乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第351号(2016.7.12)



□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
    乙女高原ファンクラブ 公認
 乙女高原メールマガジン 第351号
 2016.7.12.
 発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】草の刈り取り実験(6/19)
NEW! 2.【活動報告】マルハナバチ調べ隊~初夏編(6/26)
NEW! 3.【活動報告】乙女高原観察交流会(7/02)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

0.【ニュースニュース】

●1.いよいよ乙女高原に夏が来ました! キンバイソウやシモツケ、ヤマオダマキやカラマツソウ、ノアザミやノハラアザミが咲き始めていました。そして、キンバイソウを訪れたオオマルハナバチはオシベの根元にもぐり込んで蜜を集め、シモツケを訪れたオオマルハナバチは花の上を駆けずり回って花粉を集めていました。いくら暑くても気温はせいぜい27℃。涼しい乙女高原にぜひおいでください。

●2.山梨市駅前の「街の駅やまなし」のロビーをお借りしての「乙女高原展」。第1弾「古屋光雄さん写真展」に続いて、第2弾「鈴木としえ写真展」の展示作業を本日終えました。8月末まで展示していますので,お近くに来られた折にはぜひご覧になって行ってください。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20160709

●3.乙女高原のニュースレターは年に4回発行され、普通会員に郵送されます(サポーター会員には年度始めの1回だけです)。今年度第2号(1602号)がようやく刷り上がりました。これから、これを今回の発送作業係の井上さん宅に宅配便でお送りし、井上さんによって、皆さんのお宅に発送されます。それまで待てない方は、以下のpdf版をご覧ください。盛りだくさんですよ。
http://fruits.jp/~otomefc/newsletter1602.pdf

●4.今年の夏は、ロッジ休館後しばらく休業していた乙女高原案内人によるボランティア・ガイドを再開します。その案内ちらしを作りましたので、ご活用ください。
 ガイドは7月30日、8月6日、8月13日、8月20日の4回(いずれも土曜日)。午前10時から午後3時までです。
http://fruits.jp/~otomefc/2016summer.pdf

●5.草の刈り取り実験、マルハナバチ調べ隊と、このところ1週間おきにイベントがあり、たいへん忙しい6月でした。→1,2

●6.第8回目となる乙女高原観察交流会では、たくさんの虫に出会いました。井上さんがレポートしてくださいました。→3

●7.次回世話人会は7月13日(水)です。ファンクラブ会員なら、どなたでも参加できます。ぜひおいでください。午後7時半から山梨市牧丘総合会館です。ナビを使う方は電話番号を入力してください0553-35-3612
--------------------------------------------------------------

1.【活動報告】 ●草の刈り取り実験● 6月19日(日)

 「草原内で違う時期に刈り取りをし、その影響をモニタリングし、刈り取りに対する草原植物の反応の違いを明らかにする」という刈り取り実験。この実験は元麻布大学教授・高槻成紀さんの提案で昨年まで3年間続けられました。今年は継続しない予定でしたが、やはり高槻さんの提案によって、昨年までとは違った意義の実験として継続することになりました。
 昨年までは「シカの影響のある草原での草刈り実験」でした。ですが、昨年秋に巨大シカ柵が完成しました。よって、今年は、シカの影響が完全に排除された環境下で、シカの採食と同じような効果が期待できる「刈り取り実験」を行う(=人工的にシカの採食を創り出す)ことによって、植物たちにどのような影響が現れるかを実験することになります。

 昨年までの実験では、草原内に以下の6つの方形区を設定しました。

★①6月区:6月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
 ②9月区:9月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
 ③11月区:11月に区内の全植物を刈り取る(現行の刈り取りの効果の確認)。
★④2度刈り:6月と9月に区内の全植物を刈り取って,2度刈りの効果をみる。
 ⑤選択刈り:6月に区内のススキのみを刈り取って効果をみる。
 ⑥刈り取りなし:全く刈り取りをしない区。

 このうち、今回は★印のついた2つの方形区を対象に操作しました。
 まず、高槻先生が方形区内の植物調査をし、どんな植物が、どの程度生えているかを調べます。次に、宮原さんが刈り払い機で、ていねいに区内の草を刈ります。刈った草を三枝さんとウエハラで集めて、袋に詰め、重さを測って記録します。最後に、その袋を成城学園の山小屋跡地まで運んでバラまきます。

