「生物多様性の妖精・スミレのふか~くてひろ~い話」
世界に400種とも600種ともいわれるスミレ属の植物。南極以外のすべての大陸に分布し、日本には60種を数えます。世界における日本の面積はわずか0.25%。その日本列島に世界の10%のスミレが分布しているというのは驚異的な数字です。それは日本列島の生物多様性の象徴といってもいいでしょう。日本列島にスミレが多いわけを紐解きながら、身近なスミレに自然史の奥深さを学びましょう。
■ゲスト いがり まさしさん
いがりさんのプロフィール
1960年愛知県豊橋市生まれ。関西学院大学文学部美学科中退。自転車で、ストリートミュージシャンをしながら、全国を放浪。その後、冨成忠夫氏の植物写真に出会い、植物写真を志す。印刷会社のカメラマンを経て、1991年独立。植物の生命としての美しさを映像で表現する一方、超アップを駆使したわかりやすい図鑑写真にも積極的に取り組んで現在に至る。2009年よりミュージシャンとしても、ライブ活動やマルチメディア作品として音楽作品を発表している。豊橋市在住
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4.再掲【参加募集】●第3回 乙女高原観察交流会●
●2月6日(土)9時 道の駅「花かげの郷 まきおか」に集合→相乗りで乙女高原へ
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。----------------------------------------------------------------
5.再掲【活動案内】 ●2015年度総会●
日 時 3月13日(日)午前10時~(準備は9時半から)
場 所 山梨市牧丘総合会館 3階 大ホール
次 第
1.開会のことば
2.代表世話人あいさつ
3.議 事
①2015年度活動報告
②2015年度収支決算報告
③会計監査報告
④2016年度活動計画案
⑤2016年度収支予算案
⑥その他
4.その他
5.閉会のことば
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