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乙女高原ファンクラブ 公認
乙女高原メールマガジン 第380号 2017.11.3.
発行者:植原 彰(乙女高原のある山梨市牧丘町)
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▲▼ もくじ ▼▲
NEW! 0.【ニュースニュース】
NEW! 1.【活動案内】乙女高原自然観察交流会 11月04日(土)
2.【活動案内】草刈りボランティア 11月23日(木・祝)
NEW! 3.【活動案内】乙女高原フォーラム 2018年1月28日(日)
NEW! 4.【オピニオン】甲武信ユネスコエコパークに多言 植原 彰
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0.【ニュースニュース】
●1.草刈りボランティアまであと20日になりました。皆さん、ぜひご参加ください。
草刈りボランティアは18周年を迎えます。毎年参加している方はあれからもう18才も年を取り、スタッフもじわりじわりと減っているのが実情です。スタッフとしてご参加いただけると、とってもありがたいです→2
●2.今年も山梨市駅←→乙女高原往復の送迎バス(無料)が運行されます。朝は山梨市駅前8時出発です。すでに受け付けが始まっています。先着順です。まだ空きがあります。ぜひどうぞ! 詳しいことは以下のサイトをご覧ください→2
http://blog.goo.ne.jp/otomebus
●3.「乙女高原を月に一度、定期的に観察しよう」という趣旨で始まった「乙女高原自然観察交流会」。次回は明日の土曜日、11月4日(土)です。朝9時に道の駅「花かげの郷牧丘」に集まり、乗り合わせで乙女へ向かいます。今度はどんな自然に出会えるでしょうか?→1
●4.草刈りボランティアの現地準備をします。11月12日(日)午前10時からです。「ブナじいさんのふとんかけ」の準備として杭打ち、草刈りの区画を示すためのロープ張り、ロッジ内の掃除などです。参加していただけると、非常にありがたいです→2
●5.JR中央線・山梨市駅を降りてすぐのところにある「街の駅やまなし」
http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yamanashi_02.html
ここで乙女高原の常設展示を行っていますが、今は乙女高原展シーズン10「草刈りボランティア」の展示をしています。「どうして自然を守るために草刈りするのか?」「草刈りしないと草原はどうなっちゃうのか?」などを解説しています。また、今までの草刈りのちらしを一挙に展示しています。お近くに来た際に、ぜひお立ち寄りください。
http://blog.goo.ne.jp/otomefcact/d/20171001
●6.次回世話人会は11月16日(木)、午後7時30分、山梨市役所牧丘支所2階の第4会議室です。会員であれば、どなたでも参加できます。ぜひご参加ください。
●7.乙女高原フォーラムのゲストが決まりました。以前一度お願いしたことのある都留文科大学特任教授の北垣憲仁さん。人の暮らしのすぐ近くにいる小さな哺乳類たちの研究者です。以前、NHKの「ダーウィンがきた」の「カワネズミ」の時にご出演なされたこともあります。乙女高原の小さな哺乳類(なかま)たちのお話をしていただきます。来年1月28日(日)午後1時から→3
●8.「乙女高原フェロー」を目指しましょう!「乙女高原フェロー」とは・・・①「遊歩道づくり」「草刈り」「フォーラム」を含め、乙女高原ファンクラブの活動に参加したらカードにスタンプを押してもらいます。②スタンプが10個集まると、ステキな景品がもらえます。③カードは乙女高原の活動で無料でお配りしています・・・という制度です。景品は乙女高原フォーラムの席上でお渡しします。詳しくはメールマガジン369号を。
http://fruits.jp/~otomefc/maga369.html
●9.「高原の乙女」という乙女高原の曲を作ってくださった甲州市出身のシンガーソングライター沢登秀信さんのコンサートが行われます。11月11日(土)午後5時開場、5時半開演。予約2000円、当日2500円。場所は塩山駅前の「およっちょいぷらざ七里」。予約はBOB企画の留守番電話かメールに、①お名前②連絡先③人数を。電話042-585-6955。
メール info@SAWANOBORI.COM
●10.10年目を迎えた神社の境内で自然観察と絵本の読み聞かせをする「おおぞらの下のおはなし会」。今度は12月10日(日)、午前10時から12時まで行います。自然観察はウエハラがコーディネートします。問い合わせ・申し込みは「おはなしのへや もも」
