乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第362号(2016.12.18)
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第362号 2016.12.18.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動報告】乙女高原観察交流会 12月3日(土)
2.【活動案内】乙女高原観察交流会 2017年1月7日(土)
3.【活動案内】乙女高原フォーラム 2017年1月29日(日)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
0.【ニュースニュース】
●1.街の駅やまなしの展示を新しくしました。街の駅の一角をお借りして5月から始めた乙女高原展は「古屋光雄写真展」「鈴木としえ写真展」「古屋光雄写真展Ⅱ」「草刈りボランティア展」と行ってきて、今回がシーズン5です。「乙女高原フォーラムと(今回の乙女高原フォーラムのテーマである)谷地坊主展」。今まで行ってきたフォーラムの全部のポスターやちらしを並べてみました。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20161210
ぜひご覧になってくださいね。街の駅やまなしは、JR中央線山梨市駅下車、徒歩1分です。
http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html
●2.「標高1700mの乙女高原でカヤネズミの地上巣発見」について。さっそく高槻さんからコメントをいただきました。改めて、注意深く観察しないと見落とすこと・誤解することがあるなと反省しました。高槻さん曰く「細い草は細く裂いた結果というより、もともと細い葉を利用したのではないか」とのこと。カヤネズミの巣のことをもっともっと知りたいと思いました。12月の観察交流会でも「カヤネズミの巣探し」に一番時間を使いました→1 (以下、高槻さんのコメントです)
※ ※ ※
「マガジン」いつもありがとうございます。今回はカヤネズミの地表巣がくわしくのっていて臨場感がありました。その記述に「イネ科の葉が細かく裂かれて」とあります。私はひとつ持ち帰っていますが、内部の細い繊維のようなのはイネ科もありますが、ホソバヒカゲスゲと思われるスゲのほうが多いようです。それは幅2,3mmなので裂かれてはいません。私の感じではザクッとした巣の大枠は粗いイネ科で作り、「内張り」の仕上げに細いスゲを使うようです。もちろん順序はこの順でしょう。おそらく雨のことを考えると全部を細いものにしないほうが居心地がよいのではないかと思います。それといくつかのものはコケがありましたが、あれはカヤネズミがもってきて載せたのか生えたのかわかりませんでした。いずれにしても結果的に隠蔽効果はまちがいなくあり、これを考えれば空中巣は「これみよがし」のように思えるほどです。それにはそれなりのメリットがあるのでしょうが、安定性、安全性は地表巣のほうがあるように思います。
ついでにいえば私は「空中巣」という表現はよくなくて、「茎上巣」がよいと思います。
●3.来年1月29日(日)に、山梨市の「夢わーく山梨」で開催予定の「第16回 乙女高原フォーラム」のちらしが刷り上がりました。テーマは「湿地のゆるキャラ!? 谷地坊主の不思議」、ゲストは神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員・勝山輝男さんです。乙女高原の谷地坊主の本体はタニガワスゲという植物なのですが,勝山さんはスゲの専門家で、「日本のスゲ」という図鑑を出されているほどです。
ちらしがほしい方、ちらし配布にご協力いただける方は、ぜひご連絡ください。送料事務局負担で、何部でもお送りします。
なお、この日はフォーラム終了後、山梨市駅前の居酒屋で打ち上げ懇親会を開催予定です。今から予定を開けておいてくださいね。駅のすぐ近くなので、電車を利用しても帰れます→3
●4.次回世話人会は1月19日(木)です。ファンクラブ会員なら、どなたでも参加できます。ぜひおいでください。花かげホールのがけの下の総合会館ではなく、牧丘病院の少し南、山梨市役所牧丘支所の2階、第4会議室です。午後7時半から。お間違いのないよう・・・。
----------------------------------------------------------------
1.【活動報告】●乙女高原観察交流会● 12月3日(土)
※山本さんがレポートを書いてくださいました。
12月の観察交流会参加者は植原さん、鈴木さん、井上さん、それに私の観察仲間が3人で、私を含めて7人が道の駅に集合しました。みんなの思いは同じでしょうか、下草刈りの時に発見されたカヤネズミの巣を探すことでした。車2台で出発、いつもは林道途中で寄り道するのを、今回は乙女高原まで直行で車を走らせました。
柳平を過ぎて焼山峠に向かう林道で前を走っていた車が停車、運転していた植原さんが車から降りて道路に落ちていたものを拾いました。ゴミかと思われたものはキオビホオナガスズメバチの古くなった巣でした。カラマツの枝についていたものが枝と一緒に落ちたようです。山地の木枝に灰色の紙で包んだような巣を作るのはホオナガスズメバチの仲間で、キオビホオナガスズメバチは標高のある中部山地で多く見られるとのことです。
林道も乙女高原も下草刈り直後に降った雪はまったくといっていいほど残っていません。天気も晴れで風もなく小春日和の好条件下でのカヤネズミの巣探しとなりました。