 さすがに4年目ともなると、草の量がだいぶ減ったなと思いました。去年のデータと比べて見ても・・・
  6月区 約46キロ(2015) →約20キロ(2016)
6/9月区 約 8キロ(2015) →約 4キロ(2016)
と,およそ半分になっていました。ですから、今回の参加者は少数精鋭でしたが、作業はあっという間に終わりました。

この日、午後からは「シカ柵の効果をみたい」という高槻先生にお付き合いして、二人で草原を歩き回りました。
 さすが!と思ったのは、柵から中外両側に同じようにササが生えているところを見つけ、内外でササの草丈を計り始めたことです。古い(昨年の)笹、新しい(今年の)笹、それぞれ20本をアットランダムに、平均的なものを選んで草丈を計り、記録しました。「柵の外の方が笹が元気」と言うより、こうやって数字で示した方がずっと説得力があります(というか、数字で示せない限り説得力はないでしょう)。
 やっているのはそんなに難しいことではありませんが、それをやるとやらないでは雲泥の差です。しかも、「このとき」のデータは「このとき」にしか取りません。あとからいくら地団太を踏んでも後の祭りです。「これが科学者の態度なんだな」と思いました。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20160619


※次回の草刈り実験は9月です。
 9月18日(日)小雨決行 午前10時から12時30分 集合は乙女高原グリーンロッジ
--------------------------------------------------------------

2.【活動報告】●第14期 マルハナバチ調べ隊~初夏編● 6月26日(日)

 林道で、おいしいおいしいモミジイチゴ発見。もちろん、朝食後のデザートにしました。こんなおいしいベリーが食べられるのも、マルハナバチのおかげです。
 思わぬデザートのおかげでルンルン気分で乙女高原に着いたのですが、ショック!! シカ柵の出入り口が開いていました。これではシカに中に侵入されてしまいます。くれぐれも閉め忘れに注意してくださいね。

 さて、せっかくのマルハナバチ調べだというのに、もうレンゲツツジは終わっていますし、アヤメもがんばって咲いてはいますが往年の数ではありません。アヤメを訪れるたくさんのマルハナバチが観察できた頃、アヤメは10や20といったまとまった数で群れて咲いていました。でも、今年は1本1本が独立して咲いている感じです。「出会えるかなあ」と心配しながらラインセンサス調査に出発しました。
 案の定、なかなか出会えることができず、結局、アヤメの蜜を吸いに来ていたトラマルハナバチの働きバチ一頭と、葉の上で休んでいたコマルハナバチの雄バチ(たぶん)の2頭だけでした。

 仕方がないので,午後からの待ち伏せ調査はあきらめ、ブナじいさん→湿地までの観察ハイクをしました。ブナじいさんのまわりでは、たくさんのブナの子を見つけることができました。去年の秋は山の木の実の「なり年」で、たくさんのブナの実が落ちていました。ですから、その分、発芽する数も多かったのだと思います。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20160626

  【今後のマルハナバチ調べ隊】
盛夏編 8月6日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
初秋編 9月3日(土) 雨天中止 午前10時から午後2時半くらいまで
----------------------------------------------------------------------

3.【活動報告】●第8回 乙女高原観察交流会● 7月2日(土)

※レポートを井上敬子さんが書いてくださいました。

 7月の観察交流会は2日に行われた。今回の参加者はいつもより多く、7名であった。道の駅から2台の車に分乗して、杣口林道を登って行った。林道沿いではまだウツギの白い花がたくさん咲いていた。

 途中、ナツツバキの花が咲いているところで、車を停めて観察する。ナツツバキは特徴的な斑の木肌と白い花がたくさん咲いていた。その近くには穂状の実がたくさん垂れ下がったクマシデの木もあった。周囲を観察すると、トチノキの葉に毛虫がいる。これは何だろうと問うと、植原さんがすぐイモムシ図鑑を出して、「クスサン」の幼虫だろうと同定した。また、別の人が蛇を発見し、皆で見にいくと、道路下ののり面の小さい灌木の上に「ヤマカガシ」がとぐろを巻いてじっと動かない。なぜこんな所にというような場所である。よく見るとお腹が少し膨れているようだ。何かを呑み込んで消化中だったのか・・・。その近くのカツラの葉にもクスサンがたくさんいた。よく見ると、何かに食べられた跡なのか毛の部分だけ残っているものもあった。
 また、頭の尖った変わった形の虫もいて、また、植原さんの昆虫図鑑で、「テングアワブキ」とわかった。「・・トンボ」を発見した。道の下にはオヒョウの木の少し変わった形の葉を見ることもできた。この場所だけでも、大勢の目でいろいろなものを発見できて、とても面白かった。名残りおしいものの車に乗り込み、乙女高原へ。