https://www.facebook.com/%E3%81%8A%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%B8%E3%82%84-%E3%82%82%E3%82%82-304077006383131/
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1.【活動案内】 ●乙女高原自然観察交流会● 11月04日(土)
■月 日 11月4日(土)
■集 合 午前9時 道の駅 はなかげの郷牧丘(国道140号沿い)
乗り合わせて乙女高原に向かいます。
■持ち物 弁当,水筒,あとは観察用具。標高が高いので十分な防寒着を用意してください。
■参加費 無料。
■乙女高原観察交流会■
●乙女高原ファンクラブとしての行事でなく、参加者各自の自主的活動として行うもので、活動に伴う旅費や飲食、傷害保険などすべて自己責任となります。
●途中からの参加や、午前中だけの参加など自由ですが、解散時間の目安は、現地3時、道の駅3時半とします。
●雨天の場合などは現地には行かず、道の駅での交流会にしたり、早めに散会するなど、参加者各自の意思で決めてもらいます。
●参加者は、乙女高原ファンクラブのメルマガメンバーとしますが、お知り合いを同行されることは自由です。
●乙女高原観察を通した交流目的のため、参加者間で情報を共有できるように、乙女高原ファンクラブ世話人会の了承のもと、メルマガなどを利用させていただきます。
●今後の予定
12/02土 9:00~ 乙女高原自然観察交流会⑨ & カヤネズミの巣調査
01/06土 9:00~ 乙女高原自然観察交流会⑩
02/03土 9:00~ 乙女高原自然観察交流会⑪
03/03土 9:00~ 乙女高原自然観察交流会⑫
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2.【活動案内】 ●草刈りボランティア● 11月23日(木・祝)
・日 時 11月23日(木・祝) 少雨決行。荒天の場合26日(日)
午前9時半から午後2時
・集 合 乙女高原グリーンロッジ
・持ち物 弁当,飲み物,軍手,雨具,おわん・はし(豚汁用),お持ちの方はかまなどの道具。
・参加費 無 料(主催者負担で保険に加入)
・内 容 草刈り,草の運び出し,ロープ回収,ゴミ拾い,キッズボランティア,豚汁作りなど
■駅から送迎バスで■
昨年同様、今年の草刈りボランティアに山梨市駅からの送迎バスを用意させていただきました(無料)。ご活用ください。行きは山梨市駅8:00→乙女高原9:00。帰りは乙女高原14:00→山梨市駅15:00。必ず往復ともご利用ください。
申し込み条件は、①お一人で4人分まで、②メールのみの受付(電話等不可)、③定員27人。先着順です。詳しくは、以下のサイトで。
http://blog.goo.ne.jp/otomebus
■草刈りボランティア 下見と準備の会■
11月12日(日)雨天決行 10時 ロッジ前集合。午前中で終了。
・内容 キッズのルート作り、草原の区割りのテープはり、ロッジやトイレの清掃等
・午後 せっかくですからお弁当を食べて、午後から乙女高原の自然観察というのはいかが?
■乙女高原の草刈りで、スタッフ・デビューを!!
今回で18回目となる乙女高原の草刈り作業は、乙女高原の女神様に守られているのか、一度も雨に降られたことがありません。また、自画自賛・我田引水かもしれませんが、行政(市・県)・市民(ファンクラブなど)・企業(田丸、ジェイチームなど)による理想的なパートナーシップ(協働)が機能しているイベントです。晩秋の高原で一日いい汗をかいてください。
多くの皆さんが「参加者」としてだけでなく、「参加者のお世話をする人(スタッフ)」として参加していただけたら、ありがたいです。
・スタッフの例(詳しくは事務局にお問い合わせください)
1駐車場係 →朝、車の誘導など(林道は緊急車両とゴミ収集車以外は駐車禁止)
2受 付 →朝、受付と班分け、資料と飲み物の配布など
3班の世話役 →各班の段取り。草刈り場所の提示。作業の進み具合を本部に連絡など
4キッズ班世話役→子どもたちをブナじいさんに誘導。作業の支援など
5豚汁係 →豚汁の調理。炊事用ゴム手袋等は支給します。
■ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけましょう
今年も子ども向けのプログラム,やりますよ! ブナじいさんの根元に落ち葉のふとんをかけます。毎年,保育園くらいの小さい子から小学校高学年くらいまでが参加しています。
※2012年の草刈りの様子を見ることができます。TBS『風の言葉』というたった2分のテレビ番組のユーチューブ動画なのですが、たった2分で乙女高原の草刈りの様子やその目的を上手にまとめていると思います。西島秀俊さん(テレビドラマ「MOZU」や「流星ワゴン」の主役)のナレーションもなかなかいいです。