下草刈りの時に巣を見て知識のある植原さんと井上さんがさっそく見つけてくれました。巣はススキの株基の地面に作られていて、外側は粗くできていますが内部は細かく切り裂かれたものになっています。横に出入り口が作られていて1か所のものと2か所のものが見られました。下草刈りで上半分が刈り払われてしまっているものや、刈り払われるのをまぬがれてそのまま残っているものもあり、植原さんが物差しを取り出してそれぞれの巣の大きさを測ります。丸ごと取り上げることのできた巣を植原さんが持ち帰られたので、標本として乙女高原フォーラムで展示してくれるとうれしいです。
参加したメンバーも巣の様子がわかってくると自分でも見つけられるようになりました。そして乙女高原にかなりの数の巣があることがわかりました。来年からはきちっと数を数えてみたいです。そのための調査体制をとることが望まれます。下草刈りの前に巣探しをしてみたらとも考えましたが、一般に作られているような地上1mあたりに巣があるのならまだしも、乙女高原では地上に作られているので、ススキが刈られてない状態ではとても探せそうもないと思いました。下草刈りの前に手刈り作業をしながら探してみるといったことなら可能性はありそうです。
カヤネズミの巣探しをしながら花が実になっているものの観察も行いました。ヤマラッキョウ、キリンソウ、トモエソウ、チダケサシ、ツリガネニンジン、マルバダケブキといった花の果実が目につきました。すでに種子は散布されてしまって空のものも見られました。ヤエガワカンバの果穂が枝についたままで、ダケカンバの果穂は枝ごと落ちていました。小林さんも途中から合流してくれ、午前中いっぱいカヤネズミの巣探しを行いました。
よもぎ頭まで上がって富士山の展望を楽しんでからロッジに戻って昼食をとりました。ホソミオツネントンボがベンチにとまって仲間入りしてくれました。12月でもこんなに楽しい観察交流会ができるのは乙女高原がそれだけすばらしい所だということだと思います。
昼食をとった後、植原さんは鈴木さんと谷地坊主を観てから先に帰るというので、残りのメンバーでもう少し観察をしようかとも思いましたが、あまりにも天気が良かったので小楢山に行ってみることになりました。山頂へは行かず小楢峠へと回って幕岩に登り、富士山、南アルプス、八ヶ岳、金峰山の360度の眺望を楽しみました。
道の駅に戻った時にはすでに暗くなっていて、火星が月に近づいている時期だと井上さんが教えてくれたので、火星と三日月を観賞してからの帰宅となりました。
----------------------------------------------------------------
2.(再掲)【活動案内】●第10回 乙女高原観察交流会●
2017年1月7日(土)(土)9時
道の駅「花かげの郷 まきおか」に集合→相乗りで乙女高原へ
【乙女高原観察交流会の今後の予定】
2017年
2月4日(土)9:00~ 自然観察交流会⑪ 集合 牧丘道の駅
3月4日(土)9:00~ 自然観察交流会⑫ 集合 牧丘道の駅
【乙女高原観察交流会の注意事項】
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
--------------------------------------------------------------
3.(再掲)【活動案内】 ●乙女高原フォーラム● 1月29日(日)
http://fruits.jp/~otomefc/2017forum.pdf
日 時 2017年1月29日(日) 午後1時~3時30分
※スタッフ集合は11時半です。
スタッフにはお弁当を用意しますので,立候補される方は事前にご連絡ください。
※終了後、会場で講師を囲んでの茶話会をします。参加自由です。
また、その後、山梨駅前で懇親会(=食事会=飲み会)を行う予定です。
場 所 夢わーく山梨 3階 大集会室
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
■フォーラムのテーマ
「湿地のゆるキャラ?! 谷地坊主の不思議」
乙女高原の湿地に行くと、草の株がこんもり盛り上がり、「露天風呂に多くの人が肩までつかっている」ように見える場所があります。しかも、ただの人ではなく、長い毛がふさふさと伸びたゲゲゲの鬼太郎のよう。これを谷地坊主といいます。口や目を描くと、ゆるキャラみたいです。
たくさんのゲゲゲの鬼太郎が湿地の中に並んでいる光景は乙女高原では珍しくありませんが、こんなに多くの谷地坊主が見られる場所はそうありません。いくつもの条件が奇跡的に重ならなければ、草の株はこんな形に茂らないのです。
今回の乙女高原フォーラムでは、谷地坊主を作っているスゲという植物の第一人者である勝山輝男さんをゲストにお迎えし、谷地坊主の不思議な生い立ちと、それが乙女高原に存在する意義を探っていきたいと思います。
■ゲスト
勝山 輝男さん
勝山さんのプロフィール
1955年神奈川県横浜市生まれ。学生時代には山岳部に所属し年間100日以上山に入っていた。現在は神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員。専門はカヤツリグサ科スゲ属植物の分類。
神奈川県足柄下郡湯河原町在住。湯河原町は東海道線が走り、東京へ通える距離にありながら、海岸から1000mの山まであり、おまけに温泉まであって気に入っている。
おもな著書
「日本のスゲ」(文一総合出版)
「イネ科ハンドブック」(文一総合出版・共著)
「カヤツリグサ科ハンドブック」(文一総合出版・共著)
「改訂新版 日本の野生植物」(平凡社・分担執筆)など
--------------------------------------------------------------
乙女高原ファンクラブトップ > メールマガジン > 第362号(2016.12.18) →ページトップ