 到着したのは10時20分、気温23度。この日、甲府は猛暑日だったそうだが、高原はさわやかで、カッコウやホトトギスなどの声が初夏を感じさせる。森の中に入ってマルハナバチの女王の巣穴作りを追う人もいる。ロッジ前の駐車場ではミスジチョウが地面をなめるような行動が見られた。
 草原の入り口のイタドリの所ではマメコガネが金属的な色に光ってきれいだった。またドロハマキチョッキリ、ヒゲナガオトシブミ、ルリオトシブミなどが、揺籃(おとしぶみ)づくりを頑張っている様子が見られた。草原のあちこちにあるイタドリなどでオトシブミの仕事の痕跡が見られた。
 森のコースから展望台へ向かう。 夏の案内に備えて山本さんはマークをつけていく。他のメンバーはその後をあれこれ見ながら進んだ。ウラジャノメ、巨大化したエイザンスミレやアケボノスミレの葉などを見た。この時期は春と夏の境で花は少ないが、ヤマオダマキ、ニガナ、アヤメ、キンポウゲ、ノアザミ、ヤマハタザオなどが見られた。
 展望台では富士山が雲の上に見えていた。シャクトリムシ状の虫がいて、これはヒョウモンエダシャクの幼虫だとイモムシ図鑑ですぐ調べてもらう。草原のコースを下っていくと、ヒヨドリバナやチダケサシ、キンバイソウなど咲き始めているものもあった。鹿柵の効果か、草本類が元気のような気がした。ノアザミの花にとまったウラギンヒョウモン、高いモミの枝先で鳴いているホオジロなどを観察しながらロッジ前に戻る。
 ロッジ前のイタドリの所でまた虫を発見。白い体で背中にはタワーのような形の黒い模様がある。ヒメシロコブゾウムシというそうだ。本当に東京タワーかエッフェル塔のように見える模様だった。ここで昼食タイムにする。

 午後、ツツジのコース、以前の鹿柵のあたりをまわる。トラマルハナバチが、アヤメの花に来ていて、次々にアヤメを回って蜜集めをしていて、アヤメとマルハナバチの関係がよくわかった。モズの鳴き声もする。再び森の中に入って、ブナじいさんの所に向かう途中、山本さんが、クモキリソウが咲いているのを発見。花はどうなっているのかなど地面に近づいて観察する。もう咲き終わっていたがエゾスズランもあった。ブナじいさんの近くでもランの仲間らしいものを見つける。まだ咲いてはいなかったが、ランに詳しい山本さんがオオバノトンボソウと教えてくれる。そして森のコースを下っていくと、触角の形や模様が特徴的なかっこいい虫を発見。植原さんがオオトラフコガネと教えてくれる。この日は本当にいろいろな虫に出会えた。

 最後に皆で一言ずつ感想を言い合った。皆、虫の目になって、普段なら気づかないようないろいろな虫を発見、観察できてとてもおもしろかった、昆虫図鑑やイモムシ図鑑を買ってもっと虫を知りたいなどの声が多かった。多くの目でいろいろなものを観察することができて、充実した観察会であった。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20160702

  【乙女高原観察交流会の注意事項】
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。

  【乙女高原観察交流会の今後の予定】
8月6日(土)10:00~14:30 自然観察交流会⑤ 兼・マルハナ調べ隊(盛夏編)集合:乙女高原グリーンロッジ
9月3日(土)10:00~14:30 自然観察交流会⑥ 兼・マルハナ調べ隊(初秋編)集合:乙女高原グリーンロッジ
10月1日(土)9:00~ 自然観察交流会⑦ 集合 牧丘道の駅
11月5 日(土)9:00~ 自然観察交流会⑧ 集合 牧丘道の駅
12月3日(土)9:00~ 自然観察交流会⑨ 集合 牧丘道の駅
1月7日(土)9:00~ 自然観察交流会⑩ 集合 牧丘道の駅
2月4日(土)9:00~ 自然観察交流会⑪ 集合 牧丘道の駅
3月4日(土)9:00~ 自然観察交流会⑫ 集合 牧丘道の駅
----------------------------------------------------------------





乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン >  第351号(2016.7.12)        →ページトップ