http://www.youtube.com/watch?v=uJ2YOJSOMbI
または「風の言葉 乙女高原」で検索
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3.【活動案内】 ●乙女高原フォーラム● 1月28日(日)
日 時 2018年1月28日(日) 午後1時~3時30分
※スタッフ集合は11時半です。
スタッフにはお弁当を用意しますので,立候補される方は事前にご連絡ください。
※終了後、会場で講師を囲んでの茶話会をします。参加自由です。
場 所 夢わーく山梨 3階 大集会室
主 催 山梨市,山梨県,乙女高原ファンクラブ
定 員 ありません。どなたでも参加できます。事前申込み不要。
参加費 無 料
■フォーラムのテーマ
「乙女高原、小さな哺乳類(なかま)たちの暮らしぶり」
2016年の乙女高原草刈りボランティアの際、ススキ株の根元に小動物の巣らしきものがたくさん見つかり、その大きさや形から、日本最小のネズミ・カヤネズミの巣ではないかと思われました。もし本当なら、日本における最高標高地点での発見です。巣の形態を調べたり、見つけた糞のDNA分析をしたり、草原にわなを仕掛けて実際にネズミを捕獲してみたり、本やネットで調べたりして、なんとかそれを確かめようとしています。
乙女高原にカヤネズミが本当にいるかどうかはまだはっきりしませんが、確かめる過程で判ったことは「ネズミなど乙女高原に暮らす小さな哺乳類たちの暮らしぶりについて、私たちはなにも知らない・情報もない」という現実です。今回は観察を通して小さな哺乳類たちの暮らしぶりを研究されてきた北垣さんをゲストにお迎えし、小さな哺乳類たちの暮らしぶりや、その観察方法についてお話を聞き、今後の乙女高原の活動に活かしたいと思います。
■ゲスト 北垣 憲仁さん
きたがき けんじさん。都留文科大学特任教授(動物行動学)。カワネズミやカヤネズミなど身近な小型哺乳類の暮らしぶりを野外での観察をとおして研究している。著書に『カワネズミの谷』(フレーベル館)や『小学館の図鑑NEO・動物』(分担執筆・小学館)などがある。ファンクラブとの関わりは,乙女高原案内人養成講座の講師をお願いしたり,乙女高原案内人キャンプにお招きしたり。フォーラムのゲストは2006年(第5回)以来2回目。
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4.【オピニオン】●甲武信ユネスコエコパークに多言● 植原 彰
11月1日の山梨日々新聞一面に「甲武信エコパーク再申請」という記事が大きく載っていました。
エコパークというのはユネスコのMAB計画に沿って作られた「自然を守りながら、それを活用した地域作りをする」という壮大なしくみづくりです。大きな特徴はゾーニングで、指定地を「手を付けないで守るエリア」「調査や学習に活用するエリア」「人が暮らすエリア。ここでは自然も社会も持続可能性が求められる」という3つのエリアに分けて、管理・活用方法を変えている点です。
乙女高原がエコパークの指定申請地内にすっぽり入っていることもあり、2015年11月と2016年1月に、事務局である県(みどり自然課)職員がウエハラのところにヒアリングに来ました。また、2016年5月の乙女高原連絡会議/世話人会にはその職員が参加してエコパークについて説明をしてくれました。メールマガジンでも、たとえば第340号2016.2.7や第337号2016.1.4で取り扱っています。
甲武信エコパークの動向が今後の乙女高原の自然を守る活動に影響を与えるのは必至です。この際ですから、甲武信エコパークについての課題をまとめてみました。とても「一言」ではまとめられません。「多言」になってしまいました。
①県土全体の保全計画あっての甲武信エコパークなど部分の計画
目標や計画を立てる時には、まずできるだけ大きな視野で、将来を見据えた目標・計画を立て、それを達成させるために、いくつかの小さな目標・計画を立てていくのが定石です。甲武信エコパークに取り組むのなら、まず、「山梨県全体の自然をどのように保全していくか」の長期目標・全体計画があって、「山梨県のうち、富士山エリアは世界遺産のしくみを使って守り、南アルプスはエコパークのしくみを使って守り、秩父地域は甲武信エコパークで・・・」というのならわかります。全体計画のないままに部分の計画を立てようとしているのですから、ちぐはぐになってしまう可能性が大きいです。これが第一の課題です。
特に甲武信エコパークの事務局は市町村ではなく県が担っているのですから、なおさら「全体計画との整合性」が求められます。
ところで、「県全体の自然を保全していく」計画にもっともふさわしいのが、「生物多様性地域戦略」です。国にはすでに国家戦略があり、生物多様性基本法によって自治体は地域戦略を作る努力義務が課せられているのですが、山梨県にはまだありません。山梨県内の市町村にも地域戦略をもっているところはありません。
ちなみに47都道府県のうち、地域戦略をもっているのは39。83%の都道府県はすでにもっているのです。以前、地域版レッドデータブックを作る際、山梨県は「レッドデータブックを持たない最後の3都道府県」の一つでした。富士山をはじめ豊かな自然に恵まれている山梨なのに、自然保護行政がこんなに遅れているのはもったいない話だなあと思います。
②指定するからには、総合的な自然の調査が必要
当たり前のことですが、そこがどんな自然なのかを知らなければ、その自然を守ることはできません。「調べる」ことは「守る」ことの大前提です。すでに調査が行われていて、たとえば、どんな地質や地形があって、どんな植物や動物がいて、そこでどんな人々の暮らしが営まれてきたかが記録されていれば、それを材料に計画を立てられますが、とても十分な調査が行われているとはいえません。
その証拠に、ヒアリングの際に、職員の方がもってきてくれた資料には、この地域の自然の特徴として「わが国では、まれにみる長大な水成岩地域山塊で、火山を一つも含まないという、火山国日本では珍しい山岳地域」「石灰岩を主体とする地質が卓越し」とありました。
あきらかにおかしいです。西沢渓谷も昇仙峡も、主体となっているのは花崗岩であり、それは火成岩の一種です。確かに埼玉県には石灰岩でできた山があり(たとえば武甲山)、それは水成岩ですが、それを甲武信エコパーク全体の特徴とするのには無理があります。
つまり、このことは「埼玉県側の自然は調べられていて記録も残っているが、山梨県側は十分な調査が行われておらず、記録もない(だから、こんな勘違いをしてしまった)」ということを表しているのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、調べることなしに自然を守り育むことはできません。エコパーク申請を機に、生物多様性や生態系を把握するための調査が行われるとしたら、願ってもないことです。ぜひお願いしたいです。
③行政の「途中退場」はしないでほしい
乙女高原の活動への行政の関与は素晴らしいです。環境パートナーシップ(協働)が連綿と継続されています。ファンクラブの生みの親であった県の「森林文化の森」事業は「途中までは県が関わるが、地元団体が育ってきたら、その後はその団体に委ねる」という制度設計になっていました。なるほどわからないでもありませんが、つまりは「行政は途中まではやるけど、それからあとはやらないよ」と、「途中退場」を宣言しているようなものでした。環境保全で一番大事なのは継続性です。しかも、乙女高原の所有者は山梨県(県有林)であり、山梨市の一部です。ですから、乙女高原で保全活動を行っていく上で行政(県・市)が継続的に関わっていくことはとても重要です。幸い、春の遊歩道作り・秋の草刈りボランティア・冬の乙女高原フォーラムは毎年、市・県・ファンクラブの共催事業として行っていますし、ほぼ毎月行われる乙女高原連絡会議では市・県・ファンクラブの実務者が集まって話し合っています。ここには理想的ともいえる市民団体と行政との環境パートナーシップ(協働)があります。
甲武信エコパークへの取り組みに関しても「エコパークに認定されたら、それでおしまい」ではなく、
認定後も、エコパーク登録をどのように地域づくりに活かしていくかを地域と一緒に考え、実行していっていただきたいです。エコパーク認定がゴールではありませんよね。エコパークという「バッジ」が欲しいのではありませんよね。認定はあくまでスタートであリ、それをどう地域づくりに活かしていくかが大切なんですよね。
④企画段階からの市民参画はできているのか?
③に書いたこととも関連するのですが、甲武信エコパーク登録後、それを活かしてどのような地域作りをしていくか?という課題に取り組むためには、行政の継続的な支援はもちろん必要ですが、その大前提となるのが地域住民の主体的な参加です。
ところが、地域活動のキー・パースンになっているような方々と話をしても「そんな話は聞いてない」という返答ばかり。また、2016年5月に登録推進シンポジウムが行われ、自分も参加してみましたが、それ以外、エコパークの説明会等が行われたという話は聞きません。かくいう自分も、乙女高原ファンクラブの事務局としてヒアリングを受けたのですから、その後、何か連絡があるのかなと思っていましたが、何もありません。新聞記事をみて、初めて再申請することを知りました。
企画ができてからでは遅いです。市民参加のしくみを動かし始めてほしいと思います。
以上、「多言」はすべて県へのお願い・要求になってしまいました。申し訳ないなあと思いますが、エコパーク申請を中心となって進めているのが県なのですから仕方ありません。
ぼくは、今後、県が①から④にどう取り組んでいくかを見ていきたいと思っています。
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